悠久の世界に舞い降りた福音

第一話

presented by ジャック様


 西暦2015年・・・・・・人類最大の罪とも言うべきサードインパクトにより、たった一人の少年を残して人類は滅びた。

 そして、それから数え切れない程の年月が経った。




 何処を見渡しても赤・紅・アカ・あか・・・・・・空も海も果てしなく赤い世界で白に近い銀髪に世界を映し出したような赤い瞳をした少年が釣竿を垂らしていた。

 彼の周りには廃墟と砂浜しかない。

「ふわ・・・」

 少年は欠伸をすると竿を引いた。

「む〜・・・・・・おや?」

 ボリボリと髪を掻き毟りながら辺りを見回す。すると彼の後ろには紫のボディの巨人が膝を突いていた。その体には所々、埃が付いていた。

「ありゃりゃ・・・・・・」

 少年は肩を竦め、トントンとこめかみを突っつく。

「三百年ぐらいうたた寝してたみたい・・・・・」

 色々と突っ込むべき所もあるのだが、少年は釣竿を赤い海に捨てると紫の巨人の下へと歩く。

「よっと・・・」

 気だるげに巨人の胸部を押すと、ハッチのように開くと中にシートがあった。少年はシートに凭れると、スイッチを押して行く。するとハッチ内が光り、巨人の双眸が光った。

「動かすのも久し振りだな・・・・」

 などと呟くと、紫の巨人は立ち上がり、飛び上がった。

「さ〜て・・・・・・今度は何処に行こうかな〜」

 少年の名は碇 シンジ。巨人はかつてエヴァンゲリオン初号機と呼ばれたもの。この星の神と、その鎧という存在である。




 サードインパクトによりシンジは神となった。まぁ本人曰く、

『人類がいないのに神もクソも無い』だそうだが、その力は全ての使徒の力を持ち、今や悠久の時を生きているので神と呼ぶに相応しいのだ。

 エヴァもまたシンジによって改造された。まずコックピットをエントリープラグではなく、胸部に設置し、肉体だった箇所もほぼ機械のパーツに変えた。無論、ATフィールドは健在である。だが、機械部分で改造した際、大幅に小さくなり、今は十五メートルほどしかない。

 だが、S2機関を解放する事でかつて以上の力を使う事も出来る。

「う〜ん・・・・別に何処に行っても釣りとかしてる内に寝ちゃうんだよね〜・・・・・・何も釣れないけど」

 それが百年単位とかで寝ちゃうから大変だと苦笑しながらもシンジはモニターに地図を映し出した。

 既に数え切れない程の年月を過ごしているシンジは世界中を旅しながらも、ただ釣竿を垂らしてノンビリと過ごす。ただそれだけで、また適当にブラつく。何の目新しい発見もなく、永遠の時を過ごす。

 心が補完され、寂しいという気持ちは浮かばない。

「そういえば僕って何歳なんだろ?」

 何気なく呟く。確か五万ぐらいまで数えていた筈だったが、その辺りからボーっとしてる内に眠り始めた。睡眠欲も無くなったのだが、目が覚めるとアッサリと百年とか経ってたりしているのだ。

「ん・・・・?」

 その時、エヴァのセンサーに何かが引っかかった。シンジは眉を顰め、地図を見ると、そこはアフリカのケニア北部、トゥルカナ湖の上空辺りを飛んでいた。そして、センサーは湖の中を示していた。

「何かあるのかな?」

 シンジは全人類の知識を持っている。だが、センサーに引っかかりそうな知識は無い。人類の知らない未知の物体が湖の中にある。

「お〜・・・我が知的好奇心を満たすものが存在してるとは」

 一体、何だろうと思い、エヴァを湖の中へと突っ込ませた。湖は深いが、やがて光る物体を見つけた。

 それはエヴァよりも巨大なモノリスで、黄金に輝いていた。目のような模様があり、そこから幾つもの管が分かれている。

「何だ・・・・これ・・・?」

 カッ!!

 シンジは恐る恐るそのモノリスに触れた。すると凄まじい光に包まれ、思わず目を閉じた。





「ん・・・・」

 目が覚めると、シンジはエヴァの外にいた。確か湖の中にいた筈だが、彼は何故か森の中にいたのだ。エヴァは彼のすぐ近くで仰向けに倒れている。

「どうなってるんだ・・・?」

 訳が分からず、シンジは頭を指で押さえた。此処は何処だろうか? あの黄金のモノリスに触れてから何も覚えていない。

 ドゴォォォォンッ!!!

「っ!!」

 突如、森の向こうで爆音がした。シンジは何だと思い、爆音の方を見ると背後から声をかけられた。

「ちょっと君!」

「な・・・!」

 シンジは驚きを隠せなかった。自分以外の人間は存在しない筈なのに目の前に人間がいた。それは美しいブロンドの長い髪をした女性が、同じ色の髪をした幼い少女の手を引いている。

「此処は危ないわ! 早く避難して・・・!」

 ガシャンッ!!

「な、何だ・・・!?」

 突如、女性とシンジの前にエヴァぐらいの人型兵器が現れた。

「(エヴァ……いや、違う。完全な機械兵器か)」

 パッと見はエヴァと変わらないが、エヴァのように生体部品は使わず、完全に機械なのだ。シンジはその兵器が持っているマシンガンを自分と女性達に向けているのを見て、舌打ちすると、手を広げた。

「はぁっ!」

 ドシュンッ!

 するとシンジの掌から一条の閃光が発せられ、機械兵器を貫いた。

 サードインパクトによって手に入れた使徒の力の内の一つ。サキエルの光の槍だ。腹部に穴の空いた機械兵器は前のめりに倒れて来る。

 シンジは女性と少女を押し倒して、爆発を防いだ。

「き、君・・・・?」

「大丈夫ですか?」

「え、ええ・・・・。凄いわね・・・ギアを生身で倒すなんてウチの人以外にいるのね」

 女性は驚いた様子でシンジを見る。シンジは炎上する機械兵器を見て、森の向こうから燃え上がる炎を見た。

「何か・・・・あるみたいですね」

 シンジはエヴァのコックピットに向かい、エヴァを起動させる。紫の巨人は立ち上がると、燃え盛る炎の中へと飛んで行った。




 何でこんな事になったのだろうか? 燃え盛る村と自分を取り囲むギアをウインドウに映しながら彼は唇を噛み締めた。

 彼は明日に控えた親友のアルルとティモシーの結婚式の為、丘の上の先生の家にカメラを借りに言った。そこで夕食をご馳走になり、帰ろうとした所、謎の機械兵器――遺跡から発掘される人型の兵器でギアと呼ばれている――の集団が村を襲って来た。

 彼は村に残っていると言うアルルの弟、ダンを探しに村に入ると目の前に他とは違う黒いギアが膝を突いてきた。彼は何かに導かれるままにそのギアに乗り込んで戦闘を開始したのだ。ギアの扱いなど何も知らない素人の筈なのに。

「くそっ! 何がどうなってるんだ・・・・!」

 彼の名はフェイ。神という名に縛られている青年である。




「まさか、人間に会うとはね・・・・・」

 上空から村の様子を見ながらシンジが呟いた。村では黒いギアを幾つかのギアが取り囲んでいた。だが、その中でシンジはある一体のギアに注目した。取り囲まれている黒いギアに似ているが、翼を生やしており、プレッシャーも他のものと違った。

 まるで自分とは対照的なそんな感じがした。

「あんな兵器、見た事ないし・・・・異世界かな」

 少なくとも未来とは考えられない。だとすると異世界と考えるのが妥当だとシンジは思った。だとすれば余り関係ないのだが、見捨てるのも気が引けるので、エヴァを急降下させた。

 するとこちらに気付いたギアが幾つか迎撃に向かって飛んで来た。シンジはフッと笑うと、エヴァの両手にシャムシエルの光の鞭を作り出し、切り裂いて行く。

 エヴァはそのまま黒いギアと並ぶように着地した。そして、イロウルの力を使って回線を繋ぐと、黒髪に長髪の青年がモニターに映った。

『誰だ、お前は?』

 フェイは突然、現れたシンジを敵だと思ったのか睨んで来た。が、シンジはかつての親友の得意技と言っても過言ではないアルカイックスマイルを浮かべた。

「あ〜、お気になさらず。通りすがりの正義の味方です」

『・・・・・・・』

 フェイは疑わしそうにシンジを見るが、エヴァが彼の後ろに迫っていたギアを光の槍で貫いた。

『!?』

「疑うのは構いませんが気を付けてください」

『あ、ああ・・・』

 フェイは助けられた事に驚いていたが、頷いた。

「じゃ、そろそろ・・・・」

『いけない! ティモシー!!』

 その時、外から叫ぶような声がして振り向くと、そこには一人の青年がギアに銃を向けられていた。

『待てっ!! 撃つなっ!!』

 フェイはその姿を見て叫んだ。銃で狙われているのは親友のティモシーだった。彼はダンが心配で探しに来たようだ。

『やめろっ!! 村の者には、なんの関係もないはずだ!?』

 フェイは叫んでティモシーを助けようとするが、ギアが彼の進路を防いだ。

『くっ! 邪魔をするなぁ!』

「ちっ!」

 今度はシンジが助けようとするが、翼の生えたギアが手を挙げるとティモシーに向かって銃が放たれた。

『ぐあああああああああ!!!!!!!』

 銃弾は非情にもティモシーの体を撃ち抜き、彼を血の海に沈めた。それを見て、フェイは目を見開くと頭を押さえて叫んだ。

『う、うわああああああああああ!!!!!!!!!』

 するとフェイの絶叫と共に彼のギアが激しい光を放った。

「な!?」

 そのエネルギーにシンジは驚愕し、慌ててATフィールドを張った。それも並のATフィールドでは無理なので、ダブリスの結界を張った。

 その時、シンジの目にあるものが入った。それは翼を生やしたギアが何処かへと去って行く姿だった。

「(あれは・・・・・くっ!)」

 そして、シンジはそちらに向かって手を伸ばしたが、その手は届かなかった。




「そうでしたか、妻と娘が・・・・ありがとうございます」

 眼鏡の男性――シタン=ウヅキは、村人達が避難した所で妻のユイと娘のミドリが危なかった所をシンジに助けてもらった事を知り、礼を言った。

「ありがとうシンジさん」

「あ、いえ・・・あの、ユイさん」

「はい?」

「つかぬ事を窺いますが、『子供に明るい未来を見せて上げたい』とか言う理由で失踪したりします?」

「は?」

 急に訳の分からない質問をされ、ユイはキョトンとなった。

「ああ、いえスイマセン。いや、僕の母もユイと言って、そういう理由で息子を放ったらかしにするロクデナシだったので」

 額に指を押し当てて微妙に青筋を浮かべながら言うシンジ。ちなみにエヴァのコアにあったユイ(シンジの母親の方)は改造する際に消し去った。理由は邪魔だからだ。

「う・・・・・此処は・・・」

 その時、気を失っていたフェイが目を覚ました。

「おや、気が付きましたかフェイ」

「先生・・・・・・いったい何が・・・? リー爺さんやティモシー、アルルは・・・・・・? 俺は・・・・・・?」

「ええ・・・それは・・・・・」

 シタンは答えにくそうに顔を俯かせると、ジッと黙っていたダンがフェイに向かって叫んだ。

「人殺しッ!!」

「!? ダン、いったい何を・・・・・」

 急に人殺しと言われ、フェイは慌てた。ダンは憎しみのこもった目でフェイを睨み付け、

「フェイ兄ちゃ・・・お前・・・お前があんな化け物に乗るから・・・・・・アルル姉ちゃんやティモシーや村のみんなは・・・・・・!!
 お前がその化け物で皆を殺したんだ!!」

 そう言ってダンの指差した先にはフェイの操ったギアが佇んでいた。ちなみにエヴァは反対側で膝を突いている。それを見て、フェイは大きく目を見開いた。

「なんで、村のなかで戦ったりしたんだ・・・」

「あんな怪物みたいなもの、どうして動かせるの?」

「母さんは? 母さんは、何処?」

「だから、言ったじゃないか。素性のわからない者を村に入れるのは反対だと」

「うう・・・痛い・・・痛いよぉ・・・・」

 それと同時にフェイを非難するような声と、子供達のすすり泣く声がした。

「ダン・・・・・・!! み、皆・・・お、俺は・・・・・・!」

 フェイは弁明しようと皆の方を向くと、誰もが彼から離れて行った。

「ひっ・・・・」

「イ、イヤだ・・・怖いよ・・・・」

「うえーん・・・・・」

 誰もがフェイを拒絶し、ダンがトドメの言葉を言い放った。

「人殺しッ!! 姉ちゃんを・・・アルル姉ちゃんを返せッ!!」

 その言葉がフェイの胸を貫いた。自分が彼にとって最も大切な姉を奪った事が宣告されたのだから当然だろう。

「まぁまぁダン君、落ち着いて。フェイさんだって君達を守ろうとして、あの機体に乗ったんだから」

「う、五月蝿い! お前は関係ないだろ!!」

「いや〜、でも僕だったら、あの爆発から全員を守れたかもしれなかったんだよね〜。でも、別の方に気を取られてて・・・・まぁ君のお姉さんや村の人達を見捨てたって事かな」

「な・・・・で、デタラメ言うな!!」

「信じる信じないは勝手だよ。でも僕は見捨てたと思ってるし・・・・それに機体の暴走はフェイさんじゃ、どうしようもなかったんじゃない?」

 そう言われて、ダンは怯む。

「わ、わかってらい、そんな事! でも・・・でも・・・・バカヤロー!!」

 涙を浮かべて叫ぶと、ダンは何処かへと走り去って行った。

「ダ、ダン!」

 フェイは慌てて追いかけようとするが、シタンがそれを制した。

「今は、そっとしておいてあげましょう。自分の哀しみ、怒りをどう扱えば良いのか分からないのですよ」

「ま、じっくりと考える時間は必要ですよ・・・・貴方も」

「ああ・・・・そういえば君は・・・?」

 フェイは、ようやくシンジの方に意識が向き『確かあのギアの・・・』とエヴァの方を見た。

「僕はイカリ・シンジです。ま、通りすがりの暇人ってトコですかね」

「そうか・・・・」

「それにしてもシンジ君、貴方のギアも珍しいですね。全く見た事がありません」

 シタンはエヴァを見上げ、言うとシンジは『あ〜・・・』と髪を掻いた。

「それエヴァって言ってギアじゃないんですよ。八割ぐらいは機械なんですが、後の二割は生体部品でして・・・・人造人間なんですよ」

「ほう・・・・そんなモノが」

「まぁウチの家に代々、伝わってるものなんで僕も詳しい事は知りませんが」

 シンジは自分が異世界から来たとは言わなかった。別に言っても良いのだろうが、どうもこのシタンという人物は怪しい。証拠は無いが、強いて言うなら三足草鞋の某人物と似たような臭いがするのだ。

 シタンは、そんなシンジの考えなど露知らずフェイの方に向き直った。

「それはそうと・・・・貴方は此処を離れた方がよさそうですよ、フェイ。昨夜の連中の後続部隊が来ないとも限らないし・・・・・きっと連中は、何が起こったのか知りたがるでしょう。
 貴方が此処に残っていたら、余り愉快とは言えない事態が引き起こされると思いますよ。双方にとって、ね」

「そうだな・・・俺が一緒にいたら、また皆に迷惑がかかるかもしれない。
 でも・・・俺は一体どうすればいいんだ?」

「そうですね・・・黒月の森を抜けて、アヴェに出てはどうですか? 昨日の連中は、アヴェの手のものではなかったようです。
 アヴェ側に入ってしまえば、連中も迂闊に追っては行けないでしょう」

「そうか・・・分かったよ、先生・・・それじ後の事はよろしく頼みます。シンジ君も元気で」

「ええ。縁があったらまた会いましょう」

 シンジが頷くと、フェイは悲しそうな笑みを浮かべ、黒いギアを見て唇を噛み締めると、その場から去って行った。

「さて、シンジ君はどうしますか?」

「そうですね〜・・・・余りする事も無いんですが、適当にブラつきます」

 そう答えると、シンジはエヴァに乗り込んだ。

「ま、色々とこの世界を見て回るのも面白いかな・・・・」

 ハッチが閉まりながら呟くと、シンジはエヴァを浮かした。すると巨大な森の向こうには地平線まで広がる砂漠があった。

「砂漠か・・・・行ってみるか」

 そして、シンジはエヴァを砂漠に向けて発進させるのだった。






To be continued...


(ながちゃん@管理人のコメント)

ジャック様より「悠久の福音」の第一話を頂きました。
このSSはゼノギアスとのクロスだそうです(うわ、懐かしい〜)。
これはEOE後→異世界モノかな。
で、冒頭から釣りですか。釣れましたかぁ〜?(爆)
ここのシンジ君は神様なんだけど、これまたえらく自堕落な生活をしていましたねぇ・・・(笑)。
ゼノギアスの世界に飛ばされて、これからの彼の活躍が楽しみです。何てったって神様なんだしね♪
そういえば、ギアとエヴァじゃ、大きさが全然違いますが、この辺はご都合主義バンザイでスルーでしょうかね?(笑)
シンジ君はギアには・・・乗るわけないですよね、初号機があるんだし。
でも、ヴェルトールと初号機じゃ、カラーリングが被っていたようなうろ覚えが・・・あれ?違ったかな?
しかし、すごいですねぇ、フェイ(イド?)って。ATフィールドを凌駕するなんて。
これはさすがのシンジ君でも、楽勝ムードではなくなったってことかな?(パワーバランスは引き締まりますが・・・)
しかしこれは大変面白そうなお話ですよね。
ただゼノギアスって、すんごく膨大なシナリオなので、果たして完結するのか今から非常に心配です(杞憂かな?)。
あまり無理をなさらぬように、作者様のペースで執筆を続けて下さいね。
次話を心待ちにしましょう♪


(ながちゃん@管理人のコメント in 改訂版)

ジャック様より改訂版を頂きましたので、差し替えました。
変更部分は、後半部分の微修正とシナリオの追加になります。
今回、作品タイトルについても、「悠久の福音」→「悠久の世界に舞い降りた福音」へと変更になりました。
しかし、やはりここのシンジ君はぶっ飛んでいますよねぇ〜(笑)。
邪魔だという理由だけで、初号機のコアの中の実の母親(ユイ)を殺しますか?(笑)
いえいえ、グッドですよ〜♪
こういう罪悪感が希薄というか、妙に達観しているというか、人間の価値観を超越しているというか、・・・そんなシンジ君がもう最高です♪
ではでは、次話を期待しています♪(次は森イベントをすっ飛ばして、金髪隻眼の兄ちゃんが出てくるのかな?)
作者(ジャック様)へのご意見、ご感想は、メール または 感想掲示板 まで