第四話
presented by ハンドメイド様
またもやドイツの空港。
用意された飛行機に乗り込むと、先に乗り込んでいたレイと会った。
メールでのやり取りは良くやっていたが、直接会うのは久しぶり。
アスカが乗り込んだ飛行機は碇財団が所有する航空会社が準備した専用機。
レ: 「アスカ、久しぶりね。」
ア: 「そうよね。レイ … あんた更に人間臭くなったわね。」
レ: 「そう… (自分で自分を匂ってみる) そうなの?」
ア: 「違う違う 前と比べてって事」
挨拶を交わすと、上にあるファーストクラスのフロアへあがると準備された席へと座る。
席には各自の好みの飲み物と果物が準備されていた。
それを食しつつリラックスしていると、飛行機は飛び立っていた。
ア: 「レイ〜 シンジはどうしたの?」
レ: 「そろそろ操縦席から、やってくると思うわ」
勘のいいアスカは、この飛行機にある違和感を感じ取っていた。
旅客機を飛ばす際には、乗務員や客室添乗員がいるのに、乗ってから見た覚えがない。
目の前にいるレイが当たり前のように振舞っていたので、危ないという感じはなかった。
そうした感じを受けていると、操縦席の扉が開いて、シンジが出てきた。
シ: 「アスカ♪ 久しぶり … 元気だった♪」
ア: 「もちろんよ あたしが元気でなかったら、ど〜すんのよ。」
シ: 「そうだね♪」
ア: 「さてと、これからは?」
レ: 「当初の予定通りには行かなくなったわ」
ア: 「なんで?」
レ: 「シンジ君が予定外の物を開発した。それで、これからの予定が変わった。」
シ: (大汗… 滝汗… 動揺しまくり)
ア: 「シンジィ〜 あんた何したの! 調子にのって変なもの作ったんじゃないわよね!」
レ: 「大気圏突入型格闘戦闘機と、衛星軌道周回型空母と、弾道軌道輸送船の3つ。」
この歳でアスカも大学生になっているので、レイが言った3つの物を聞いて、怒りが溜まっていく。
うつむき加減で両手を握り締めて、怒りでプルプル震えているアスカを目の前にしているシンジはオドオド。
レイが持っていたハリセンをアスカの目の前に差し出すと、アスカはシンジをハリセンで、張り倒した。
ア: 「なんてもの… 作っちゃうのよ… こんのぉバッカァシンジィーーー」
(おーおー 張り倒されて 踏みつけられるシンジ君)
ア: 「(ふぅーふぅー) それで どーいう具合に変わったの」
もともと航空輸送に変わる方法として、シャトルなどを使った弾道飛行輸送が考えられた。
それを発展させて、決められたコースを通るならば、マスドライバーで打ち出し。
飛行コースを調整する時には操縦する部分を接続させて調整。
移動させる距離にあわせて、大気圏内か外で活動できる専用の操縦ブロックを製作。
このコンセプトで、弾道軌道輸送船と、大気圏突入型飛行機が開発された。
また、直線で結ぶには勿体無いという点があがり、更に一計。
衛星軌道でメンテナンスできる所と輸送コンテナの交換場所という場所として、中継基地を考えた。
その規模を後々に使えないかと、戦闘だけでなく救済も可能な状態にまで煮詰めたら今の状態に…
ア: 「それで今後のスケジュールは」
レ: 「衛星軌道にある国連軍空母で格闘戦闘機の訓練」
ア: 「前に取った飛行免許じゃあ使えないの?」
シ: 「ちょっと特殊な機動もできるから専用免許になってしまったんだ。」
レ: 「訓練の合間に地上に降りて、碇財団の仕事もあるから、結構ハード。」
ア: 「ゲゲッ」
シ: 「訓練期間中は技術士官の扱いで、訓練が終わった後は、国連軍佐官の階級になると思う。」
ア: 「予定期間は?」
シ: 「訓練で約1年。その後、追加で1年かな。」
ア: 「大体わかったけど、もう1コ。」
シ: 「まだ、あったっけ?」
レ: 「知らない (首プルプル)」
ア: 「この飛行機… 乗員のってんの?」
レ: 「そういう事… いないわよ… 私たち3人だけ!」
ア: 「誰が操縦してんの」
シ: 「黒と白 (笑顔)」
レ: 「あと機関席に、紅がいて機関の調節しているわ。 (ニコッ)」
ア: 「あの3頭がぁ〜 出来るの…というか、一応、無事に飛んでいるし…」
シ: 「大丈夫だよ そういう事ができるように作っておいたから」
( Puuuuu Puuuuu Puuuuu )
どこからか呼び出し音が鳴っている。
シンジが判っていたのか、操縦席へつうじる扉を開けて、何かしら機器の操作をした。
いつもは映画などの上映に使うスクリーンが灯り、1人の老人の姿を映していた。
そのスクリーンの前には大きなソファがあり、中央にシンジが座り、シンジの左右にレイとアスカが座った。
シ: 「おじいちゃん そっちから見える?」
イ: 「おぉ 良く見えるぞ! レイちゃんにアスカちゃんだったな?」
ア: (誰?)
イ: 「そういえば自己紹介が、まだじゃったの。 シンジの祖父 碇イワオじゃ」
レ: 「碇の御前様、お久しぶりです。 綾波レイです。」
ア: 「ドイツの 惣流・アスカ・ラングレーです。 お爺様」
イ: 「おぅおぅ 2人とも可愛いのぉ〜」
シ: 「日本から直通連絡ということは」
イ: 「そうじゃ、ちぃ〜っとばかし時間がかかったが、法案が通って、役所で受理して貰った。」
レ: 「アレが通ったの」
ア: 「アレって何なの」
シ: 「ちょっと前から政治家を突っついてね。ある法律を変えさせる事をね。」
レ: 「私たちの結婚についての法律…って言ったら判るでしょ!」
ア: 「もしかして…」
まぁるい青い広がりがある空間の上に真っ暗な世界。
真下をみると、青い海が広がっていて、所々にポツポツと地上が見える。
そんな空間に人の形をしたのが2つ… 浮かんでいる。
「こちらフレイ 情報通り 下では機動歩兵の訓練をしているわ」
「アンカーよりフレイへ 確認した アイスは?」
「こちらアイス こっちも予定の物が陸揚げされているわ」
「アンカー 了解した 2人とも帰っておいで」
「フレア 了解」
「アイス 了解」
人の形をしていたのが、形が変わり、飛行機になると、ある方向に機首を向けて移動する。
飛行機のコクピットには小柄なパイロットが操縦している。
2機が向かっている先に、何かしら建造物が浮かんでいる。
海に浮かんでいる空母のように見えるが、船の底がスッパリと真っ平ら。
「フレアよりアース1へ 現在 180度方向より接近中。」
「こちらアース1…着艦デッキ フレアとアイスは5番と6番の着艦を許可する。」
「了解 フレアは5番を使用する アイスは6番ね」
「こちらアイス 6番で着艦します」
2機の飛行機は、アース1と呼ばれる空母の後方から接近している。
空母の底面には2本のラインが見えており、ラインが点滅して2機を誘っている。
よく見れば、手前の方にアームに引き出されたロープが、艦底から下方向に出されている。
そこに向かっている飛行機の上方後部から着艦フックが出ているので、それに引っ掛けるらしい。
2機は並んで、それぞれのロープに引っ掛けると、艦底から伸びてきたアームに捕まれて空母に収納された。
収納された2機のコクピットから出てきた2人は小柄のうえに女性っぽい。
パイロットスーツにはゴテゴテとプロテクターやら器具が取り付けられており、身体つきで女性と判る。
コクピットから出てきた2人は、お互いに頷き会うと、ある扉へと流れて行った。
エアロックの扉を通り、廊下をそのまま流れて、ある部屋へと飛び込む。
…と、2人の足をつかんで空中に留める人がいた。
2人が振り向いて、足をつかんだ人を見て誰か判ったのか、両手を合わせて拝んでいる。
ヘルメットを被ったままだったので声が聞こえない。
足をつかんだ小柄な男性が、開閉スイッチを押して開けると、謝っている2人の声が聞こえるようになった。
ア: 「シンジぃ〜 ごめぇ〜ん」
レ: 「ごめんなさい シンジ君」
シ: 「2人とも… (はぁ〜ぁ) 前にも言ったよね。 僕は、どう言ったのかな。 (少々怒)」
ア: 「部屋に入る前に一時停止」
レ: 「入室確認してから入ること」
シ: 「覚えているみたいだから、罰は来週の地上でね。」
2人は浮かんだまま、来週の予定を思い出している。
そして思い出したのか、お互いに渋い顔になり、床へと降りると黙っている。
シ: 「第3新東京市に出来た学園の落成式に出席してね。」
ア: 「またミサトと鬼ごっこなのぉ〜」
シ: 「それと場所が場所だったので、ネルフ本部へ招待状出したから…」
レ: 「(顔縦線) 保安部や諜報部のオマケ付きになるのね。 (今度は捕まるかも)」
ア: 「ゴールは?」
シ: 「碇一族の家」
ア: 「(指折りしつつ) シンジの家でしょ レイの実家に… 他にあったっけ?」
レ: 「その2つだけね」
ア: 「結構きびしい条件ねぇ オマケなし?」
レ: 「シンジくぅ〜ん (ちょっと上目遣いでウルウル)」
シ: 「仕方がないなぁ〜 もう1個作るか」
第3新東京市 郊外にある山1つを造成し出来上がった学園。
碇財団が出資して、幼稚舎から大学院までの一貫教育。
奨学金制度、学生寮、付属病院、付属施設など必要な施設は全部揃っている。
また入学に際しての試験がない代わりに進級や卒業での試験が厳しくなっている。
学ぼうという意欲があれば受け入れてくれるので、落成式に参加した面々も色々。
お偉方の挨拶は、後々の尾を引くので一切無しの落成式も終わり、落成パーティーへと移った。
この落成パーティーには、入学希望者の親や子供たちもいたので結構華やか。
パーティーの料理は出資財団系列のホテルから出しており、料理に舌鼓を打つ人や交流に熱心な人と様々。
その中に埋もれてネルフ本部からも来ていたが、会場内に入れたのは数名のみ。
ほとんどが、出入口のチェックで引っ掛かり、会場外で待機している状態になっていた。
冬: 「なんと…まあ、大きな学校だな… (うん)」
会場内に準備された椅子に座り、渡された飲み物を飲みながら、学園を見渡す。
そんな冬月の前には、綺麗に着飾った子供たちがワイワイと思い思いに話している。
それを掻き分けるようにスーツ姿の男性が、冬月の前へとやってきた。
加: 「副指令 会場内を探してみましたが、作戦部・諜報部・保安部が全滅です。」
冬: 「技術部からも来ていたと思うが」
加: 「りっちゃんと、マヤちゃんは、料理のテーブル近くにいました。 その他は駄目ですね。」
冬: 「やはり出入口のチェックで引っ掛かったのかね。」
加: 「武器の類を身に付けていたのは全員アウトです。 葛城は暴れて、個室行きになりました。」
冬: 「警察かね」
加: 「いえ 碇財団のSSの方です。」
冬: 「面倒だな… 後で引き取りに行っておくように」
加: 「了解です」
加持という男の後ろから肩に手を置く女性がいる。
殺気がなかったので、男もさり気無く振り向くと、今まで探しまくっていた女の子がいた。
加: 「アスカーぁー」
ア: 「お久しぶり 元気にしていた」
加: 「おまえなぁー いいかげんにドイツに戻れ」
ア: 「まだ終わっていないから帰れないわ」
冬: 「おいおい」
ア: 「あっ すいません。 お馴染みだったので、割り込んで済みませんでした。 ネルフ副指令・冬月さん」
冬: 「(ギックゥ) 自己紹介しましたかね」
加: 「副指令すみません。 こっちのは惣流・アスカ・ラングレーと言って、ドイツのセカンドです。」
冬: 「ほう… (花嫁修業中という、あの娘か?)」
ア: 「現在は休職届けを出して花嫁修業中なのに、あのミサトに追い掛けられています。」
加: 「あれはだなぁ」
ア: 「追い掛けるだけでなく、銃を突き付けて脅す…ってのもアリなの?」
加: 「そんなコトしたのか」
ア: 「そんな状態で追っ掛けられたら、誰だって必死で逃げるわよ」
?: 「アスカーーー」
ア: 「呼ばれていますので失礼します。」
困り顔の加持と、その問答を聞いていた冬月。
今までの捕り物(?)の方法などを加持に問いただす。
あの娘の話では、相当な方法で追っ掛けられたと感じたらしい。
別の場所では、入学前の見学者として招待されたグループが料理にパクついていた。
ヒカリ、トウジ、ケンスケなど、レイが通っていた小学校の仲良しグループだった。
ト: 「(パク・ムシャ) ホンマ美味いなぁー」
ケ: 「碇財団系ホテルのシェフが作ったんだろう。 (パクパク)」
この2人の他にも男子がいるが、みんな同じように料理に夢中になっている。
ケンスケもカメラを持って入ろうとしたが、パーティーの警備のためという事で、カメラの持込はできなかった。
それで、他の男子と同じように食事の方に気を持っていった。
残りの女子グループは、これから通うことになる学園の施設や校舎をみて、感じたことを話している。
ヒ: 「でも、おっきい学園ねぇ〜」
他: 「正門から順番に並んでいるって聞いたけど、中等部までが遠いわぁ」
他: 「幼稚・小等・中等・高等・大学・院までの6校舎。その他に付属病院と、寮でしょ。」
他: 「なんといっても贅沢なのが、全館・冷暖房完備で快適温度。」
他: 「こっちでは無理だって言われていた、スケートリンクまであるのよね。」
ヒ: 「本当に贅沢な学校だけど、進級・卒業の試験が難しいから、クラス替えでサヨナラって場合も…」
レ: 「あるわよ♪」
ヒ: 「レェ〜イィ〜 (びっくりしたぁ)」
レ: 「みんな久しぶり。 元気にしていた。」
しみじみと感想を言っていた女子グループの隣に、いつの間にかレイがやってきて会話に参加。
イチバン驚いたのは、レイの隣にいるヒカリだろう。
ヒカリたちのグループには、レイが転校してから増えたりしたのもいるので、引き合わせたりして紹介した。
ヒ: 「レイ 花嫁修業で転校したわよね。」
レ: 「現在も修業中」
ヒ: 「そうなの… いつ帰ってくるの」
レ: 「この夏ぐらいには終わると思うし、そうしたら帰ってくるわ。」
ヒ: 「じゃあレイも、この学校に来るの」
レ: 「この学園は碇財団出資。 私も理事のひとりだから、この学園に通うことになるわ。」
他: 「レイ 学校施設の見学コースにあった理事室のどこかに部屋が」
レ: 「えぇ…あるわ。 私の机は、理事長室の中にあるの。」
他: 「ほぇぇぇ じゃあさぁ 理事長って…レイの」
レ: 「(コクリ) 旦那さま」
他: 「えぇぇぇ ×多数」
他: 「ちょっと待った! 私… 理事長室も見学させて貰ったけど、机3つあったわよ。」
レ: 「旦那様の許婚は、私の他に、もう1人いるの。」
ヒ: 「それって 少し前に法律改正があった…アレ?」
レ: 「そう 奥様が2人なの」
女の子グループの輪の中からレイが離れて、会場内を探す。
そうすると見付けたのか、片手を挙げて、探した相手を呼んでいた。
レ: 「アスカーーー」
アスカは会場を横切り、呼んでいたレイの所へとやってきた。
そこにはレイやアスカと同年代の男女が集まっている。
ア: 「レイ♪ 後ろの人たちってレイのクラスメート」
レ: 「うん♪ 同じ小学校に通っていた時の友達なの」
レイの後ろにいたグループ前に、アスカが歩むと、自己紹介をした。
アスカの目の前には、お馴染みであろうヒカリがいる。
ア: 「私の名前はアスカ。 惣流・アスカ・ラングレーよ♪ よろしくね♪」
ヒ: 「アスカさんね。 私は洞木ヒカリ。 レイちゃんがいたクラスの委員長をしていたわ。」
レ: 「そして、アスカも私と同じで花嫁修業中の身なの。」
他: 「ほぉぉぉ ×多数」
ヒ: 「花嫁修業中って 2人ともなの」
ア: 「そうよ♪」
レ: 「2人とも愛してくれる旦那様だもん。 ねぇアスカ♪」
ア: 「じゃなかったら、張り倒してボッコボコにしてやるわ。」
ト: 「レイの旦那って、 あのプールの時の細っそい奴かぁ。」
レ: 「えぇ そうよ」
ア: 「あんだけ細いのに、強いから反則よね。」
他: 「ほぉぉぉ ×多数」
?: 「レイ!」
レイは名前を呼ばれたので振り返ってみると、金髪にしては外人っぽくない女性がいた。
その脇には、童顔の女性が付いてきている。
ア: 「レイ… 知っている人? (一応知っているケドね)」
レ: 「えぇ ネルフ技術部の赤城リツコ博士。 後ろにいるのは技術部オペレータの伊吹マヤさん。」
ア: 「へぇ〜」
伊: 「レイちゃん 隣の子は」」
レ: 「私と、いっしょに花嫁修業している…」
ア: 「惣流・アスカ・ラングレーです。 ついでに言ったらドイツにあるエヴァ2号機パイロットもやってるわ。」
赤: 「セカンド・チルドレン…」
伊: 「そういえばレイちゃん… 聞いたわよ。」
レ: 「なに?」
伊: 「作戦部の葛城さんとの鬼ごっこ。 全勝してるって…」
ア: 「そりゃそうよね。 捕まっていたら、このパーティーにも出席できかったからね。」
レ: 「実験・訓練で、それどころじゃない。 毎日、モグラの生活…」
ア: 「言えてるぅ〜 私も捕まったらドイツで同じでしょうね。」
赤: 「そういえばミサトを見てないけど…」
伊: 「そうですねぇ」
レ: 「出入口チェックで引っ掛かって、SSの個室に入っているわ。」
ア: 「パーティーが終わっても、そのまま入れといて欲しいわ」
レ: 「仕方がないけどパーティーが終わったら開放だもの。」
ア: 「また鬼ごっこの開始か…」
赤: 「ミサトと何回やってるの」
ア: 「もう何回目だっけ」
伊: 「順番に話して貰えない?」
アスカとレイが、今まであった葛城ミサトの乱入・追いかけっこを話す。
その場にはリツコやマヤの他に、冬月や加持、仲良しグループまで聞いていた。
レ: 「最初は、 フランス・パリの凱旋門」
ア: 「シャルル・ド・ゴール広場や通りの式典に呼ばれて行ったんだけど、式典途中で乱入があってね。」
レ: 「地元の警官隊と銃撃戦」
ア: 「招待客や観客は、さっさと避難したから無事だったね。」
冬: 「国連から抗議文書が届いた時か…」
レ: 「次は、イギリスのウェストミンスター寺院に行ったとき」
ア: 「勉強のためにって見学していたら、諜報部がいっぱい出てきて…」
レ: 「寺院内でパニックが起きたわ」
ア: 「結局、人にまぎれて避難したんだけど、ホテルでも待ち構えていてね…」
レ: 「仕方がないから、同じ飛行機に乗り込んで日本へと帰ってきたの。」
ア: 「でも… ミサトってアルコール依存症なのか、お酒ドンドン飲んじゃって」
レ: 「日本の空港に着いた時に、救急車で病院行き」
加: 「あれって後日談があって、病院で目を覚まして暴れて、病院から放り出された。」
冬: 「第2新東京市から請求書が届いた理由がコレか」
レ: 「次は… (ちょいまち)」
伊: 「結局、何回あったの」
ア: 「式典などの途中乱入は… 10回かな」
レ: 「えぇ公式行事の乱入は10回… 宿泊ホテルへの乱入と待ち伏せは、15回。」
ア: 「移動中の鉢合わせも、5回ほどあるし…」
レ: 「本宅前での待ち伏せも3回あるから、全部で33回ね。」
加: (副指令 全部 請求書や抗議文… 届いていませんか?)
冬: (しっかり、届いているぞ! もはや100枚以上あるから、総額にすると怖いくらいだ)
ト: 「33回… 月に1回以上あるわけか」
ア: 「まあ、2〜3ヶ月間隔で間が開いて、数回続くペースだから…」
ヒ: 「それでも面倒なことね。」
ア: 「ちゃんと休職届け提出しているのよ。 期間も、もう少しで終わるから帰るってのに聞いてないし…」
冬: 「もう少しで終わる?」
レ: 「副指令がいらっしゃいますから、お知らせします。」
ア: 「私たちの休職期間は、届けで提出した通り、最大期間の2年で終わります。」
加: 「…ということは、今年の夏には帰ってくる。」
レ: 「そうです。」
ア: 「だから残りの期間ぐらいは邪魔なしで生活させて欲しいの!」
冬月は、帰ってくるのが判っているのなら、葛城君たちを引き上げさせても良いかと考えていた。
しかし、周りのパーティーも終わっている様子で、招待客の数も減っているのにも気付いていなかった。
冬月の判断で引き上げさせようと思ったが、時すでに遅しで、会場出入口から諜報部や保安部が乱入。
その人たちの先頭には、もちろん鬼役の葛城ミサトがいた。
葛: 「あーーーいったぁーーー 今日こそは捕まって貰うわよ」
To be continued...
(2007.09.01 初版)
(2009.07.26 改訂一版)
(あとがき)
途中で切って、すみません。作っていて予想以上に文章が長い。文章作りが下手な作者なんで、整理がつかず長くなってしまいました。当初の予定では、第4話で鬼ごっこを終わらせる予定でしたが、最後の決着というか勝敗まで書くと、どうしても途中で切らないと入らない状態になってしまいました。
第5話で、鬼ごっこは終わって、TV版の第1話へとつながります。
作者(ハンドメイド様)へのご意見、ご感想は、まで