どこぞの秘密?基地・・・

「えぇ〜っと、ココだ、ココ」

 一見、気弱そうに見える少年が、特殊なゲートの前に居た。

「さて・・・約束の時だ、全てを迎えに来たよ、綾波」

 少年が手にもった赤いルビーのような珠に、そう言うと、何故か、それに応えるように、ルビーが輝く。

 そして、少年は、誰も居ないゲートをくぐって行った。










新起動世紀ヱヴァンガル改

第一話 使徒、大地に立つ!・・・の?

presented by とりもち様











 少し時間が経って・・・

 どこかの一般道を、蒼い車が爆走していた。

 勿論、信号を始めとする道路交通法なんぞ、知ったこっちゃない走りっぷりだ。

 通常時なら、街中で、そんな無謀な運転をしていたら、絶対に大事故を引き起こしているだろうが・・・

 その街には動く車どころか、何故か、人っ子一人居ない。

 何故なら、数時間前に、特別非常事態宣言が発令されている為、この街どころか、 付近一帯の住人は全員、特殊シェルターに避難しているからである。

 今、この街で流れている音は、爆走する蒼い車の音と、繰り返し流れる特別非常事態宣言及び、 避難勧告のみ・・・

 そんな中を爆走している車の主はと言うと、黒いチャイナぽいボディコン服を着て、 サングラスをかけて、バシッと決めている女性だ。

「まさか、こんな時にリニアが止まるなんて!
 でも、これで遅れた理由ができたわね♪」

 そんな事を叫ぶように言って、ニヤリとしているこの女性こそ、葛城ミサト、29歳独身である。

 しかし、いくら、遅れた理由とは言っても、リニアが止まったのは2時間半以上も前の事・・・

 しかも、調べれば、どこに停車しているか、即座に分る。

 更に、約束の駅から、リニアが止まっている駅までは、車なら、普通に走っても、40〜50分程度の距離・・・

 彼女の運転する車のスピードなら、10〜15分もかからないだろう。
(どれだけ、スピードを出しているかわかるよね?)

 事情を知り、冷静な人が聞けば、言い訳にはならないような気がするのは、気のせいではない。

 しかし、彼女はそんな事はまったく考えず、そのまま、リニアが止まっている駅に直接向かって、 爆走していった。

 因みに、待ち合わせの予定だった駅には行ってもいない。

 下手をすれば、待ち合わせの駅に居るかもしれないのに・・・

 勿論、確認もしていないようだ。






 どこぞの湖の近くの公園?らしき所

「さてと・・・じゃぁ、僕は、そろそろ、行くから」

 少年は、どこからか連れてきたらしい蒼い髪の少女にそう言った。

 その少女は、大怪我でもしているのか、体中、包帯に包まれているようなのだが・・・

 何故か、確り、自分の足で立っている。

「えぇ、分ったわ、そう言えば、マナさんは?」

 いや、それどころか、確りとした口調でそう言いながら、 包帯やレオタードのような服を自分で脱いでいく。

 その下には、傷ひとつ無かった。

「僕を送ってきて、岩をあそこに落とす準備をして、見付からないように待っているよ。
 ハイ、これ」

 少年は、そう言いながら、少女に軍服のような服と黒いカツラ、それにコンタクトケースを渡す。

「わかったわ・・・じゃぁ、シンジ君も気をつけて」

 少女は、服をまとい、カツラをかぶりながら、ニッコリとシンジと呼んだ少年に微笑んだ。

 何故か、先程まで十代前半くらいにしかみえなかった彼女は、二十歳前後の美女に姿を変えていた。

「綾波・・・いや、レイもね。
 それと、やっぱり、その服も、似合っているよ。
 早く、鬘無しで一緒に過ごしたいね♪」

 しかし、シンジと呼ばれた少年は、そんな変化など、気にもとめず、微笑みながら、そう言った。

「えぇ♪」

 美女となった少女は、にこやかにそう答えた。






 一方、その頃、葛城ミサトはと言うと・・・

 ミサイルの飛び交う戦場を走っていた。

 因みに、さっきの時間から10分も経っていない。

「どこ行ったのよぉ〜〜〜!!」

 因みに、迎えに行くはずだった少年が乗っていたハズのリニアが、止まっていた駅の入り口傍、 ロータリーからでも見える大きな掲示板用の黒板に、大きな字で・・・




 リニアが止り、非常警戒宣言が発令されてから、1時間は待ちましたが、何の連絡もありません。
 電話も通じないしぃ〜( ̄△ ̄#) ウラー
 故に、その辺で、タクシーでもつかまえて、約束の駅でも行ってみます。
 が、そこで暫く待っても、待ち合わせのズベ公女性が来なかったり、すれ違いだったりしたら、そのまま、髭親父のトコに行こうかなぁ〜
 それとも、タクシー無かったら、近くのシェルターを探して、行こうかなぁ〜とも思う、今日、この頃・・・(  ̄~ ̄;) ウーン
 でも、タクシーも無く、シェルターもわかんなかったら、駅構内の椅子の上で寝てよう。

By 碇シンジ

 PS.駅員さんへ

これを○月△日まで残しておこう。
じゃないと、髭外道王か、某酒樽女が怒るかも?
 

 と言う書置きがあるだけであった。

「それに、○月△日って、何時なのよ〜〜〜!!」

 葛城ミサトは絶叫しながら、近くのシェルターを、備え付けの地図も、 折角、自分の車についているナビゲーションシステムも見ずに来た道をそのまま戻りつつ、 探して?いるのであった。

 因みに、○月△日とは比喩でなく、マジでその通りに書いてあったりする。

 また、彼女は、駅の中に入るどころか、車からも降りていなかったりもする。

 掲示板に書いてあったからココには居ないハズと決め付けて・・・

 勿論、最後の選択駅構内に居る事も読んだが、それは自分の 都合により、無視である。

「髭外道王とか某酒樽女ってどんな奴よぉ〜〜!!」

 しかし、横棒で軽く消してあった字は、飛ばして読んでいない様である。

 まぁ、流れ弾が落ちてきそうだから、焦ったからであろうが・・・

 もしかして、黒板を見ただけで、その辺も探さずに、そのまま戻っているのかもしれない。

「えぇ〜い、私は行ったけど、どっちの駅にも・・・・・・・ 、彼は来なかったって事でぇ〜〜!!」

 片方しか行っていないクセに、トンでもない事を口走りながら、彼女は更に車を加速させた。
(探そうともしてねぇ〜な、絶対)










 ミサトが自分に都合の良い言い訳をしながら本部に向かっている頃・・・

「・・・・・・・・・・」

「・・・はぁ?」

 某発令所で、2人の男が呆然としていた。

 因みに、その後ろでは3人の軍服を着た中年、戦自の仕官達が、血管を額に浮かべながら、騒いでいるが・・ ・

「もう一度言ってくれないかね?」

 初老で白髪な方の男がそう言った。

「は、はい、先程から、第09ゲートの監視カメラに悪戯をしている少年が居るのですが・・・
 どうも、葛城一尉が迎えに行っているハズのサード・チルドレンみたいだったのです」

 オペレーターらしい童顔の女性がそう答えた。

「最初は、文字だったのですが、何度も書いているらしく・・・その」

 確かにそのモニターは黒く塗り潰されているようだ。

「何度も書かれている内に、塗りつぶされてしまっていると言うわけか・・・
 他のカメラを映したまえ」

 変えるが、同じように黒かった。

「そこらにある監視カメラを全て出せ」

 髭面の中年の方がそう言った。

「は、はい!」

 生き残っていたのは三つだった。

「・・・シンジ君みたいだな」

「あぁ・・・」

 白髪が呆れたようにそう言うと、髭面は感情のこもってないような声でそう答えた。

 画面の少年は、マ○キ○の油性ペンを片手に、監視カメラの1つに、熱心に、落書き?をしていた。

「何故、彼は、監視カメラを一つ一つ潰すようなマネをしているんだ?」

「・・・知らん」

 2人がそんな事を話している間に、また1つ、カメラが塗りつぶされていった。

「ふむ・・・どうやら・・・
『早く出ろ』、『開けろ』、『見付けろ』、『案内しろ』、『まだ気付かんのか』、『守衛は?』
『こんなんで警備は大丈夫か』、『無能かよ』・・・か・・・
 判別できるだけでも、中々、辛辣な事を書きまくっているようだな、碇」

「あぁ・・・」

 碇と呼ばれた髭面の男、碇ゲンドウはそう呟くしかなかった。

 そんな事を話している内に、生き残った監視カメラが1つになった。

「ゲートの守衛は?」

 白髪、名を冬月コウゾウと言う老人が、コメカミを揉むようにしながらそう訊いた。

「えっと・・・いません・・・
 サボりですかね・・・
 いえ、今、記録を調べたら、警戒発令時が発令されてから、突然、居なくなったようです(汗)」

「「・・・・・・」」

 オペレーターの答えに沈黙する2人・・・

 つまり、ゲートの守衛は、職務を放棄して、逃げ出したらしい。

「名は?」

「は?」

 ゲンドウの言葉に、冷や汗を流しながら、呟くオペレーター・・・

「その守衛の名前だよ」

 意味が理解できなかったと思い、そう白髪が付け加えた。

「えっと・・・あそこの担当は・・・ブ○イド=ノマ守衛班長と、
その部下、コブ○イ=ハ○ト守衛官です(汗)」

「・・・・・・どこに行った?」

 ゲンドウが静かな声で訊く。

「この記録が正しければ、本部で、使徒警戒警報が発令された途端・・・
 その、ゲートから、離れていったようです。
 守衛室から自分の荷物を持って・・・・・・
 また、他に居なくなったのは、まだ十数名は居るようですが・・・全員H級以下の所員です。
 一応、部署的には、居なくとも、使徒との戦闘には、影響は無いようですが・・・」

 ロンゲのオペレーターが記録を調べてそう言った。

「その所員達のリストアップしておいてくれるかな?」

 冬月がそう言った。

「え?」

 聞き返すように言うロンゲ・・・

「・・・・・・特殊独房拘束、事情聴取後、財産を全て没収の上、罰金2000万新ユーロ。
 払いが済むまで、家族全員、タバシリ食料プラントで強制労働」

 それに答えるように、ゲンドウがスラスラと罰を言う。

「ゆ、ユーロですか?」

 日本の通貨である新円ではなく、ヨーロッパの新ユーロだった為、眼鏡のオペレーターが聞き返す。
(レート:1新ユーロ=145新円らしい)

「高い給与をとっていたにも係わらず、有事の際に、いの一番で逃げ出したのだ・・・
 文句はあるまい」

 頭を押さえつつ、冬月がそう言った。

 実際、セカンドインパクト以降、食糧事情の悪化等、ロクに食べ物が支給されない所が多い。

 しかし、ネルフの本部や支部のある地域は、値はそれなりにするものの食糧事情等が、 他の所に比べると、格段に良かった。

 更に、多少高くとも、ネルフ所員に支払われる給与はべらぼうに高く、 本部のある第三新東京市は世界でも食糧事情が特に良い地域と言われている。

 それは、使徒と言う未曾有の危機に、命をかけて対処するからである。

 だが、中には、覚悟も無く、ただ、給与がよく、衣食住の保障がされているからという理由で、 ココに所属している者も居るのである。

 そう言う輩が、いざ、未曾有の戦いに入った途端、恐怖に駆られ、我先にと逃げ出したと言う事であろう。

 もっとも、下級所員には、あまり詳しい事を教えてなかったのと、ココが元研究施設であり、 働く所員もそのままである事実で、本気で戦いになるとは思ってなかったのかもしれない。
(実際、学者?上がりと言うか、チンピラ上がりとしか思えない所長がそのまま司令だし・・・)

「ところで、本来、シンジ君を迎えに行っているはずの葛城一尉はどうしたのかね?」

 冬月が、モニターに映るシンジを見ながら、そう尋ねた。

「えっと、現在、連絡が取れません。
 連絡があった時、リニアが止まっていると言う事を報告したら、 そのまま止まっている駅に迎えに行くと・・・」

 眼鏡のオペレーターがそう答えた。

「・・・・・・日向二尉、それは、何時かね?」

 葛城一尉の勤務態度を思い出し、冬月は静かに訊いた。

「そ、それは・・・」

 日向と呼ばれたオペレーターは言いにくそうにしている。

 自分の敬愛する上司に不利な事は言いたくないからである。

 しかし・・・

「君も、タバシリに行きたいかね?
 あそこの部屋はいつでもあいているし、あけられるらしいよ。
 その上で、もう一度、訊くが・・・

 彼女は、何時、どこで、連絡を入れてきたのかね?」

 冬月は、あくまでも優しい口調でそう言った。

 だが、言われた方は、かなりの恐怖を感じるような雰囲気である。

 因みに、タバシリとは、某国にある食料プラントである。

 低コストで大量の食料を生産する為に、労働力を集められた重犯罪者等で運営している為、監獄とも言える。

 そこの労働条件は最悪、更に賃金、休息、人権は無きに等しい。

 しかも、入る時に、特殊なバイオチップみたいなモノを植え込まれ、絶対に逃げ出す事が出来ず・・・

 プラントに立っている塔から半径50km以上離れると、 そのバイオチップが体内で爆発するので、死あるのみとなっている。

 因みに、実際に逃げ出した者が、頭が吹き飛んだり、胸が吹き飛んだりした状態で、 範囲から出て直ぐ傍の荒地とかで見付かっている。

 また、出所する時に、それを手術か、何かで、外してもらえるとあるが、 それ行われた事はまだ、1回しかないらしい。
(1人でも、出る事が出来たと言う事で、希望はあるらしいが・・・実は・・・)

 粗末な食事が無料で、1日1食付、しかも、罪人相手だからか、1日10時間以上の強制労働である。

 また、無料以外に、食事等を要求する時は、一食100タバシリ円を支払えば良いと言うモノの、 レートは1タバシリ円=100〜500タバシリ$で、換金料に更に5%手数料が必要である。
(1新円=100タバシリ円)

 嗜好品は市価の2〜5倍位の値段で、1回単位で販売らしい。
(タバコなら1本単位、酒ならコップ1杯)

 しかも、買ったら、その場で消費しなければならならない。

 因みに、時給は5タバシリ$+能力給である。
(能力給は0〜20タバシリ$)

 また、タバシリ円に両替をしないと買い物が出来ず、更に、その金には確り名前が書かれて渡されるので、 本人以外使えず、他人に与える事は出来ない。
(タバシリ$は電子マネーであるらしいので、認識票に記録されているらしい)

 このように使い方が限定してあるのは、罪人間で、問題を起こさないようにする為と、 反乱などの防止の為に、連帯感等をなるだけ抑える為であるらしい。

 また、厳重に監視されているので、自分達が作っている食料に手を出す事は出来ない。

 出してしまったら、キツイ罰に加え、罰金が一品につき、1,000万タバシリ円である。

 そして、タバシリは、食料プラントと言う事で、武装盗賊などに襲われる事も多くある。

 罪人達は、その盗賊達を素手か、農耕具等で追い払わなければならない。

 命をかけて・・・

 だが、その代わり野党を1人捕まえ、監視に引き渡せば、10万〜30万タバシリ$貰えるし、 得物を奪い提出すれば、100タバシリ$〜10万タバシリ$貰えるのである。
(それ故、武装盗賊が出ると、逆に目の色を変えて、襲い掛かる囚人が多いらしい)

 ただし、その武器を隠し持っていた場合、バレたら、体罰が与えられ、没収、更には、 1つにつき、罰金が5万タバシリ円課せられると言う厳しい罰則がある。

 また、どうせ隠しても、センサーで即見付かるので誰も隠そうとしない。

 それ故、一般に、タバシリ刑務所は、一旦、入ったら、 ほぼ、死体になっても出られないと言われる死刑執行所みたいな所と言われている。
(死体は肥料にされると言われている)

 そんな所には、誰も行きたくない。

 因みに経営はゼーレがやっているらしい・・・

「偽証は、全財産没収の上、そのまま更迭を意味するぞ。
 マギを使えば、後で分るのだからな」

 冬月が、冷たい声でそう言った。

「ラストチャンスだ」

 更に、ゲンドウが付け加えるようにそういった。

「(し、司令と副司令なら、マジでやる!!

 よ、40分ほど前に、ご自宅から連絡があって、それを伝えました」

 日向はアッサリそう言った。

 まぁ、実際にタバシリ送りになった存在や、これから送られる存在が居るから仕方ないだろう。

 勿論、連絡はない・・・

「青葉二尉、リニアは何分前に止まったのかな?」

 頭を押さえながら、冬月が静かにそう訊いた。

「に、2時間半前ッス!!」

 青葉と呼ばれたロンゲのオペレーターが、ビビリながらそう答えた。

 冬月は頭を押さえた。

「・・・減棒6ヶ月」

 ゲンドウがそう言った。

 比較的軽い処置に、周りのオペレーター達は、安堵の息を吐く。

「で、シンジ君はどうするかね?」

 最後の監視カメラに・・・

『髭親父、わざわざ会いに来てやったぞ。
 後、10分以内に迎えを寄越せ、さもなきゃ帰る』

と書かれた紙を向けている少年を見ながら、冬月はそう訊いた。

「・・・すぐに、保安部を行かせ、足止めをし、赤木博士を迎えに出してくれ。
 それと葛城一尉を直ぐ呼び戻せ」

 ゲンドウはそう言った。

 その時、前方の大きなメインモニターが真っ白になった。

 ゲンドウ達が後ろの方に居る戦自の仕官達の方を見ると・・・
「どうだね!
 我々の切り札は!」
「あのN2爆雷の直撃を受けたのだ!」
「残念ながら、君達の出番は無いようだよ!」
 彼等はその場に立ったまま、満足そうに言った。

 付近の一般人が避難しているハズの数多くのシェルターごと街を消滅させ、 最新の地図の書き換えをしなければならなくなる程のとんでもない攻撃を行ったにもかかわらず・・・

「・・・碇・・・迎えに行ったのならば、葛城一尉はあそこに居たのではないか?
 流石にNの爆発に巻き込まれたら、いかに彼女とは言え・・・」

「死んだら、それまでの事だ。
 かえって、良い宣伝材料になる」

 オペレーター達にも聞えないように、何か、トンでもない事をボソボソ話す外道な2人。

「モニター回復します」

「爆心地にエネルギー反応!」

「そんなバカな!」

 戦自の仕官の1人が叫ぶ。

 使徒の映像が送られて来る。

「使徒健在です!」

「わ、我々の切り札が・・・」

 戦自の仕官達は力を落として、席に崩れるように座り込む。

 使徒の仮面のような顔の下に、もう1つ、新しい顔が出てきている

 様子を撮影していたヘリコプターが、使徒の目から出た光により落とされる。

「機能増幅もしているようだな」

 モニターを見ながら、冬月が言う。

「おまけに、知恵もついたようだ。
 予算の無駄遣いと言うより、利敵行為だったな」

 そこで、ゲンドウはワザとらしく横目で戦自の仕官達をチラリと見た。

 蒼くなっていく戦自の仕官達の顔。

「意地になり、あの強力過ぎる攻撃で、街を付近のシェルターごと、吹き飛ばしたのだろうから、 あの付近の住民はどうなったかな。
 ま、確実に全滅、効果の無い無謀な攻撃を内陸で行い、護るべき存在のみ、 自分達の手で殺したという事で、軍法会議は避けられまい」

 そして、わざと聞えるように、みもふたも無い事を言った。

 勿論、ゲンドウが作戦開始時に挑発するような事を言われ、ムキになった事は確かである

 だが、結果として、Nの爆発に巻き込まれ、2つ以上の大きなシェルターが巻き込まれていた 。

 一般人の死者は1,000人近くであろう。

 言い訳は出来ない。

 後日、この戦自の士官たちは、“意地になり、指揮権を譲渡せず、多くの犠牲者のみだすだけで、 使徒をパワーアップさせる攻撃をした”という事で、国連軍法会議にかけられる事になる。
(因みに、国連軍からは、通常攻撃が効かないと分かったら、被害を拡大する前に、 早々に指揮権をネルフに譲渡するようにと、言われていたりする)

 何とか、体面を護る為に、戦自の仕官達が声を絞り出して言う。

「ど、どうやら、我々の兵器では、奴に、有効なダメージを、与えられないのはわかった」

「こ、コレより、指揮権は、君達、ネルフに移る。
(クゥ・・・我々に第16独立連隊の指揮権さえあれば)」

「しかし、君達なら、で、できると、言うのかね?
(何が保険だ、今でなく、何時使う気だ・・・くそ、あの契約さえなければぁ〜)」

 何か別の事を考えつつも、その軍人達はそう言った。

「その為のネルフですよ・・・ニヤリ」

 戦自の仕官達に対し、ゲンドウはサングラスをあげながら、不遜な態度でそう答えた。

 御丁寧に、ニヤリとまで口で言って・・・

「で、では、期待している」

 戦自の仕官達は、青筋を額に浮かばせながら、降りていった。

 この後、彼等はタバシリ行きになったとか、ならなかったとか・・・










To be continued...


(あとがき⇒悪あがき?)

1部の人に要求され、新起動世紀ヱヴァンガルをにゅ〜りある?で復活させているけど・・・
うわぁ〜元第1話以降、設定すら、ロクに覚えちゃいない(;´Д`A ```
(元々、全データークラッシュして残ってないし・・・)
大丈夫か?(時田シロウ=アマダ(爆)・・・出て来られるかな?)
因みに、元々の分量を、都合により、分割してお送りしております。
大体、1/3かな?(つまり、3話で、元々の1話分になりそうです)
でも、これも不定期になるでしょう。
あまり期待しないで待っていてね・・・(^^;)



(ながちゃん@管理人のコメント)

とりもち様より、ミサトの武勇伝(?)の第三弾の一発目を頂きました。
ここのミサトも完全に道化のようですね。とりもち様の熱き想いがヒシヒシと伝わってきました(笑)。
願わくばN2爆雷で死んでいて欲しいですが、何とかは世に憚るというし、しぶとく生きているんでしょうねぇ・・・。
レイやマナとは初っ端から仲間のようだし、う〜ん、先が読めないですなぁ。これからの展開が楽しみです。
レイの変装(軍服姿)、第16独立連隊・・・色々と前振りがあって、期待が持てそうです。
なにより、お茶目なシンジ君がグッドですよ。大笑いしました。これからの活躍を楽しみにしています♪
とりもち様、次の電波(第二話)も待ってますよぉー。
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