Rel. 1.0(HTML) : 2/24/2006
A.S.G(Project-N)
原案 : 斎藤 和哉
文章 : 茂州 一宇


 街の中心部では雑踏が一日中消えない街。

 深夜、日をまたごうとするこの時間も眠る事の無い街。

 

 

 不夜城……。

 

 

 ある意味、繁栄を謳歌している証。

 ある意味、エネルギーの無駄遣い。

 この地の場合、幸い、地熱発電でかなりの割合をまかなえているらしいが……。

 

 それでも住宅地の方にまで騒音が行かない様に街は設計されていた。住宅地は郊外に集める。間には緩衝地帯として、公共機関を置く。完全に計画的に設計された街……。

 人の業 (ごう) が集積された街。ここは、もっとも楽園 (エデン) から遠い地。だがそれ故に、とても人間らしく、ある意味退廃した街……。

 

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 治安までもが都市計画に組込まれた結果、物件の価格帯毎に区画が整理されている。

 治安を守る側からすれば効率的な街。しかし、住民感情や国の行く末を考えると、望ましいとは言えない街。

 人が浅ましいと思いながらも消す事の出来ない、他人に対する優越感、劣等感差別……。無くせないからこそ、それを抑え込み乗越える事は素晴しい事。もっとも、そこまで出来た人間などいやしないのが現実。

 

 そんな住宅地の中で、中堅クラスのマンションが建並ぶ区画。

 そこに建つ、二十四階建ての家族向けのマンションの一室。東側の角だからか、南側だけでなく東側にまでベランダが付いている、少し広めの物件。その中の東向きのフローリングの六畳部屋。

 南側には他の部屋が在るので窓は無く、月明りが差込んでは来ない。もっとも、現在熱帯に在るこの国では、南向きなどと言う言葉は、どちらか言うと余り良い意味ではない。年中暑いのだから、気温の上がる日中に日照りが良くても嬉しくないのである。この辺りは、セカンドインパクト以前の沖縄の住宅事情に似ていると言える。

 

 カーテンが引かれた室内には、ベッド、小さな机、備付けのクローゼットと、小物を収納する多段棚が一つ。家具は多くない。

 床には、少しの玩具が転がっているが、古典的な、積木が中心。今の時代にしては珍しく、電子機器の類が非常に少ない。

 

 そんな部屋のベッドに小さな影……。

 

『ねぇ…』

 少し淋しそうな声が聞える。

『うん?』

 それに答える様な声が聞えるが、同じ者の声に聞える。

『どうして、僕達はこんな形で生きてるんだろうね…』

 問い掛ける声。だけど、答えも知ってる様な響き……。

『さあ……、きっと、神様の気紛れなんだろう……』

『だろうね……』

『うん……』

 深夜、月明りも届かぬ暗い室内に、会話が聞える。しかし、そこには一人の小さな男の子の姿しかなかった。

 

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 暫くして、男の子の表情が変る。

『来るよ……』

『うん、来るね……。行かなきゃ……』

 悲しそうな声で答えながら、ベッドから起上がる小さな影。

『どうして、みんなは、仲良く出来ないのかな……。望めば、一緒に生きて行けたのに……』

『君は心を開いたけれど、みんなは心を開いてないからだろうね』

 彼は何度か同じ問答を繰返しているのだが、それで割切れるものではないのだろう。

『そっか……。でも、辛いね……』

『そうだね……。彼らも、兄弟だから……』

 

 男の子は、目の前で掌を合わせると、ゆっくりと目を閉じる。そして、掌を左右に離して行くと、その間から、鈍く紅 (あか) の光を放つ、二股の槍 ── 裁きの槍 ── が姿を現した。

 宙に浮んでいるその槍を右手で掴 (つか) むと、その幼子はサッシを開き、その先に在るベランダに置かれている木製の踏台を蹴ると、外へと飛出した。

 そこは、マンションの六階。地上から十米以上の高さがある。

 だが、落ちる事は無い、何故なら、彼は空を飛んでいたから。背に、六対の紅く光る翼を広げ、寝間着姿のまま何処かへと向って行った。

 

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 朝。小鳥が鳴始める頃に、男の子は戻って来た。そっとベランダから入って、サッシを閉じる。

『眠い……。それに……』

 でも、今日は火曜日。幼稚園に行かなければならない。

『母さんに……、変な心配させちゃ……駄目だし……。でも、少しだけ……』

 男の子は、そのまま、ベッドに潜り込むと、軽い寝息を立て始めた。

 時計は、五時半前を指していた。

 

 

 カタッ……。

 

 

 廊下から小さな音がした。男の子の部屋の入口。合板の引戸が少し動いている。

 少し出来た隙間から、中を覗く人影……。

 

 日本人には珍しい、明るい茶色の髪の女の子……。

『お兄ちゃん……、無理しないで……』

 ぽつりと呟くと、扉をそっと閉じ、隣の部屋に戻って行った。

 

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 ここは、第三新東京市。箱根と呼ばれる地に計画的に作られた都市。実験都市として設計された街…。

 

 西暦二千年。巨大な隕石が南極大陸に墜ちたが故に、世界中の海面は上昇し、地軸までもが歪んでしまった。

 世界中の、海岸に面した街の標高は、さほど高くない。それどころか、マイナス地帯だって沢山在る。今となっては、かつての首都だった東京都の中心地区は、かなりの面積が海の中。はっきり言って、使い物にならない。日本の砂浜は、全て水没。今では、人工的な砂浜しかなくなってしまっている。

 国土の全てが水没して消滅してしまった国も在るし、排他的経済水域 (EEZ) を確保していた島が水没するなんて事も珍しくは無く、その辺りのルールも大きく変ってしまった。

 何よりも、地軸のずれが及した影響がひどい。日本は、赤道に近い常夏の国になってしまったし、北米や欧州は完全に寒帯へと取込まれてしまった所が多いなんて始末。余りの寒さで、まともに居住・耕作出来なくなった地域の激増や、パイプラインの凍結で苦しめられる地域の多発が特に大きな問題になっている。実際、入手が困難になった農作物も、それなりに存在している。強引に、耕作地を移動させる事で短期解決するものは、そう多くないのだから。

 南極大陸の崩壊による海面の上昇と寒冷化、そして地軸にずれを及すほどの振動は、世界中に激しい地震をもたらした。結果、ニューヨークの様に、大きな地震と無縁だった地域の建造物は軒並倒壊。国連本部も使い物にならなくなり、先進国で一番まともな気候を保ち、少々不便な場所でも、それなりに広い土地が用意出来る日本へ本部が移ってきてしまった。こう言ったごたごたを収める政治能力に乏しい国なのだが、北半球で、まともな気候を保っていた所が東アジアを中心とした地域で、地震や津波などの対策も比較的まともだった国が日本しかなかったが故に、仕方が無かったとしか言い様がない。

 結果的に、日本には金や物資が自然と集る事となり、大規模災害からの復旧は世界で一番進む事となったが、四季というものからも縁遠い、余り暮しやすいとは言い難い国になってしまった。

 特に、北の方や高地に住んでいた人達は、変化した気温の幅が大きすぎて、現在の暑さに参ってしまっていると言う。盆地に至っては、熱がこもり続けて、大変な事になっているそうだ。

 都市部には緑が少なく、水場も多くはない。結果的に熱が籠り、エアコンの完備はほぼ必須となってしまっている。人口が激減したとは言えそれ相応に増加した電力需要に対応するため、太陽光発電パネルの住宅への設置が一般化して、エネルギー問題はある程度回避出来たものの、廃熱の方は上手く拡散される筈もなく、ヒートアイランド現象は、手の付ようがない程にひどくなってしまっていた。

 

 現代社会の人間という生き物自体が、地球環境には優しくない存在なのだから、仕方が無いと言ってしまえばそれまでなのだが…。

 

 

 

Weil Ich Nicht Allein Bin...

    

 

 

 『……』

 

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『……ちゃん』

 

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『お兄ちゃん』

 

 男の子は、小さな女の子に揺り起されていた。今は、朝の七時半。二時間ほどは眠れたと言う事になる。

『ん……? レイ……? ううん……、もう、そんな時間……?』

『うん……』

 男の子を揺り起していたのは、双子の妹、レイ。双子だが、最近、それぞれの部屋で過す様になった。子供に個室を持たせるには、少し早い気もするが、男の子には都合が良かった。最近になって、昨晩の様な事が起きる様になったから。

 

『ん……』

 起上がって、ベッドに腰掛けるが、何となく身体が重い。幼子の身体には、昨晩の出来事の負担が、少し大きい様だ。

『シャワー浴びてくる……』

『うん……。お兄ちゃん、昨日の夜……』

 レイは心配そうに、男の子に話し掛ける。何が起きたか、知っている様だ。

 その言葉を聞いて、男の子は少し悲しそうな眼で、妹の方を振返る。

『そっか……。気が付いてたんだ……。でも、内緒だからね』

『うん……』

 男の子は、のろのろと部屋を出ると、浴室へと向って行った。常夏故に、寝汗もひどい。今の日本では、日に二、三度シャワーを浴びるのが普通になってしまっている。幸いと言うべきか、気候の変化で、降水量が大幅に増え、水不足から解消された地域も多かった。高い頻度でスコールが降る様になった点は不便ではあるが…。もっとも、大幅な地軸のずれによって、海流などが乱れに乱れ、気候が安定するには、まだ時間が掛る様ではあるのだが……。

 

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 シャワーを浴びて、幼稚園に行く服を着込んで、朝ご飯を食べると、もう幼稚園に行く時間。

 早起き出来てない子供 ── この場合シンジ ── にとっては、非常に慌ただしい時間。時間に遅れると他の子供達や親御さんに迷惑が掛ってしまうのだから、母親も大変である。

『ほら、シンジ、レイ。早くしないと、お迎えのバスが来ちゃうわよ』

『うん……。ちょっと待って……』

『お母さん、お兄ちゃんがハンカチ探してるわ…』

 母が慌ててハンカチを取りに行く側には、無言で新聞を読む父の姿があった。髭面で、殆ど無表情。(近眼に老眼が加わり始めているらしい) 眼鏡を掛けているから、まだましな顔に見えている様な気がする。眼鏡には気を遣った様子はなく、今時、上黒縁プラスティック、下金属フレームという、非常にクラシカルかつ野暮ったいデザイン。もっとも、デザインを考慮したフレームの眼鏡を掛けても、「似合わない」と断言出来そうな辺りが少々物悲しい。

 毎朝どんなに慌ただしくても、やたらマイペースで、何を考えているのか良く分らず、しかもやや不気味で厳めしい顔付きと来ているのに、余り威厳のない父親。いつもの事ながら、兄妹して、「何だかなぁ……」と言う感想を抱かざるを得ない。

 

『はいはい。シンジ、ハンカチ。……じゃあ、行くわよ』

『うん』

 男の子が頷くと、母親は子供達の手を引いて、幼稚園の送迎バスが来るマンション前の広場まで連れて行く。平日の、いつもの光景だ。その間、ずっと、新聞を読んでいる父親。手間が掛らないと言うか、せめて何らかの反応をしろと言うか、存在感があるのかとか、そろそろ出勤の支度をしなくていいのかとか、突っ込み所の多い男だ。もっとも、この男の仕事は、作家だったりする。要は、出勤するも何も、仕事場は家の中。出勤の必要すらない。家族がいなかったら、まともに着替えるかどうかすら怪しいだろう。ただ、最近手がけている作品の多くが、童話や絵本と言う事を考えると、本人 (の主に外観) とのギャップが恐ろしいとも言える。

 

『ふむ……。余り手の掛らん子供に育ったと言うのは、良い事なのか悪い事なのか……。父親としては頼られない悲しさもあるが……、中々悩ましい事だ……』

 それなりに子供の事は考えている様ではあるが、それならば、情操教育をきちんとしろと言う気がしなくもない。その風貌で、濃厚な情操教育をされても、子供達がどう感じるかはまた別問題だが…。

 

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 暫くして、母親が戻ってきた。どうやら、無事に子供達を送出せた様だ。余り手が掛らない子供達に育ったとは言え、双子故に、母親に掛る負担は、それなりに大きくなっている。

 

『もうこんな時間だわ……。後の事は頼みますよ』

 そう言うと、彼女は、エプロンを外し、ジャケットを羽織ると、バッグを手に、再度玄関へと向って行った。

 

『ああ、分ったよ、ユイ。今日も、いつも通りか?』

『ええ、今日も、通常勤務の筈ですから』

 そう言うと、母親は玄関のドアに鍵を掛け、出掛けて行った。残された父親は、軽く溜息を付くと新聞を畳んで、書斎へと向う。

 

『うーむ。締切りは、来週だが……、筆が進んでいない……。困った……』

 

 そう言いながら、ワープロの立上がったノートパソコンの画面と暫く、無言の睨めっこ。勿論そんな事で、原稿がどうなる訳でもない。何か思い付けば良いのだが、こういう時に思い付かないのが世の常か。

『むむぅ……。これでは、また、リツコ君に、文句を言われてしまう……』

 リツコと言うのは、彼の担当編集者、赤木リツコの事である。二つ前の担当編集者が彼女の母親だったため、行動パターンを読まれているのが辛い。締切り間近に、気晴しにエスケープしても、すぐに見付けられてしまうのだ。それだけ、この男の行動パターンが単純とも言えるのだが……。

 

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 送迎バスの中で、シンジは半分寝ていた。隣には、妹のレイが心配そうに座っている。

『レイちゃん、シンジ君どうしたの?』

 通路を挟んだ向い側から、そばかすが目立つ女の子が問い掛ける。幼少の頃から出てしまっているそばかす故に、消えないかも知れないと言う乙女の心配事を彼女が抱えていると言う事に関しては、取り敢ず置いておこう。

『お兄ちゃん、昨日、良く眠れなかったみたいなの』

 レイは、時々バスの振動に同期する様にガラス窓に軽くおでこをぶつけている兄を心配そうに見ている。

『そう……。前にも、そんな事があったよね』

『うん……』

 レイは物静かに頷く。彼女は、余り口数が多くない。心を許している相手にしか殆ど口を開かないし、話すと言う事自体が得意ではない様だ。

 

『そっか……』

 そう呟きながら、自分の隣の席を見ると、スポーツ刈りの男の子がむすっとした表情で外を見ている。

『こっちは、いつもの事か……』

 そう呟く女の子は何となく淋しそうにしていた。

 彼は、幼稚園にいる間も、無愛想な時間が多く、自由時間に男友達とはしゃいでいる時くらいしか、笑みを見せる事がない。シンジも、かなり無愛想なのだが、こっちは万年無愛想という感じで、笑っても、その表情は何となく薄い。幼稚園の先生にしてみれば、二人とも余り扱易い子供とは言えないだろう。

 

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 バスが幼稚園に着く。妹のレイに手を引かれながら、ぼんやりと後を付いていく感じのシンジ。

 迎える側の、先生にしてみれば、それは少し心配な事である。楽しくお遊戯以前の問題で、これが原因で怪我でもしたら、大変である。「自宅で休養してくれてもいいのに…」と言う感じではあるが、現在この国の政策で、幼稚園は義務教育になっている。達成度も問われるが、それ以上に、それなりな出席日数があった方が望ましい。世の中、中々複雑に出来ている様だ。

 

『シンジ君……?』

 彼の組を担当している、伊吹マヤは名前を呼んでみる。

『……はい?』

 数拍遅れた返事。明らかに、半分眠ってるも同然な状態。

『どうしたの…?』

『……はい? ……あ……、眠いだけです……』

 「そう言えば以前にもこんな事があったわね」と思いながら、彼女はシンジを、暫く寝かせておこうと考えていた。

 

 レイに手伝われながら、のろのろと棚に荷物を置き整えていると、声が掛った。

 

『シンジさん、お早う御座います』

 少し控えめな感じに、長く艶やかな黒髪が良く似合う女の子が挨拶をしてくる。一緒のスクールバスに乗っていたのだが、彼女の性格故に話し掛けられず、この時点で今日初めての挨拶になっていた。

『あ……、うん……、お早う、マユミちゃん……』

 挨拶は返すものの、やはり妹に手を引かれたままで、今にも立ったままでも眠ってしまいそう。それを見て、マユミは先生の所に何かを訊きに行った様だ。

『マユミさん……、気が利くわ……。お兄ちゃんを任せられる人はやっぱり……』

 幼稚園児が呟く台詞ではない様な気がするものの、どうやらレイは本気でそう考えているらしい。兄のシンジは、そんな事には全然気付いていない様だが。

 

 マユミは、お昼寝用のシートとタオルケットを一組用意して、隅の方に広げ始めた。どうやら、その許可を取っていた様だ。

『さぁ、シンジさん、こちらへどうぞ』

 用意が済むと、レイからシンジの手を渡して貰い、お昼寝シートへ連れて行くと、上着を脱ぐのを手伝って、最後に横になったシンジにタオルケットを掛け、上着をきれいに畳んでいる。幼稚園児 (しかも、年中組) がここ迄手慣れていると言うのも、「何だかな〜」と言う気がするが、鈍くて、自分の身の回りの事に関しては、それなりに粗雑なシンジには丁度良い相手とも言える。問題は、どうやって、マユミの存在感をシンジに焼付け (刷込み)、シンジに意識させるかであろうが…。結構前途多難である。この点でも、忍耐強いマユミが最適という話もあるが…。少なくとも、強引な手段を用いる必要がないと言うのは望ましい事である。

『マユミさん。応援しているから…』

 レイは二人の様子をそっと見ながら、誰にも聞えない小声で呟いていた。

 

『みんなお早う。じゃあ、今日は、昨日の続きをしましょうね』

『はーい』

 伊吹先生の言葉に元気に応える子供達。今日も、暑い一日が始ろうとしている。

 

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『……あ、そん…かな…………で』

 眠っているシンジが、少し辛そうな表情で寝言を呟いた。側で、本 ── どう見ても小学生向 ── を読んでいたマユミが、なんだろうと彼の顔を覗き込む。

 シンジが険しい表情をしている。驚いて、彼の手を握ると、ぎゅっと強く握り替えされて、少し戸惑ってしまう。

『どうして……………そう……、だ…な……、……っ!』

 何か呟きながら、更に険しい表情になったかと思うと、暫くして、穏やかな表情に戻った。握られている手の力も同時に抜けて行く。

『何か……、嫌な夢でも見ていたのでしょうか……』

 心配そうに、マユミは彼に寄添い続けるのだった。

 

『なあ、レイ。シンジの奴、どないしたんや?』

『分らない。昨日、良く眠れなかったみたいなの』

 黒ジャージの上にスモッグを着た男の子 ── トウジ ── が、彼の仲の良い友達 ── シンジ ── の妹であるレイに、何となく微妙な雰囲気を漂わせている、部屋の隅の様子を尋ねている。

 

『前もこんな事、有ったか……。そん時、暫くえろう元気なかったけんなぁ……』

 彼にそっと寄添う、お下げ髪の女の子の事には何にも気付かないのに、友達の事にはある程度は気が回る様だ。

『多分、お兄ちゃん、暫く元気ないと思うよ……』

『ほぅか……。まあ、山岸が付いとるけん、何とかなるやろ』

 分っているのか、天然でそう言っているのか微妙な台詞である。

『うん……』

『ね、レイちゃん。レイちゃんも出来るだけ元気にしてた方が、シンジ君も早く元気になると思うよ』

 「やはり双子だから、普通の兄妹よりも心配なのかな……」と考えつつ、出来るだけ明るい声で励まそうとしている女の子 ── 洞木ヒカリ ──

『ええ事言うなあ、洞木』

 トウジに褒められ、少し顔をあ隠しつつも言葉を返す。

『だって、シンジ君が元気ないと、少なくとも二人、元気が無くなっちゃうのよ』

 ヒカリに言われて、男の子 ── 鈴原トウジ ── は、それもそうだという感じに頷く。

『せやなぁ……』

 

 元々元気な子がそう多くなく、繊細な子が多めの組だから、組の中で一番元気なトウジが比較的大人しくしていると、全体的に低調な雰囲気が漂ってしまう。トウジは友達の男の子達と遊ぶのが好き。しかし、セカンドインパクト直後に生れた子供達故に、環境が悪かった事もあるのだろう、男の子の数は半分を大きく割込んでいる。最近の出生データでは持直して来ている傾向はあるが、やはり、女の子の方が多いのだ。

 そんな組だから、少ない男の子の一人に元気が無く、しかも現在お昼寝中なんて現状だと、活気が無くなってしまうのは当然と言えば当然の事。受持っている、伊吹先生は新人故に、対応に苦慮している。

 

 本心を聞いたら、「これからきちんとやって行けるか不安です」とはっきり答えてくれそうな気がする。

 

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──── お昼

 

 今日は、お弁当の日。火曜と木曜がお弁当の日。

 

 ようやく起きてきたシンジは、ずっと寝ていたから、余り食欲はない。それでも、ぼーっとしたままで、食べ散らかす事もなく、スプーンとフォークで食事をしている辺り、しつけが行届いていると言うか、器用と言うか、何と言うか……。

 右隣ではマユミ、左隣ではレイが心配そうにシンジを見ているが、取り敢ずは大丈夫そうである。もっとも、普段なら、この歳では珍しく、お箸を正しく使って食べていると言うのを考えると、本調子ではないと言う事なのだろうが…。

 余談だが、妹のレイはまだお箸をきちんと使いこなせていない。既にお箸を使いこなしている兄シンジや、友達のマユミを見ると、純粋に器用で羨ましいと感じていたりする。

 

 同じテーブルには、余り上品な食べ方とは言えず、ご飯粒やおかずの欠片が少し落ちてるかなと言った感じのトウジと、年相応の食べ方ではあるけれど、こぼす事も無く食べているヒカリが着いている。

 なお、今日は、風邪でも引いたのか、いつもならトウジの隣にいる相田ケンスケと言う男の子は、欠席している。

 

『シンジはこんな感じやし、ケンスケは休みかぁ……。詰らんのぅ……』

 トウジが一番仲の良い二人がいないに等しい状態。幼稚園と言うのは、遊びながら、集団生活に慣れて行く所。完全に遊ぶ事重視で通っているトウジにとって、今日の状況は、それは詰らないに違いない。

 

『そう言えば、相田君、どうしたのかしら』

 どうやら、ヒカリは今の今迄、ケンスケの事を忘れていた様だ。彼女の中での彼の位置付けがどんなものか伺い知れる……。

『風邪と違うんか?』

 何処かで情報を聞いた様な気のするトウジは不思議そうに聞返している。ただ、思いっきり口の中に食べ物を頬張った状態のままと言うのが、彼らしい。

『あら、昨日から少し具合悪そうでしたよ。風邪じゃないんですか? 先生もそう言っていた様な…』

 妙に細かい所まで観察し、先生の言っていた事もきちんと覚えているマユミは、少し首をかしげている。

『風邪だと思う。伊吹先生がそう言ってたと思うから』

 レイは、先生の言った事は覚えていた様だ。淡々と答えながら、お弁当の「たこさんウインナー」と睨めっこをしている。

『ん……? あ、ケンスケ、休みなんだ……』

 シンジは今やっと気付いた様だ。やはり、まだ少し夢の世界の住人らしい。

 

『お兄ちゃん……』

『……うん? 何?』

 レイが少し表情を険しくしながら兄の袖を引いている。シンジは何かなと言った感じの反応だが、まだぼんやりとしている。今日一日は、ずっとこんな感じなのだろうか。

『たこさん……』

『ん…? たこさん……?』

 レイの口にした言葉に首をかしげる。普段なら気付いていると思うが、今のシンジにそれを期待するだけ無駄だろう。

『ウインナーの事でしょうか? 確か、レイさん、お肉嫌いでしたから……』

 マユミがシンジ越しにレイの方を見ながらそう答える。レイはこくりと首を縦に振った。

『ん……。あぁ……、まだ食べれない? ……そっか。じゃあ、トウジにあげるといいよ……』

 レイに問い掛け、駄目だろうな……と判断すると、シンジは薄く微笑みながらそう言う。妹はその笑みを見るとほっとした様に頷くと、ウインナーをお弁当箱を差出しながら待ちかまえているトウジにあげた。「残さず食べなさい」としつけられているためか、誰かにあげる事を兄に肯定して貰うと言うのが一つの通過儀礼の様なものになっていると見える。

 その一連の行動を見ながら、良くある事とは言え、少し呆れ顔のヒカリ。まあ、良く食べて元気な事は良い事ではあるとは思うが、度々繰返される似た様な行動は、少し呆れてくるのも分らなくもない。

 

 こうして、いつもより一人少ないテーブルは、普段と余り変らない、……いや、いつもよりは少し静かに時間が過ぎていた。何しろ、いつもだと、ケンスケが、そこそこ騒がしいからだ。それを迷惑に思っている者はいない様だが、トウジにも「落着きのない奴」と思われている辺りに、救いの無さがある様な気もする。ちなみに、トウジは、食事の時間には食べる事の方に集中している様で、それなりに大人しい。この点に関しては、ある意味扱易い子供とも言える。

 

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 ご飯が終ると、そんなに経たずに帰宅の時間になる。シンジは、レイとマユミに付添われながら帰り支度をしている。結局、幼稚園では終始ぼーっと過していた事になる。

 その後は、先生達に見送られながら送迎バスで帰宅。朝と違って、帰ってから遊ぶ約束とかでバスの中は結構賑やかである。

 

『あの、レイさん』

『何? マユミさん?』

『今日、そちらに遊びに行っても構いませんか?』

『ええ。特に用事はないから大丈夫』

 どうやら、マユミは、シンジの事が心配らしい。レイも、帰ってから、殆ど父と二人だけという時間を過すのは味気ないと感じたのか、快く応諾している。

 

『ううむ……、今日は、シンジは……無理やな……。ケンスケは……休み。うー……、あいつらは保育園やから、あかんし……。うー……』

 トウジは遊び相手がいない事に悩んでいる様だ。非常に平和である。

『霧島さん、今日、時間空いてるかしら……』

 トウジの好きな遊びには、とても対応しきれないヒカリは、他の幼稚園に通っている幼なじみの名前を口にしていた。実は、このバスは、私立の幼稚園のもの。公立の幼稚園に通っている霧島マナとは、家が近くても、どうしても疎遠になってしまうのだ。

 

『霧島か……。そう言や、なんで、わい、この幼稚園に決ったんやろ?』

『えっ?』

 ヒカリが少し驚いた声を上げる。それは、もしかすると、トウジは公立の幼稚園に行っていたかも知れないと言う事だからだ。

『おとんが、どっちでもかまんとか言うとったんが、急に、こっちにする言いだしよったけんなあ?』

 実は、彼の父親は、どちらでも構わないと思っていたのだが、彼と親しい幼なじみの殆どがこちらの幼稚園に決めたので、息子もそっちへ行かせた方がいいだろうと判断していたのだ。息子と違って、その辺りの心配りにも敏感な様である。忙しい職に就いているらしいと言うのに…。

 

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 バスから降りた碇兄妹は、迎えに来ていた父に連れられて家に帰り着く。朝とさほど変らない雰囲気の息子に、少し心配そうな表情を見せる父ゲンドウ。ただ、どう接するべきか迷っている様だ。

『お父さん、今日、マユミさんが来るわ』

 レイは、父に伝えておかないと行けない事だけを、口にする。それに対する父の反応も……

『そうか……』

の一言なのは、問題が有りそうだ……。もっとも、この二人は元々こんな感じなので、違和感は無い。ただ、この先、レイの反応をもう少し改善する様に、父である自分の行動も考えた方が良いと、気にしてはいる様だ。もっとも、その辺りは良く分ってはいるものの、大人になってしまうと、こう言う口下手な所を直すのは困難ではある。

 何処の家庭も、結構な数の問題を抱えている。この碇家という家庭はその他の面では、さほど大きな問題を抱えていないのだから、ゆっくりとでも解決して行けば良い事なのだろう。

 碇家の息子は、家庭とは関係ない、何か大きな問題を抱え込んではいる様だが…。

 

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 書斎からは奇妙な独り言が聞えてきている。これはいつもの事だから放っておこう。締切りに追われた作家なんてものは、常人離れした行動を取っても、何ら不思議ではない( ぉぃ)。まだ一週間有るからましなのだ、これが、二日前や前日になったら、きっともっと素敵 (?) 事が起きるに違いない。

 

 居間では、ソファーに転がってうつらうつらしている兄を、妹が側で電子絵本を読みながら心配そうにしていた。兄 ── シンジ ── にはタオルケットを掛けているから風邪は引かないだろう。元々、その辺りは丈夫に生れてきている。どちらかというと、この後きっと数日続く、落込んだ日々の方が見ていて辛いかも知れない。根っこはとんでもなく図太い神経が通っているらしいのだが、末端がやたら繊細なのだ。極端に長くは引きずらないものの、傷つくと暗く落込んでしまう。妹 ── レイ ── は、今回の原因を知っているが故に、その傷の深さも理解していた。

 

『お兄ちゃん……。でも、私には、何も出来ない……』

 悲しそうに呟きながら、ページをめくろうと、ページボタンへ手を伸そうとしたら、チャイムが鳴った。インターフォンの受話器を取って返事をする。

 

『はい。……、あ、マユミさん。今ロックを開けるわ』

 カメラの映像で、マユミを確認すると、ロック解除のボタンを押す。この辺りでは一般的かつ基本的なセキュリティ。ある意味不便とも言えるが、仕方の無い事だろう。

 マユミを迎えるためにレイは玄関に向った。暫くすると、マユミを確認出来たので、扉のロックを外す。

 

『マユミさん、いらっしゃい。お父さんが締切り前で、変な声立ててるけど、気にしないで』

『あら、そう言えば、そう言う時期ですわね。では、おじゃまします』

 マユミは、脱いだ靴を揃えると居間に向う。週に二度は来ているので、良く知った部屋でもある。

 シンジは、マユミがやってきたのには気付いていたのか、起上がって、ソファーに座った状態で、タオルケットを胸の辺りまで掛けていた。

 

『マユミちゃん……、いらっしゃい……』

『あら……。起してしまいました?』

『ううん……。いいんだよ……。今日は、ずっと寝てる……し……』

 そんな会話をしていると、レイがグレープフルーツジュースをついだコップを運んでくる。この歳でここ迄気が利くのもある意味どうかと思うが…。

 

『マユミさん、最近はどんな本を読んでるの?』

 レイは、マユミの読んでいる本に興味があるらしい。

『えーと。最近出た、「となりのせかい」と言う本とか……』

 マユミの口にした本の名前を聞いて、レイは少し驚く。この前本屋さんで少し立読みしたけれど、良く分らなかったのだ。

『あの本、漢字が使われていなかった?』

『難しい漢字はありませんし、ふりがなが振られていますわ』

『そうなの』

『えぇ』

 マユミが読んでいる本は、どれも、どう見ても一般的な幼稚園児が読むようなものではないので、そんなものと言ってしまえばそれまでではあるが……。

 

『そっか、マユミちゃん、あの本、読んでるんだ……』

 さっきまでと違って、はっきりした口調でシンジが呟く。

『あら?』

『あれ、僕は、ちょっと……苦手だな……』

 シンジの言葉にマユミは少し違和感を感じる。

『もう、読んだのですか?』

『あ、あれ、父さんが持ってるんだよ。それで、最初の方読んだんだけど……。何と言うか……。僕の好みじゃなかったと言うか……』

『そうですか』

 マユミは、何となく納得していた。子供用の本にしては、妙に内容が暗いと言うのは感じていたし、良く分らないけれど、変な感じを覚えたりもした。きっとシンジはその辺りが好きではないのだろう。

『話はいいと思うよ……。僕の好き嫌いだから』

 マユミはその時、シンジの瞳が妙に淋しそうなのに気付いてしまった。何故、本の内容でそこまで淋しく思うのかは分らなかったけれど。

 

 その後は、シンジは、またぼんやりとし始め、マユミとレイはシンジを心配しながら、レイの読んでいた電子絵本を読んだりしていた。

 

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 夕方が近くなってきた。マユミは時計を見ると、「そろそろ帰らないと」と帰り支度を始める。シンジも、帰りは見送らないと……と思ったのか、もそもそと起上がってきている。

 

『じゃあ、マユミちゃん……、また明日……』

『マユミさん、今度、お薦めの本を見せてね』

『ええ。それでは、また』

 

 マユミを見送る後ろで、父のうめき声の様な独り言が聞えたが、いつもの事なので放っておく。いつもなら、二、三度は出て来るのだが、今日は全く出てこなかった所を見ると、かなり煮詰っているのだろう。

 

『ふう……。父さん、かなり煮詰ってるね……』

『そうね。また赤木さんに見張られたりするのかしら?』

『かもねぇ……。こんな風に、本は出来てるんだって思うと、ちょっと嫌な気分にもなるけど』

 

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 六時半頃に母は帰ってきた。朝とさほど変わりない息子の様子を見て、どうしたものかと思っている様だが、それに気付いたのか、息子の方は『大丈夫だから』と返すだけである。実際、熱はないし、本当に眠いだけに見える。

 

 そして夕食。父は、煮詰っていると、家族団らんが非常に恋しくなるらしい。あれだけ閉じこもっていた書斎から出て来て、普通に食事をしている。

 母 ── ユイ ── は、兄妹をお風呂に入れて寝かせた後は、少しだけ自分の時間。父 ── ゲンドウ ── は書斎に閉じこもって何か呟いている (苦笑)

 

『あなた。根を詰めると、余計に書けないんじゃありません? 先月もこんな感じでしたよ』

『う……うむ。ユイ、すまない。しかし、他の何をするかも思い付かないのだよ……』

 ユイは夫の不器用さに呆れつつも、いつもの事なので、持ってきた紅茶を置くと、書斎を後にする。明日は、息子は元気になるだろうか。娘の元気もなくなるから、そうだといいなとか考える。

 

『私も、そろそろ……』

 こうして、取り敢ず、一人 ── ゲンドウ ── を除いて、碇家は眠りについた様だ。

 

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──── 深夜

 男の子は、ぼんやりと目を覚した。

『昨日の事は、辛かったけど、そろそろ吹っ切らないとね……』

『……うん……。そうだね……』

 呟く様な会話。でも、同じ声の会話。

『でも、君は、引きずるだろう……。僕も、それは良く分るから……』

『……簡単に忘れられる様になったら、それはそれで……駄目だとは思うけど……自分の中だけに留めておけばいい事……だと……思うから……』

『ああ……。君の心が軽くなるなら、僕が肩代りしてもいい……』

『……それは出来ないよ』

『そう……』

『うん……』

 

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 こうして、何かのあった一日は過ぎて行った。

 何が起ったかを知る者は少ない。そして、何故こうなったかを知る者も。

 

 

 不夜城、第三新東京市。

 

 

 この街の明りが完全に消える日。それは、そんな日だろうか。

 人には先の事は分らない。だからこそ、多少の不安を抱えながら今を生きている。

 

 

 

【 Ende... 】


【作者より哀を込めて】

 どうも、かな〜〜り、お久しぶりな、Project-N の和哉です。年末から一月辺りまでは、主に絵を描いてました。と言うか、元々そっちの方が、サークルでの本業だし……。二ヶ月で二十枚近く描いてたのかなぁ……。CRT と LCD では色合が変っちゃうのが困りもの。技術的に涸れてる CRT と違って、まだまだ発展途上の LCDでは色の再現性にかなり幅があるのも困りますね。

 

【余談 1】 そもそもコントラスト比が、CRT だと一般的なものでも 10,000:1 なのですが、LCD だと良くて 700:1 〜 1,000:1、安価なものは 450:1 〜 550:1 程度なのが… (ちなみに、家庭用テレビで採用されているパネルだと 1,200:1 と言う物も出て来ている様です)

【余談 2】多分、私が使っているノートPCのパネルは、安物なので、ディザリングフルカラーの26万色パネルで、コントラスト比は 450:1 程度。さすがに最近のパネルなので、色があからさまにおかしいなんて事はありませんが、色はかなり浅く表示されます (FOMA SH901iCのパネルで同じ絵を表示させると、比較的 CRT に近い色が出てくれます)

【余談 3】 あぁ、プロ (と言うかスタジオ) 用にシャープが開発した LCD に、100,000:1 のコントラスト比と、素晴しい発色特性を誇るものが有りますよねぇ…… (CRT の特性超えちゃってるし……)。プロが見ても素晴しい発色だそうで…… (当然、非常に高価な訳ですが…)。十年くらい先には、そう言う技術が民生レベルにも降りてくるのでしょうか。

 

 で、久しぶりに、新作ですが、「あーでもない、こーでもない」と悩んだ結果、出来た訳の分らない代物です。「また、こんなのを……」と言う気も……。どうでもいい事として、これの前に、二つ程、思いっきり没ってます (^^; (保留も含めるともっとあるのが…)

 一応、LMS (マユミ×シンジ) ですが、幼稚園児ですから、進展も何もあったものじゃありませんが (苦笑)

 前述の通り、訳の分らない代物で、「どうしようこれ……」と言う内容… (^^;; 。珍しく、後先考えずに、適当に文章を連ねていって出来た代物なんですよねぇ……。続いても、そんなに長くないと思うのですが、原作からの逸脱度が高いので、話をどうするか悩ましい代物だったりします (^^;; 。構成の変更点が多過ぎて、殆どオリジナルを書くのと同じ様なものになってしまっていますから……。


 茂州です。久しぶりの作品が、また変な代物の様で、困ったものですね。

 サークル作品の方では、“いい加減18禁書く?”とかそう言う話が出てるので、PG-13 止まりの内容というのは、書いててほっとすると言うのが、また何とも。


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