「そんな・・・じゃああたしのお父さんは・・・その実験のとばっちりで死んだって言うの!?」
「恐らく。」
「そう・・・・私は・・・私の復讐は間違っていたのね・・・。ごめん・・なさいシンジ君、レイ・・・私は・・私は・・・。」
そのときレイがミサトに近づき、ぎゅっとミサトを抱きしめた
「もう良いです、ミサトさん。」
「あのときにシンジ君が言ってましたが、家族です。私はまだ家族をもって間もないけど、私も同じことをしていたと思う。だから泣かないで。」
「ミサトさん。僕の知り合いが言ってました。『反省はしても、後悔はするな』って。だから今、反省してください。後に後悔しないように。」
「レイ・・・シンちゃん・・・分かった。でもまた私は暴走する事があるかもしれない、だからそのときはシンちゃん達に・・・いや、此処に居る皆にとめて欲しいの。」
「「分かりました。ミサトさん。」」
「大学からの腐れ縁だもの、今更、暴走云々言われても心配ないわ。」
「ありがとう。」
そう言って冬月が反省会を終了させようとすると、
ビー!ビー!!ビー!!!
昼の天使が呼び鈴を鳴らした。
第肆話 歌声と産声と「下」
presented by 東雲様
――――――――――――――ネルフ発令所――――――――――――――――――――――――――――
第四使徒昼を司る天使シャムシエル襲来
「っく。碇司令の居ない間に第四の使徒襲来か、意外と早かったわね。」
ミサトがモニターを見ながら言う。その中には、烏賊と蟲を足したような形の使徒が映っていた。
「前は15年のブランク、今回は、たったの3週間ですからね。」
【日向マコト二尉】が言う。
「こっちの都合はお構いなしか、形に関係なく女性に嫌われるタイプね。非難状況は?」
ミサトの副官でもあるマコトに問う。
「全て完了してます。対人センサー(maid byシンジ)には、何も引っかかっていませんでした。」
メガネを光らせ報告するマコト
「それにしても、あれって烏賊の使徒ですかぁ?」
ノホホンと言い放つルクレツィア
「・・・順番的には昼を司る天使シャムシエルね。」
リツコが何とも言えない顔でルクレツィアを見て答える。
「昼・・・ですかぁ?司っているモノと合わないくらい卑猥な形してますよねぇ〜。」
「・・・確かにそうね。」
そんな会話が成されている中モニターの中では次々に使途に向かって、ミサイルやら砲弾やらが打ち込まれるが、何の効果もない。
「税金の無駄遣いだな。」
「まったくだな。」
冬月とヴィンセントが、その様子を見ながらぼやく。
「葛城一尉!委員会から、エヴァンゲリオンの出動要請が出ています」
【青葉シゲル二尉】が、ミサトに報告する。
「えぇ、言われなくても出撃させるわよ。エヴァはまだなの?!」
シンジは、会議室から更衣室、ケージへと向かわなければならなかった為、発進が遅れている。映っていなかったモニターにシンジの顔が映る。
『遅れて申しあけありません!葛城一尉、状況を簡潔にお願いします。』
その顔は【中学生碇シンジ】の優しく幼い顔は無く、ただ戦いに赴く漢の顔があった。言うなれば【戦士碇シンジ二将】の姿が映っていた。その顔を見た発令所の面々は一瞬見とれた。
「(っは!)げ、現在使徒は、A-03地区をこちらに向かって進行中。なお、国連軍が攻撃を加えていますがまったく効果が得られておりません。」
そこは、流石作戦部部長だろうミサトがいち早く復活して、現状を簡潔に説明する。それに僅かに遅れて他のスタッフも動き出す。
『分かりました。では、現状から導き出せる作戦を。』
目をつぶり、自然体でミサトの言ったことに答える。どうやら精神統一をしているようだ。
「はい。敵の攻撃方法が分からないので、パレットライフルで中距離で牽制し攻撃方法を分析、しかる後殲滅という方法がベストだと考えます。」
先ほど、ルクレツィアの話を聞いて、残っていた復讐心の欠片が吹き飛び的確な作戦を提案するミサト。
シンジの映っているモニターを見ながらミサトが言う。
『・・・それがベストでしょうね。ではその策で行きましょう。ライフルの弾は?』
とシンジが問うと、隣に居たリツコが答えた。
「博士の考案した。特殊鉄甲榴弾のマガジンが、2つと劣化ウラン弾のマガジンが2つ用意してあります。」
事前にシンジがリツコとライフルのことで話し合って居たので、2種類の弾がある。
「鉄甲榴弾の方でお願いします。街を汚染したくないのでね。・・・出撃お願いします。」
「了解!エヴァンゲリオン初号機シークェンスS(Sally)への移行!」
「「「了解!」」」
その指揮に発令所がせわしなく動く。
「シークェンスSへの移行完了!出撃可能です!」
マコトの声を聞きミサトがシンジへ視線を合わせる。
『(コク)・・・。』
シンジの相槌を受け取りミサトが号令を行う。
「エヴァンゲリオン初号機出撃!!」
―――――――――――――同時刻第707号シェルター内―――――――――――――――――――――――
「トウジ、チョッとイイか?」
「なんや?」
「ココじゃなんだから」
「わかった、委員長!ワイら小便や!」
「もう、先に済ましておきなさいよ!」
ヒカリにそう言われると、トウジ達はトイレに行った。
「で、話って何や?」
「なぁ、外に出てみないか?」
「はぁ?」
ケンスケにお前何訳分かんないこと言ってんの?と言うふうな視線を向けるが、お構いなしにケンスケはまくし立てる。
「な?いいだろう?」
「阿呆!外に出たら死んでまうがな!」
「ここにいても同じさどうせ死ぬなら一度だけでもこの目でエヴァを見ておきたいんだよ!」
「・・・ったく、自分の欲望に素直なやっちゃな。」
トウジは呆れた顔をしてケンスケを見た。
暫くして、中々戻って来ない2人を不信に思い、ヒカリが男子トイレの前で、うろうろしていると、ルナが女子トイレから出て来た。
「あれ?ヒカリお姉ちゃん、そっちは男子トイレよ?」
「あ、ルナちゃん、いえ、鈴原達がトイレに行って帰って来ないの。」
ヒカリはルナにココに居る理由を言う。
「え?達って・・・ま、まさか、相田って人と一緒に?」
眉間にしわを寄せて心配そうな顔で尋ねる。
「ええ、そうよ。」
「どの位前に?」
「ここで、10分は待ってるから・・・20分近くは経ってるわね。」
「・・・まさか。」
「え?ちょ、ちょっとルナちゃん!?」
ヒカリは行き成り男子トイレの中にかけていったルナに驚きあわてて後を追った。
「嘘やろ・・・。」
聡明で鋭いルナは、最悪の事態を思い付いた。如何かそうであって欲しくないと願ったが、無情にもトイレの換気口は開いていた。
「もうルナちゃん!いくら2人しかいないからって・・・こっこれは如何いうこと!?」
開いている換気口と探し人も見つからないヒカルの中で最悪の答えのピースがそろっていた。
「まさか!あの2人?!」
「・・・。外に出とうね。」
ヒカリとルナは、少し顔を青くしながら、最悪の答えを導きだす。ヒカルとルナは互いの顔を見合わせ
「追いましょう!」
「うん!」
そして、ヒカリ達“は”開いていた換気口に潜って、外に出て行ってしまった。
――――――――――――――第三新東京市――――――――――――――――――――――――――――
ガシャン!
ビルに偽装させたゲートに初号機が到着した
「合図お願いします!」
シンジは、目を開き初号機の右手にライフルを装備してミサトに合図を促す。
『了解!!・・・ミッション・スタート!』
ダダダダダダダダダダダダダダダダダダンッ!
合図と共にシンジはライフルをフルオートで5秒ほど発射し、またビルに隠れる。
ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボン!ボンッ!
その後直ぐに刺さった弾が爆発を起し、爆煙が使徒を包む。
「効いたかな?」
シンジは相手の状況を知るために、ビルから顔だけを出す。
爆煙が晴れると先ほどと変わらぬ使徒の姿
「・・・一応確認とるけど、効いてる?」
『こちらでも確認を取りましたが、たいしたダメージを確認できません。』
発令所に繋いで確認を取るが、同じのようだ。だが、次の行動にシンジが移ろうとするが
「ッ!マヅイ!」
行き成り、その場から飛び引く。刹那初号機の居た場所に光の線がが走り、その場にある兵装ビルがバラバラに切り裂かれる。
残っていた下の方を見ると、鏡の様に綺麗な断面に青空が映っている。
見ると使徒が光る触手のような物を出している。
「・・・ひ、光の鞭って・・・マジ?」
L.C.Lの中だから分からないがシンジは確実に冷や汗を掻いていた。
『シンジ君!こちらで先ほどの使徒の鞭の速度計ったけど、音速をゆうに超えて超音速の域に入ってるわ。』
『それに、あの鞭はATフィールドの応用のような物だから、当たったりしたらバラバラになるわ。』
リツコとルクレツィアの説明があっている間もシンジは懸命に使徒の攻撃を避けて、距離をとる。
「っく!此れじゃあ迂闊に近づけない。何とかして隙を見つけないと・・・?」
使徒を見るシンジだが1本の鞭しか見当たらない。
『シンジ!下だ!!』
ヴィンセントの怒号が響くと共に初号機の足元から使徒の鞭が現れ、絡めとり山の方に投げた。
シンジはその拍子に外部電源コードをパージした。
ビー!ビー!外部電源をパージしたので警報が鳴り、内臓電源カウントがスタートする。
「っくう!痛いなぁ!」
ビー!ビー!
使徒に意識を向けたとたんプラグ内に、再び警報が鳴りWARNINGの文字が後方の画面に映り、外の映像が流される。
そこには、あの時のように恐怖に体を震わせる二人のすがた。
「んなぁ!!」
――――――――――――――ネルフ発令所――――――――――――――――――――――――――――
「なっ!何で、彼女達が!?日向君!調べたんじゃなかったの!?」
凄い剣幕でマコトに言い寄るミサト。
「は、はい。レーダーには確かに何も写っていませんでした。恐らく、彼女達の独断かと・・・。」
「ミサト!ここで、日向君に言い寄っても仕方ないわ。現状でなすべき事を」
ビーッ!ビーッ!
「こ、今度は何!?」
「先輩!マギがハッキングを受けているんですけど、全く抵抗していません!」
「何ですって!!?」
そりゃあ自分とこのコンピューターが何処とも分からぬ奴のハッキング受けて、全く抵抗しないんだから驚くのも当然。
パニクってるまに一つのモニターに男性とも女性ともとれる人物が映し出される。感じは、何処と無くシンジにも母の碇ユイにも似ている。
『シンジ君、その娘達をエントリープラグへ!急いで!!』
――――――――――――――第三新東京市――――――――――――――――――――――――――――
『シンジ君、その娘達をエントリープラグへ!急いで!!』
『チョット!!なに勝手に指示出してるの!?そちらに直ぐ保安部を『ダメです!今保安部を動かせば、シンジ君に余計負担がかかる!此処は多少秘密を漏らしてでも、彼女達を護るのが先決です!』だ、だからって』
「うっ!!っくぅぅぅ!!」
シンジのうめき声につられてそちらを見ると、ライフルを捨てて使徒の鞭を両手で受け止めていた。
今のシンジはシンクロ率がほぼ100%なので、痛みもダイレクトに伝わる。シンジは今、手で焼けた鉄を掴んでいると言ってもいいだろう。
『技術部からも許可するわ。』
『なっ!リツコ!』
『今は、仕方ないわ。文句は、終わったら聞いてあげるわ。』
『ありがとう。赤木博士。ではまたチャットで。ファンシーガールさん、ゴールドキャットさん。』
そう言ってウィンドウが閉じる。訳の分からないスタッフばかりだが、マヤとリツコは違うようだ。
『え!?じゃ、じゃあ今のって』
『・・・考えるのは後よマヤ。シンジ君OKよ。やって。(あの人がツナミ博士で間違いないわね・・・。シンジ君にもユイ姉さんにも似てるわね。血縁者かしら?)』
「了解!!」
シンジは、そのままプラグをハーフイジェクトし、
「二人とも!!早くこっちに!!」
二人は、行こうとしているが、腰が立たなくなっている。
「っく。待ってて!」
そう言ってシンジはプラグから出て、彼女達を両脇に抱えプラグまで戻る。
「中は液体で満たされてるけど、この液体は肺に空気を取り込める。靴は脱いで入ってきて病気になるかも知れないから!」
そう言って、シンジは先導して潜る。彼女達もシンジの後に続き、言われた通りにして潜る。
「(うっ気持ち悪い・・・。)」
「(血の味がするよう。)」
気分の悪そうな顔をする二人。
『先輩!シンクロ率が76.43%まで下がってます!』
『仕方ないわ。異物2つ入れてここまで出るんだからたいした物よ。』
『シンジ君!そのまま32番ゲートまで交代』
「ダメです!っはぁぁぁぁ!!」
ミサトの指示を待たず、シンジは使徒を蹴り上げ距離をとる。
「そのまま、追うようにゲートの中に入ってくるのがおちだ!ここは現場の判断をさせて下さい!!」
そう言って、通信をきる。
――――――――――――――ネルフ発令所――――――――――――――――――――――――――――
「な!ちょ、シンジ君!?」
「やめなさいミサト。」
「リツコ!?」
驚いた顔でリツコを見る。
「この場は、シンジ君を信じましょう。」
「・・・っく。私たちは、彼に頼らなければならないの?」
「・・・違うわ。葛城一尉。」
ルクレツィアがミサトに言う。
「私たちは、頼る出なく、信じる。此処に居ても、彼の援護は出来る。」
「此処から出来る事をやり、シンジを信じる。それが、今出来る最善の指揮だ。」
ルクレツィアに続き、ヴィンセントもミサトに言う。
「葛城一尉、碇君を信じましょう。」
「おねーちゃん、シンにぃおうえんしよう?」
レイとサキにまで言われミサトは
「・・・分かったわ。日向君!今動ける兵装ビルでシンジ君の援護よ!タイミングは任せるわ!」
「了解!!」
――――――――――――――第三新東京市――――――――――――――――――――――――――――
通信を切り、言ったものの、戦況は思わしくなかった。
「二人とも!この何処かに掴まって!(活動時間がもう3分きった。如何するかな?)」
二人にそう言ってエヴァを使徒の戦線上に戻す。
(シンジ君あのコのコアは首の下にあるわ。)
シンジの頭の中にイヴ(イヴが分からない人は、【この蒼き空に約束を 第壱話外伝 天使吸収】を御読みください。)の声が響く。
(ええ、分かってはいるんですが、現状で、コアを傷つけないでとる方法とかあります?)
厳しい顔で、シンジはイヴに答える。
(無い事も無いけど・・・シンちゃん相当痛い思いをしないといけないわ。)
シンジの声に辛そうなユイの声が答える。
(構わないよ!さっきの実験で分かったんだ。使徒は人間が齎した最悪の人災の被害者って事が!だから、お願いその方法を教えて!)
必死に答えを待つシンジ。ちなみに、この会話は精神の物なので会話の所要時間は大体3秒くらい。
(分かったわ。イメージを流すわね。)
そのユイの声と共にシンジの頭の中に作戦のイメージが流れ込む。イメージ終了と共に
「よし!!二人とも!!これからさっきより激しく動く!椅子か、僕でも良い!兎に角掴まっていて!!」
「「は、はい!」」
ルナとヒカリはたがいに、横からシンジを挟むように椅子ごと抱きつく。その顔が赤いのは、始めて見るシンジの漢の姿からであろう。
「行くぞ!」
その掛け声と共に、シンジはまっすぐ使徒に向かって走る。
使徒は、当然鞭で左右に薙ぐ。
それを上に跳んで回避するが、直ぐに上に向かって鞭の先端を向けて今度は突きをくりだす。
だがシンジはそれを避けずに、掴んで初号機の腹に刺す。
「うっぐぅ!」
「「シ、シンジ(君・さん)!!?」」
使徒は鞭を引き抜こうとするが兵装ビルが邪魔をしてそれを許さない。
その間に初号機が目の前に降り立ち
「うおおおぉぉぉっ!!!!」
コアより若干下から斜め上に向けて使徒の体にATフィールドをまとった手を突き入れる。
「ピギーーーーッ!」
使途が断末魔を上げ、悶える。
そして、初号機の腕が肘までめり込むと初号機はあいている片腕で、コアをガードしている顔のような部分を持ち上げ、
「これでっ!!!!」
ブシュッ!!
音と共に使徒の動きが止まる。それに併せて、内臓電源が切れる。
――――――――――――――ネルフ発令所――――――――――――――――――――――――――――
「ど、如何いうこと??」
驚いた顔でモニターを見る発令所の面々。
「慣手で使徒の内側からコアを掴み、押し出したのだろう。たいした奴だ。あの状況でコアを破壊しないとは・・・。」
ヴィンセントが感心したように言う。
―――――――――――――――プラグ内――――――――――――――――――――――――――――――
「二人とも大丈夫?」
心配そうに、二人に目をやるシンジ。
「う、うん。あ、ありがとう碇君(な、なんでドキドキしてるのっ!?不謹慎な上に不潔よ!!)」
「あ、ありがとう・・・ございますぅ(う、うちって年上好きなんかなぁ?)。」
顔が赤いままシンジの顔をまともに見られず答える二人
「そ・・・う。よ・・・・か・・・」
ドサッ
最後まで言うことなくシンジはヒカリの方に倒れる。その拍子に切っていた、通信が画面つきで復活。
――――――――――――――ネルフ発令所――――――――――――――――――――――――――――
『きゃぁ!い、碇君!?』
ヒカリは首まで真っ赤にしてシンジをどうにか支える。
『シ、シンジさんこんな所でそれは良くないですよぉ。』
こちらも、真っ赤な顔で言っている。
「だ、だめよ〜!!シンジ君!!皆見てるのに行き成り襲っちゃイダァ!!」
マヤが、ラリッちゃいそうなのを、リツコが叩いて修正する。
「そんな事やってる場合じゃありません!!早く救護班を向かわせてください!!」
鬼気迫る顔でルクレツィアが、オペレーターに言う。
「ど、如何したんですか?ルクレツィア博士。」
訳が分からないという顔でミサトが言う。
「シンジ君のお腹です!!いつもより低いとはいえあんな高シンクロしていてお腹を貫かれたらどうなるか。」
それを聞き、全員真っ青になる。
『い、碇君に意識がありません!早く来てください!!』
ヒカリがルクレツィアの話を聞いてシンジを調べたみたいだ。青い顔で、モニターに向かって叫んでいる。
「二人ともスーツを脱がして!右手首のボタン押したらスーツは膨れて、脱がせられるわ。そしたら布か何かで、患部を圧迫止血して!マヤ!初号機のL.C.L抜いて!青葉君は救護班に連絡!」
リツコが指示を出す。その指示を受け、ハンカチで塞いでいる。L.C.Lも抜かれていっているようだ。
「赤木博士。私達も一緒に言って良いでしょうか?」
縋る様にリツコに視線を送るレイとサキ
「・・・・良いわついて来なさい。」
少しの間のあと、リツコがそう言うと、二人は先ほどと打って変わり満面の笑みを浮かべる。そして、リツコ率いる救護班+αはシンジの救出に向かった。
―――――――――――――シンジの病室―――――――――――――――――――――――――――――
「う・・・此処は?(何時寝たんだっけ?)」
「シンジ君!」
「シンジ君!」
「碇君!」
「シンにぃ!」
「おおっと。」
シンジが起きるとレイとサキは泣て抱きついてきた。マヤもリツコも涙を流している。
周りを見ると、自分はベットに寝ており右手をリツコ・マヤのアダルトチーム、左手をレイとサキのヤングチームに握られていたらしい。(男にとってはこれほど嬉しい事は無いですぜぃ?シンジの旦那。)その後ろには、ルクレツィアとヴィンセントが立っている。
「あはは、いてくれたんだ。」
皆が落ち着いたところに、気の抜けた顔でシンジは言う。
「当たり前でしょう。皆、貴方の事心配してたんだから。」
心底安心したという顔でリツコは言う。回りもそれに頷く。
「ありがとう。そういえば、ミサトさんは?」
「ミサトは、溜まっていた仕事の整理と戦後処理の為に、部屋に縛り付けてきたわ。」
「じゃあ、あの二人は?今から御説教ですか?」
リツコにそう言う。
「ええ。本当はミサトの仕事なんだけどね。でも、何であの二人がまた戦闘現場にいたのかしら?」
目を瞑り考える。
「そうですよねぇ〜。前にあんな目にあったんですから、普通出てきませんよぅ。」
こちらも眉をひそめて言うマヤ。
「あの娘達は自分からおろかな事をする娘達じゃありませんしね。・・・そうだ、その御説教僕にさせてもらえませんか?」
その一言に驚く一同
「ダメ。まだ傷が塞がってないのに。」
「そうだよ!今動いたら、血が一杯出ちゃうよう!!」
心配そうな顔をするレイと叫んで止めようとするサキ。
「・・・・・ふぅ。腹に穴あけている奴の言葉ではないな。ルクレツィア、車椅子を用意してくれ。」
「ヴィンセントさん!!?」
「そいつは、根っからの科学者で御人好しであり男だ。分からん事があったら、這ってでも調べに行くぞ。」
呆れたような顔をして、シンジを指差すヴィンセント。
みんなもつられてシンジの顔を見る。
シンジは、ある種の決意(?)のこもった目をしている。
「はぁ〜。分かったわ。車椅子持ってくるから待ってなさい。」
リツコも呆れたように言う。
「せ、先輩!!」
「マヤ?貴方なら分かるでしょう?あの目。」
「う・・・でも・・・。」
リツコにそう言われて何もいえないマヤ。なぜなら、リツコのあんな目を見た事あるし自分もしてるかも知れない(してる)から。
「ありがとうございます。」
「た・だ・し!!」
びしっ!
シンジの鼻の頭を人差し指でさして
「もしも傷が開きかけでもしたら即中止して、ベットに縛り付けるわ!!その時の為に私達は隣の部屋で待機してるわ。」
その言葉にシンジは苦笑して
「はい。分かりました無理しないようにします。」
「はい、シンジ君持ってきたわよ。」
ドアの方に車椅子を準備したルクレツィアが立っていた。ルクレツィアはシンジの横になっているベットの横に車椅子をつけた。
「ふぅ・・・。マヤ私右持つから、左お願い。」
ため息ついてマヤにそう言うリツコ。
「分かりました。」
そう言って二人はシンジの左右を挟む。此処で注意したい事が1つ、リツコはミサトに負けないほどグラマーで、マヤは着やせしているだけで結構胸がある。そんな二人が密着すると・・・?
「・・・・・・・・・・・(む、胸が〜〜!!柔らかい・・じゃない!!煩悩退散!!そ、そうだ、素数だ。1,3,5,7,11,柔らかい・・・ってちが〜う!!)。」
というように真っ赤になって意味不明なことに頭が陥っている。
「?・・どうしたの碇君?」
シンジの変化にいち早く気づいたレイ。
「な、何でも無いよ?(真っ赤)」
真っ赤になって何も無いと否定するが、
「でも、私がお風呂から出てきたときと同じ反応してる。」
ピクッ!
その言葉にシンジは反応した。その変化に気付かない2人ではない。
「そう言えば、ここの大浴場使ったときたまたま一緒だったけど・・・。最近レイが下着を着けて出て来てたわねぇ?」
「シンジ君・・・・不潔・・・じゃないよねぇ?」
その言葉に更に赤くなって何もいえないシンジ君。
「まぁ、要するに、女の子二人に挟まれて幸せなだけよ。」
ルクレツィアの止めを聞いてシンジは密着している2人の視線に耐えるのと、自分の---を抑えるのが大変だった。(え?何で自分を抑えるのかって?・・・此処はシンジ君の名誉の為にノーコメントってことで。)
―――――――――――――――取調べ室―――――――――――――――――――――――――――――
その部屋には、コンクリート壁の一部に黒いガラスのついた部屋で他には何もなく、ただ、パイプ椅子があるだけ。
そのパイプ椅子にヒカリとルナは座っていた。
「ヒカリお姉ちゃん。シンジさん大丈夫かなぁ?」
俯いたまま、ヒカリに言う。
「・・・うん・・・大丈夫・・だよ。」
暗い感じで二人はこのような会話とも言えない会話を30分ほど繰り返していた。
ぎい〜バタン。
ドアが開き、誰かが入ってきた。二人は俯いているので分からない。
「そんなに落ち込まなくても良いよ?二人とも。」
その声に、一番聞きたかった声に二人は顔を上げる。
「碇君!!」
「シンジさん!!」
二人とも驚いている。当たり前だ、腹に穴あけて病院に搬送された人が目の前にいるからだ。
「さて、事情聴取をしましょうか。」
その言葉に、二人は俯く。
「ねえ?如何してあんな所にいたの?」
「「・・・・・・・。」」
俯いたまま答えない二人。
「・・・・・・・。」
シンジも答えるまで待つが、
「「・・・・・・・。」」
二人は伏せたまま答えない。
「・・・ふぅ。分かった。じゃあ推論を言うね。多分、二人は・・・誰かを止めに行ったんじゃないの?」
「「(ピクッ!)」」
シンジの言葉に反応する二人。
「そうなんだね?」
「「(コクン)」」
俯いたまま頷く。
「誰を追っていたのかは、まぁ多分トウジとケンスケでしょ?」
「「(コクン)」」
「分かった。もう、チョットしたら帰って良いよ。」
「「え!?」」
その一言に驚く二人
「如何したの?」
「だ、だって私達秘密を知ったんじゃ・・・。」
「二人は、むやみに喋る人じゃないでしょう?」
「で、でももっと取調べとかあるんじゃ。」
「二人は、出たくて出たわけじゃないでしょう?」
「「で、でも。」」
なおも、何か言おうとする2人にシンジは笑顔で
「それに、僕は感謝してるんだ。」
「「え?」」
ぽかんと呆ける二人。自分達は邪魔しかしてないのに、怒られこそすれ感謝される覚えは無い。
「だって、もし二人がいなかったら、背中まで貫通してたんだ。二人のお陰で、腹筋に穴が開く程度ですんだんだ。」
「「で、でも・・・。」」
「いいの。それに怖かったでしょ?ゴメンね怖い思いをさせて。」
その言葉を聴いた瞬間二人はシンジの膝にしがみ付いて泣いた。悪いのは勝手に出てきた自分なのに怪我をさせたのは、自分たちなのに、自分達がいなければ、もっと楽に勝てたのに。それなのにこの少年は許してくれるうえに、謝罪までしてくれている。
「ごめんなさい・・・碇・・・君・・・うっく・・・ひっく・・・。」
「ふぇーーん!!ジンジざぁーん!!」
「泣いて良いよ。僕も付き合うから。」
ガラスの向こう側の人たちはその姿をシンジらしいという感じで見ていた。
天使の戦いの後には堕天使の亡骸が残った
天使たちはそれを元に堕天使たちを更に探ろうとする。
更に零の天使の再起動
それに合わせるかのように雷の堕天使の襲来
果たして、天使たちは退ける事が出来るのだろうか
答えは空のみが知っている
To be continued...
(2008.10.26 初版)
(あとがき)
ヴィンセント(長いのでヴィン)「・・・・・・・。」ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!(無言で、ケルベロス発射。)
東雲「おう!ぎゃうん!あう!ひぎゃ!ぷぎゃ!ぴぎゃ!」
シンジ「・・・・・・・。」(無言で百式格闘技)
東雲「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
ルクレツィア(長いのでルクレ)「うるさいです。」
東雲「お、お前ら・・・何でこんな事。」
ヴィン・シンジ「「無能に容赦はしない。」」
東雲「な、なんだとぉう?俺の何処が」
ヴィン「前の投稿は2008.08.02ゆうに3ヶ月近く経っている。更に、また上下に分かれた作。これを無能と言わずして、何と?」
東雲「っぐ!」
シンジ「それに、この3ヶ月近くの間にいくつゲームを終わらせた?」
東雲「全て、やりこんで、5本終わらせました。」
ルクレ「ふ〜ん。で、これ執筆し始めたのは?」
東雲「10月4日です。」
シンジ・ヴィン・ルクレ「「「この無能!!」」」
東雲「ひーん。レイちゃん!サキちゃん!みんながいぢめるよ〜。」
レイ・サキ「「・・・・・。」」(目に涙をためて無言で東雲を睨む)
東雲「ど、如何したの!?」
レイ「碇君に怪我させた。」
サキ「シンにぃにいぢ悪いことした!!」
東雲「で、でもこうしなきゃ、シャムシエルのコア潰さないといけなかったんだよ?」
レイ「そこは、貴方がもっと頭をひねれば良いこと。貴方は髭と一緒。」
東雲「(が〜〜〜〜ん!)ひ、髭と同レベル・・・・。」
サキ「シンにぃにイヂワルしたから東雲嫌い!!!」
東雲「(が〜〜〜〜ん!!)き、嫌い・・・。お前達創造主にむかって」
ルクレ「あら?違うわよ?レイとシンジ君とサキちゃんは元はガイナックスさんだし、私とヴィンセントは全く違う作品の登場人物。しかも隠しキャラ扱いに近いわよ?」
シンジ「どの口がほざきやがりますかねぇ?」
東雲「うう・・・・・俺は要らない作者なのか・・・・。」
シンジ「いや要らなくは無いですね。要らなくなったらこの作品終わりだし。」
ヴィン「・・・・終わりまでは、付き合ってやる。」
レイ「そうね。」
サキ「東雲がちゃんと書くなら許す。」
東雲「あい。ありがとうございます。」
ルクレ「さて、作者弄りはこんなもんにして、何で私達が先な訳?さっきも言ったけど私達って、隠しキャラなのに。」
東雲「俺が、ダージュ・オブ・ケルベロスして気に入ったから。」
シンジ「そ、それだけ?」
東雲「うん。」
レイ「やっぱり無能。」
東雲「うっ・・・さぁてこの次はやっと零号機起動だねぇ〜」
シンジ「(逃げたな。)そうですね。でも、早すぎませんか?まだ、シャムシエルきて、何日も経ってないのに。」
東雲「大丈夫!!このときこそ作者特権!ご都合主義を発動!!」
ヴィン「無能の浅知恵だな。」
東雲「うるさ〜い!!どんな事を言われようがこうするだけじゃぁ!!」
ルクレ「・・・作品を読んでくれている皆様どうもありがとうございます。この度は、無能作者のせいで、投稿が遅くなったことをお許しください。」
サキ「東雲オバカサンだから、またおそくなるかもしれないけどゆるしてね?(;_:)」
レイ「感想・クレーム待ってるわ。」
ヴィン「どうか、気長に付き合ってくれ。」
東雲・サキ・シンジ・レイ・ルクレ・ヴィン「「「「「「それでは、また。」」」」」」
おまけ
東雲「で、シンジ君?リツコさんとマヤちゃんのおっぱいの感触はどうだった?」
シンジ「ぶっ!」
ルクレ「あ、鼻血噴いた。」
サキ「うわぁ〜!!!シンにぃ!!?」
レイ「い、碇君!!?」
『この作品は、とりもち氏の作品の影響を受けていますので、似たようなところが出るかもしれません。
その辺りは、氏に許可を頂きますし、後日改訂する場合もございますので、温かい目で見守って下さい by東雲』
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