プロローグ
presented by sin様
福音、神の御使い、補完計画。
兄、妹、来訪者(イレギュラー)。
神の創造物、人の創造物、愚者の創造物。
愚者達の物語、愚者の物語、妹の物語。
姉、妹、鏡合わせ。
似者、二者、異なる者。
「人の作りだした究極の汎用人型決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン」
「使徒。人類の敵・・・・・・」
「人類補完計画。これこそが君の急務だ」
「僕はおまえの兄だ、兄ちゃんが助けてやる。そんなこと、今更言うまでもないのは、おまえもわかってるだろう?」
「わかる? 私は妹なの。そしてお兄ちゃんの兄妹は私だけ。つまりお兄ちゃんの唯一の特別は私ということなのよ」
「あの人は私? でもあの人はエヴァには乗ってない。綾波さん。あなたは誰のことを言いたかったの・・・・・・?」
「神殺しの槍か・・・・・・それもまた、神の用意した代物なのだろうな」
「人はあくまで神に抗う。そのためのエヴァ、そのための補完計画なのだ」
「僕は自由を司る者だからね。たとえそれが、老人達の手の中のものであろうとも」
「すべてはゼーレのシナリオ通りに」
「・・・・・・もうすぐだ、ユイ・・・・・・」
「お兄ちゃんの魅力はやはり底が知れないわ・・・・・・計画は万事うまくいっている。待っててお兄ちゃん。幸せな未来は私が用意してあげる」
「おまえも、ずいぶんと苦労してそうだな・・・・・・」
「お姉ちゃん・・・・・・好き、大好き」
「おまえを見ていると気分が悪い。まるで自分を見ているような錯覚を起こす。おまえも、そうなのだろう? シンジ」
「僕たちは似ているな。欠陥まで似通ってて、無性に腹が立つ」
「私たち二人なら、やれると思わないか? ・・・・・・いや、事実やれる」
「どこまでも似ているというのに、決定的に異なっている・・・・・・ひどく悲しいのは、どうしてなんだろうな」
神話は再生されるのか、新生するのか。
決めるのは、たった一人の少年だけ。
「僕は、僕は僕が幸せにしたい人だけ幸せであれば他がどうであろうとどうだっていい。だから、おまえ達の目指す未来なんて創ってやらない」
少年は、人に抗う。
To be continued...
(2010.06.27 初版)
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