これは「特務機関NERV」とよばれる機関で働く幹部の謎に包まれた休日を追ったお話である。



ネルフの休日


presented by ヒュペリオン様




その1:碇ゲンドウの場合

「ふぅ。やはり休日は散歩をするに限るな。」
ここは第三新東京市の郊外にある東京セントラルパークと呼ばれる大きな公園。
植物園も併設されているこの大きな公園で休日のたびにストレスと運動不足の解消のために
散歩をするのが彼、碇ゲンドウの趣味である。
いつかまたシンジと来てみたいものだと思いつつ足を進める。
そして一度休憩してから植物園に入るというのがゲンドウのいつものルートなのである。
そしていつものように10分ほど休憩しようとしてベンチに座ると、目の前を仲の良さそうな
親子が通って行くのを見てゲンドウは今は亡き妻ユイと幼かった頃のシンジの3人で
ここに来た事を思い出していた。
(そういえば昔ユイとシンジの3人でここに来たな。
その時私が買ってやったアイスをシンジが転んだ拍子に落として大泣きしてたっけな。
転んで怪我をしたショックとアイスを落としたショックでワンワン泣いてユイがなだめても
泣き止まなくてなぁ。20分位して私が『もっと大きいアイスを買ってやるからもう泣くのはやめろ』
と言ってやっと泣き止んだんだ。そういえばユイが死んでから親父の知り合いの家に預けて仕事が忙しいからと
会ってやれずに10年間随分と寂しい思いをさせてしまっていたな。そのことが原因で今、
シンジが私の事を良く思っていないのは知っている。一度シンジと話し合ってみるか。
謝って寂しい思いをさせた分、今度は一緒に暮らして愛情を注いで・・・やりた・・いな・・)
突然睡魔に襲われたゲンドウはそのまま居眠りをしてしまった。
起きた時にはもう夕方になっていたため
「・・・そろそろ帰るか。明日から出張やら何やら忙しいからな。
次の休みの時にシンジと話し合ってみるか。」
そしてゲンドウはセントラルパークをあとにした。

ちなみに1ヶ月もしないうちに本部内でゲンドウとシンジが仲良く会話をしている
姿を目撃されるようになったのは、また別の話である。


その2:冬月コウゾウの場合

「セカンドインパクトの影響とはいえ四季がなくなったのは少し寂しいな。」
ここは緑の木々が生い茂る箱根山中。
昔から山でハイキングをするのが彼、冬月コウゾウのささやかな趣味である。
彼は40年以上もこのハイキングを欠かさず続けているため同年代の人から見れば遥かに若々しく
みえる。だが若く見えると言っても流石に60代に突入した体は悲鳴を上げ始めている。
そして少し休憩しようと道端の椅子に座って景色を眺めていると、目の前を自分と同じくらいの男と
娘とおぼしき女性が通って行った。
それを見て冬月はセカンドインパクト前のまだ四季があった時代に今は亡き自分の教え子だった女性と
ハイキングに来たのを思い出した。
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               ・
『冬月先生、今日は私なんかを誘ってくださってありがとうございます。』
『いやいや。君のような可憐な女性とハイキングに来れて私も嬉しいよ、ユイ君。』
冬月は後に自分の上司となる男の妻で形而上生物学の教え子である碇ユイとハイキングに来ていた。
『ところでユイ君は六分儀君とは仲良くやっているのかね?』
『はい。彼はとてもカワイイ人なんですよ。ただ外見があれだからわかってくれる人が少ないだけで、
本当はとても寂しがりやさんなんですよ。ゲンドウさんのお父様もお母様も私を実の娘のように
扱ってくれてとても嬉しいんです。』
『そうか。君はとてもいい人にめぐり合えたようだね。(ユイ君・・・とても嬉しそうだな。)』
『冬月先生、またハイキングに誘ってくださいね。』
『私のようなオジサンでよければいつでも誘わせてもらおう。その時は六分儀君も一緒にな。』
『はい。ゲンドウさんにも言っておきますね。』
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               ・
(だがその機会は来る事はなかった。セカンドインパクトが起きてしまったからな。)
冬月はふと時計を見た。
「少々物思いに耽りすぎたな。少し早いが帰るとしよう。」
冬月は帰路に付こうと立ち上がってふと思い出した。
(そういえば碇のやつ・・・この間「冬月。私はシンジと和解したいと思う。」なんて言ってたな。
碇とシンジ君が仲直りしたら2人を誘ってハイキングにでも来るか。ユイ君と来たこの山へな。)
そんな事を考えつつ冬月は本日の夕食と翌朝の朝食の献立に頭を悩ませながら帰っていくのであった。

その後冬月の願いが叶ったのは碇父子が和解してから1ヶ月程してからだったらしい。



Fin...


(あとがき)

ヒュペリオン(以下ヒュ):初めまして。作者のヒュペリオンです。私の処女作は如何でしたか?
  私の人生で初となる執筆の為、非常に稚拙な内容だと思います。
  一応ネルフのトップ2人組の休日はこんな感じなんだろうな…二人ともいい歳だし(爆)
  とかいろいろ想像しながら足りない頭をフル回転させて書きました。
  東京セントラルパークは郊外にあるのに中央です。なんでだろ・・・。
  モデルは埼○県の某所です。
  とりあえず特別ゲストを2人招待しております。どうぞ!!

シンジ(以下シ):こ・・こんにちは。碇シンジです。よろしくお願いします。

ゲンドウ(以下ゲン):・・・。ゲンドウだ。

ヒュ:・・・さてシンジ君、司令の趣味はどうかな?

シ:なんか意外です。こんな父さん初めて見た・・・。もっと他の思い出も知りたいとか思いました。

ゲン:構わん。後で家に帰ったときにでも話してやる。それより作者よ・・・。

ヒュ:はい?何ですか?

ゲン:私とユイが出会った頃の話を書け。短編で構わんからな。

シ:と・・・父さん、そんな高圧的な頼み方じゃ駄目だよ・・・。かえって書いてくれないよ・・・

ゲン:問題ない。実際お前はこの頼み方で初号機に乗った。違うか?

シ:そ、そんな!!あの時とは状況が違うよ・・・。第一あの時は綾波が・・・その・・・可哀想だったし・・・ミサトさんも乗れ
  って言うし・・・

ヒュ:まぁ別に似たような構想は既にあったから別に構いませんが・・・結構かかりますよ?

ゲン・シ:あったのかよ・・・

ヒュ:(突っ込むところはそこなんだ・・・)

ゲン:こいつは単細胞だから純粋な感想や誤字・脱字等の指摘を送ってやると喜ぶ。だがスパムや悪質なメール

  を送ると捻くれて書かなくなる。だから変なメールはやめたほうがいい。

シ:まぁこんなアホな作者ですがどうか温かい目で見てやってください。

一同:宜しくお願いします。

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