僕の望んだ世界で……


第2話




閉塞と再生            


presented by 堕の使徒 霞様


死海文書に記述されている 約束の日

時間および場所は特定できず

 成層圏を越えたシンジを象ったリリスは更に上昇を続けていた。

HAAAAAAAAAA
FOOOOOOOOOO
OOOOOOOOOOO

 上昇しているリリスが高度500Kmに達しようとした時、
どこからともなくエヴァ量産機9体が飛翔しリリスを取り囲む。

……あれはエヴァ?

ナニ ワラワタチ ヲ ジャマダテ スルキカ

 地上の隠れ処から、量産機を制御し、自らが望む補完をなそうとする老人達。

『遂に我らの願いを遂行する時が来た』

『当初のシナリオ通りリリスも魂を得て復活した』

『寄代を制御するロンギヌスの槍もコピーとは言え本物と遜色は無い』

『補完を成し遂げる為にはいささか量産機の数が足りぬが止むを得まい』

『『『『『エヴァ量産機を本来の姿に 我々人類全てに福音をもたらす、真の姿に』』』』』

『では儀式を開始する』

 その言葉が発せられると共に、9体の量産機がリリスを中心に、
セフィロトの陣形を組みS2機関を解放した。

ナッ! コレ ハ セフィロト マサカ リリン ハ イニシエ ノ カミ ノ フウイン ヲッ!

封印? どう言うこと?

 量産機が、一斉に槍のコピーを、セフィラーに対応するリリスの身体に突き刺す。

KUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO

クッ コノママデハ……

くぅ な、何でATFが……

セフィロト ニ ヨル ジバ デ ATF ガ ムコウカ ニ サレテオルノジャ

 老人達は己達の欲望が達成間近なのか歓喜の声を暗闇に響かす。

『『『『リリスに聖魂が刻み込まれた』』』』

『『『『今こそ神を寄代に中心の樹の復活を』』』』

身体が変だよぉ……

ミ ヲ マカセルデ ナイ ワラワ ノ チカラ ガ ボウソウ スルッ!

 地上にて、ネルフ制圧のため展開していた戦時の部隊が、
上空でのサードインパクト前兆現象を捉えていた。

『大気圏から高速接近する物体ありっ!』

 月面に突き刺さっていた本物のロンギヌスの槍が、強力な影響場に引き寄せらたのか突如現れ、
全てのS2機関と、まるで共鳴しているかの様に、リリスの喉元で怪しく脈動を始める。

『何だとっ!全ての計測器が振り切れている これがサードインパクトの兆候なのかっ!』

『隊長っ! このままでは我々がっ!』

『クソッ、至急撤退するぞっ!』

『はっ! 全部隊、撤収ー 撤収っ!』

 地上の戦自部隊が慌てて影響圏から撤退を開始し様とし始めた頃、
ネルフに置いてもオペレータ達が、上空で起こっている現象を捕らえ分析を行っていた。

「ジオフロント 高度1万1千m 更に上昇中」

「ゼーレめ、碇と同じくリリスを寄代にするつもりか」

「っ! エヴァ量産機がS2機関を解放中っ!」

「次元測定値が反転しマイナスを…… 数値化できず測定不能っ!」

「アンチATFか……」

「全ての現象が記録にあるセカンドインパクトに酷以している?
 じゃあ これはサードインパクトの前兆なのっ!?       」

 リリスの喉元で静止していたロンギヌスの槍が、リリスのコアを突き刺した瞬間、
膨大なエネルギーの激流がコアから放出され始めた。

っ! チカラ ノ セイギョ ガ デキナイ?

? …… っ! うぅっ あ、熱い…… 身体中が熱い……

ワラワ ノ チカラ ガ ボウソウ シテイルッ!?

も、もうダメだっ! 耐えられない……

AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA

 戦自が撤退を開始した地上目掛けて、凄まじいエネルギー波が光の矢如く貫こうと向かって来るのを、
偵察兵が気づき慌てて隊長に報告する。

『臨界点突破っ! 分子間引力が維持不能っ!』

『作戦は失……』

 だが、戦自部隊長は最後の一言を言う前に、エネルギー波の直撃を受け、部隊諸共消滅してしまった。
そして、ネルフ本部では、激しい揺れに見舞われる中、未だオペレータ達が懸命に解析を続けていた。

「エネルギー波直撃により、戦自主力大隊消滅っ!」

「地上堆積層が融解っ!?」

「第二波が本部周辺まで到達し外郭部が露呈していきます」

「まだ、物理的な衝撃波のみ、アブソーバを最大にして耐えるのだ」

「大気オゾン層まで分解されて行きます」

胸の奥から物凄い力が溢れ出てくる
 
コノママ デハ スベテ ガ ショウメツ シテシマウ……

何とかならないのっ!?

ロンギヌス ノ ヤリ ノ エイキョウ ウケ チカラ ノ セイギョ ガ キカヌ バカリカ
ソノウエ セフィロト ニ ヨリ イニシエ ノ カミ マデ ショウカ シヨウモノナラ モハヤ コレマデ……

こ、これまでって、今更、諦めろって言うのっ!?

 更に強力なエネルギー波により、ジオフロントの外郭が消滅し、核である黒き月が、露呈されて行く。
その光景を、冬月は脆弱な死しか残されて無いと嘆き、方や愚かな老人達は全ては望み通りと歓喜する。

「人類の生命の根源たる黒き月……  いやリリスの卵と言うべきか
 今更そこへ還る事は望まぬが、それもリリス次第……        」

『永遠の時を示す』

『赤き土の禊を祓い』

『ジオフロントを』

『本来の姿に』

 リリスの半エネルギー体に引き寄せられる様に、露呈された黒き月が地底より上昇を始めた。
 
ナッ クロキツキ ヲ ホンライ ノ ジョウタイ ヘト モドス トハッ!
リリンドモ ハ ミズカラ グンタイ ヲ ステ ミライエイゴウ イノチ ノ ミナモト トシテ タユタイ
ゼイジャクナ シ ヲ ノゾムノカッ!?
 
そ、そんな…… 命の源へ還るなんて個が消滅するのと同じゃないか……
何も出来ないで見捨てる何て嫌だっ! お願い何とかしてよっ!

デキレバ ソウシタイ ガ ウゴキ ヲ フウジラレテ ハ タトエ ワラワデモ ナニ モ デキヌノジャ

 セフィロトでシンジ達の足掻きを封じ、遂に本性を露わす老人達。

『『『『『『母たるリリスによって人類全ての補完をっ!』』』』』』

『三度の報いの時が今再び…… これで良い 全てはこれで…… そして新たな神による支配が始まるのだ 』

「現在高度22万キロ エヴァ量産機およびリリスE層通過しF層に突入っ!」

「量産機のATFが共鳴」

「更に増幅していますっ!」

「量産機のATFパターンレッドへ」

「ジオフロントも物凄い勢いで上昇して行きますっ! 現在高度21万キロ」

「使徒の持つ生命の実と人類が持つ知恵の実 両方を手に入れたリリスは神そのもの」

 数十分後、黒き月がリリスの元まで上昇すると、共鳴現象を起こし始めた。
その強力なエネルギー場の影響か、ロンギヌスの槍が帯状に変形すると、
リリスに巻き付き始め、生命の樹へと変えていく……

っ! うぅ 何だか身体の力が吸い取れて、内か別な物へと変えられて行く……
このまま終わりたく無いよ……

ッ!? コレ ハ セイメイ ノ キ…… オロカ ナ リリンドモ ノ カンガエ ガ ワカッタゾェ
ワラワタチ ヲ ヨリシロ ト シテ セフィロト ヲ ハツドウ サセ、
タ ノ オオゼイノ リリンドモ ヲ シハイ シ カミ ト ヒトシキ ソンザイ ヘ ト ナルツモリジャナ!

結局、僕がどう足掻いても奴らの思い通りなの?
今まで辛い事でも我慢して耐えて来たのは何だったんだよ!

スマヌ スベテ ハ オロカナ リリンドモ ト アナドッタ ワラワ ノ セキニンゾエ

「そして今や、命の胎芽たる生命の樹へと還元している
 サードインパクトの無から人類を救う箱舟となるか、人を滅ぼす悪魔となるか」

「ねぇ、私達は正しい事してるわよねっ」

「そんなの事、判るものかっ!」

「例え俺達が正しくても、サードチルドレンが正しいとは限らないしな」

「だが未来は碇の息子に委ねられた」

 N2機関を臨界点まで解放しセフィロトの陣を組む9体の量産型
 リリスのセフィラーを貫いている、コピーを含め10本の槍殺し言う名のロンギヌスの槍
 生命の樹と化し、知恵の実とアダムの欠片を内包せし、アンチATFが暴走状態のリリス

 これらが融合し、例え神でも、その結末が予想できない最悪な形で、
サードインパクトが遂に成就されようとしていた……

コウナッテ ハ ジキ ニ ワラワタチ ノ タマシイ ハ ム ニ キシテ シマイ
イニシエ ノ カミ ガ ヨミガエッテシマウノジャ……

くそっ! せっかく綾波を助けて、カヲル君の望み通りに行くと思ったのにっ!!
死にたいなら勝手に死ねば良いだろ 何で皆を巻き込むんだよっ!!!

っ! ソコマデ タ ノ リリンタチ ヲ オモッテイタノカ
ホンライナラ ソナタ ノ タマシイ ハ テンセイ サセルハズ ダッタガ……

っ! 僕が転生しないならなんとかなるのっ!? なら僕は皆の為に喜んで魂を捧げるよっ!!

ホンキカッ! タマシイ ガ ム ニ キス トイウコト ハ シヌ ノ トハ ワケ ガ チガウノジャ
ニド ト ウマレカワル コト ガ デキズ カンゼンナル ショウメツ ヲ イミ スルノジャゾッ!

僕の魂1つで皆を救えるのなら、それでも良いっ!

……

「デストルード反応がっ! リリスからのアンチATフィールドが更に拡大」

「アンチATF 臨界点突破、物質化されて行きますっ!」

「リリスと同化を始めたと言うのかっ!?」

「こ、このままだと全ての生命の形が維持できない……」

だから…… お願いだよ…… 人々を助けて……

アイワカッタ ワラワ ノ ノコサレタ チカラ デ リリンドモ ヲ スクオウ
ダガ、オノレ ノ スベテ ヲ カケ ダレニ モ シレレズ ショウメツ ヲ ムカエルノハ フビン
ソナタ ヲ シッテイル リリン ドモ 二 ソナタ ノ サイゴ ノ コトバ ヲ ツタエヨウゾェ
  
ありがとう  リリス

サァ ワラワ ニ  ソナタ ノ スベテ ヲ マカセル ノジャ
ソシテ フルキ カミ ガ フッカツ スル マエ 二 コト ヲ オエナケレバ ナラヌ

うん 後は 頼むよ……

「ガフの部屋が開いて行く 世界の始まりと終焉の扉が…… 遂に開いてしまった
 ユイ君はこうなる事を予測していたのか…… いや全ては碇の息子が望んだ事かも知れんな」

 リリスはシンジと魂レベルで融合し、一心同体となって、身体の支配権を受け渡した。
そして、リリスの巨体がその形を維持できなくなると、エネルギー体となって拡散し、
人々の望む姿で現れ、アンチATFで次々とLCLに還元して行く。



世界が悲しさに満ち満ちて行く

人の心を孤独が埋めて行く

空しさが、人の心を包み込んで行く



彼方やっと会えましたね

「ユイ…… 一緒に連れていってくれ」

それは駄目です 彼方はサードインパクト後の世界で……

ユイだった姿がシンジへと変わって行く。

母さんと綾波と親子3人で平和に暮して欲しいから さよなら父さん

「シンジっ!? まっ まさか、お前はっ!」

 シンジの姿がLCLとなって弾けて消えると当時に、ゲンドウの体もLCLとなって弾けて消えた。



冬月先生 お久しぶりです

「おぉ ユイ君か…… あの時と変わらんな……
 どうやら碇の奴、シナリオ通りに事を運んだ様だ」

冬月先生、ゲンドウさんの…… 

ユイだった姿がシンジへと変わって行く。

父さんの計画は失敗だったんです

「や、やはりシンジ君だったのか そうか碇のシナリオは破綻したのか……
 だが、あれだけ人としてあるまじき行いをした結果がこの様な物になるとは……
 せめてサードインパクト後の脆弱な世界でユイ君と会いたいものだな」

いいえ、彼方にも僕が望む補完された世界で生きてもらいます

「シンジ君が望む? それはどう言う…」

冬月先生、父さんと母さんを頼みます さよなら……

「っ! シンジ君っ! 君は…」

シンジの姿がLCLとなって弾けて消えると当時に、冬月の体もLCLとなって弾けて消えた。



りっちゃん 結局あなたもゲンドウ君に裏切られた様ね

「か、母さん? そんなはずは無いわ だって母さんは……
 そう これが死に際の幻覚ってものなのね
 それが母さんで、しかも嫌な事を思い出させるなんて皮肉な事」

あなたはあの人の計画の為に利用されていただけなのよ もう、あの人……

「そうよ そんな事は最初から判っていたわ
 結局、親子揃って騙され捨てられたのよっ! 本当に無様だわ……」

赤子ナオコだった姿がシンジへと変わって行く。

父さんの事は忘れた方が良いです そして新しい幸せを見つけてください

「こ、これはどう言う事なのっ!? なんでシンジ君が……」

父の事を許してとは言いません せめて僕が作る補完された世界で幸せになって下さい
僕が出来る事はこれしかありません さようなら……

「シンジ君 待ってっ!」

シンジの姿がLCLとなって弾けて消えると当時に、リツコの体もLCLとなって弾けて消えた。



ミサト大きくなったな……

「お父さんはもう死んだのよっ アンタ誰よっ!」

真実を知ったからとは言え、父さん為にサードインパクトを起こした連中に、
復讐しようとするのは止めてくれ…

「アンタに言われる筋合いなんて無いっ!」

ミサトが許せないの判る だが復讐なんて止めて欲しい
復讐などしても不幸なるだけだ…
葛城教授だった姿がシンジへと変わって行く。

そして、これから加持さんと幸せになってくださいね

「えっ!? なっ シンジ君がどうしてっ!」

もう復讐なんて考えないで幸せに暮して欲しいんです

「シンジ君には関係ないことよっ!」

それが弟として最後のお願いです

「最後ですってっ!? な、なに勝手な事言ってるのよ…
 それより、もう直ぐ、エヴァシリーズが飛来するのっ!
 早くシンジ君も初号機で出撃よっ!!」

大丈夫です… リリスの力で消滅させます…
「リリス? そ、それってっ! あんたは一体っ!?」

シンジの姿がLCLとなって弾けて消えると当時に、ミサトの体もLCLとなって弾けて消えた。



アスカちゃん今まで一人にしてごめんね

「ママ? ママなのね? 会いたかったよママァッ!」

これからは普通の女の子としてママと一緒に生きて欲しいの

「でも、一番じゃなきゃママはアタシを見てくれないでしょ
 だからママのために頑張るのだからアタシを見てママっ!」

そんなに張り詰めていたらいつか本当に壊れてしまうわよ ママは……

蒼龍・キョウコ・ツェッペリンだった姿がシンジへと変わって行く。

プライドに縛られず普通の女の子でいて欲しいんだ
アスカのお母さんだってそう思っているはずだよ

「なっ 何でバカシンジがママになんてっ!……
 助けて欲しいときに助けに来ない、アンタなんて大っ嫌いっ!
早くアタシの目の前から消えてっ!」

ごめんよアスカ…… さよなら……

「ハンッ! アンタのごめんは聞き飽きたわよっ!
 いなくなってくれて清々するわっ!!」

……

 シンジの姿がLCLとなって弾けて消えると当時に、アスカの体もLCLとなって弾けて消えた。




 ここはアストラル世界、全ての魂が混沌の世界に旅立つ前にたどり着く所
LCLで構成されたシンジの意識体は、この世界で加持を捜していた。

加持君の魂が混沌の世界へ旅立ってなく良かったぁ……

か、葛城なのか? どうしてこんなな所へ……

今なら加持君を生き返らせる事が出来るの……

俺は死んでしまったのか?

そうよ だからアタシ達の元に戻って来てお願いよ

じゃなんで葛城がここにいるんだ まさか葛城まで死んでしまったと言うのかっ!?

違うわ アタシは間だ生きてるの だからあたし達の元に戻ってきて

 ミサトだった姿がシンジへと変わって行く。

そして、もう危ない真似はしないで、ミサトさんを幸せにしてあげて下さい

シ、シンジ君なのかっ!? 何故君がミサトの姿に何か……

僕からの最後のお願いです ミサトさんを必ず幸せにするって約束して下さい

一体何が起こっているんだ教えてくれっ!

約束して下さい……

 シンジの顔から表情が一切消え、感情が一切こもっていない声で再び問い返す。

 うっ わ、判った男の約束だ そ、それにしてもシンジ君を怒らすと怖いなぁ

 シンジの姿がLCLとなり弾け消え去ると当時に、有無を言わさず加持の魂も何処かの空間へと消え失せた。



 エヴァ初号機のコアの中で眠るユイの魂に語り掛ける声が有った。

母さん…… 起きて母さん……

ん う〜ん ? 彼方は誰? どうしてここにいるの?

僕は母さんの息子の碇シンジだった

シ、シンジなのっ!? シンジだったってどう言うこと?

僕はゼーレと父さんの補完計画を潰し、僕の望む世界を作る為に、
体も心も全てをリリスと完全に融合したんだ

ど、どうしてシンジがそんな目に……
ゲンドウさんは一体何をやってるのっ!?

父さんは父さんを理解していた母さんに、
エヴァの中に取り込まれたままでいさせたくなかった
そんな父さんは母さんを取り戻す為だけに、
わき目も振らずサードインパクトを引き起こそうとしていた

わたしはエヴァの中で人類の行く末を見詰めながら、
太陽と月が有る限り、人類が確かに地球にいた証となれば良いと、
エヴァの中に残ったのにゲンドウさんは判ってくれなかったの

父さんは繊細でとても弱い人なんだよ だから絶えられなかった
もう父さんの元へ帰ってあげて

ゲンドウさんごめんなさい……
でも、わたしは自分の意志でここにいるの だから帰らないわ

じ、自分の意志ってどう言う事? 母さんは戻りたくないのっ!?

エヴァの中に閉じ込められたのは予想外だったし、
確かに最初の頃はここから出たいとも思ったわ

だったら、なぜ、そんな事を言うの?

それは、エヴァの精神と触れ合う内に、前世界の事を知ったのよ
そこは今よりも遥かに進んだ科学力でこの世の栄華を誇っていたの
でも、その科学力を過信した事が切っ掛けで、あっけなく滅んでしまったわ

それが、私が冬月先生の下で研究していた、死海文書に記されていた
第四始祖民族の事を言ってると、知った時はとても興奮したわ
だから、私はもっとその世界を詳しく知りたいし、
この先、人類が何処に行き着くか、このエヴァの中で見続けて行く

そんな駄目だよ そんなんだから、第四始祖民族は滅んでしまったんだと思う
僕がエヴァを破棄しないと、人々はまた第四始祖民族と同じ運命になってしまうよ

シンジどうして判ってくれないの?
もしかしたら、行き詰まった人類を導く、ヒントになるかも知れないのよ
母さんはこのままで良いから余計なことはしないでっ!

母さんの体は用意してあるから、もうその事は忘れて、父さんと2人で幸せに暮してよ
それが消えて行く僕からの最後の願い……

消えて行くって!? まさかシンジあなたは……

僕はリリスと融合した身 リリスと共に運命を共にし無に帰して行く……

そ、そんな どうしてシンジだけがっ!

僕がそう望んだからです…… さよなら母さん…… 最後に会えて良かった……

ま、待ってシンジ お願いよ 母さんだけは見逃して頂戴っ!
私はこのままここにエヴァの中にいさせてっ! でないと許さないわよっ!

どんな事を言ってもダメですよ…… 父さんが悲しむから……
僕といるより母さんの方が父さんの幸せなんです……
それにアスカと言う娘を僕の代わりに見守ってあげて欲しいんです
さよなら…… 母さん……

シンジっ! 嫌ぁ やめてぇっ!!……

 シンジの姿がLCLとなって弾けて消えると当時に、ユイの魂は何処かの空間へと消え失せた。



カヲル君… 綾波…… 補完された世界で僕の分まで人として生きて……

シンジ君とリリスの分身がなぜ融合などしてしまったんだ……
そんな事は決して起こらない筈なのに……

僕が綾波の代わりにリツコさんの凶弾に倒れ、命が消え失せて様としていた時に、
残されていたリリスの心がリリスの体を元に再構成された僕にシンクロしたんだ……
そして、綾波とリリスが融合したら世界と綾波が無へと帰すだけと知った僕は、
綾波を助ける為に僕がリリスと融合したんだ

「わたしも連れていって」

駄目だよ綾波……
無へと還るのは僕とアダムとリリスそしてエヴァシリーズだけで十分だよ
そして僕がリリスに望んだ"使徒もエヴァも存在しない"世界で幸せになってね……

そうだったのか そこまで気付かなかったボクのミスだよ
だからシンジ君と無へと還るのは、ボクの方が相応しいんだ
リリスが無に還れば君の体からリリスの因子が消える
だから人として僕達の分まで幸せになるんだよ

「碇君…… ダブリス…… 判ったわ」

カヲル君の思いは嬉しいよ でも思いだけ受け取っておくよ……
君もアダムの因子が消え失せるから人として綾波と共に生きて欲しいんだ
体の方は心配しなくても、何人か体の無い人達と一緒に再構成してあげるよ
それが僕の望み カヲル君の望みを適えたんだから、僕の望みも聞いてくれるよね?

ずるいよシンジ君 それではボクは何も言えないじゃないか
でも本当にシンジ君1人が消えていく事になっても良いのかい?

うん、今まで僕が流されて来たから有る意味こんな事になってしまったと思うんだ
だから独り善がりだと思うけど全ての責任は僕が全て負って消えていきたいんだ
もう僕が逃げる事で僕の好きな人たちが不幸になるのは嫌なんだ

本当に好意に値するよ シンジ君 君と言う人がいた事は決して忘れない
わたしも碇君の事を決して忘れないわ

世界は静寂に包まれていく……
生命は自らの形を失いLCLへと還元されていく……
徐々にリリスの中の僕の存在も消えて行く……
そろそろお別れみたいだね さよならカヲル君……

 そうシンジが呟くとレイはLCLとなって弾けて消えると
最後にシンジもLCLとなって弾けて消えた。

シンジ君が全ての業を被る必要は無いんだよ
それに自己犠牲からは何も生まれない事を教えたあげなくてはいけないね

カヲルもそれを見届け一言呟くと掻き消す様に消え失せた。

それを持っていたかの様に地球上の全生命の慣れの果てで有るLCLは、
地上から上昇した黒き月と白き月とが融合して出来た新たな月に吸収され始めた。
そして、全てのLCLが新たな月へと吸収されると、月が格子状に罅割れる様に崩れ、
そこから漏れ落ちたるLCLと共に地球に降り注いだ。

こうしてシンジの望み通りの世界を再構築する為に起こされたインパクトによって、
全ての生命がLCLとなり、世界が閉塞していく様子を、
シンジを象ったリリスは上空から無表情で見下ろしていた……



死海文書に記述されている 約束の日

?????

 上も下も右も左も曖昧で尚且つ自分と世界との境も曖昧な脆弱な世界
そんな世界で1人の少年が深き眠りより目覚め様としていた。

「ん う〜ん ここは何処なの?」

ここは何処から何処までが自分なのかが判らない脆弱な世界じゃ
そして、白き月と黒き月とが融合した物の内部にある、全ての生命の源LCLで構築された世界ぞぇ

「貴方は誰なの?」

わらわは、リリスと呼ばれていた者 今はそなたと他の使徒と融合し新たな神となったのじゃ

「ボクと融合? 新たな神? 一体ボクは何者なの?
 眠りから覚める前のこと覚えてないから良く判らないんだ」

わらわは、旧き神が仕組んだ忌々しいシナリオから全ての生命を救う為に、
そなたが望んだ"エヴァも使徒も存在しない平和な世界"を構築すると言う条件で、
そなたと融合してサードインパクトを制御しようとしたのじゃが……

「ボクが望んだ"エヴァも使徒も存在しない世界"……
 今のボクには何の事だか判らないけど、いつまでもこんな曖昧な世界じゃダメだよ
 それで新たな世界を作る為にはどうしたら良いの?」

そなたが望む世界を思い描きながら、わらわと共に再生のための唄を歌えば、
世界はそなたが望む形で再構築され様ぞ

「ボクにそんなこと出きる力なんて有るの?」

今のそなたは生命の実と知恵の実、そしてアダムとリリスの力、そして槍をも受け継いでいるじゃぞ
その力は古からの主の力に匹敵する物で、そなたは神の児と呼ばれるに等しき存在……
神の児とは言え、その力は天地創造すら雑作も無くできる程、強力な物ぞえ
ただし世界の外にいるわれら達は、世界が再構築すると無へと帰すしか残されていないのじゃ

「ボクにそんな力が……
 でも無へと帰すってどう言う……まさかボクと言う存在が消滅していしまうの?

そなたの言う通り、わらわ達は既に殆どの力は残されておらぬ
この上、全生命を再構築しようものなら魂は消滅してしまうのじゃ
それを納得した上でそなたはわらわと融合して、世界を中の生命をLCLへと還元したのじゃぞ

「そんな……じゃボクが全生命をLCLへと還元させて、滅ぼしてしまったと言う訳」

滅ぼしたのではない新生のための閉塞に過ぎないのじゃ
そなたが望む世界を思いながら、わらわの唄う唄を声に出して唄えば、
世界の再構築され、全ての生命がその形を取り戻すぞぇ
ただし世界の自浄作用があるので、そなたの望む世界そのままと言う訳ではないが

「そうか ボクが世界を再構築すれば、平和な世界で皆が元に戻るんだね
 判ったよ その為にならボクは……」

では始めるぞぇ

「うん……」

 シンジが世界をリリスと再構成しようと身構えると、
神となったシンジしか存在していないLCLの世界に突如カヲルが現れた。

「うん……ダメだよシンジ君

「君は誰なの? シンジってボクの事?
 皆LCLに溶け込んだ筈なのになんで君はここにいるの?」

ボクは、人在らざる者、しかも精神体のみの存在だからね、LCLにならなかったのさ
そんな事よりボクのことが判らないのかい?
シ、シンジ君、どうして……

「ごめんね 頭の中が真っ白で何も判らないんだ……」

 意外な展開に流石のカヲルも戸惑っている。

ま、まさか神になった時に原罪の汚れなき無垢な魂に浄化され、
シンジ君のパーソナルが初期化されてしまったと言うのかい……

「誰か知らないけどボクの邪魔をしないで……」

 シンジは無表情になるとカヲルに呟く。
世界を再構成したあと君がどうなるのか判っているのかい?
さぁ自分を強くイメージしてリリスの中から出るんだ

「このままだと全ての生命は永遠にLCLにたゆたう事になるんだ
 そんな事になるくらいならボクが無に還る方が良い
 それにもうこれは誰にも止められないよ」

早く始めないと、全ての生命が、元の自分をイメージ出来なくなるぞぇ

「うん さぁ始めよう……」

ボクは例えこの世界が滅んでしまってもシンジ君、君だけでも助けたいんよっ!
そして過去の世界でやり直して欲しい……

「ボクは全ての生命を犠牲にしてまで存在し続けようとは思わないよ」

判ってくれないのかい? シンジ君

「君はボクの親友だった様だからリリスの力で人として転生させてあげるよ……」

止めるんだっ! シン……

 カヲルの精神体はシンジの名を呼ぶ前に掻き消された。

もう良いか? わらわ達の力が尽きるのも近いのじゃ
それに加え今この瞬間にも古の神が復活を果たすかも知れぬぞぇ……

「うん……」

では改めて始めようぞ……

 シンジの容姿をしたリリスは、目を閉じ両手を胸の前で重ね合わせると歌い始めた。

*著者注

あ・お・いかげにつ・つまれたす・は・だ・が

と・き・の・なか・でしずかに・ふる・え・て・る

いのちのゆーくーえをーとーいかけーるーよにぃー

ゆびさきーはわたしをもーとーめーるぅー

たましい

 白い月と黒い月とが融合してできた、新たな月の表面が格子状に崩れ、
すべての生命が還元されたLCLが、月の欠片と共に地球の周囲を多い始めた。

わ・たしにかえりな・さいーうま・れるま・えにー

あなたとすーごしたーだいちへーとぉー

この・てにかえりな・さいーめ・ぐりあう・ためー

きせきはおこるよーなんーどーでもぉー

たましいのルフーラーン……

わ・たしにかえりな・さいーき・おくをだ・とりー

やさしさとゆめのーみなもとーへぇー

あな・たもかえりな・さいーあ・いしあう・ためー

こころもからだもーくりかえすぅー

たましいの・ルフラン……

…………………………………………………………

…………………………………………………………

…………………………………………………………

意識が……と……く……なって……

…………………………………………………………

…………………………………………………………

…………………………………………………………

もう……無へと……のかな……

…………………………………………………………

…………………………………………………………

…………………………………………………………

みんな……幸せ……欲しい……

…………………………………………………………

…………………………………………………………

…………………………………………………………


わら…と融……から全てを……たが、そなたは……と帰る………では無い
これ…行く他の……が待って……が、わらわの……えたリリンを……力と知識で、
リリンを……あげて欲しい……


地球を覆っていたLCLは、唄の終わりと共に地上へと降り注ぎ、
暫らくするとLCLの水溜りは、次々と人の姿へと形を取り戻して行く……




死海文書に記述されている 約束の日

ラディックの海

 ここはリリンがラディックの海と呼んでいる全ての時空に繋がっている混沌の世界、
全ての生命の魂が肉体を失うとこの世界で霧散し新たに生まれてくる魂の元となる処……

 リリスと融合したシンジの魂もまた、この混沌の世界を浮遊し、
新たな魂の元になるのをただ待つ事しかできなかった。
するとどこからか威厳に満ちた声がどこからか聞こえて来た。

愚かなリリン共め、自ら我の戒めを解き、黒き月へと還るとはなっ!
我が復活したからには黒き月共々、無に帰してくれようぞっ!!

っ! 原罰に塗れしリリンの中で最も罪深く、

…………………

ダフリスにそそのかされ、我がシナリオに背き愚かな少年では無いかっ!

……ン……ウゥ………

だが既に魂が霧散し始め希薄化してしまった様だな?

ボク ニ ハナシ カケル ノハ ダレ?

ほぉ まだ意識が有るとはリリンにしては大した者だな
本来なら即刻消滅させる所だが特別に教えるとするか

我が名はYHWHっ!!
天地を創造し、赤き土よりお前達リリンを含め18のヒトを創りし者でもあり、
そして全ての真理と森羅万象を支配する存在もである

Y っ! コ、コトバ 二 デキナイ……

愚か者めっ、お前達、下賎なリリンが軽々しく口に出来る名では無いわっ!

リリン?

我を知らないばかりか、その様な己の事も忘れ去ったと言うのか?
リリンとは創造神たる我に背きアダムカダモンの末裔
その先祖と同様に、我の事を忘れるばかりか、逆らうとする罪深きお前達の事だ

 シンジだった魂が声のした方を意識すると、
全身から眩い光を放つ白い衣を着た年老いた男が立っていた。

イチメン マックラ デ ジョウゲサユウ ノ カンカク スラ ナイ……
ココ ハ イッタイ ドコナンダロウ?

ここはメンタル界と呼ばれる場所……
アストラル界の更に上層に位置し魂が転生する処 混沌とした魂の世界
ここから更に上層の界に行くか新たに生まれてくる魂の欠片となるのだ

ナゼ ボク ハ ソンナトコロ ニ……

リリスが最後の瞬間、お前に全ての力を与え、メンタル界に留まらせたのだ
だが、リリンの少年よ お前は我のシナリオを逸脱した存在
よって真理を貫くため、お前の全ての存在その物を完全に無に帰すと共に、
物質界を元の正常な状態に戻さねばならぬ 少年よ覚悟は良いな?

シナリオ トハ ナンナノ?

リリンは長い間頂点に有りつづけた為に既に生き詰まっている
このままでは全ての生命を巻き込み滅してしまうだろう
その、諸悪の根源とも言えるリリンを滅し、エルシオンを再び地上に再生させる事だ

ソンナコト ハ ナ

無いか?
自から生き抜く為に他の生命から命を奪い、更には娯楽の為に平気で命を弄ぶ
挙句の果てに、生き抜く為ではなく、単なる力を誇示する為だけに同種をも殺める

イキヌクタメニ ハ シカタガナイジャナイカッ!
ソレ ニ スベテ ノ ヒト ガ イノチ ヲ モテアソンデ ナンテ イナイッ!

確かにリリン全てがその様な事を仕出かしているとは思わん
だが、快適な暮らしを求めるが為に、この星を人工物と汚物に塗れ尽くし、
大なり小なり他の生物の命を脅かしているのは拭う事は出来ぬ

デモ モト ノ シゼン ヲ トリモドソウ ト シテイル ヒト モ イル

少数の者が行ったとしても無駄な事よ 第一もう何もかも遅すぎる
お前が言う一部のリリンの犯した愚かな行いによって、
全ての生命がLCLへと還りこの星は既に死にかけているのだ

そもそも他の生命を摂取しなければ生きる事が出来ぬ種など失敗作だったのだ
よって我は、他の種を狩らずとも自ら生きる力を生み出す、新たな種を作り出し、
その種同士で淘汰し合い、最も優れた種のみに、地上を任せる様に仕組んだのだが

ソ、ソンナ ボクタチ ガ カミ 二 ツクラレタ シッパイサクダナンテ……

それが、ダフリスが余計な事をお前に吹き込んだ為に、
リリスと融合し神の力を得たお前がリリンを再び種の頂点として、
次の世代交代までのさばらせる結果をもたらせたのだ
だからお前は存在してはならぬのだ 神の力を持つリリンなどな……

ボク ハ ドウナッテ モ イイ…… ダケド、リリンタチ ハ タスケテッ!

お前がこの様になってしまったのは、お前が庇っているリリンのが原因なのだぞ?
それも、お前の実の親までもが、子である、お前を利用した結果なのだ
言って見れば同属の者、更に言えば同じ血を分けた我が子を、
生きる為では無く、己の欲望の為に、この様な仕打ちをしたのだ
なのになぜ助ける? 恨めしくは無いのか?

トウサン ノ コト ハ ウランデナイ ト ハ イワナイ
デモ ゴクイチブ ノ ヒト ノ タメ ニ スベテ ノ ヒト ガ セキ ヲ オウナンテ オカシイ
タトエ ツミ ヲ オカシタ トシテモ ヒト ハ ハンセイシ ソノ ツミ ヲ クイアラタメラレル ハズ

そこまで信じるか? 愚かな者よの
お前のその他者を信じる心に免じ、リリン達に最後のチャンスをやろう
これからのリリンの行く末はリリン自らの行いで決まる

ヨカッタ コレデ ミナ モト 二 モドッテ ヘイワ 二 クラセル

それはどうかな? 今までの行いを悔い改めるとは思わんがな
それにしても、魂が希薄なのにも関わらず、未だに消滅せんとは……
リリンにしてはいささか自我が強すぎる

まさかとは思うが調べてみる必要が有るやも知れん

? ッ! ナニカ ガ ハイッテ クルッ!!

名は 碇 神児 と言うのか お前の両親は畏れ多い名を付けたものよ
なっ、なんと一度も魂が霧散すること無く、輪廻転生を繰り返してきたと言うのか?
単なるリリンの末裔ではないなっ! お前は一体っ!?

シラナイ キオク ガ ツギツギ ト ワキデテ クル

何度も転生を繰り返し、忘れ去った脳の記憶では無い お前の魂の記憶だ

ボク ノ タマシイノ キオク?

碇…… アンカード  六文義 セクスタン……
んっ!? これは驚いたな 第四始祖民族 アトランティス から 分かれた ノア の末裔とはなっ!

お前の両親は遠い先祖の事など知らなかったと見えるが、
智恵の実、生命の実まで内包しているとは正に神の児
これで、益々生かして置く訳には行かな無くなったっ
長く話し過ぎたな さぁ、話は終わりだ 無に帰るが良いっ! 我に光有れっ!

ナ、ナニコレ スベテ ガ ヒカリ ニ トケコンデイク……


 ヤハウェの頭上から無数の光がシンジだった魂に目掛けて降る注ぎ、
眩い光に包まれ姿が光に溶け込む様に見え無くなり始めた。

我が自ら手を下さずとも、リリン達は自ら自滅して行くのだ
リリンの欠片達より一足早いが、神に逆らった事を後悔しながら無に帰すが良いっ!

 更に光が強まりシンジだった魂も頭から下は既に光と同化してしまっていた。

ソンナ…… ナイ ……ヒトビト …ハ…… ハズ………

後は本来の姿で、使徒をそれぞれの場所に転生させ、我の元のシナリオの通り行動させれば、
最も優秀な種のみの楽園をこのテラに作る事が出来ようぞっ!
フハハハハハハーーーッ!

アァァァ………

とは言ったものの、このまま魂を霧散させたとしても、ノアの末裔たる力は侮れがたい……
己を再構成して、再び我に歯向かうやも知れん

ふむ これは良い 面白い事を考えたぞっ!
多少は手間が掛かるが、最悪あのリリンが生き残ったとしても、
唯一の希望を見失い、余りの絶望に心を永遠に閉ざすだろう


 シンジだった魂は完全に光と同化し光が徐々に弱まり光が消え失せると、
何事も無かったかの様にヤハウェのみがその場に佇んでいた。



*著者注 唄のイメージは魂のルフラン[AquaGrooveMix]引用しました。
     著作権はガイナックスとキングレコードに有ります



次回予告

サードインパクト後、赤き海より、己の姿を取り戻す人々
それは、たった一人で人類のカルマを背負った少年の犠牲に有った
だが、少年の意に反し、2度の大厄災の影響で混沌とした世界は、
新たな支配者を生み、プロパガンダの礎を探していた。
世界は、少年の望む通りになるのか、それとも………

次回「メシアの受難」

???:「エヴァも使徒も存在しない世界を望んだ…… だけどこんな世界は違うっ!
      人の心が変ら無ければ駄目なんだよ 僕のして来た事って無駄たったの?」






To be continued...

(2005.06.11 初版)
(2006.07.30 改訂一版)


(あとがき)

 ふぅ〜、わたしの書く物ってどうしてイタ物になるんでしょ(涙)
きっと私の心が荒んでるからなんでしょうね……
これでもわたしの書いている中では一番ライトな方だと思うのですが、
どうだったでしょうか?
これ以上、痛くならないように気をつけなければ……(^^;

と以前の後書きに書いたのに、最後に追加した神との対話が更に重苦しい展開へと(;_;)
所詮、ライトな物を書けない駄目な霞です。
投稿規約には、イタ物はNGでないし、もう開き直って暫くはこのままで(オイ

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