「「「「「「「「「「「「「「「「じゃ、じゃぁ。碇家の御曹司!?」」」」」」」」」」」」」」」」

「う、うん。でも、皆には僕を碇家御曹司ではなく、碇シンジとして見て欲しいんだ。
僕は僕として、碇家のことなんか関係なく。お願い皆。」

そう言うとシンジは深々と頭を下げ・・・・・・ようとしたのを声を掛けられて止まった。

「何言うとんのや!そんなこと当たり前や無いか!なぁ!」

トウジがそう言うと、

「「「「「「「「「「「「「「「当たり前じゃん(じゃ無い)!」」」」」」」」」」」」」」」

「だそうだぜ?シンジ。よかったな俺のクラスで。」

「うん。ありがとう皆。」

「お〜し!話も一通り終わったところで、シンジの席だが、綾波と洞木の隣、黒ジャ・・・もとい、鈴原の前だ。」

「ハイ分かりました。」

「宜しゅうな!シンジ。」

「改めて宜しくね碇君」

「よろしく・・碇君(微笑)」

「うん。改めてよろしく!」

こうして時は流れる。


余談だが、レイがシンジに見せた微笑みによってレイのファンが今までの3倍に膨れ上がり影の行動だったのがかなり表向きな行動をする

ようになったそうな。






この蒼き空に約束を

第肆話 歌声と産声と「上」

presented by 東雲様







――――――――――――――――教室――――――――――――――――――――――――――――――

授業中に突然チャットが入って来た。

〈Q貴方が巨大ロボットのパイロットってホント?Y/N〉

後ろのほうを見ると2人の女子が手を振っている

「(パイロットの事は機密じゃないのかな?・・・でも別に隠す事なんか無いよね?何時かは、ばれるし。)」

シ〈Y〉

ガタンッ!ガタタンッ!!

「「「「「「「「「「「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」」」」」」」」」」」」」」」

シンジがYと送ると回りに生徒の(大半女子)が集まって騒ぎ出した

「ねぇ!あのロボットの名前は!?」

「どうやって選ばれたの!?」

「やっぱ必殺技なんかあるのか!?」

「(・・・やっぱ黙っとくんだった〜。)アレの名前はEVAって言うんだけど、守秘義務があるからこれ以上は答えられないんだ。」

時既に遅し、後悔先に立たずとは良く言ったものである。だが其処に

「皆!!今は、授業中でしょ!!!早くっ!席にっ!!戻りなさいっ!!!」

クラス委員長のヒカリが吠えた

「(………。)」

それからビタリとシンジへのちょっかいは止んだそうな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・休み時間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なぁ、シンジ。さっきのやつはほんまか?」

「え?ああ、僕がパイロットって奴?」

「ほんまのほんっまに、シンジなんやな!!?」

「そ、そうだけど?な、何かあるの?」

「あ。」

「あ?」

「有難う御座います!!!!!」

そう言って、行き成り土下座してきた

「・・・・・・は?」

シンジは状況がいまいち理解で出来ずにいると

「碇、こいつは妹がいてさ。その妹が<あのロボットのに助けられた>って言ってたんだ。
だからそのお礼だってさ。あ、俺は【相田ケンスケ】ケンスケで良いぜ。」

「あ、ウン。僕もシンジで良いよケンスケ。其れよりも妹って【鈴原ルナちゃん】?」

「そや!ほんまにあないな状況で助けてくれて、ほんまにありがとう!!わし今なら何でもできるさかい、何でも言ってくれ。」

そう言ってなおもその体制を続けていたので流石にシンジが恥しくなったのか

「あ、頭を上げてよトウジ。僕はトウジが友達でいてくれたらそれで良いから。ね。」

この一言に感動したトウジはその体制のまま男泣きして彼を元に戻すのに更に時間がかかってしまったのは言うまでも無い。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・放課後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その授業のときから3週間シンジが学校になじみ、ほとぼりがさめてきた放課後の事

「碇君今日はNERVは、行かなくても良いのよね?」

とヒカリが聞いてきた。

「うん。でも、何で知ってる…あぁ、綾波から聞いたのか。」

「ええ、だから、三人で学校内を見て回らない?」

レイがそう言うとヒカルも

「碇君、学校のことまだ知らないでしょ?だからどうかな?」

「うん。あ、ねぇあと、二人増えても良い?」

「ええ、かまなわないわ。」

と、ヒカリが言うと後ろから

「おし。ほな行こか。」

「あぁ、行こうか。」

「……。もしかして、碇君、この二人?」

「うん。じぁ行こう。」


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・

「此処が視聴覚室なの。」

「へ〜。」

こうしてあらかたまあ割り終わると言う頃にふとシンジが

「ねぇ?あそこは何?」

「ああ、あそこは音楽室よ。」

「ホント?なら少し覘かしてもらって良い?」

「ええ?構わないわよ。」

と言って今は音楽室にいるのだが

「・・・・何で、此処に天使先生がいるんですか?」

「お前たち待ってたから。シンジなら此処に必ず寄るはずだからな!」

と言ってふんぞり返っているロウガ

「・・・・まさか僕の歌が聞きたいから此処にいたなんてことは無いよね?」

「ああ!そのとうりだ!と言うわけで早速一曲。」

「「「「碇(君)って歌、うたえるの(ん)か?(うたえるの?)」」」」

そう言うとロウガが

「ああ、かなり良い歌だぞ。ホレこんなに観客がいるんだ一曲歌うくらい良いだろ?」

「たく、分かったよ。ホントに調子良いんだね。」

「いよ!其れでこそシンジだ!」

「はぁ〜。じゃぁ、一曲だけアンコールなしで。」

すぅ〜っといきをすって流れるようピアノを引き歌いだした







「「「「・・・・。」」」」

終わったのにみんな固まったまま動かない。

「・・・あ、あの〜皆?」

「碇君、歌上手。」

これは、感情の発展途上のレイにもわかった

「す、すげえ・・・。」

「なんか、勇気の出てくる歌ね。」

「わい、こんな良い歌久しぶりに聞いたわ。」

「やっぱり、あの時よりも・・・。良い歌だな、さすがシンジだ。」

そう言って皆がシンジを褒めちぎり、シンジもまんざらでもないのかはにかんでいたが

♪♪〜♪〜〜♪♪♪〜〜♪

ふいにシンジの携帯が鳴り、サブディスプレイには【赤木 リツコ】の名前が入っていた。

「ん?はい。」

「シンジ君今何処?」

心なしか少し怒っているふうに聞こえる

「え?学校だけど?今日何かあったっけ?」

「はぁ〜。あったわよ。貴方が今日実験するって言ってたんでしょ?」

「・・・・・・・あ!ゴメン!リツコ姉さん、直ぐに行くよ。綾波も一緒で良い?」

「ええ、構わないわ。マヤが校門までむかえに言ってるはずだから、直ぐに来てね。」

ピッ

「ゴメン皆。実は今日実験があったのすっかり忘れていたみたいなんだ。だから、今日は此処で御開きにしてくれるかな?」

申し訳なさそうにシンジが言うと

「ほうか。せやったら早ようせなあかんとちゃうんか?」

「うんゴメン皆!この埋め合わせは必ずするよ。行こう綾波!」

「分かったわ。」

――――――――――――――第壱中校門前――――――――――――――――――――――――――――

校門に行くとマヤが来ていた。

「早く行きましょう!!シンジ君。」

「ありがとう御座います、マヤさん。」

そう言って二人は乗り込むのを確認するとアクセルを踏んだ。

――――――――――――――試験ケージ―――――――――――――――――――――――――――――

「遅れてゴメン。リツコ姉さん。」

「もう、貴方がいないとこの機材は動かせないのよ?」

そう言って呆れた顔をするリツコの後ろには、赤茶色の球体がのった大きな機材が置いてあった。

「・・・・・碇君、これは何?」

「ん?さ〜なんだろうね〜?リツコ姉さん準備良い?」

とはぐらかし、リツコに話しかける。

「ええ、何時でも行けるわよ。でも、本当にやるの?」

そう心配そうに話しかけるリツコ

「大丈夫だよ。それに若しもの時は、リツコ姉さんが綾波をお願いね。」

「え・・?」

シンジが何を言っているのかが分からないレイ

「もしもの時なんか考えないわ。絶対この実験は成功させなければならないのよ此処に待っているのは、

私とレイだけではないんだから。」

そう言って、シンジを抱きしめる

「うん。絶対成功させよう。さあ時間だよ、姉さん。」

そういって、抱擁を解き機材のほうにいこうとすると

ギュ

「え?」

自分の服の袖がレイに握られている

「・・・・・・・何のことか私には分からない。けど、何か嫌な予感がするの。だから、絶対還って来るって言って。」

そう言って、抱きしめられる

「うん。絶対還って来るよ。じゃ、行って来ます。」

そう言って機材のほうに向かっていった

――――――――――――オペレータールーム――――――――――――――――――――――――――――

オペレータールームには、リツコ・マヤ・冬月・レイ・ミサトがいた。

「では、実験を始めます。」

そう言ってマヤに指示を出すリツコ

「はい。・・・・L.C.L注水完了しました。」

L.C.Lに赤茶色の球体の全部が沈められ、シンジもなかに潜っている

「分かったわ。後は、モニターから目を離さないで。」

「はい。」

「ねぇリツコ?この実験は何なんの実験なの?」

このオペレータールームに来てから疑問に思っていた事を聞くミサト

「・・・・この実験は、サルベージ計画の実験よ。」

「え?!」

コレにはマヤが反応した

「でもその実験は、まだ先なんじゃないんですか?」

「ええ、計画自体はまだ先だけど実験はやるって言っていたわ。もっとも、何が入っていたコアかも私にも教えてくれないんだけどね。」

「先輩・・・。」

そう言って心配そうな顔をするリツコとマヤと其れについていけないミサト

「大丈夫です。・・・・碇君は、大丈夫。」

そんな空気を知ってか知らずかレイが言う

「そうね。私達がこんなんじゃダメね。ありがとう、レイ。」

そう言って、微笑むリツコだが

ビーーッビーーーッビーーーーッ

「「「「「「?!!!」」」」」」

突然警報が鳴り始めた

「マヤ状況は?!」

「はい!現在全てのメーターが振り切れています!!」

「っく。此処までね。実験中止よ!!シンジ君に伝えて!!」

「はい!!こちらオペレータールーム!シンジ君?実験・・・中・・止・・・。」

マヤはそう言って試験ケージを見るが、其処にシンジの姿は無くシンジの着ていた白衣とプラグスーツだけが漂っていた

――――――――――――――試験ケージ―――――――――――――――――――――――――――――

ビーーッビーーーッビーーーーッ

「っく。僕とした事がヤッパリ失敗だったのか?」

ヤバいと思い緊急停止ボタンを押そうとしたとき

「・・・・・・・・・け・・・・て。」

「?」

かすかにだが声が聞こえた

「くる・・・・・・・・・・・て。」

「何処なの?」

シンジがそういうと光に包まれシンジは意識を手放した。


――――――――――――――???―――――――――――――――――――――――――――――――

「お・・・て。お・・・き・・。」

誰かが自分を呼んでいる

「起きて。」

「うっう〜〜〜〜ん。」

「あっおきたぁ!!」

目を開くと其処には6歳ぐらいの少女がいた。

「・・・若しかして君が僕を呼んだの?」

「うん。」

「そう。何時からここに居るの?」

「ずぅ〜〜っとだよ。」

シンジは周りを見渡すが辺りはひたすら朱いだけの世界だ

「・・・・そうか。あ、自己紹介がまだだったね。僕は碇シンジだよ。君は・・・サキエル・・・で良いんだよね?」

「うん。ねぇなんて呼んだら良い?」

「好きに呼んで良いよ。」

「う〜〜〜〜ん。じゃあ、シンにぃ!!」

そう言ってキャピキャピ騒いでいる

「そんな呼び方何処で習ったの?」

「此処は、ぼくのせいしんせかい・・・だったっけ?だから、シンにぃたちリリンのきそちしきも見せてもらったんだよ。」

「そう・・・。ねぇサキって呼んでも良い?

「うん。」

「ここにいて、寂しくない?」

「さみしい?」

「うん。『独りは嫌だな』って思う事だよ。」

「うん。さみしい。」

そう言って悲しそうな顔になる其れを見てシンジは

「ねぇ、サキ。僕と一緒に来ない?」

「何処に?」

首を傾げながら訪うサキ

「僕たちヒトの世界に。」

「え?!だって、ぼく、ヒトじゃないよ?それでも良いの?」

「そんなの関係ないよ。君は感情があるし、姿はリリン化すれば良い。」

「でも・・・。シンにぃは良いの?僕があっちの世界にいて良いの?」

「僕が決めることじゃないよ。サキがどうしたいかだよ。」

「うん。ぼく、シンにぃの世界で生きていたい。・・・でも如何すれば良いの?」

「君が行きたいなら、思えば形となる筈だよ。」

「うん。・・・・ぼくはヒトの世界に・・・・・うっ?!」

行きたいと言おうとした瞬間苦しそうな声をあげる。見ると少女の体が鎖で全身を締め付けられている

「くるしいよ。・・・・たすけて。」

「っく!これが、使命に縛られ続ける原因か!大丈夫。今、その鎖をとってあげる。」

―――――――――――同時刻オペレータールーム――――――――――――――――――――――――――

そこには、静寂と悲しみで満ちていた

「そ・・・ん・・な。また・・・・またなの?また私は、シンジ君を殺そうとしているの?」

「碇君・・・・・。」

「そんな・・・シンちゃん。」

「シンジ君・・・・。」

誰もが悲しみに満ちていたとき

ビーーッビーーーッビーーーーッ

「「「「!!!?」」」」

「っく、シンジ君のいないこのときに限って、使徒襲来か!だが、なぜ戦自から報告は無い?」

苦虫を噛み潰したような顔をして、冬月が言う

「マヤ、使徒の現在地を割り出して!!」

そう言ってマヤに指示を出すリツコ

「はい!使徒は現在・・・・!?試験ケージから反応があります!」

「何ですって!!?」

「本当です!今モニターに出します!!」

そう言ってマヤは試験ケージをモニターに出した

「?!コアに罅が入ってる!」

リツコが言っている間にもどんどんコアに亀裂が入っていく

「コア内部にATフィールドを感知!!このままでは、コアが大爆発を起こす可能性があります!!」

「硬化ベークライト注入急げ!!」

「ダメです!全ての緊急コード受け付けません!!コア内部ATフィールドなおも上昇!!もう間に合いません!!」

コアからまばゆいまでの光が放たれ、誰もが死を覚悟したとき

パリーーーーーン

ガラスが割れたような音がしたと思うと光が弱くなっていき、やがて光はおさまった

「・・・マヤ!状況は?」

今の状況が分からず、とにかく情報が欲しいリツコは、マヤに指示を出す

「は、はい。現在の試験ケージの映像を出します。」

「「「「「なっ!!!」」」」」

其処にはコアは無くコアのあった場所には意識の無いシンジとシンジに抱きついて眠っている少女の姿が映されていた

「大至急、救護班に連絡。急げ!!」

「はい!!」

―――――――――――――ネルフ医務室―――――――――――――――――――――――――――――

「・・・・・・・知らない天上だ。」

シンジは起きると変な事を言った

「何寝ぼけてるの?」

「・・・・綾波?」

シンジが体を起すとレイが抱きついてきた見ると頬が濡れている

「・・・よかった。還って来て。」

「うん。ただいま。」

そう言ってシンジはレイを抱きしめた

―――――――――――――――会議室――――――――――――――――――――――――――――――

其処には実験に立ち会った者達全員とコアから出てきた少女(シンジの膝の上にのっている)が集まっていた

「それで説明してもらおうかしら?シンちゃん。」

「そうね。その娘は誰なのか、実験に使われていたコアは何なのか、この実験結果は分かってやった事なのかぐらいね。」

「それは、本人から直接聞いたほうが良いでしょう。さぁ自己紹介して。」

そう言って少女に自己紹介を促す

「え〜っとね。・・・ぼくは、サキエルって言うの。」

「「「「えっ!!!!!」」」」

これには流石の首脳陣も驚いたみたいだ

「じゃ、じゃあさっきのコアは・・・。」

「ええ、サキエルのコアですよ。」

「何のんきな事言ってんの!!シンちゃん早くその娘から離れなさい!!」

そういって、ミサトは銃を構える

「落ち着いてください。リツコ姉さんこの娘に使徒の因子は入っていた?」

「いいえ。100パーセント人間よ。しかも、血縁関係で言うと、シンジ君の従妹のようなものだという事が分かったわ。」

「そ、そうなの?で、でもサードインパクトに・・・。」

「使徒の因子がないのに、インパクトが起きるわけ無いじゃない。」

何言ってるのアンタみたいな目で睨まれるミサト

「それに、もう使命感はありませんから。」

「その娘の事は口外禁止とする。」

「ありがとう。冬月先生。」

「う、うむ。して、その娘の名前は?」

「月並みだけど、サキエルからとって、【サキ】碇家の分家、天使家の戸籍が欲しいから、後でマギで作ってね。」

「分かった。それから、その娘のことは誰が面倒見るんだ?」

「一応、僕が見ようと思うんだけど?」

「わかった。偶には此処につれて来なさい。面倒は見てやれる。」

「ふ、副司令?!!」

目を細めてその娘を見やるその目は「孫が出来たお祖父ちゃんの心境」に似ているのだろうか

「で?」

「で、とは?」

「第3の質問の回答よ。」

そう言った瞬間シンジがばつのわるい顔をする

「実は、僕にも如何してこうなったのか。分からないんだ。」

シンジは困った様な顔をしながらそういった

「そうなの?」

「うん。如何してそうなったのかの説明をしてもらうために、専門家を呼んでおいたんだけど。実験始まる前に。」

Prrrr

「なんだ?」

「碇シンジ特務二将に呼ばれてきたと言う者がいるのですがいかがいたしますか?」

「その人の特徴は?」

「真紅の瞳で黒髪の男ですと、茶髪の女です。」

「計ったかのようなタイミングだね。待ってる様に言って下さい。
僕が彼等をむかえに行って来るのでその間、少し待っていてください。」

そう言ってシンジは出て行った。

―――――――――――――NERV守衛事務所前―――――――――――――――――――――――――――

「すまない。飛行機が予想以上な遅れが出てしまってな。」

そう言ってすまなそうにする紅い瞳の男

「いえ。グットタイミングでした。はかったんじゃないかと思うぐらいに。」

「フッ、いくら俺でもそんな事は出来ないな。」

「そうね。でも、長話をしている暇は無いんじゃありませんか?」

「そうでね。でもまずは、御久しぶりです。ルクレツィア・ヴァレンタイン博士、ヴィンセント・ヴァレンタインさん。」

「久しぶりね。シンジ君。」

「では、いきましょうか。」

―――――――――――――――会議室――――――――――――――――――――――――――――――

「初めまして、ルクレツィア・ヴァレンタインと、ヴィンセント・ヴァレンタインです。どうぞよろしくお願いします。」

「・・・・・よろしく。」

男のほうは少し無口っぽい感じに、女性のほうは愛想良く挨拶をしている。

「初めまして、技術部第一課第一技術部長の赤木リツコと申します。」

「初めまして。ネルフ司令部所属副司令の冬月コウゾウだ。」

「では、挨拶も済ませた事だし、早速本題に入りましょう。」

そう言って会議進行を促すシンジ。

「そうね。此処に来る途中に見せてもらったけど、アレは間違いなく【マテリア】ね。」

「マテリア?」

「ええ。マテリアと言うのは、この世界にあるエネルギーの塊が意思を持って物質化した物と思えば良いわ。その中でもアレは【seal(封印)】と【restrain(束縛)】の力を掛け合わせて作ったようなモノよ。」

「これが其れです。」

そう言って拳くらいの大きさの水色の石を見せるシンジ

「そして使徒と呼ばれるモノにする為にはこの娘の魂を任意のマテリア・・この場合その水のマテリアのことね・・と共に封印する必要があるみたいですね。」

その説明を聞いて顔を蒼くするミサト

「と、言う事は使徒は・・・」

「ええ、人間に運命を捻じ曲げられた、可愛そうな天使ようね。其れも人間が作った・・・ね。そして、その威力を試すために行ったのが先のセカンドインパクト。アレはマテリアの力を制御出来ずに暴走させてしまったのがそもそもの原因だと言えるわ、その際たる犠牲が葛城調査隊。まぁ私はシンジ君に当時の映像を見せてもらっただけだから、確定は出来ないけど恐らくそうね。」

「そんな・・・じゃああたしのお父さんは・・・その実験のとばっちりで死んだって言うの!?」

「恐らく。」

「そう・・・・私は・・・私の復讐は間違っていたのね・・・。ごめん・・なさいシンジ君、レイ・・・私は・・私は・・・。」

そのときレイがミサトに近づき、ぎゅっとミサトを抱きしめた

「もう良いです、ミサトさん。」

「あのときにシンジ君が言ってましたが、家族です。私はまだ家族をもって間もないけど、私も同じことをしていたと思う。だから泣かないで。」

「ミサトさん。僕の知り合いが言ってました。『反省はしても、後悔はするな』って。だから今、反省してください。後に後悔しないように。」

「レイ・・・シンちゃん・・・分かった。でもまた私は暴走する事があるかもしれない、だからそのときはシンちゃん達に・・・いや、此処に居る皆にとめて欲しいの。」

「「分かりました。ミサトさん。」」

「大学からの腐れ縁だもの、今更、暴走云々言われても心配ないわ。」

「ありがとう。」

そう言って冬月が反省会を終了させようとすると、

ビー!ビー!!ビー!!!

昼の天使が呼び鈴を鳴らした。






To be continued...
(2008.07.19 初版)
(2008.08.02 改訂一版)


『この作品は、とりもち氏の作品の影響を受けていますので、似たようなところが出るかもしれません。
その辺りは、氏に許可を頂きますし、後日改訂する場合もございますので、温かい目で見守って下さい by東雲』



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