第八話
presented by ハンドメイド様
「先輩… シンクロ率…」
「計測ミスはないわよね。 この数値…」
「計器には異常ありません。」
エヴァ発進のプロセスが進む。
エヴァとの相性を示すシンクロ値が出たが、数値をみたマヤとリツコが驚いていた。
(初めての数値だから、現在のアスカが出している数値と同じぐらいにしたけど)
「リツコ姉さん どうですか?」
「すごいわ … シンクロ率もそうだけど、シンクロ誤差も0.3%以内よ。」
エヴァの発進準備は技術部がメイン。
作戦部は、まだ出番がないので、待っていたミサトはイラついていた。
とうとう我慢できなかったので、技術部長であるリツコへと聞く。
「リツコ、どうなの?」
「 ( Pi ) あらっ シンクロ率 下がりました。」
「なんなのよ … 遊びじゃないのよ!」
「 ( Pi ) 更に下がりました。」
(・・・・・・・・・・・・)
髭親父も司令席から下のフロアが気になり声を掛ける。
「赤木博士 どうだ」
「 ( Pi ) いっきに下がりました。 (汗)」
(・・・・・・・・・・・・)
「 (気分で変わるのか) どうかね… 赤木くん。」
「 ( Pi ) 少し持ち直しました。」
「シンジ君 落ち着いて… 心を落ち着けて…」
「 ( Pi ) 戻りましたが、最初の半分です。」
「なんなの! 出撃できるの…できないの。」
「 ( Pi ) あっ また落ちました。 起動ラインより下になりました。」
(・・・・・・・・・・・・)
いままでの反応で、司令と作戦部長は、マイナス。
副司令と技術部長は、プラスへと数値が変わる。
オペレータたちの声では反応していないので、あと発令所に残っているのは…。
「物は試しだ! 綾波くん」
「はい 副司令」
「ちょっと試してみてくれ」
「はい」
レイがシンジと会話すると、シンクロ率が少しずつ上がって行く。
2人が和やかに会話していると、苛立っていた作戦部長が割り込むとイッキに数値は下がる。
とうとう冬月判断で、ミサトをマイクが声を拾う範囲から外れさせた。
シンクロ率が元の数値へと戻ったので、本来なら作戦部長が宣言するセリフをリツコが代行する。
「エヴァンゲリオン 初号機 発進準備」
「第1ロックボルト 解除」
「解除確認 アンビリカル・ブリッジ移動」
「第1・第2 拘束具 除去」
「1番から15番までの安全装置 解除」
「内部電源 充電完了」
「外部電源コンセント 異常なし」
「了解 エヴァ初号機 射出口へ」
シンジが乗ったエヴァ初号機がケイジから射出口へと移動を開始する。
「ゲート・スタンバイ」
「進路クリア」
「オール・グリーン」
「発進準備 完了」
「了解 … 副司令 かまいませんね」
「やってくれたまえ!」
「発進」
シンジにとっては慣れ親しんだGが身体にかかる。
ものの数秒で地下から地上へとエヴァが移動する。
「いいわね シンジ君」
「最終安全装置 解除」
「エヴァンゲリオン 初号機 リフト・オフ」
「シンジ君 今は歩く事だけ考え … えぇぇぇぇぇ 」
「なぁぁぁに やってんのよぉぉぉ」
拘束具を外されたエヴァ初号機は軽いストレッチをしている。
その様子を発令所の大型スクリーンで見ていた面々は驚いていた。
もともとオーナイン・システムと言われるほど、動かせる希望が極僅かしか無かった初号機。
リツコも最初に『歩く』ことを言おうとしたのだが、シンジは各関節を動かして準備運動をしていた。
(確か、歩けって言われて歩いたけど2歩目で転倒したんだよなぁ…さてトウジの妹は…)
発令所のスクリーンに映されているエヴァ。
一頻り動かしていたが急に周辺を見渡しているエヴァが映っていた。
「なにやってんの! さっさと使徒を攻撃しなさい!!」
発令所から作戦部長である葛城ミサトが命令しているが、シンジは気にしていなかった。
それよりもエヴァを通して感覚を広げ、周辺にいるであろう人たちを感じようとしていた。
(まいったなぁ〜 あちこちに人がいるみたいで、どれがどれやら…)
「人の言うこと聞きなさぁーーーーい」
「五月蝿いなぁ〜 リツコ姉さん ちょっと?」
「なあに… シンジ君」
「周辺の避難って完了したって言ってましたよね。」
「えぇ 私も、そう聞いたわ。 どうしたの?」
「なんか、あちこちに人がいる感じがするんですが …」
「なんですって! マヤ 急いで調べて!」
技術部オペレータである伊吹マヤが調べてみると、逃げ遅れた市民たちが残されていた。
それを発見したマヤに指示して、スクリーンを分割した画面上に地図を出して地点を割り出す。
その画面は、シンジにも届いており、戦っても大丈夫な方向を探して貰った。
「エヴァ初号機からみて、10時方向に空きがあります。」
「距離は」
「外縁部まで安全地帯になっているわ。」
「了解」
リツコからの情報を聞いたシンジはエヴァに前傾姿勢を取らせた。
そのまま走り出し、使徒へとタックルする要領で、安全地帯へと吹っ飛ばす。
「リツコ姉さん 救助を!」
「わかっ… (葛:そんなの無視よ。 攻撃続行!) なに言ってるのミサト!」
「作戦部長の命令通りにしろ!」
「大丈夫なのか (汗)」
「フッ… 問題ない。」
「問題大有りだよぉ〜 レイ、救助要請!」
「判ったわ。」
シンジから頼まれたレイは、司令部オペレータである青葉シゲルの席へと近づく。
そして外部連絡で使用するコンソールを操作して、どこかと連絡を取る。
「こちら国連宙軍 移動指揮所」
「碇シンジ君の要請です。 救助機の出動を…」
「了解しました。 直ちに周辺空域に待機中の予備機を向かわせます。」
「座標は直ぐに送ります。 …赤木博士…」
「わかったわ。 マヤ、救助者のいる座標を通信で送って。」
「了解です。」
第2新東京市方向から飛行物体が飛んでくるのがレーダーに映った。
すぐにスクリーンの分割があって、そこには国連宙軍の飛行機が接近しているのが映っていた。
「座標受信しました。 直ちに急行します。」
座標データが転送されたのか、各ポイントに向かって飛行物体が散らばる。
そして目標地点へと接近すると地上へ降下しつつ変形して、格闘形態で着陸をする。
その様子を見ている発令所では…
「あんなのが ・・・ あったの?」
「国連宙軍の主力戦闘機よ。 ミサトが借用して墜落させた機体よ。」
「えぇぇぇ あれと、おんなじ機体ぃぃぃ」
「そうよ あなた … 簡易IFSも使わないで飛行させようとした機体よ。」
「簡易IFSって ・・・ なに?」
「(この馬鹿は…回覧書類見てないのね…) マヤ!」
「はい、先輩!」
伊吹の手には、その簡易IFSのオペレータ版を使っていたので、片手を挙げて見えるようにする。
それをマジマジと見たミサトは、もう片方の手を覗き込んでいる。
「これを使うとキーボード、いらないんですよ。」
「そんな便利なモンあったの」
「でもね… 訓練してないと… 使えないわよ。」
マヤが使っている簡易IFSの予備グローブを装着してみようとしているミサトに釘を指す。
追い討ちを掛けるように、マヤが、どのぐらいの期間で習得できたのか教えていた。
実際、ネルフで使っているのは技術部メンバーのみ。
簡単に使用できる方法もあるが、その場合は手術というか身体にある物を埋め込まないと使用できない。
それを聞いたミサトは青い顔をして、リツコから遠ざかる。
「いらないわ! (マッドのお世話になりたくない)」
「そう…残念。 (丁度いい実験になりそうだったのに)」
2人の漫才モドキをやっていた発令所。
そんなのお構いなしに、シンジの通信が入る。
「なに、やってるんです。 リツコ姉さん。」
「なんでもないわ…」
「そんなことより、使徒はどーしたのよ。 使徒は!」
「もう終っています。」
エヴァ初号機が映っているスクリーンには、立っている使徒も映っている。
しかし、何のアクションもなく、ただ立っているだけだった。
オペレータたちがセンサー等を使って使徒を確認すると、使徒を表す反応が消えている。
「パターン青… 消滅確認しました。」
「へっ ・・・・・・・・・」
記録映像があるので、再生してみると…
国連宙軍の戦闘機が、指定されたポイントで救助作業を行なっている最中。
使徒を安全地帯に吹っ飛ばしたエヴァは、相手の攻撃を避けつつ、時間稼ぎをしていた。
そして救助作業が終わり、救助者を収容した救助機は、外縁部へと避難。
エヴァは、使徒の攻撃をかわし、すれ違いつつパンチで使徒の身体へと殴りつける。
どういう訳か、ちょうど胴体中央部にあった赤い球体に当たり、その球体を粉砕。
そのまま使徒は急に動かなくなったので、発令所へと通信を入れたのだった。
(え… え… え…)
(シナリオがぁぁぁぁぁ)
「なんと…」
「勝ちましたよー 先輩ぃー」
「勝った!」
「戦闘終了」
「以降の作業は…」
作戦部と司令部のオペレータである日向や青葉は、戦闘が終了してからの後始末を始めている。
シナリオを考えていた司令と、戦闘指揮もしないうちに使途が倒された作戦部長はフリーズ状態。
副司令である冬月は素直に感動し、驚いていた。
もちろん発令所での様子は、ネルフ本部内にもリアルタイムで伝わっており、各部署ではエヴァ勝利を喜んでいた。
初号機がケイジへと帰ってみると、ケイジ内は本部職員たちで大騒ぎ。
エントリープラグからシンジが出てくると、歓声が一気に湧き上がる。
あまりの興奮状態に驚いたシンジは、ケイジ内をアチコチ見渡し、ふとタラップ下を見る。
そこには、バスタオルを準備したリツコと、レイが待っていた。
そんな2人を見て、自然に顔が綻び、やさしい微笑を浮かべて2人の前に降りる。
「お疲れ様 … シンジ君」
「おかえり (牛さん…人に紛れて接近中) 」
「ただいま♪ (わかった…さて、どうくるのかな) 」
「シンジ君 シャワーを浴びて、LCLを流してから、検査を受けてね。 (レ:頭…沸騰中…) 」
「判りました。 (殴ってくるかな) 」
「案内するわ (くると思うわ) 」
「よろしく (1発貰っておこう) 」
3人の会話なのに、シンジとレイはIFS同士の通話が行なわれていた。
その会話にある牛とは、もちろん作戦部長である葛城ミサト。
発令所から、シンジへと文句を言うためなのか、ちゃっかり、ケイジに来ていた。
そして、シンジの後ろから肩を捕まえて、振り向いた所を1発殴った。
シンジは殴られる事を判っていたので、そのまま吹っ飛んで、まわりにいた職員たちへと、ぶつかった。
使徒撃退を行なったシンジを見守っていた職員たちは、殴り飛ばした作戦部長を睨みつける。
そんな周囲の眼など、御構いなしに葛城作戦部長は怒鳴り散らす。
「あんたねぇー 命令無視して、使徒を倒すって、どーいうことよ。」
(まあ気絶したフリしとこ … その方が面白そうだし)
「シンジ君 シンジ君 大丈夫! しっかりして! (このぐらい…かな?) 」
倒れたシンジを庇うようにレイが、シンジに呼び掛ける。
それを見て、一層アタマにきたのか、倒れて動かないシンジへ暴行を続ける。
「レイ 邪魔よ (ドカッ) 」
(これで悲劇のヒロインね … 気絶したフリ …)
「レイ 大丈夫 (焦) 」
リツコの近くへと蹴り飛ばされたレイを助け起すと、怪我の状態を見る。
簡単な確認で、気絶しただけだと判ると、今度はシンジを見る。
動かないシンジに対して、ミサトが罵詈雑言を言いつつ、踏ん付けたり、蹴ったりしていた。
「いいかげんにしなさい! ミサト!!」
リツコの声が効いたのか、ミサトの暴行は停止した。
すぐにシンジの怪我を見ようと近付いて、診察したが…
「医療班 … 急いで来て!」
「どーせ 打撲ぐらいでしょ。 (ケッ)」
「見立てに間違いなければ、骨折してるわ。 あんたね(怒) やり過ぎよ!」
医療班が持ってきたストレッチャーにシンジとレイを載せると急いで病院へ。
その様子を見ていた職員一同は、冷たい眼でミサトを見る。
神経のズ太い作戦部長であっても、まわりの雰囲気に負けて、悪態を吐きつつ、さっさと退散する。
※碇シンジ宅※
その様子を大広間のテレビで見ていたマユミとヒカリは、真っ青。
2人の傍にはノゾミが騒ぎ疲れて眠っている。
いっしょにいたサキは、掛かってきた電話の応対をしていた。
「えぇ お遊びはあったけど 大体、予定通りに進んでいます。
そんなワケで、そちらも動いて下さいね。
あっ、そうそう… 病院行きになっているけど… あれってワザとですから、ご心配なく。 (Pi) 」
「サキさぁ〜ん シンジ君の病院行きって…」
「どこの病院なの。 急いで駈け付けないと…」
奥様ズの2人を見て、サキはクスクスと笑っている。
その心配のタネとなっているシンジは、外部的には骨折プラス全身殴打による打撲になっていた。
しかし、その診断は出鱈目で、実際には無傷。
ネルフの病院へと搬送される所だったが、途中で財団付属病院へと変更。
専属医療チームによる診察、入院という形にしていた。
「ただいまぁ〜」
「ただいま帰りました。」
慌てまくって外出の準備をしていたマユミとヒカリがいる大広間に問題の2人が帰ってくる。
テレビでの映像では、大怪我で入院って事になっていたが、目の前にいる人は無傷。
あまりにギャップが、あり過ぎて2人して呆然。
「やっぱり映像を見て勘違いしていた。」
「そんなにリアルだったのかな。」
2人の会話を聞いて、ヤキモキしていた2人は、シンジを問い詰める。
大広間にある各自の席に座り、どういった状況で、そんな方法にしたのか。
それと、これから「ある会議」について打ち合わせというか説明をしていった。
※ある暗い部屋※
部屋全体の照明が、ほとんど無いくらい部屋。
そこには色々な国の人たちなのか、6人いた。
その6人のうち、視覚の補助器を付けた老人と髭以外の人たちが色々と会話している。
「使徒の再来か。」
「あまりにも唐突だな。」
「15年前と同じだよ。 災いは何の訪れも無く訪れるものだ。」
「幸いとも言える。 我々の先行投資が無駄にならなかった点においてはな。」
「そういつは、まだ判らんよ。 役に立たなければ無駄と同じだ。」
「さよう… 今や周知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作。」
「ネルフの運用は全て適切かつ迅速に処理して貰わんと困るよ。」
髭は司令席にいる時と変わらず、無表情で返事をする。
「その件に関しては既に対処済みです。 ご安心を…」
※使徒迎撃・現場※
立入禁止が書かれた柵で囲まれた地域。
その中では色々な重機が作業を行なっている。
そんな所にテントがあり、その中には防護服を着た女性が2人。
1人はパイプ椅子に座って、ウチワ片手にテレビのリモコンでチャンネルを切り替えている。
「昨日の特別非常事態宣言に関しまして政府からの発表… (Pi) 発表… (Pi) (Pi) 」
「発表はシナリオB−22かぁ。 またも事実は闇の中ね。」
「広報部は喜んでいたわよ。 やっと仕事が出来たって。」
「うちも、お気楽なモンねぇー」
「どうかしら。 本当は、みんな、怖いんじゃなくて」
「あったり前でしょ」
※ある暗い部屋※
「まっ その通りだな。」
「しかし碇君 ネルフとエヴァ… もう少し、うまく使えんのかね。」
「零号機に引き続き、君らが初陣で壊した初号機の修理代、国が、ひとつ傾くよ。」
「聞けば、あのオモチャは、 君の息子に与えたそうじゃないかね。」
「人… 時間… そして金。 親子揃って、いくら使ったら気が済むんだね。」
「それに君の仕事は、これだけであるまい。」
「人類補完計画! これこそが君の急務だ。」
「さよう、その計画こそが、この絶望的状況下における唯一の希望なのだ。 我々のね。」
「各位にお知らせします。 先ほどの会話の中に修正があります。」
「どう違うのかね」
「はい、ネルフ司令の姓が変わり、碇から六分儀になっています。」
「ほぉー 入り婿だったのかね。」
「またネルフ司令と初号機パイロットは絶縁状態になっており親権自体がありません。」
「ほぅほぅ どっちが切ったのか判るかね。」
「情報では無断借用をし続けた為に、親族一同から切捨てられた…と聞いております。」
「君も相当な手を使ったんだねぇー」
「いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められん。 予算については一考しよう。」
「では、あとは委員会の仕事だ。 碇・・・ いや六文儀君、ご苦労だったな。」
髭親父と正面に座る議長のみ残る。
「六文儀・・・ あと戻りはできんぞ!」
捨て台詞的な議長が言葉を残して、議長も消える。
暗い部屋の中に残った髭親父。
思った言葉が、ついつい声に出る。
「判っている。 人間には時間がなのだ。」
※使徒迎撃・現場※
「(はぁー) やっぱクーラーは人類の至宝。 まさに科学の勝利ね。」
大型輸送トレーラの後部座席に座っているイサト。
後部座席は独立した部屋のようになっているのでクーラー全開。
防護服を脱ぎ捨てて、ラフな格好で、クーラーを満喫していた。
その隣ではリツコが外部から掛かってきた電話を受けていた。
「えぇ 部長クラス以上は国連軍との会議に参加ね。 判ったわ。 (カチャ) 」
「でっ、やっぱり私も会議に参加することになるの?」
「そうらしいわ。 司令は当たり前で、副司令と各部署の部長は必ずってコトらしいわ。」
「面倒っちぃったら面倒だけど、やっぱ欠席しちゃ駄目かなぁ。」
面倒が苦手のミサトらしい反応だが、出ないと面倒は全部リツコに降り掛かる。
呆れて頭痛がするが、気を取り直して、面倒臭がりのミサトにクギを刺す。
「欠席したら、どうなるか判らないわよ。 最悪の場合…クビかもね。」
「判ったわよ。 (面倒臭いなぁ)」
※第3東京市・市庁舎会議室※
会議室には、呼び出されたのは、ネルフ関係者だけではなかった。
技術部長であるリツコに秘書として付いてきたマヤが会議室にいる面々を調べている。
「市議会メンバー ・ 警察 ・ 消防 ・ 警備会社 ・ 国連軍の陸海空宙の4軍 ・ 商工会と財団 ・・・ ですね。」
「これだと第3新東京市の主だったトップメンバーが集められたみたいね。」
これだけの面々が集められ、正面の席に着席する人たちが会議室内に入ってくると一気に静かになる。
もちろん、ネルフの面々も唖然というか声が出ない。
かろうじて冬月が正面に座ろうとしている人たちを、まわりにいる者たちへと伝える。
「国連事務総長に、総理大臣。 後ろの軍人は、極東方面軍にある陸海空それぞれの司令官。」
「まさに大物たちね。」
出席者が揃い、会議が始まる。
内容的には、使徒迎撃都市である第3新東京市の治安が主題。
使徒迎撃のメインであるネルフ、戦略自衛隊、国連軍が混ざって迎撃を行なう。
その為、常時、軍関係者が都市にいるため、一般の警察だけでは対応できない。
それを補うために、国連軍憲兵として、宙軍の1個師団が担当する事になった。
この国連宙軍は、最近、太陽系内惑星調査を行なった事で有名になった軍隊。
さらに有名になったのは使用している飛行機が今までの航空機とは全く違った物だったからだ。
確かに、航空機なのに地上戦闘も出来るし、気密性が高いので海中使用も可能。
今までの軍隊で分けている陸海空の区別では分けられない。
さらに会議で驚いた発表があり、民間協力として、商工会と協力して財団企業がサポートする事になった。
代表格は、碇財団。
確かに第3新東京市にある主要施設は碇財団が出資して開拓した物ばかり。
自分たちの職場を守るために、勤務している人たちも治安維持に協力する。
力量的には不安が残るので、メインとなるのは碇財団が持っているSSメンバーや警備部の面々。
これだけ治安維持を強化しても不安はあるので、海外では実際ある犯罪者賞金制度を本格的に導入。
物は試しということで第3新東京市から始めてみることになった。
その他にも治安体制が変わるので各々の発言が飛び交い、大体の形が出来上がった所で終ることにした。
「・・・以上の体制で、治安維持活動を行います。 (一同、拍手)」
会議の司会者が終了を宣言し、参加した面々が退出を始める。
ネルフの面々も退出しようとしたが、国連軍との打合せがあるという事で司令と副司令、作戦部と技術部のみ残された。
会議室の中には、大物3名と、宙軍士官、ネルフの面々のみ。
さて、この面々で、どのような会議となるのか・・・
To be continued...
(2007.10.20 初版)
(2009.07.26 改訂一版)
(あとがき)
やっとこ第8話ができました。TV版でいうと第1話から第2話への辺りでしょう。
今回も無駄文が多いのか、組み込んだ内容が増えて行くので話数が進むたびに少しずつ容量も…。
んで今回のお話で文章量(容量)を抑え気味にしています。
さて次はTV版のどこら辺まで進むのだろうか… 書いてみないと判らないので、気長に読んで下さい。
作者(ハンドメイド様)へのご意見、ご感想は、まで