第二十五話
何つ巴!?の戦い
presented by 蜜柑ブタ様
「…ユイ……。」
ゲンドウは、今は亡き妻の名を呟いていた。
「準備が整いました。いつでもいけます。」
そこに顔をフードで半分隠し、そこから僅かに覗く銀の髪に、能面のような仮面をつけた男が入ってきてゲンドウにそう伝えた。
「そうか。」
「しかしあなたも悪い父親だ。実の息子を妻を呼び戻すために利用するなんて…。」
「それぐらいしか使い道がないからな。」
「本当に酷い人だ。」
そんなんだから、お前は失敗するのだ
仮面の下で侮蔑の笑みを浮かべながら、男は去って行った。
***
ネルフ本部の上。つまり装甲板の上にある第三新東京の跡地(?)で、ゴジラとバルディエルの戦いが勃発していた。
粘菌状の体組織から作り出した腕に2本と、取り込んだ四号機の左腕を使い、見えぬほどの速度でゴジラの身体を上から下まで殴打するバルディエル。
しかし、ゴジラは微動だにしない。まったく効いてないようだ。ただ黙って攻撃を受けていた。
やがてバルディエルが後方へ飛び、四つん這いになる。そして地面に付けている両手を突っ込み、ゴジラの尻尾の方へ両手を出して尻尾を掴んで固定し、バルディエルは腕を伸ばしたまま走り、跳び上がって綺麗に体勢を整え、強烈なドロップキックをゴジラの頭に当てた。
ゴジラが少しだけ首をのけぞらせるが、ギロッとバルディエルを睨む。
『つまらん!』っとばかりに、鼻を鳴らし、尻尾を振っていまだ掴んだままのバルディエルの両手を振りほどいた。
距離を保とうとするバルディエルにあっという間に近寄り、胸ぐら辺りを掴んで頭から地面に叩き付ける。あまりの怪力に一発でバルディエルの顔がグシャグシャに潰れ、ブシャアっと、赤い体液が飛散し、射出機の出入り口に流れ込んだ。
ビクンビクン!と残った胴体と四肢が痙攣するが、ゴジラは、その足を掴んで別方向へ投げつけ、背びれを輝かせた。
そして発射した熱線はバルディエルの胴体に命中し、爆発炎上した。
爆風と塵が風に乗って消え、ゴジラは、膝をついている弐号機を見た。そして背びれを光らせ口から熱線を吐いた。
『アスカ! 逃げて!』
『これくらい!』
アスカは、すぐにATフィールドを張った。だが……。
『えっ! あっ…。』
っと言う間に貫通した放射熱線の光を前にアスカは、間抜けな声を漏らしてしまった。
弐号機に当たる直後、銀色と赤の巨体が弐号機を突き飛ばし放射熱線をくらった。
『アチチチチ!』
熱がる男の声が聞こえ、アスカは我に返った。
熱線がやむと、全身から湯気を出す銀と赤のゴジラによく似たロボットが弐号機を庇うように立っていた。
ゴジラからやや離れた位置からせり上がって来るものがあった。
ゴジラは、そちらを見て気分を害されたと言う風に顔を歪めた。
それは、射出機に固定された初号機だった。
『……た、…助けて……。』
初号機の内部からか細い少年の声が響いたが、ゴジラに伝わるはずがなかった。
ゴジラは、初号機を前にしてすぐには動かなかった。
さすがに不自然に思ったのだろう。多少は警戒しているらしい。
『…嘘でしょう。なんてこった。』
オーバーヒート状態の機龍フィアの中で、様子を見ていたツムグは、額を手で抑えた。
『シンジ君…!』
初号機には、シンジが乗せられていたのだ。
***
リツコは、ゲンドウを睨んでいた。
ゲンドウは、どこ吹く風でモニターを眺めているだけだ。
今リツコの周りは武装した集団で取り囲まれていた。
その中にはミサトもいて、ミサトに背中から銃を突きつけられていた。
「ミサト…。」
「……。」
ミサトは何も言わない。いや、言葉が発せないのだ。
彼女の目にまともな光がない。恐らく強力な暗示がかけられているのだろう。
マヤ、日向、青葉は、青い顔をしていた。
作戦本部の床には、腕を縛り上げられて、床に転がされている、女性が一人。
「うぅ…。」
何度も殴られたのか口の端から血を流している。
「なんてことを……。それでも父親なの!?」
彼女は、ゲンドウに向かって叫んだ。
「親が子を使って何が悪い。」
「あんた…、最低!」
「司令! なぜこのようなことを! そうまでして初号機を覚醒させたというのですか!」
初号機の秘密を知る者の一人であるリツコは、叫んだ。
そうゲンドウの目的は、初号機の中に眠るユイの魂を覚醒させることである。その鍵として息子であるシンジが必要となり、誘拐したのだ。たまたま一緒にいた音無はついでである。シンジの言うことを聞かせる為に人質とされた。
「そうだ。」
リツコの問いに、ゲンドウはあっさりと返事を返した。
「あ…、あなたという人は…。」
リツコはワナワナと唇を震わせた。
「例え初号機を覚醒させたとしても、ゴジラを倒すなど無理です!」
「彼女は負けない。」
「何体の使徒がゴジラに無残に殺されたかあなたも見ているはずです!」
「赤木博士を黙らせろ。」
「はい…。」
「っミサ…!」
ゲンドウの言葉にミサトが反応し、リツコを後ろから関節技をかけて倒した。
リツコは関節技を決められた痛みに顔を歪めた。
「葛城…。」
物陰から加持が作戦本部の様子を見ていた。
ミサトの様子がおかしいとは思ったがまさか暗示がかけられていたとは。
あの従順ぶりからするにかなり深く長い間暗示がかけられていたのではないかと思われる。
そんなに長く暗示をかけるとしたら少なくとも自分がミサトと付き合っていた時期からとなるのだろうか。
「まさか……。」
犯人に心当たりがあった。
しかしだとするとなぜミサトにそんなことをしたのか分からない。
そこまで彼女が重要だったのだろうか?
確かにミサトは、セカンドインパクトの発生場所となった南極でたった一人の生存者である。
それゆえに存在自体が極秘と言ってよかった。
しかし彼女はただの人間のはずだ。それはゼーレの下にいる自分が入手した情報で知っている。
綾波レイのような人間と使徒の混合でもなく、あのゴジラの細胞を混ぜこぜして生まれたらしい突然変異の椎堂ツムグとも違う。本当にただの人間のはずだ。……多少タフ(?)ではあるが。
『うわああああああああああああ!』
作戦本部のモニターから少年の悲鳴が木霊した。
その声を聞いて加持は体が跳ねた。
「……君は誰かな?」
ジャキッと金属音が聞こえ、加持の頭に銃口が押し付けられた。
ハッとした加持が見たのは、不気味な能面のような仮面と、耳に残った銃声。そして視界が暗転した。
***
「うっ! これ、マジ、やばいかも!」
クラクラする頭のツムグは、操縦桿を握る手を震わせてそう呟いた。
初号機に迫ろうとするゴジラにズルズルと少しずつ引きずられていた。
ゴジラは、直接、手で初号機を潰す気でいるらしく放射熱線を吐く気配がない。
「ゴジラさ、ん! お願い! 勘弁して! サードインパクトの引き金を潰すチャンスなのは分かってるからさ! 逃げて少年、早く〜!」
ゴジラは、なぜか知っている。
初号機がサードインパクト(人類補完計画)の要のひとつであることを。
『椎堂ツムグ、アレ(初号機)に子供が乗せられているのは間違いないんだな!?』
「間違いないって! 碇シンジと音無博士が誘拐されたってのはもう知ってるでしょ! これが目的だったんだよ!」
『まだ確証が得られたわけじゃないが、おまえが言うならそういうことなのだろうがすべて鵜呑みにするのもホントどうかと思うがな!』
『ネルフから声明文と映像が届きました! 映像解析の結果、人質は音無美雪博士で間違いないとのことです!』
「チィ! また椎堂ツムグの予言通りになったか…。』
ツムグの言う通りに事が進むのが気に入らない人間は少なくない。
『ネルフはなんと?』
『エヴァ初号機に手を出すな、手を出せば即座に女を殺すと。』
『この状況で我々に手を出すなだと? ゴジラにエヴァンゲリオンを生贄にするつもりか!?』
『機龍フィアの機能が低下している状態では、これ以上ゴジラを抑えるのは無理なのでは!?』
『椎堂ツムグめ! どこで何をしたんだ!』
ツムグの脳の調子が悪いため、機龍フィアの機能も低下していた。
なぜ調子が悪いのか、事情を知る者はごく一部である。
「あんの男、自分の妻を過信してんのか!? じゃなきゃ、こんなアホなことやるわけないよね!?」
サキエル襲来の時、本来なら初号機が暴走してサキエルを倒すシナリオだった。
それがうまくいかず、今度はゴジラに初号機を暴走させる引き金を引かせようとしているのである。
しかしサキエルもそうだが超越した生命体である使徒を一撃で葬る力を持つゴジラを初号機にぶつけて、そんな都合よくいくだろうか?
答えは否だろう。
暴走によって力を引き出しても今のゴジラ(※セカンドインパクト後、強化されています)を倒すのは…。
次の瞬間、ゴジラの背びれが光りだした。
「やめて!」
察したツムグが素早く操縦桿を操作し、下からゴジラの顎を掴んでゴジラの顔を上向かせた。
放射熱線が斜め上空に飛んでいった。
ゴジラの何かが切れた音が聞こえたような気がしたと思ったら、機龍フィアが投げられ、地面に頭から叩きつけられていた。
「う、ぐっ。」
頭がグワングワンとする。
すると再びゴジラに投げられ叩きつけられ、機体のどこかがへしゃげる音がした。
そしてまた投げられ叩きつけられる。それを何度も繰り返された。
いつも機龍フィアで投げていたから、仕返しだろうか?
ともかくゴジラが本気で機龍フィアを壊す気でいるのだけは、分かった。
皮肉にもそれが時間稼ぎになった。
***
彼女は、これが正しいと信じていた。
彼女には、それを成し遂げたいという願いと、それを成し遂げるだけの力があった。
しかし運命の悪戯と言うべきか、何かを成し遂げようとすればそれを妨害する何かしら力が働くものである。
誰が想像した? 誰がこんなことになると思った?
天才であった彼女ですら想像もしなかった災い、ゴジラによって彼女の描いた理想は修正できないほど壊れていた。
残念なことに彼女はそのことを知ることができなかった。
神のごとき存在へ昇華する前段階の状態で眠っていたために、外で起こっていることを知ることができなかったのだ。
眠っている状態であるが、彼女は感じた。
我が子が酷く怯えている。
自分がお腹を痛めて産んだ子の存在が今の自分の中にあるのは感じたが、その子が酷く怯えている理由が分からなかった。
確かにこんなこと……、人類補完のために我が子を駆りだすのは心が痛まないわけじゃないが、これは必要なことだと彼女は思っていた。
うまくいけば我が子が進化した最初の人類になるかもしれない。神話になるかもしれない。
これは決して悲劇などではないのだ。停滞した人類を進化させ、罪を清算するチャンスだ。
別れは辛いだろう。しかし一時の別れにすぎない。すべての命が赤い海に溶けるだけだ。一つになるだけだ。
だから安心してほしいと伝えたくても、今の彼女にそれを伝える術がない。
できることは我が子を神の使い達の名を架する者達から守り、我が子を導くことだ。
「助けて……、助けて助けて、お、ざき、さん…。」
体を丸めてグスグスと泣いて震えている我が子が助けを求める。
……………オザキって誰?
傍で守っている自分より、知らない誰かを求めているのが若干気に入らなかった。
***
尾崎の部隊と風間の部隊が別々の入り口から潜入し、ネルフの中枢にある作戦本部を目指して進んでいた。
風間を先頭にした風間のミュータント部隊は、立ちはだかった障害に足止めをされていた。
「ちくしょう!」
思わずついた言葉が電力節約でかなり暗い通路に響いた。
通路を進むことができないのだ。
進もうとすると見えない壁が発生して彼らを拒むのである。
「機龍フィアがゴジラに潰される前に中枢へ向かわないと!」
「分かってる!」
「これってひょっとしてATフィールドって奴じゃないですか!? 模様が似てます!」
「使徒がいるのか?」
「まさか! 使徒はゴジラに殲滅されたし、なぜ使徒がネルフを守るなんてことを?」
「どっちにしろこのままじゃ進めないことには変わらん。」
「使徒だとしたらツムグの体液が有効ですけど…。」
「……アイツは、コレを見越していたのか?」
風間は、腰に引っかけていたスプレータイプのボンベを取り出した。
薄めたツムグの体液が詰った物だ。
イロウル(ウィルス?)やバルディエル(粘菌)のようなタイプの使徒に遭遇した場合を想定して配布されていた物だ。
「アイツに頼るのは癪だが…。」
時間が無いのだ。だから迷ってられない。
風間は躊躇なくボトルの中身をATフィールドへ散布した。
『ギャア!』
「悲鳴!?」
「ATフィールドが消えました!」
「行くぞ。」
「は、はい!」
一行は使徒らしき存在を確認せず、走った。
更に、走る風間達の行く先を、戦闘服を纏った覆面達が遮った。
向けられる武器を目にして、ネルフ内部に異変が起こっていることをだいたい把握した風間達は、覆面集団との戦闘が勃発した。
能力の妨害がされているとはいえ、身体能力ではミュータント兵士の方が遥かに上だ。だが敵は戦いの経験があるらしく、実戦経験値の差がある。
膠着するかと思われた戦いは、風間は特攻に近い攻めでミュータント部隊の優勢になった。
覆面集団がたまらず道を開けるとその隙に彼らを無視して風間達は奥へと走って行った。
あくまでも目的は中枢にある作戦本部にいる音無の救出と総司令部の制圧だ。
背後から怒声と銃撃が来るが足の速さで普通の人間(鍛えていても)が叶うはずがなく、あっという間に風間達は覆面集団を振り切った。
「ちっ……。」
風間達が通り過ぎた通路の影から、肩を抑える上から下まで黒づくめの覆面の男が出てきて舌打ちをした。
「…、退化したリリンと黒トカゲが混ざったゲテモノの体液だって?」
服を破いて肩を露出すると、ジュクジュクと皮膚と肉が焼けただれていた。
「人類補完こそすべてを救済するただ一つの方法…、必ず実行されなければならない。そのために邪魔なのは…、排除しなければ…。」
そう呟きながら、男はフードを掴んで一気に脱いだ。
薄暗い空間に銀色の毛髪が妙に輝いていた。
銀髪に仮面の男は、腕時計型の通信機にスイッチを入れた。
「碇ゲンドウは、これでお終いです。あの男は大切な妻の魂を宿した初号機をゴジラに破壊させる暴挙に出ました。あの男が望む補完計画はこれで潰えることでしょう。」
『そうか…。ご苦労だった。』
「すべては人類補完のために。」
男は、通信を切ると、音もなくその場から姿を消した。
***
機龍フィアを地面に頭から埋めた状態にして、ゼーゼーと息を整えたゴジラが改めて初号機の方へ向いた。
モニターにゴジラが一歩一歩と初号機に迫っていく光景が映っている。
「そうだ…。行け、行け! ユイ、間もなくだ、もうすぐ…!」
っと、その時。
警報が鳴り響いた。
それは、使徒が出現した時の警報音だった。
「な、なんだと!?」
使徒はすでにゴジラに殲滅されたはずだった。
「何事だ!」
「特殊装甲板内部の配管に使徒が浸食しています!」
「! さっきの使徒…。こんな時に!」
「グッドタイミングか?」
「!」
「おらよ!」
「ぐお!」
背後から風間の蹴りを受け、ゲンドウは倒れた。
周りにいた覆面の男達は、いつの間にか他のミュータント兵士に背後を取られ両手を上げた状態になっていた。
「風間少尉!」
音無は、味方が来てくれたことに歓喜した。
「風間くん!」
リツコは、見知った男の出現に心底安堵した。
「碇シンジを今すぐエヴァンゲリオンから脱出させろ!」
「さ…せない…。」
「なに!?」
リツコを押さえていたミサトが突如として動いた。
突然のことに驚いた近場にいたミュータント兵士がミサトからの攻撃にダウンした。
「エヴァ………、うぅ…う。し…と。……おとう…さ…ん……。」
うわ言のように言葉を紡ぎながら凄まじい戦闘能力で次々にミュータント兵士を倒していくミサト。その巻き添えで覆面の男達までダウンする。
その動きはもはや人間のそれじゃない。
「ちぃっ!」
ゲンドウを押しのけて下へ飛び降りた風間がミサトと対峙した。
鋭く思い蹴りを受け止め、床にたたきつけるが、ミサトは掴まれている足を折って回転し、風間に一撃を入れた。
「ぐ…、なめるな……!」
手加減なしの殴打がミサトの体に打ち込まれ、ふらついたところで腕をつかみ床に叩きつけて両の肩を外した。
さすがに四肢を負傷したミサトは、ピクピクと反応するがこれ以上の動きはなかった。
「ミサト…。」
リツコが悲しげに眉を寄せた。
「か、葛城…。」
「加持君!」
そこへ頭から血を流した加持がフラフラと歩いてきて、ミサトの傍に跪いた。
「葛城…、葛城…。」
加持はミサトの頭を抱き起し、抱きしめた。
モニターから凄まじいゴジラの雄叫びが聞こえた。
「しまった、初号機が!」
「あ、あれは…。」
ハッとしてモニターを見た時、そこに映っていたのは。
ゴジラの後ろからダイブするようにしがみつき、ゴジラを前のめりに倒した土まみれの機龍フィアだった。
もう目の前までゴジラが迫っていたため、初号機に当たり、射出機ごと初号機が斜め横に倒れた。
「エントリープラグ、強制排出、急いで! 配管を切断して電流が流して使徒の侵入を止めるのよ!」
「了解!」
「ダメです、信号を受けつけません!」
「初号機の信号がブロックされています!」
「なんですって!」
騒然とする中、ゲンドウの狂ったような笑う声をリツコは聞いた。それを聞いたリツコは、ギリッと爪を噛んだ。
「機龍フィアに連絡を! 初号機から何が何でもゴジラを遠ざけて!」
「機龍フィアから高エネルギー反応!」
「ああ、ゴジラが!」
次の瞬間、目と関節や装甲の隙間が赤々と光りだした機龍フィアの腹部から絶対零度砲が放たれ、ゴジラを凍らせた。
凍らせたゴジラから崩れ落ちるように地面に倒れた機龍フィアが全身から煙を吐きながらすぐに立ち上がり、初号機に近寄った。
機龍フィアの手が初号機を掴もうとした瞬間、初号機の右腕が振られ、機龍フィアのその手を払った。
「!」
「シンクロ率マイナス! 初号機、謎の起動!」
「なっ…、ま、まさか!?」
「は…はは…ハハハハハハハハハハ! ユイ!!」
暗かった目に光りを灯し、顎のジョイントを壊して不気味な咆吼をあげる初号機の姿に、取り押さえられたゲンドウが笑った。
To be continued...
(2020.09.12 初版)
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