新起動世紀ヱヴァンガル改

第二話 親子、対面?

presented by とりもち様





「で、どうするのだ?」

「大丈夫だ、予備が届・・・いや、自ら着いた」

 戦自の仕官達が居なくなった後で、2人がそんな会話をしていると、日向からある報告が入る。

「あの、葛城一尉より、連絡がありました。
 カートレーンの準備をするようにと・・・」

「はぁ?・・・・・・
 ち、チョッと待ちたまえ、今、その要請は、入ったのかね?」

 冬月は、一瞬だけ硬直し、冷や汗を流しながらそう訊いた。

「は、はい・・・(汗)」

「今、彼女はどこに居るのかね?」

「か、カートレーン入り口前で待っておられます」

「つまり彼女は、連絡もいれずに、そのまま、戻ってきたという事かね?
(もしかしたら、サードチルドレンを失ったかも知れん事態を引き起こしたのに)」

 日向の連絡を聞いて、目眩を覚えつつも、冬月はそう尋ねた。

 つまり、今、カートレーンの入り口前に居ると言う事は、 どんなに凄まじいスピードで戻って来たにしても、N爆雷が落とす機体が見える前から、 こっちに戻ってきていたと言う事である。

 つまり、使徒と戦闘機の戦闘が本格的に始まった途端、 ネルフの切り札になるであろうサード・チルドレンをアッサリ見捨てて・・・

 もしくは、迎えにさえ、行っていないのかも知れない。
(一応、駅前の掲示板は見たようだから、行ってはいる様だけどね)

「えっと・・・(汗)」

「・・・一階級降格を追加、諜報部にケージまで連行するように通達」

 答える事の出来ない日向に代わって、ゲンドウがそう言った。

「冬月、後を頼む」

 ゲンドウはそう言って、備え付けの専用エレベーターを使って、降りていった。






 その頃・・・

「貴方がシンジ君ね?
 私は赤木リツコ、貴方のお父さんの部下で・・・」

 リツコと名乗った女性が左手を出しながら、無愛想に自己紹介をしていると・・・

「・・・わ・・・金髪眉黒・・・
 スト○ァイのK○Nのコスプレ?・・・古」

 シンジは、リツコの顔を見て、そう呟いた。

 因みに、シンジの相手をしていたらしい保安部員達は、後を向き、肩を震わせている。

「ち、違うわよ!」

 コメカミに青いばってんをつけつつ、リツコはそう言った。

「えっと、赤木さん、染めないんですか?・・・眉毛」

 しかし、シンジは、それを気にも止めずにそう言った。

「(ココでこれ以上、怒鳴って、機嫌を損ねたら拙いわね・・・
 落ち着くのよ、リツコ、所詮、何も知らない子供の言う事、子供の言う事・・・)
 ともかく、案内するわ、付いてきて、貴方達は部署に戻って」

 リツコは、呪文のように、とある言葉を繰り返し、深呼吸をしながら、心を落ち着かせながら、 そう言って、本部内に入り、歩き出した。

 シンジは、ニコニコしながら、保安部員達に、軽い挨拶をして、リツコの後を追っていった。

 保安部員達も軽く手を振り返していたようなので、かなり仲良くなっていたようだ。

 そして、ゲートが閉まると、保安部員達は、今度はとある場所に向かっていった。






 ネルフの通路・・・

 シンジはリツコに聞かせるように、独り言・・・というか、嫌味以外の何物でもない事を言っていた。

「しっかし、非常警戒警報が出て、電車が止まったとは言ってもねぇ〜
 その駅で、約束の時間から、僕は1時間以上待っていたんですよ。
 それでも、来ないんだもんなぁ〜
 ココには、非常警戒警報の連絡がいかなかったんですかねぇ〜?
 いい加減、ヤバそうだったから、掲示板に書いて、動いていたタクシーを強引につかまえて、 大通りを道なりに走って貰ってきたんですけどぉ〜
 待ち合わせの駅にも、来てなかったようだし、そこでも、掲示板にココに向かう旨をかいてから、 ココまできたんですよ。
 でも、戦闘機以外、何かにすれちがうどころか、誰にも会いませんでしたねぇ〜」

 といい続けるが、実は嘘がある。

 特別非常事態宣言が鳴り、辺りの人が避難をし始めた途端、シンジは2つの駅に書置きをして、 即効でこの付近に来て、とある事をしていたはずであるからだ。

 だが、ココに所属する者は皆、彼の言う事を微塵も疑わず、その通りなんだろうと信じるだろう。

 なぜなら、シンジが列車が止まった駅や待ち合わせ駅にいなかったと言う証人も証拠もないが、 両方の掲示板には、彼が行ったと言う証拠になる“彼自身が書いた書置き”が、確り残っている。

 それに、彼がこの付近に来てから、マジックで監視カメラに悪戯書きをし始めるまで、 彼がこの付近にいたと言う記録や映像は、何故か全く無いし、実際、迎えも、 2時間以上、遅刻しているのが判明しているのだから・・・
(勿論、この中に入っていた事もマギには記録がいっさい無い・・・)

「・・・で、迎えに来る人のこの写真、何を考えているんでしょうかねぇ〜?
 中学生相手に、何、期待して、挑発しているんでしょうかねぇ〜?
 やっぱり、ショタって奴なんでしょうかねぇ〜?
 あ、そうだ、見てくださいよ。
 コレなんですけど、赤木さんは、どう思います?」

 話を続けていたシンジが、いきなり、リツコの前に回りこみ、とある写真を取り出し、 リツコに見せる為に、ワザワザ目の前に突き出した。

「ぶぅっ!!」

 リツコはその写真を見て、思いっきり吹出して、硬直する。

 顔は物凄く赤くなって、青くなり、再び赤くなりながら、額に血管が浮かんでいた。

 なぜなら、その写真には、何故か大学時代のミサトが、際どいハイレグスケスケビキニ・・・

 と言うか、透明っぽい紐以外の何ものでも無いようなモノを身に着け、隠すべき所を全く隠しておらず・・・

 しかも、挑発するような艶めかしい顔で、自慢の胸を強調するような格好をし、写っていた。

 更に・・・

『私がイクまで、我慢して、待っててネェ〜ン♪』

と、キスマーク付きで書いてあった。

 ハッキリ言って、エロ本の某出版社に投稿したら、懸賞金がガッポリもらえそうな気がする。

 もっとも、胸の下辺りに大きな傷があるのがマイナス点かも知れないが・・・
(リツコはこの傷を見て、挿げ替えなどではなく、本人の写真と判断した)

 シンジが話すことや、その写真は、ネルフに所属する者、 特に、葛城ミサトと言う存在の傍に居る者にとっては、彼女なら、やりかねないと思う事であるし、 耳や目を通り越して精神全体が痛い事態でもあった。

 はっきり言って、超恥以外の何物でもないだろう。

「さ、先を急ぐから・・・」

 結局、リツコは、無視を決め込んで、先を進むことにした。

「(こ、子供の言う事、子供の言う事、子供の言う事、子供の言う事・・・
 でも、あの胸の傷、すげ替えじゃ無く、やっぱり、本人以外には考えられないわ。
 ミサト、貴女、なんて写真を・・・
 しかも、アレは大学時代の・・・って事は、少なくとも、8年位は前・・・
 いえ、それよりも、中学生相手に、なんて格好の写真を・・・
 友達、というか、知り合いである事自体、辞めた方が良いかしら・・・)」

 心の中で、先程と同じ言葉やミサトに対する愚痴を心の中で繰り返しながら・・・

 勿論、ミサトがその写真を見たらハッキリ怒鳴るだろう。
『私が送った奴と違う ・・・と。











 エレベーター内

「でも、おしいよなぁ〜
 眉毛も含めて、全部金髪だったら、赤木さんって、父さんのもろ好みなのにねぇ〜」

 降りている間、嫌味のネタが尽きたのか、しばらく大人しくしていたシンジが、 突然、思い出したように言った。

「え?!」

 その言葉に、今まで無視していたリツコは反応して、シンジの方を見た。

「おんやぁ〜どうしたんですか?」

 シンジは面白そうにニヤリと笑った。

「い、いえ・・・(ま、眉も染めた方が、良いのかしら?)」

 リツコはシンジの言った事の真偽を確かめたかった。

 だが、何故か、シンジのニヤリとした笑いを見た途端、聞く事が躊躇われ、背を向けて、 そのまま黙ってしまった。

「♪〜〜♪〜〜」

 シンジは、そのまま気にせず、鼻歌を歌い始めた。








 ケージ・・・

「真っ暗ですねぇ〜」

 シンジが中に入ってそう言った。

「今、電気を「まっくろくろすっけ、出ておいでぇ〜♪」 ・・・」

 電気のスイッチを入れようとしたリツコが、それを聞いて、こけた。

「し、シンジ君?」

 起き上がりながら、リツコはシンジのいる辺りに向かって、怒りに震える声でそう言った。

 暗くてわからないが、その額には青いバッテンが・・・・・・

「で、省エネですか?
 それとも、まさか、今時、TV番組に出てもこないような三流以下の悪の組織もしない安っぽい演出?
 違いますよねぇ〜♪」

 だが、そんなモノは見えないし、怒っている声も気にもせず、シンジはリツコにそう尋ねた。

 その言葉に、リツコの怒って、頭に上りかけていた血が、下がっていく。

「・・・しょ、省エネよ

 本当は、ゲンドウの考えた演出なのだが、シンジにあそこまで言われたら、演出と言えるハズがないので、 リツコは小声で、恥ずかしそうに、そう答えた。

「ふ〜ん、非公開の国連下部組織って、お金がないんですねぇ〜」

 そして、周りが明るくなる。

 シンジの目の前には、紫色の鬼を思わせるような大きな顔があった。

「・・・・・・」

 シンジはそれを見て、黙っている。

「(流石に驚いて、何も言えない様ね)」

 何も言わないシンジに、リツコは気分を良くして、ニヤリとする。

 そして、胸を張り、声高らかに・・・

「これが人類の作り出した究極の汎用人型決戦兵器。
  『紫超巨大カブト虫だぁ〜♪』・・・・・・(怒)
 し、シンジ君?」
(因みに隠れているリツコのセリフは、「ヴァンゲリオン、その初号機よ!」である)

 折角のきめ台詞を大声で邪魔されて、コメカミに先ほどより大きなバッテンをつけるリツコ・・・

「で、まさか、これに赤木さんが乗り、自称僕の父と名乗るゲンドウとやらを、 即時殲滅するのを応援するのが、僕の仕事ですか?」



『その通りだ!』



 上のガラスに仕切られた部屋に、いつの間にか現れた髭親父がそう言った。

 シーン・・・・・・・・・・・・・







 マジで、そのケージ内のシンジ以外の人間の時が止まった。

 シンジは1人でニコニコしている。






『・・・し、シンジ、今、なんと言った?』

 何とか、一番に硬直から復帰した髭親父がそう言った。

「赤木さん、あのいきなり初対面の人を呼び捨てにするような失礼で無礼な髭はだれですか?」

 シンジが髭親父を指差しながらリツコにそう訊いた。

「(司令、いくらシナリオだったからって・・・)
 えっと、あの人が司令で、貴方の父親の」

 リツコが言い難そうに説明しようとすると・・・

「赤木さん、殲滅対象です!
 頑張ってください!
 僕はココで応援しています!

 そぉ〜れ、ふぅ〜りぃえ〜ふりぃぇ〜あ、か、ぎ」

 シンジは、そう叫んでリツコを急かしながら、子供応援団のように、幼い口調で、エールを送り始める。

「え? え?」

『お、おい』

 思いがけないシンジの行動に、混乱するリツコ、焦るゲンドウ、そして、呆然とする作業員達・・・
(居たのね)

 混乱に拍車がかかる前に、ドアが開き、その現場に、救い?の神が・・・

「待って下さい司令!
 あの綾波レイでさえ、シンクロするのに七ヶ月もかかったんですよ!?
 今来たばかりのこのコには無理です!」


 ケージに入ってきた途端、赤いジャケットを着た女性はそう叫んだ。

「ふりぃぇ〜・・・
 って、すいません、このなんの脈略も無い事を叫んでいる女は、誰ですか?」

 シンジは、その女性、ミサトと一緒に入ってきたを連れてきた 数人の保安部の男達に、 フレンドリーな、でも、一応、目上に対する礼儀は一応ある態度で、そう尋ねた。

 因みに先程の保安部員が混じっていたからである。
(ミサトをつれてくる時の方が多いのね・・・危険だだから)

「(汗)・・・か、葛城作戦部長だ」

「つまり、迎えに来てくれるハズだった人の葛城ミサトさんのお姉さんか、何かですか?」

 首を傾げながら、シンジはそう訊いた。

 因みに、その後ろでは、葛城作戦部長、つまり、ミサトは、シンジを蚊帳の外に、 ゲンドウやリツコと、無理やりシナリオ通りのセリフを言い合っている。

 どうやら、ゲンドウとリツコは、先ほどの発言をなかった事にするか、無視する事に決めたらしい。

「?・・・い、いや、本人のはずだが」

 一番年上かつ、一番偉そうな男がそう答えた。

 因みに、彼は保安部長である。

「だって、写真と違いますよ、ほら・・・」

 そう言って、シンジは先程の写真を見せる。

「・・・・・・むぅ(汗)」

 保安部長が冷や汗を流しながら、唸る。

「・・・わ、若過ぎないですか?」

 別の若い部員が、その写真を横から見ながらそう呟く。

 すると、シンジは、そのまま、写真をその若い部員に渡した。

「ん?」

「どうぞ、皆で確認してみてください♪
 僕では本人と確認できないので・・・」

「わ、悪いな」

 受け取った部員は、他の若い部員達と、その写真をじっくり見始めた。

「なぁ、こんなんで、本人との確認に使えるのか?」

「無理、無理、若過ぎだぜ」

「写真の人間の関係者とは言えるかも知れんが・・・」

「しかし、恥ずかしくないのか?・・・こんな・・・」

「お、これ、局部とかが透けていないか?」

「なに?・・・マジか?」

「すげー、恥も外聞も有ったモンじゃね〜な」

「つうか、ここ、細すぎて、はみ出てないか?」

「な!」

「ちょ、チョッと、貸せよ!」

「まて、俺がまだ見てない!」

 写真を見て、部員達はそう言いながら、奪い合いを始めた。

 良く見れば、作業員の若いのも混じっている。

「・・・全く、若いモンは」

 加わっていない保安部長は、呆れてそれを見ていた。

「でも、あの女性も、あの写真の女性も迎えにも来ませんでしたしね」

 完全に写真のミサトと、今、叫んでいるミサトを別人のように扱ってシンジはそう言った。

「・・・そ、その辺は行き違いと言うか・・・(汗)」

 冷や汗を流しながら、保安部長がそう言った。

「だって、僕は」

「そうね・・・シンジ君、乗りなさい」

 免罪符が出たのか、ミサトは保安部長と仲良く?話しているシンジにそう言った。

「「「「「はぁ?」」」」」×たくさん

 保安部員や作業員達と一緒に、首を捻るシンジ。

 彼らにとっては何の脈絡も無いからだ。

「乗らなければ、貴方はココで必要ない人間なのよ!」

 自分の世界に入り込んで、1人熱くなっているミサトは真剣な表情でそう言うが・・・

 シンジや保安部員達は、話を最初から聞いていた作業員の人達も呆れた表情をする。

「いや、だって、アレには赤木さんがねぇ〜」

 シンジは、最初からケージに居た作業員の人達の方に、そう同意を求めるように問いかけるが・・・

 最初から聞いていた作業員達は、答えられず、罰の悪い顔をしている。

『葛城二尉!
 人類の滅亡をかけた戦いに臆病者は不要だ!!!』


 シナリオ通り、ゲンドウがそう叫んだ。

「えっと、何の事か、訳わからないんだけど・・・説明してくれる?」

 白い目でゲンドウやミサトを見つつ、一応、話を聞いて無かったシンジはそう言った。

「シンジくん、駄目よ、逃げちゃ。
 お父さんから何より自分から、何の為にここに来たの」

 自分に酔っているらしいミサトは、階級が下がっている事にも気付かず、更に、 シンジの話を何も聞かず、そう言い続けた。

「えっと、貴女こそ、現実から逃げずに僕の話を・・・」

 シンジが呆れたように話し始めようとすると、再びドアが開いて、 移動式ベッドと医務関係らしい人達が入ってきた。

 何時の間にか、呼んでいたらしい。

「レイ、予備が使えなくなった、もう一度だ」

 ゲンドウがそう言うが、返事は無かった。

 全員が移動式ベッドに注目する。

 だが、寝ているのか、シーツから蒼い髪が出ているだけだ。

「・・・レイ?」

 リツコも不思議そうに声をかけるが、やはり、反応が無い。

 しかし・・・

「貴方が乗らなければ、あの娘が乗る事になるのよ!
 男の子でしょ!
 恥ずかしくないの?!」


 ミサトは勝手にヒートアップしていた。

「あのこ?
 それって、だれの事?」

 不思議そうにシンジがそう訊いた。

「あの娘よ!」

「どのこ?」

 叫ぶだけで、指差しもしないヒートアップ状態のミサトに、シンジはゆっくりと変わらない口調で訊く。

「だから、あのベッドで寝ている娘よ!」

 やっと、ベッドの方を指差して、ミサトがそう言った。

「・・・あぁ、ネボスケさんだね♪」

 軽い口調で、シンジが明るくそう言った。

「違うわよ!
 大怪我をしているのよ!
 ほら!」


 ミサトは、シンジを睨みつつ、移動式ベッドのシーツを接ぎながら、そう叫んだ。
(普通は重傷者にそんな事をしてはいけません)

『「「「「「なぁ!」」」」」』×たくさん

 周りから驚きの声が上がる。

「・・・・・・えっと、たぶん、苗字は、葛城さんとやら・・・
 この○極○号の代わりに、 アレに乗らない事のどこが恥ずかしいんでしょうか?
 むしろ、コレの代わりとして、乗る事になる方が、僕は、男として、いや、人として、 すんごく恥ずかしいと思うのですが?」

 シンジが呆れたようにそう言った。

「え?」

 シンジに言われて、ベッドの上を見ると、そこには、包帯をした特殊な人形が置いてあった。

 しかも、ご丁寧に蒼いカツラをつけている。

 更に、それには壊れた眼鏡がかけてあり、女性をかたどった人形なのに、 何故か、その顔の下の輪郭両耳から顎をつなぐ部分には、マジ ックで思いっきり、髭が書かれていた。

 ついでに、点滴の針はベッドに刺さっていた。

 流石のミサトも、それには驚いた。

『ど、どう言う事だ!』

 ゲンドウが叫び、医療関係者たちは顔を蒼くしながら首を振る。

 因みに、予め、移動式ベッドに載せていた為、確認していなかったらしい。

「あ、何か紙が落ちているよ、手紙かな?」

 シンジがそう言ったので、全員が、なにやら、紙の切れ端のようなモノが、床に落ちているのに気が付いた。

 おそらく、ミサトがシーツを剥いだ時に落ちたのであろう。

 誰よりも早く、シンジが、それを拾い、読み始めた。

「・・・えぇ〜っと、何々・・・





 一身上の都合により、この職も、この世界からも辞職させて頂きます。
 この間、なくなった下着を探していたら、何故か、司令の机の中にありました。
 また、一緒においてあった司令の極秘アルバムを見て、更衣室や、シャワールーム等に、隠しカメラを仕込まれていて、私だけじゃなく他の女子所員達も、裸の写真を、たくさん隠し撮りされていた事が分りました。
 しかも、2つとも、変な汁がたくさんついていました。
 そして、司令が用も無いのに声をかけつつ、私の身体を触ってくると言うセクハラにも、もう耐えられません。
 また、いくら人類の為とは言っても、ワザと起動実験の時にミスプログラムを流され、事故に装わせて、大怪我を負わされてまで、存在したくはありません。
 更に、傷で動けない私の身体を合法的に好き勝手に触る為、もしもの時に救助してくれる人達を、ワザワザ遠くに配置した事も知りました。
 そして、多分、司令が、ある程度、怪我が治ったら、それでも、怪我でロクに動けず、強く反抗できなくなった私を、無理やり、手篭めにしようと考えているのは、病室に来るたびに見せるあの血走った厭らしい目や、いきり立っていたあの股間で分ります。
 そう、コレ以上存在していたら、私は汚されるに決まっているのです。
 なので、使徒が来た所為で起きたこの混乱を利用し、手篭めにされる前に、身代わりをおいて、私はネルフも生きる事もやめさせていただきます。

さようなら・・・ファースト・チルドレン・綾波レイ



 って、簡単に訳せば、こう言う内容なのかな?・・・
 でも、これって、辞表?・・・遺書?・・・どっち?」

 シンジが読み上げ、そう訊いた途端、全員がゲンドウの方を見る。

 何時の間にか、モニターに映っている白髪の爺さんもゲンドウを冷たい目で見ていた。

 ゲンドウは、予想もしなかった、いや、出来るハズもなかったあまりもの出来事に、硬直していた。










To be continued...


(あとがき⇒悪あがき?)

今の所、内容はあまり変わっていません。
しかし、2話目が半分くらいしか思い出せないぞ・・・
マジで続けることが出来るのかな?
ともかく、そうなれば、完全に、新しい話で続けますゆえ、気長にお待ちください。



(ながちゃん@管理人のコメント)

とりもち様より、「新起動世紀ヱヴァンガル改」の第二話を頂きました。
このお話、ネタ的には「D」のルーツ(?)にもなっている作品だそうで、非常に興味深く拝見させて頂きました。
大変面白かったです。シンジの毒舌もグッドです。
原作(第一話)のネルフの茶番劇を見事に風刺、皮肉っていますね。さすがです。
まさかアレが、一言一句仕組まれたものだったとは!
ミサトなんて、ホント馬鹿丸出しですな(笑)。・・・暗記したセリフ、まんま棒読みだし。
それにつけても、やるな、綾波レイ・・・恐るべし!何気に食わせ者ですね、彼女(笑)。確りと笑わせてもらいました♪
これからもシンジと二人で、ネルフをおちょくり倒してください♪
続きが待ち遠しいです。
とりもち様、次の電波(第三話)も待ってますよぉー。
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