ネルフ NERV

第一話 SECTION-9

presented by ぶるー・べる様


(1)


 ネルフ司令公務室で冬月コウゾウ司令が電話をしている。
「軍が介入しない理由は?」
『菱友の新型多脚戦車開発には、戦自研の息がな……』
「全てを菱友に押し付けるわけか。」
『察してくれ。』
「むぅ。高くつくぞ。」
『ああ』
「UN軍は無視だろう?」
『金は出す。』
「わかった。碇君の部隊に任せよう。」


 セカンドインパクト後の悪夢を乗り切った人類の前には、希望とその隣り合わせの危険が待ち構えていた。アダムの細胞やリリスの組織を利用した人類の人工進化の可能性が示されたが、それには組織不適合による暴走と使徒化(『使徒もどき』の発生)の危険も伴ったのだ。きっかけは2004年のエヴァ初号機での接触実験であった。それまで理論的に可能とされていた人格と記憶の転写だけでなく人間の魂全てをリリスの組織に融合できることが実証された。研究機関であった人工進化研究所は、予想される使徒の襲来、及び使徒化した個体との戦闘に備えネルフを結成した。
 ネルフは司令・副司令を頂点に作戦部など8つの部門より成り立っている。そしてネルフ特殊部隊(Nerv Special Force:NSF)通称9課は、人サイズの使徒及び使徒もどきとの戦闘のため最近作られた司令直属組織であり、副司令の碇が隊長を兼任している。

 司令公務室に碇副司令が出頭した。
「司令。命令書は既に受け取っていますが?」
「まあ、初出動くらい声をかけさせてくれたまえ。」
「はい。」
「それに書類には書けなかった事もある。今回の案件は暴走による使徒化ではない。新型戦車に搭載たAIの乗っ取りによるテロにすぎん。どうして君のところに話が来たと思うね?」
「極秘に処理したいのでしょう。それに、この多脚戦車は対使徒用ですね。」
「さすがだな。やはりわかるかね。軍は極秘に処理したいこともあるが、君の部隊の能力も知りたいのだろう。今回成功すれば、かなり大型の修正予算を回してもらえる約束になっている。」
「なるほど、鮮やかに倒す必要があるのですね。しかし、日本政府からの予算を増やして使徒戦の指揮権が曖昧になりませんか?」
「どうかな、使徒が君の予測どおりの強さなら心配はあるまい。」
「できれば最初から指揮権欲しいところですね。」
「最初から高望みはするまい。目標は第二新東京市へ向かっている。戦自の警戒ラインに着く前に破壊してくれたまえ。」
「了解!」
敬礼をして部屋を退出する昔と変わらぬ美しい後姿を見ながら、冬月は感慨深げだ。
(ユイ君、任せたぞ。)


 9課作戦室では190cmはありそうな男が大声を出している。
「やっぱり信じれんぞ。おい、ぼうず、お前本当に少佐…… いや、隊長の息子か?」
「まちがいありません、ジャックさん。それと僕の名前はシンジです。ボウズじゃ、ありません。」
「だんな、大概にしなよ。顔合わすたびそれじゃあ、シンジ君にあきれられるぞ。」
ジャックはユイがUN軍にいた時の同僚でネルフにカウトされた人物である。人工骨格に人工皮膚、それにリリス由来の筋組織などでできた戦闘サイボーグだ。後から声をかけたのは加持リョウジ、AIやネットに接続するための補助脳を移植しているがほかは生身のままでいる。
「わかっちゃいるがな。ついボウズ…… シンジの面ぁ見ると言いたくなるのよ。」
「ジャックさんだって年齢不詳じゃないですか。」
リリスの組織を利用したサイボーグ(エンジェル)化処置を全身に受けると表面的な老化現象はほとんど見られなくなる。また上手く適合すれば250年ほどの寿命を得られると言われている。
「まあな。ところで加持、招集かかったんだろう。他のメンバーは?」
「ロイはサポートのボブを連れて、狙撃ポイントに向かったよ。レイちゃんは……」
「綾波は、日直だったから少し遅れるよ、ジャックさん。」
「ぐは、日直ってかぁ。天下のネルフの特殊部隊のエースがぁ。」
「まあ、対外的には普通の中学生なんだから。」
「おまえさん、そうは言うがなあぁ、俺たちの戦いが本格化したら隠し切れねえぜ。」
その時作戦室のドアが開き、彼らの美しき上司が姿を現した。
「わかってるわ、ジャック。でも子供達には、ギリギリまで普通に過ごさせてあげたいの。」
「少佐ぁ!」
「あ の ねぇー、もう階級は無いの。」
ニヤニヤ笑いのシンジと加持を一睨みしてからジャックは返事をした。
「わかったよ、怒るなって。隊長、それで任務は?」
「5分ほどでレイが戻るから、少し待って。シンジ、お茶でも淹れて。」
「うん。母…… 隊長は紅茶、加持さんは珈琲、ジャックさんはスコッチでいいですね?」
「おい、俺だけ酒か!」
「じゃあ、美味しいぶぶ漬け、いかがどすか?」
「いや、それで結構。おいおい、箒はいらんって。」
ユイと加持は大笑いしているが、ユイに頭の上がらないジャックは言い返せない。今までもシンジとレイには散々なめにあっているのだが。
「シンジ、そのくらいにしてあげなさい。」
「うん。」
「シンジ君、この珈琲いい香りだね。」
「あら、シンジ?」
「へへ、ご明察。出町輸入食品店から取り寄せたんだ。」
「まあ。そう言えば、ノリコちゃんがこっち来るそうよ。」
「え〜。京都の大学にいたんじゃあ?」
「卒業したそうよ。ネルフ入って、松代で研修始めてるわ。」
「え〜〜!」
赤木ノリコは、ネルフ技術開発部部長赤木ナオコの次女、同技術局一課課長赤木リツコの妹で、シンジと同年齢の美少女である。
「も、もう?」
「京大理学部を主席で卒業よ。」
「ちょっと隊長、京都人もどきがまた増えるんですか?」
「あら、ジャック。もどきってなによ。碇家も赤木家も前の戦争以前からずっと京都よ。」
「第2次世界大戦?」
「応仁の乱よ。」


(2)


 遅れた来たレイが席につくのを確認するとユイは説明を始めた。
「今回の目標は、菱友の開発した多脚戦車だ。実際には戦自研が開発を行っていたが、今回の事件では無関係を装いたいらしい。戦車のスペックは各自に送るが極秘事項になっている、忘れないで。」
「ヒュゥー、少佐ぁ。こいつは、夢の戦車だな。見ろよこの出力!」
こういう場面では『少佐』の呼称を誰も訂正しないのを知っているジャックは使う機会を逃さない。
「そうよ、結構厄介な相手なの。それに戦自のトップの依頼だけど、制服組は知らないから現場での援助は期待できない。」
「俺たちで止めるしかねえのか。」
「ねえぇ、隊長。ハッキングかけてAI乗っ取れないの?」
「私たちなら可能かもね、レイ。でもこの事件には使えないわ。相手が使徒じゃないもの。」
「そっかぁ〜。秘密なんだね。」
「そうよ。電脳戦はなし、物理的攻撃で決着をつける。目標は第二新東京市に向かっているので、マップで示したトンネル直前の高速道路のジャンクションの非高架部分で片をつける。既にロイとボブは配置についているはずだ。」
「少佐、ルートは確かなのか?」
「ええ、一応彼らのところにもティルトローダーはスタンバイさせてるけど第二新東京市を目指しているのは確からしいわね。」
「で、隊長。AI乗っ取ったのは誰で、なにが目的なんでしょう?」
それまで黙って聞いていた加持が質問に立った。
「知らされて無いわ。」
「やれやれ。」
「でも、調べるなとは言われていない。」
「そうこなくっちゃ。」
「ジャックと加持は、つくばの菱友重工の研究所に向かってもらう。戦自の研究者も残っているから聞き出して、政府の許可はもらってあるから。」
「「了解。」」
「レイとシンジは私と現場に! スパイダーを出すわ。」
「「了解。」」
スパイダーは9課が採用している市街戦用小型多脚戦車、高価な生体部品の使用率が高く日本ネルフにしか今のところ採用されていない。
「シンジとレイは30分後にティルトローダーの発着場に集合。では、解散。」

 ユイは時間まで幹部用のカフェテリアで過ごすことにした。司令発案の店で本来機密保持のため全てセルフサービスだったのだが、いつの間にかみなが交代で接客に立つようになったのでラウンジといったほうが正確かもしれない。店の制服のよく似合う技術局一課の伊吹マヤにアイスコーヒーを注文する。
「ブラックでね。」
「はい! かしこまりました、副司令。」
深々と頭を下げるマヤにユイは苦笑するしかない。何度止めるように言っても、直らないのだ。いつ見ても飽きない窓の外のジオフロントの景色を見ていると声をかけられた。
「ユイさん。出動なんだって?」
視線を戻すと技術開発部部長の赤木ナオコが向かいの席に座っていた。許可を得る前に座るのはいかにも彼女らしい。ナオコは補助脳以外生身だけれど、年齢より随分若く見える。
「ええ。」
「テロなんでしょう? 使徒とも使徒もどきとも関係ない。」
「演習のつもりよ。」
「で、裏は?」
「米帝ね。たぶん。」
「連盟?」
連盟(the League of Nations:LN)は、米帝、北京政府、ドイツを中心にした国家同盟でゼーレが影で権力を握っている。一方、連合(the United Nations:UN)は、英国、米連邦、ロシア共和国と日本を中心とした国家同盟である。
「米帝の独断だと思う。」
「狙いは?」
「日本政府への揺さぶりでしょうね。昔からそういうのに弱いから。」
「なるほど、でも世界が再び二分されるとはねえ。」
「おかげで、ゼーレは世界の半分を失った。」
「そうね、私たちには有利な条件になったわ。それにしても、あなたが戦いの前線にたつとはねえ。」
「あの時、運命は決まったのでしょう。初号機に取り込まれたままでも戦うことに変わりなかったと思うわ。でもゲヒルンがリリスなどの情報を完全に独占したままだったなら、ゼーレはどう出たんでしょうね。」
「確かに。セカンドインパクトが、あんな結果だったしねえ。」
「南極での事故は偶然の結果だったけど、彼らには福音だったのかも。」
「生きた赤い海か……」
「生命反応の無いあれが生きていると言えるのかどうか。それに全体で溶けあうなんてね。」
「渾然一体に溶け合うのは嫌ね。」

 戦闘服に着替えたシンジはレイと合流した。
「ごめん綾波。待たせたかな?」
「今来たところよ、私も。行こう、碇君。」
「うん。」
2人は並んでティルトローダーのまつリフトへ向かった。シンジとレイは幼馴染というより、家族として暮らしていた。4歳からの5年ほどはユイと3人で、ユイが軍に参加してから、2人は赤木家でノリコとその祖父母と一緒に暮らしていたのだ。中学生になる時、レイはテストパイロットの仕事が本格化したので1人で第三新東京市へ来た。シンジは1年ほど遅れての参加だった。以前は名前で呼び合っていたのだが、いつの間にか止めている。ユイが戻り3人での暮らしが戻っても呼び方は変わらなかった。苗字で呼ぶのは他人行儀だけど別に以前とレイの様子が変わったわけではない。レイと任務の話をしながらシンジは考える。レイと呼んで良いか聞いてみるか。いやそれだと学校で困るな。レイはもてるから友人たちに恨まれそうだしなあ。

 シンジと歩いているレイは綾波と呼ばれると悲しくなってしまう。この鈍感男! 私がどうして名前を呼ばなくなったか考えて欲しいわ。中学に入ってしばらくシンジと会い難かった時、レイは自分がシンジを好きなことに、はっきり気づいたのだ。いつまでも姉や妹役で居るのは嫌なので、久しぶりにあったとき碇君と呼んだのだが……。これじゃあ、妹のほうがましだわ。変に異性を意識されて、かえってやり難い。
「綾波?」
「え?」
「どうしたの、元気ないの?」
「ちょっと、緊張。」
「大丈夫! 強いんだし。 レイは、絶対守るから。
「え?!」
「だから、大丈夫だって、綾波は強いから。」
ちゃんと聞こえていたレイは、幸せだった。


 ハンガーでは自律AIを持つ小型多脚戦車スパイダー3機が騒いでいる。
「しょく〜ん! いよいよ我々の部隊の初実戦であ〜る。」
「君、何騒いでるのさ。」
「そうよ、静かにして!」
「諸君、出動に当たり我々の部隊名も決まっていないのは不自然と思わないのか!」
「名前って、『NSF所属小型多脚戦車部隊』でしょう?」
「だいたい君がどうして仕切るのさ。」
「隊長機で機体番号01である僕がリーダーで当然ではないか?」
「あなたが頼りないから隊長が乗るのかと思ったわ。」
「うぐぐ。」
「その理論だとシンジ君の乗る03が優秀ってこと?」
「あら、そうなるかしら? でも01、部隊名欲しいなら少佐に頼めばいいじゃない。」
スパイダーたちはジャックの真似をしてユイを少佐と呼ぶ。
「え〜、僕が聞くの?」
「あなたが隊長機なんでしょう。見えたわ。」
戦闘服を着たユイが近づいてきた。
「準備は良い? 発着場へ急ぐわよ。」
「装備A2で待機していました。あのぉ、少佐?」
「どうしたの、01。」
「実戦始まるし、僕達の部隊にかっこいい名前が欲しいんですけど?」
「え? そうねえ、AIが売りなんだから、Think Tank Team、TTTでどうかな。」
「ありがとう。少佐。」
「TTTか。」
「良いわね。」
「さあ、レイとシンジはもう行ってる筈だから急ごう。」
「はい!」


(3)


 つくばの菱友研究所には社長が来ており、すぐに調査を始めようとしたジャックと加持の前に立ちふさがった。
「被害を抑えたいなら、戦車に関する情報全部教えてもらわないと。所内での調査の許可をいただきたい。」
短気なジャックを抑えて、加持が切り出した。
「開発にいくらかかったと思ってるんだ。ネルフが補償してくれるのかね。」
「ネルフは政府からの非公式の打診で、今回の作戦を決めた。戦自は何も知らないそうですよ。」
「くそ! あいつら。」
「万一被害が出たときの賠償金と企業のイメージダウンについて考えちゃどうです?」
「わかった。君データを。」
社長は秘書に合図した。
「はい。」
「それから、開発部長と最後に機体を調節した技師に会うといい。」
「ご協力感謝します。」

 部屋から飛び出したジャックは細身の少年にぶつかりそうになった。
「おい、小僧。危ないじゃないか。」
「跳びだしたのは、あなたですよ。大きな体で。」
「なにを!」
「だんなぁ、やめなよ。一般人だぞ。シンジ君なら平気だろうけど。」
「ああ、悪かったよ。」
くそ、気持ちの悪い小僧だ。ニヤニヤ笑いに、一発食らわせたいところだぜ。
「君、わるかったね。」
「いえ、いいんですよ。」
小走りに遠ざかる2人を見る少年の表情は涼しい。
「あの2人、ネルフかなあ。」


(4)


 ユイたちをのせたティルトローダーは最寄りのSAに降りた。湖の見える景色の良い場所だ。
「わー、きれい。」
「ほんとうだ。」
「2人とも任務忘れないでよ。」
機動隊による非常線は。SAのすぐ近くだった。ユイは責任者らしい男に声をかけた。
「NSFよ。あなた達、状況は?」
「はい。目標は5分ほどで目視できるはずです。封鎖命令は来ていますが、攻撃の許可はありません。」
「道を開けて、任せてちょうだい。上司に確認するなら、急いで。」
「はい!」

 3人は各自の戦闘服を確認してから、スパイダーに乗り込んだ。戦闘服はリリスの生きた細胞と電子装置を組み合わせた一種のサイボーグで、ある程度なら弾丸も防ぐ。まあ、3人とも体自体特製なのだが。

《少佐、詳細なデータと開発部長のコメントが取れた。送る。》
《ごくろうさま、ジャック。加持君にもよろしくね。》
《ああ。》

《ボブ?》
《準備完了してるよ。》
《データも送るけど、敵は衛星と高速道路の監視カメラにアクセスしてるわ。》
《ちっ!》
《用意した武器で装甲は打ち抜けるけど、あなた達もう見つかってるわね。回避行動取るのは、間違いない。対戦車ミサイルは無効らしい。》
《お手上げ?》
《私たちで回避行動止めるから、そこをロイに狙わせて!》
《気をつけてくださいよ。》
《ええ。》

「ロイ?」
「ああ、聞いていた。隊長に忠告するとは……。」
「なんだよ、おかしいか?」
「場所が知られてるなら、俺達は戦車とがちんこ勝負だぜ。隊長より、俺たちの方が危険だ。おい、なんで離れていく!」

《隊長?》
《シンジ、オープンじゃなければいつも通りで良いわよ。》
《母さん、大丈夫? ちゃんと3人での作戦にしてよ。1人で跳びこむなら命令無視するよ。》
《心配しないで、このためにシンジとはなれて過酷な軍事分野の経験を積んだんだから、信じて。》
《うん。》
《それより、レイと何かあった?》
《え?》
《作戦開始前から、機嫌よさそうよ。》
《僕も気づいたけど、理由は分からないや。》
《そう?》
その後、ユイは目標との接触1分前までレイと話し続けた。


(5)


 幸いロイの不安は当たらず、作戦は成功した。今回実戦では蚊帳の外だったジャックと加持は9課の作戦室で記録を見ていた。
「こっちは、スパイダー1機中破で目標殲滅か、相変わらず見事だね。」
画面ではシンジの03の援護のもとレイの02が前方から戦車を押さえにかかっている。ユイは外に出て、03の射線を避ける位置に跳び移った。
「おいおい、無茶するなあ。」
「画面に話しかけても隊長は返事しないよ。」
「うるさい。」
01も戦車の前方にでる。ユイは戦車の電脳に近いところにC4を設置しようとして見せている。監視カメラで気づいた戦車はユイに照準を合わせるためか回避行動が鈍くなった。ロイはその時を逃さず撃ち、作戦は終了した。逃げ遅れた01は中破したがAIは無事なため損害はないといってよい。
「しかし、ロイはよく撃つよなあ。隊長の50cm横だぜ、だんな。」
「少佐とロイならミリ単位で勝負だよ。」
「ひぇー。さて、俺はそろそろ帰るよ。かみさんが待ってるしな。」
「ああ、おつかれ。」

 もう一度、記録を見直した後、ジャックはボトルとグラスを持ちハンガーへ向かった。
「大活躍だったなあ、お疲れさん。」
「うん。見てくれた。」
「もちろん。03の活躍もな。」
「あら、ありがとう。01は明日まで体ないのよ。」
「そうか、次回は無傷でいこう。」
「そうか、今回は裏方だったものね。」
「それで、自棄酒?」
「そんなことあるものか、仕事の後の1杯さ。」
「加持君は?」
「02!」
「ああ、家か。」
「私がお酌してあげるわ。」
「すまんな。」
《03、少佐の代役?》
《まあね。あまりにも可哀想じゃない。》



To be continued...


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