-------------名前を教えて貰えますか?













                 碇 シンジ













     --------------貴方のような年で泣きも喚きもしない理由は?











          ココロガカレテイルカラ


             モットイタイメニアッタコトガアルカラ













     -----------・・・痛い目?・・・いつ?






          ニセンジュウゴネン














      ----------貴方は何者ですか?










         ・・・・碇 シンジ
               


                ココロヲクダカレタ『■■■■■』






































月の夜に咲く福音という名の運命

第一話 再来

presented by 鷹使い様

































 みーん みんみん

     みーん みんみん



 灼けるような日差しと、抜けるような青空


 陽炎を立てるアスファルトの上に立つ影が二つ


 短く髪を刈った、白いサマーコートを着た少年と、黒いサマーコートを着たショートボブの少女がまっすぐに道路を見ていた


 「・・・暑いね。」


 「暑い・・・」


 「「・・・・・」」




 しばらくの沈黙が続く



 不意に少年が口を開いた


 「相手側の何分の遅刻だっけ?」


 「だいたい二時間ぐらい。忘れてるんじゃない?」


 そう言って少女は手に持っていた写真を見て嘆息した


 その写真には、いかにも胸を強調していて、逆に言うならそれしか取り柄の無い感じで女性が写っており


 “シンジ君江 私が迎えに行くから待っててね。CHE”と、のたくりまくった蛇文字で書かれていて、解読に一時間を要した


 「まぁ、元から期待してないから。予定通りに行こうよ。」


 「めんどくさ〜い。・・・でも、迎えがないんじゃしかたない・・・・か。」


 二人はそろって嘆息し、荷物を持って歩き始めた


 「はぁ〜、ったく!来るならさっさと来いってのよ!!」


 少女が愚痴る


 「まぁまぁ、これからなんだから・・・さ。」


 「そうだったね〜。ま、楽しませて貰いますか。」


 そんな話をする二人の後ろで、盛大に爆発した戦闘機が異常なまでに背景にとけ込んでいた









 ちなみに、その戦闘機は後ろで戦っている奇妙な生物?に墜とされたもので


 その爆発に巻き込まれた車が一台有ったことを明記しておく





















 「ここか・・・」


 少年は巨大な鉄のゲートの前で呟いた


 守衛であろう老人に話を通し、五分ほどすると迎えらしき金髪の科学者が出てきた


 「碇シンジ君ね。」


 「そうですね。少なくとも此処十年は碇シンジでしたよ。その前もですけど。」


 少年・・・シンジの言葉に眉をひそめる科学者


 それに気が付かないのか意図的に無視しているのか、淡々とシンジは続ける


 「とりあえず父に会わせてください。この手紙の訳も知りたいので。」


 そういってシンジは手紙を取り出し科学者に見せる


 手紙の内容は・・・・・・





   来い



 その二文字だけであった


 「・・・良く来てくれたわね。こんなので・・・」


 「向こうの知り合いに“親孝行はなるべくしとけ”と言われたもので。」


 科学者はしばらく頭を抱えて悩んでいたが、一気に立ち上がってシンジに付いてくるよう促した


 「っと、そういえば自己紹介もまだだったわね。私は赤木リツコ、NERVで技術部長を務めているわ。」


 シンジはリツコに一礼しゲートをくぐった














 「ここよ。」


 何本もエレベーターを乗り継ぎ、廊下を歩いて通されたのは真っ暗な部屋だった


 「暗いですね。省エネですか?」


 「あ、ええと・・・危ないわね、今、明かりを付けるから。」


 シンジの質問を別の答えで隠すリツコ、リモコンを取り出し何やら操作をする


 一斉に明かりが付く


 巨大な顔があった


 紫色のカラーリングで敵を圧倒するのに向いてそうな顔である


 「・・・・」


 「これは汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン、その初号機よ。」


 押し黙ったシンジに、エヴァンゲリオンを見せびらかすようにリツコが言う


 そして、初号機を見上げながらシンジは、ため息と共にこう言った


 「ショボッ!」


 と















 「はい?」


 しばらくの沈黙の後、復活したリツコはシンジに聞き返した


 「しょぼいって言ったんですよ。こんな所に秘密兵器っぽくあるなら、もっと、いんだすとりある な感じじゃないとっ。」


 「い・・・いんだすとりある?」


 「これを作るのが父の仕事なんでしょう?あ、だったらデザインを書き直させてくれるのかな?」


 愉快そうに笑いながらシンジは言う


 その時、タイミングが良いと言うか、悪いと言うか



 『そうだ。』



 と、上の方からスピーカーの音が聞こえた


 シンジの台詞を上の人は最後まで聞いていなかったらしい


 「し・・・指令?」


 リツコがうろたえる


 「いえ〜いっ!やっりぃ〜。」


 後ろで嬉しそうなシンジ君、すでにどんな感じにしようか構想中である


 『ふっ・・・・出撃。』


 上の人は話の流れが全然つかめてないらしい


 「え?」


 『・・・座っているだけでかまわん。』


 「いや、デザインの仕事でしょ?それなら真面目にやらないと。」


 『乗るなら早くしろ!でなければ帰れ!』


 話が全然かみ合っていない、っていうかコミニュケーションとして成立していない


 三問劇のようなコメディー


 いや、三問劇の方がまだましだろう


 そして、唯一状況を把握しているだろうリツコがシンジの肩をつかむ


 「シンジ君。いい、驚くかもしれないけど、良く聞いてね。」

















 「ははぁ、要するにこのエヴァで使徒って奴を倒さないと人類が死滅すると。」


 リツコの説明にシンジは真面目に頷き、時には質問を交えながら聞いていた


 例えば、他に対抗できる者は居ないのか、何故僕なのか、などと言った物である


 しかし、リツコは全て沈黙で返した


 そして、リツコが全ての説明を終えたときの台詞が先ほどの物だ


 「え・・ええ、簡単に言えばね。」


 そういうリツコを後目にシンジは上の人の方に視線を上げる


 直後、そこを揺れが襲った


 『乗れ!シンジ。』


 スピーカーから声が聞こえる


 しかし


 シンジは目を瞑り


 両手を高らかに挙げた


 「シンジ君?」


 そして、唯一、シンジのそばにいたリツコのみが聞き取れた



 -・-・-・-・-・-・-・-噂は実現する



 「曰く!世界のどこかには“正義のヒーロー”が存在し、使徒を倒す!!」


















 使徒は第三東京市に到着した


 この真下に求める物がある


 だが、その前に敵意をこちらに向けてくる存在を止める事にした













 「使徒、未だ接近中・・・・え?」


 ネルフではオペレーターをしている人間が三人居る


 その三人がこぞって動きを止めた


 その視点の先には一枚のモニター


 使徒が写っており、それ以外の何者でもなかったはずだった


 使徒が動きを止めて、あるビルの上を見るまでは





 そこには



 銀の仮面に黒マフラー、黒い手袋黒コートの人物が立っていた


 使徒を前にして全く物怖じしないその胆力の時点で驚愕に値するが、さらなる驚愕を、その人物は持っていた







 ザッ


 何処からか取り出した模様の書いたケースを前面に押し出す


 キュゥゥゥゥン


 何かが現れる音がする


 バッ


 右腕を力瘤を作る形で左前方に持っていき


 叫んだ









 『     変     ・     身     !     』










To be continued...


(あとがき)

 初めまして、鷹使いと申します・・・・いろいろ、すいませんでした(謎
 未熟者ですがしばらく付き合ってくだされ

 さて、クイズです

 この小説は何とクロスオーバーしているでしょうか
 正解のヒントは少し出てます
 正解者にはシンジ君の設定をプレゼント

 ではまた

 これ・・・1話っていうよりプロローグかな?

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