俺の名はクール、レイヴンだ。
ん?レイヴンとは何だって?レイヴンって言うのはACを駆り、企業や団体
の仕事を請け負う傭兵みたいなものだ。
なに?今度はAC?ACって言うのはアーマード・コアと呼ばれるものの略称だ。
アーマード・コアって言うのはコア…コクピットのあるところだぞ、其処を中心に
頭部、腕部、脚部、内部のジェレネーター、FCS、ラジエーター、ブースター、後は
その人の好みで武装や補助パーツをつけることが出来る機動兵器…分かりやすく言えば
ロボットだロボット。このACにもいろいろと種類があって重量型、中量型、軽量型、
そしてその枠組みの中にニ脚、逆脚関節、四脚、タンク、ホバー、フロートが有るんだ。
っと関系無い方向にずれたな。
で、俺は今日も相棒である中量ニ脚型AC「グラジオラスMK−Y」を駆って、どこかの
馬鹿企業が使いこなせもしない癖に復活させた古代兵器「パルヴァライザー」、此れを依頼
により破壊、その代わり機体はボロボロ、体力はすでに残っておらず後の事は全て
オペレーターに任せて、回収部隊が来るまで俺はコアの中で寝ていた筈なんだが……

ザザァァ……ザザァァ……
「…………此処は何処だ?」
眼が覚めれば空も海も全てが紅い世界、その浜辺にいた。



渡り鳥の異世界禄

第一話 「紅き世界」……いや、此処何処?

presented by クール様




……OK、とりあえず落ち着いて現状を把握しよう。レイヴン足るもの何時いかなる時も
冷静でなければならないからな。
機体………損傷率0%
弾薬………100%
……ストップ、何で損傷とかが無いんだ?もしかして回収された後か?だが
オペレーターが俺に何も言わずする理由が無いな。
(パルヴァライザー戦終了後、損傷率75%オーバー。左腕部、脚部、頭部破損。
右肩部8連小型ミサイル、破棄)
……まぁ直ってるなら直ってるで良いか。別に困るもんじゃない。むしろ助かるしな。
次は此処が何処なのだが地図には乗ってない様だな。周囲はどうだ?
ウィィィィィィィィィ
腰の部分が音を立て、上半身が周囲を見渡すように動く。
紅い海?………よく分からないがとりあえず絶対に海水ではなさそうだ
廃墟………規模からいってここに大きな街があったと思うべきか
「………マジで何処だ?其れにこの場所でいったい何「ピピッ」が…何だ?」
なった計器はレーダー、それは人一人分の生命反応を示していた
!?人か、いやしかし…………いや、俺には選択肢など無いな
「………行くしかない、か」
ガシャン、ガシャン
俺はグラジオラスMK−Y(以後グラジオラス)を動かし、紅い浜辺を歩いていった

歩き始めて早数分。
ブースとを使わなくても中量ニ脚のグラジオラス、歩きだけでも120qぐらいの
スピードは出た。
「レーダーポイントが近い……」
レーダーが示しているのはこの近く、この辺りか?
ウィィィィィィィィィィ
その場に足を止め、腰を回す駆動音が響き渡る
………ん?あれは……少年?手をこちらに向け…?っつ!?何だこの感じは!
何かわからないが
「此処にいたらヤバイ!!」
シュィィィィィイイイイイン
自分の感を信じ、俺はその場から大きく横に移動した。その瞬間

チュッドォォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!!!!!!!

グラジオラスの真横を野太いレーザーが通り過ぎていった。
…………待った、Wait、ストップ。何だ今の。
俺の眼がおかしくなっていなければ今のレーザーはあの少年の掌から出ていたんだが?
何だあれ、Magic?手品?とにかく今のはってまたこっちに手を!?
「……くっ!!」
シュィィィィィイイイイイン

チュッドォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

ぎりぎり回避が間に合ったのか間一髪のところでグラジオラスの左横をレーザーが
通過していく。
っち!そっちがその気なら!!
俺は手元を操作し急いでAIを起動させた
<システム、戦闘モードに移行します>
その声の少し後に、再び手をこちらに向けて構えようとしている少年に向かって
マシンガン(千発も弾数のあるお気に入り)の銃口を向ける
「こっちだって!!ただ無抵抗だと思うんじゃねぇぞ!!!!」
そう叫んで俺は引き金を引いた
パラララララララララ
軽快な音を立ててマシンガンの弾は発射され、少年のいる辺り一面を
無数の弾で抉っていき、辺りを砂煙で覆った。
………砂煙で見えないがさすがに今ので終っただろう。あ、でも話聞くのどうするかな。
レーダーにはまだ反応があるけどそんな何十秒も生きてられるわけっつ!!!!
「っ間に合え!!」
シュィィィィィィィィィィン
俺は今までの戦いで養ってきた勘を頼りに右へとサイドステップを行った

チュッドォォォォォォォォオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!

ガクガクガクガクガクガク
<左腕部破損>
避け切れなかったのか大きな揺れと共にコクピットにAIの被害状況の声が響いた。
っつ!!掠っただけで此れか!?ってな!何だ、あの紅いEフィールドは!?
俺の目先には、砂煙が晴れて姿をあらわした無傷の少年と、銃弾から少年を
護るように展開された紅いEフィールド…
「いや、あれはEフィールドじゃないな、実弾全て弾いてやがる」
少年の周りには銃痕は沢山合ったが、紅いフィールド内には一つもそれが無い。
そしてそれらしい物を持ってる気配も無い。つまり
「………まったくの別物ってことか!!なら!!!!」
ジャコン
音を立てて背後のイクシードオービット(通称EO)が展開される。

此処で説明を入れるとコアには三種類のタイプがある。
一つはオーバードブースト、コアの背後についているノズルから莫大なエネルギーを放出し、膨大な加速を持つことが出来る。通称OB。
二つ目はEOもOBも付いていない凡庸のコア、此れは特徴として全ての凡庸コアは
格納が使える。格納って言うのは小さい武器などを自機のサブウエポンとして搭載する
ことが出来ることだ。よくハンドガンなどを格納したりする人が多い。また、この格納は
一部のOBコアも使用可能だ。
そしてグラジオラスが使っているコア、イクシードオービット通称EO。此れは自機の
背後に小型の自立兵器を載せ、自分を援護するためのコアだと思っていい。EOの中にも
エネルギータイプと実弾タイプがある。エネルギータイプ(通称EEO)の利点は
使わずに仕舞って置けば勝手に弾数が回復すること、ただし使用しているときその
エネルギーは自機から持っていかれるな。実弾タイプはその逆でエネルギーは使わないが
弾切れをしたらその時点でアウトだ。

ジャキッ
再びマシンガンが少年に向かって構えられる。
「二つで牽制して……すぅぅぅぅ………突っ込む!!!!!!!!」
シュィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイン
俺はブースターを使い、速いスピードで前へと進んでいく。
パラララララララララ
ダンダンダンダン!
構えられたマシンガンと展開されたEOが少年の周りを砂煙が立たないように
打ち抜いていく!
「次のレーザーは………」
相手が構えるのは…………若干右か!!!!
「ならば、こっちだぁぁぁぁああああ!!!!!!!!」
俺は機体の進行を左斜めにずらした。それの少し後

チュッドォォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!

ガクガクガクガクガク
少年から発せられたレーザーがグラジオラスの右腕を掠りつつ右を通り過ぎていく
<右腕部破損>
「わかってる!!!」
被害報告をするAIに怒鳴りつつも機体のスピードは止まらない。
ブレード範囲まで残り50、40、30、20、10、今だ!!!
「切り裂けぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
そう叫びつつ俺はグラジオラスの左腕についているブレードを振りかぶる!!

ブォォォォォォォォオオオンンン

ガギィィィイイイイイ!!!

そのブレードが音を立ててフィールドと接触した!!
「オ、オオオオオォォォォォォォォォオオオオオオオ!!!!!!!!!!!」

ガ……リ、ガリ、ガリガリガリガリ!!!!!!!

ブレードが音を立てて徐々にフィールドを切り裂いていく。今はもう少年の事も頭には
無い。ただこのフィールドを切り裂くだけだ!!!!!!!!!!!!
そして、ついにフィールドが耐え切れなかったからか

ズバァァァァアアアア!!!!!!!!!!

音を立ててフィールドを完全に真っ二つに切り裂いた。
「……此れで!!!」
その隙を見逃さず少年へとマシンガンの銃口を突きつける
「チェック………メイトだ」
銃口の前で呆然としている少年に外部スピーカーを使い、俺は終幕の言葉を告げた

そのとき俺は気が付いていなかった。グラのメインディスプレイの端に小さく
「Regeneration」の文字が出ていたことを。壊された部品が淡く輝いていることを。
そして、何故EOが人間?をロックできたかということを…





ACName「グラジオラスMK−Y」
武装、右肩、8連マイクロミサイル
   左肩、レーダー
   右腕、マシンガン
   左腕、高出力ブレード
   エクステンション、追加装甲

特徴、中量ニ脚だが装甲とEN供給率、冷却性能が高い
基本的にオールラウンダーだが、此処一番の火力が足りないことが多い。
が、それは紅い世界に来るまでの話。今は何時の間にかブラックボックスの
部分が出来ていて、それが何なのかは不明。
ランク、攻撃力:B
    防御力:B
    機動力:B
    EN供給率:S
    冷却性能:S
    対ECM:B
    総合評価:A
    ???



To be continued...


(あとがき)

初めてこの作品を見た人は初めまして、もしこの作品の改正前のを見たことある人は今日は。
クールといいます。前作、「渡り鳥の世界禄」を投稿図書で見たことがある人はあれ?とかいろいろ
思うかもしれませんので説明させていただきます。実は前作「渡り鳥の世界禄」は自分から見ても
あまり出来は良くなく、投稿図書に投稿してあるそれを消し、改正してきました。といっても結局あまり
変わりませんでしたが。で、改正し終わったのですが感想掲示板などに迷惑をお掛けし、再びそちらに
投稿させて貰うのは気が引けてしまい、此方に投稿させて頂こうと思ったのです。
ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
それと、もしよろしければ感想等、宜しくお願い致します

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