第十話
presented by ハンドメイド様
嬉しそうで満足気な顔をしたまま伸びているアスカ。
そんな状態を見て羨ましそうにしている3人。
伸びているアスカの傍で座っていたシンジはIFSが浮き出ている手を握り、また瞑想状態になった。
しばらくすると、アスカの手に浮き出ていたIFSは消えてなくなっていた。
握っていた手を離し、シンジはアスカを、お姫様だっこで持ち上げたまま部屋から出て行く。
「ちょっとアスカを部屋に寝かせてくるね。」
アスカとシンジを見送る5人。
特に同じ奥様であるレイと奥様候補のマユミとヒカリは「ご褒美」について話す。
「さっき、アスカを実験台にする時に、ご褒美って言ってたわね。」
「えぇ、そう耳にしたわ。」
「だったら私たちも、ご褒美をねだりましょうよ。」
「でも、アスカでアレでしょ… (汗) レイ…大丈夫。」
マユミとヒカリは、まだIFSを着けていない。
ナノマシンを入れる前の練習ということで簡易IFSを使っていた。
しかし、マユミとヒカリより先に奥様となったレイは、実装IFSを持っている。
それもアスカと同じ特殊型IFSを着けていた。
さっきアスカの艶姿を見たので、レイは嬉しさよりも恐怖を感じていた。
「ま (汗) だいじょうぶ…でしょ」
「大丈夫じゃないでしょ レイ 顔が青いわよ。」
「本当に青ざめているわね。 本当に大丈夫。」
シンジを見送った科学者2人も、同じように見送った3人を見ていた。
そして、今夜にでも起こりうるであろう4人の艶姿がどうなるか興味シンシン。
自分たちも簡易IFSを使っているので体験してみるのもイイかな…と2人で相談していた。
「先輩… あれって (ポッ) 」
「シンジ君が感度を上げたのは性感帯ね。 あれだけ敏感に反応しているから、もともと感じる所を撫でられたのでしょう。」
「あの反応を考えてみると、何倍にしたんでしょう?」
「どれだけ上げたのか判らないけど、快感を通り過ぎて苦痛を感じるかもね。」
「確か一定回数を越えると苦痛になるって聞いたことがありますけど。」
「良く知っているわね。 人にもよるけど、感じすぎると苦痛になるって話は聞いたことがあるわ。 でも、その前に失神するわよ。 実際にアスカは限界越えて、ああなったからね。」
リツコとマヤが真剣に話している後ろには、いつの間にやらシンジがいた。
アスカを部屋へと連れて行く途中で、気が付いたので、お風呂場へと連れて行ったら部屋の反対側に帰ってきた所だった。
リツコとマヤの会話中に妙な相槌が入るので2人が振り返ってみて、やっとシンジに気付いた。
「シンジ君 驚かさないでよ。」
「すみません。 結構、白熱したお話しをしていたみたいで。」
「アスカちゃんは?」
「今、お風呂に入っています。」
「足腰立つの?」
「あれでも手加減しましたから」
シンジはレイが青い顔して、こちらを見詰めていたので、安心させるように話す。
もともと今夜は、ご褒美がてら4人に、満足するまで愛撫しようとシンジは考えていた。
現在の所、非処女はアスカとレイの2人のみ。
マユミとヒカリは、愛撫はするけど本格的にはしていないので処女のまま。
アスカとレイの一夜は、それぞれ1夜ずつ。
候補になっているマユミとヒカリも1夜ずつにするツモリだった。
「レイ、 マユミ、 ヒカリ。」
「「「 はい 」」」
「今日は満足するまで愛撫だけだよ。」
「でも、アスカは…」
「あれは実験というか実演でしょ。 私も今夜は徹底的にして貰うわ。」
お風呂からあがったばっかしなのか、髪を拭きながらアスカが部屋へとやってきた。
部屋着として愛用しているキャミソールとホットパンツの姿になっている。
さて、その後は、シンジ宅の料理人が作った夕食を食べた後、明日からの事を打ち合わせて2人は帰って行った。
その夜はシンジの宣言通り、みんなでお風呂に入った後、同じベッドへ。
※翌朝※
「あたたた あ〜腰が痛い。 実演で1回やったけど、お風呂とベッドで1回ずつはキツかったかな。」
ベッドで起き上がって腰を擦っているアスカ。
「痛くはないけど、力が入らないよぉ〜。 今日の内に戻らなくちゃいけないのにぃ。」
同じベッドの中で、うつ伏せになったまま、もがいているマユミ。
「マユミぃ〜 ヒカリとレイは?」
「朝7時頃まではシンジ君を除く全員がいた…けど、また寝ちゃったから判らないわ。」
シンジの部屋にある大きなベッドには、全裸の乙女が2人。
昨夜はシンジも含めて5人がいたベッドだが、まだまだ余裕がある大きさ。
ベッドの端には丸まった布団があり、妙に大きいのでアスカは捲って見る。
「レイがいたわ。 …となると、ヒカリは、どこに行ったのかしら?」
「昨夜は1回だけだったから、どこかに行っているのかも。」
「そうよね〜。 ヒカリだけが1回で、マユミとレイが2回だったもんね。」
「アスカぁ 良く身体が持つねぇ。」
「まあ鍛え方でしょ。 訓練で体力ついちゃうし、色々な所で使えるから、体力作りしてみたら。」
「今やっているのも手一杯だけど考えてみよっと。」
ベッドでの会話をしている2人の傍にエプロンを着けたヒカリがやってきた。
ヒカリはシンジが起きた時に一緒に起きて台所へと行っていた。
そしてシンジの朝食を作り、仕事で出掛けるシンジを見送った後、みんなを起こしにやってきたのだった。
「さぁさぁ みんな〜起きた! 起きた!! ご飯の準備ができているよ。」
「あっ ヒカリぃ〜 シンジは?」
「もう、とっくに朝食を済ませて、会議や打合せがあるからって出掛けて行ったわよ。」
「会議 … そういえば配置やらシフトの打合せがあったんだ。 ど〜しよぉ 動けないから遅刻かな。」
「それについてシンジ君から伝言。」
「なぁに」
この伝言は2人が朝食を採りながら、ミンナへの連絡を頼まれていた。
レイとヒカリは普段の生活パターンに戻ること。
アスカとマユミは財団専用の連絡機を準備しているので、それを使うこと。
その他にも色々と頼みたい事があるが、それは各自の端末へと連絡しているので読むようにとヒカリから伝えられた。
「そういえば… ヒカリの初夜って、まだ?」
「そうですねぇ ヒカリの次が私(マユミ)ですから、いつなんでしょ?」
アスカとマユミに、突っ込まれて真っ赤になるヒカリ。
2人の近くで寝ていたレイも起きていて、寝転んだまま3人の会話を聞いている。
その件については、今日の朝食時に話していて、その事を思い出しているヒカリだった。
(この表情だと、もう、そろそろかも。)
(ヒカリさんがしないのなら、私が先にして貰っても…いいかも?)
(シンジのテクニックって、あの赤い海の知識だから、優しいのから激しいのまで色々あるの。)
「それが…ね! 今夜なの。 (ポッ) 」
「「 えー! 今夜ぁ〜。 」」
「それでね… 心積もりしといてって言われたの。 玄関で見送りの時に…」
「はぁ〜 それで浮かれていたんだぁ。 (やっとか) 」
「ヒカリさん 頑張って下さいね。 それで、どんな事をしたのか、あとで教えて下さいね。 私の時の参考にしますから…ね♪」
「まあ、レイが持っているハウ・トゥ本を読んで、予習しといたら。」
まあ経験者ズと未経験者ズの会話。
驚きや真っ赤になりつつ、色々な暴露話をしている。
さて今夜の主役でもあるシンジは朝から色々な会議や打合せに大忙し。
※ある会議室※
会議に参加しているシンジが、フッと数えている。
(お昼休みにも内輪の打合せがあるから、あと何個あるんだろう。)
昨日が最初の使徒戦だったので、片付けでネルフと国連軍との打合せ。
次の使徒戦に備えての支援武器の準備…第3新東京市の建設など。
ネルフ側の組織改革に伴う国連軍(特に宙軍)の組織内対応など。
軍があれば官公庁もあって、第3新東京市の議員たちと打合せ。
(MAGIがあるから、お飾りなんだけど、まあ一応は…。)
それに民間レベルでの保障や今後についての会議。
現在やっているのはエヴァとチルドレンについての会議をしていた。
内容が内容なのでネルフ側にも参加命令書が届いているのだが、不参加。
(まあ居ない方が五月蝿くないし、参加しない場合は了承した事になるようにしたから大丈夫かな)
「…という内容での会議なんですが、ネルフ側からの参加者は来ておりません。
参加命令書には『不参加の場合は会議内で決定した内容は承認する』という事になっています。
また、会議承認についての確認書類がネルフ司令より届いていますので…」
(また書類の内容を良く見ないで承認サインしたんだな。)
「…外部機関でありますが選考機関があります。
それとは別に国連側ガイドラインとして基準を設けます。
ネルフは国連直属非公開組織なので、このガイドラインに従って貰います。
さて詳細については、お手元に書類が回っていますので、それを検討し決定を行いたいと思います。」
結局、会議で使われた書類は、もちろんシンジが考えたもの。
ネルフのチルドレンは現在3名のみ。
逆行前のパターンだとゼーレから1名は大丈夫としても、ネルフで選び出す1名が問題。
一定基準を設けないと、他にも選定された時に問題が生じる。
それで基準を設けて制限するツモリで、会議として上げたものだったが。
「…以上の内容で、今後、選定されるチルドレンの基準ガイドラインを決定致します。
また、現在のチルドレン3名は国連宙軍所属であり、基準値を十分に越えていますのでメインパイロットとします。
あとはエヴァについては財団の…」
書類通りに事が進んでいく。
シンクロ値が基準になっているが、もともとMAGIで計測しているので数値は自由にできる。
しかし、あの髭親父や牛が納得しないので、シンクロ値にラインを設けて、メイン、サブ、候補生の3段階にした。
メインはシンジたち最前線に出るチルドレンで、その予備として、少しシンクロ率は落ちるサブがいる。
候補生というのはシンクロ値が出ることは出るが、戦闘が出来る数値には無いチルドレン。
選び出す場合も細々と手順と言うか段階を設けているので簡単にはチルドレンを選び出すシンクロテストが出来ないようにしている。
(逆行者である僕たちは、数値を軽く超えるから注意して抑えないとなぁ)
(会議って、以外にも長い時間が掛かるんだなぁ)
(ハァ〜ァ〜 早く終らないかなぁ〜)
会議の席上、駐留師団の師団長という立場なので、見える所では格好を付けている。
しかし、心の中では長い会議に疲れてしまって、だらけている。
※その頃の奥様ズ※
朝食の片付けをしているヒカリと、その手伝いをしているレイ。
この2人は同じ中学校に通っていた。
シンジが創設した碇学園があるが、もともとあった中学校へと通っている。
…というのも、2人がいるクラスの全員がエヴァのパイロット候補ばかり。
ネルフが意図的に集められた子供たちがいるクラスなので、新しく出来た学校には変わる事ができなかった。
「食器も片付いたし、あとは寝室にあるシーツなどの洗濯だけど。」
「ヒカリ」
「ん! レイ どうしたの?」
「もう、サキさんたちが洗濯物、持って行ったわ。」
「それじゃぁ 明日の予習でもしましょうか?」
「えぇ いいわ」
さて、この2人は予習しなくても、もともと頭が良かったりする。
レイは、花嫁修業と偽ってシンジと合流している間に知識レベルが上がり、高校3年レベルに達している。
奥様ズに入って、周辺環境が良かったのか、ヒカリも上がっており、高校1年生ぐらいの問題は解けるようになっていた。
さて残りの2人であるアスカとマユミは準備されていた財団専用の連絡機に乗って空の上。
それぞれのシートでシンジから送られたメールの中身を読んでいる。
読んでいる姿もそれぞれだが、キチンと座って読んでいるマユミに対して、アスカはシートをリクライニングさせた状態で読んでいる。
「えぇっと ドイツに戻るのに第2で乗り換えで、乗り換える時にガギエルとイスラフェルと合流するのね。」
「私の方は、アスカと別れる時にイロウルさんとレリエルさん、ゼルエルさんと合流して、車で帰宅するんですね。」
「ドイツ到着後は、普段どおりに過ごして、時々、財団の用事が入るのね。」
「財団の用事って?」
「ドイツにも施設を作ったからでしょ。その完成披露の代理出席でしょうね。マユミの予定にもあるでしょ。」
「私の方は、新庁舎の完成式典の代理出席ですね。」
「本部召喚が、あの司令から出たら日本へ移動。」
「私の方は、代理出席で碇家に係わっている事が広まりますから、第3へ引越しですね。」
「マユミの方が早く第3に来ることになるから、初夜があったら話してね。」
第2の空港に到着するまで2人の話は尽きない。
他愛のない話から、色々と話し続けて、空港で分かれてからもメールで話を続く。
※穴倉というか司令室というか※
無意味なほど広い司令室。
奥にある机には、勿論、その主であるネルフ司令が座っている。
その隣には当然という感じで副司令が書類の束を持ち込んで、部屋の主と話している。
「どうするのだ」
「何ですか?」
「上層部の会議が今日あったのでは? 出席しなくて大丈夫か?」
「心配いらないでしょう。 エヴァを所有しているのはネルフです。」
「また(怒) まわってきた書類を読んでいないな! これを読んでみろ(激怒)」
持ってきた書類の束の中から、エヴァ所有に関する書類を机に叩きつけて怒り出す。
髭は、怒り出した冬月を見ても、いつものポーズのまま、机に置かれた書類を読む。
読み進めていくうちに無表情だった髭も焦りの色が出ていた。
「これによると、エヴァ零号機から二号機までは借金のカタで財団所有になる。」
「では3号機以降からが、ネルフ所有に(汗)」
「そうだ! 計画の要になるエヴァの所有が変わるが運用場所は第3なのが幸いだな。」
「問題ないでしょう」
「うぅぅぅむ。 (何を考えているだが) あと問題なのが技術部なのだが。」
「技術部が、どうかしたのか?」
「まるごと持って行かれた!」
「どこにです」
「財団にだ!」
「しかし現場は、ネルフだと思いますが(焦り)」
「確かに、そうだ。 エヴァがネルフ内にあるから、所属だけ変わった訳だ。」
「問題ないと思います。」
冬月は持ち込んだ書類を選び出しつつ、髭と変更点や対処方法などを話し合う。
先日、会議で話し合った作戦部のスタッフ制。
宙軍や戦自の組織組込みによる命令系統の対処方法。
エヴァ用の武器類の製作申請書や、駄目出しになった武器などの処分。
途中でチルドレンの選出方法についての書類が回ってきて、一触即発の喧嘩沙汰になりそうな時もあった。
(髭がボイコットした会議で決まった内容が議事録といっしょに回ってきたのが原因)
「さて技術部から上がってきたのが最後の書類だ。」
「やっと最後ですか。(疲れた)」
「今回の使徒戦で変更した箇所が多かったからな。 次回は減っているだろうが… (んっ?)」
最後のひと束をもった冬月が持っている書類を読んで固まっている。
何時まで経っても、技術部から回ってきた書類が冬月から渡されないので、そのまま待っている髭。
最後まで読み終えた冬月の表情は明るかった。
「おい! 技術部がやってくれた!」
「何でしょう?」
「コア内部との通信が出来るようになったらしい」
コアと通信できると聞いて驚いた髭は椅子を跳ね飛ばし立ち上がると、冬月が持っていた書類をひったくる。
冬月から奪い取った書類を読んでみると、通信というよりメール交換と同じ方法で交信できる方法があると記載されていた。
髭は書類を読んで、すぐに技術部長である赤木博士を司令室に出頭させた。
「赤木くん コアと通信できると書いてあったが、本当かね?」
「えぇ副司令。 偶然の産物だったのですが、ある博士のレポートを読んでいたんですが、その中にありました。」
「ある博士とは?」
「碇 ユイ博士です。」
「「 なんと (なんだと) 」」
髭と冬月が驚いていたが、リツコは構わず説明を続ける。
もともとエヴァはユイ博士が作り始めた物で、その内容を記したレポートが大量にマギ内に納められていた。
そして、その保管場所は、シンジがユイから教えられていて、リツコもシンジから教えられた。
「私は教えられなかったが… (悲しいぞ…ユイ)」
「可笑しいですね。 ユイ博士のレポート原版は、夫に渡した…と書いてありましたが。」
「ゲンドォォォ あんの頃から書類を読んでいなかったのか(怒) こんの馬鹿モンがぁぁぁ」
「まあまあ 冬月副司令。 見付かったのですから…方法が、それで良しとしましょう!」
「(ふぅふぅ … スゥーハァースゥーハァー) それで、どうすれば内部と通信できるのかね、赤木くん。」
「もともと発見したのがシンジ君だったのですが、私に教えて貰った時にソフトも渡してくれました。」
「なんと!(驚き) シンジ君から」
「えぇ さすがにユイ博士の血ですね。 シンジ君も博士号をいくつか持っていて、工学博士もあったんですよ。」
(ユイ君の血か。 まあシンジ君がユイ君似なのも納得できる。父親とは大違いだな。)
※赤木リツコ執務室※
「ねぇ〜 リツコぉ〜 教えてぇ〜」
司令室から自分の執務室である部屋へと戻ってきたリツコ。
シンジから教えられた思惑通りに司令室の面々は予定通りの命令を出してきた。
早速、シンジへと連絡を取ろうと思った矢先に、ミサトが書類の束を持って入ってきた。
この人物(ミサトのこと)は、作戦部長という立場にありながら、普段から書類を見ないどころか持っている自体が珍しい。
それを見たリツコも驚いていた。
「なにを?」
「上の官庁に提出した書類なんだけど、何回、提出しても不許可で返ってくるのよ。」
「どれどれ」
ミサトが持っている書類を見てみると明らかにミサトが書いた書類ではない。
筆跡からすると部下である日向マコトの筆跡であろう。
さて書類の内容であるが、中学校への転校書類。
氏名を見てみるとシンジの名前になっていた。
「転校の書類みたいだけど、誰が転校するの。」
「もちろんサードチルドレンよ。」
「サード… あぁ、シンジ君ね。」
「あの餓鬼以外にいるわきゃないでしょ。」
今更だが、目の前にいる大学時代の後輩が、回覧されている書類を見ていないことが良く判った。
頭痛が襲ってきたが、一応、友人として判りやすく説明する。
「(はぁ〜) ミサト シンジ君の調査書、読んでいないわね。」
「一応、読んで書類を整えたわよ。」
「だったら、現住所で判るでしょ。 なんで自宅からイチバン遠い第1中学への転校なの。」
「チルドレンは第1中学って決まっているって聞いたからよ。」
「まあチルドレン候補になりやすい子たちが集められた学校だからかしら」
「(そうだったの) でも遠いって」
「シンジ君の現住所から判るけど、イチバン近いのは碇学園よ。」
「住所は見たわよ。近くにレイがいるけど、第1中学に通っているでしょ。」
「レイの場合は、碇学園が出来る前から住んでいるし、碇学園の選抜試験、受験できなかったからよ。」
「受験できなかったって?」
「司令の命令でね。」
「命令なら仕方がないんじゃない。」
命令でバッサリ切ってしまうミサト。
それを見たリツコは更に頭が痛くなってしまった。
都合の良い命令だけ聞いて、都合の悪い命令は特務権限で変更してしまうミサトらしい返事だった。
「まあ提出しても不許可は当たり前よ。」
「なんでよぉ〜」
「シンジ君を教えられる先生が第1中学にはいないわよ。」
「たかだが餓鬼1人の頭って、たかが知れてるでしょ。」
「私より上でも!」
「うっそぉぉぉー」
「宙軍の装備って、ほとんどシンジ君が考え出した物よ。」
「・・・・・・・・・・」
あまりの事実に呆然としてしまったミサト。
リツコは、ふと思い付いたことを聞いてみる。
「そういえば、ミサト。 墜落させた戦闘機の後始末はしたの?」
「後始末って、一応、報告はしといたけど。」
「回覧された書類に書いてあったけど、あの戦闘機は全額弁償になっているわ」
「そうなの」
「そう… あなたの懐(フトコロ)でね。」
「な・な・な なんでぇ〜」
「司令部から回ってきた書類だから、確認してみたら。」
「(やっばいなぁ) そうする…」
脱兎のごとく、リツコの執務室を出て行くミサト。
そんな彼女のことは忘れて、シンジの携帯端末へとメールを送る。
すると、すぐに返事が返ってきた。
『明日、試射実験するライフルがあるのでジオフロントで実験できるように手配して下さい。
それと平行してエヴァ初号機との接続実験も行います。
シンジ』
司令部へ明日の接続実験のことを知らせると、マヤを呼び出す。
急いでやってきたマヤへ、ライフルの資料を渡して実験内容を説明する。
「先輩ぁ〜ぃ。 このライフル試射実験ですけど、ジオフロント内ですか?」
「そうよ。」
「出力最低で実験ですね。」
「でもね(猫顔) この実験には裏があってね。」
「裏ですかぁ〜 (そういえば的がある位置が) 」
「マヤも気付いたみたいね。 そのポイントに出力最大で発射すると、どうなるかしら。」
「天井を突き抜けて、地上部の建物が全壊です。 (確実に!) 」
「それから」
「発射の反動に耐え切らないから、さらに銃口は上部へと移動します。 (バッサリ切断しますね) 」
「エネルギーが切れるまでに、どのぐらい影響が出るかしら。 (結果は面白いわよ) 」
「まあ、地上部の2〜3ブロックはパーですね。 (私たちの住宅もいっしょに) 」
「その方向で準備してね。 (さて引越し…引越し) 」
「はい♪ 先輩 (引越しですね) 」
翌日の実験準備を技術部総動員で準備すると、いっせいに帰宅。
もう技術部全員が財団所属になっている事は周知の事実。
ネルフ内部で仕事をしているが、財団所属になってしまったので、財団のマンションへと引越し。
人数が人数なので面倒な気もするが、財団が手配した業者の手で引越しは済んでいた。
帰宅するのは、新しい我が家である。
「先輩ぁ〜ぃ。 今度の部屋って大きいんでしょうか?」
「私とマヤは、シンジ君の御屋敷に引越しだから、大きいといったら大きいでしょうね。」
「他の皆さんは。」
「技術部全員が、敷地内にあるマンションへと引っ越したわ。」
新しく技術部全員が財団へと異動したが、ネルフの狭い住宅から、個人所有敷地内にあるマンションへと引っ越した。
財団の福利厚生は充実しており、家族といっしょの場合は、最低でも5LDKで、独身者でも2LDKになっている。
その他にも、いろいろな特典があるが、それは後々で判って来るが、ネルフとは大違いで全員が、
「「「「「 所属が変わって良かったなぁ〜 」」」」」
って言ってるほど、待遇が良かったらしい。
To be continued...
(2008.03.09 初版)
(2009.07.26 改訂一版)
(あとがき)
すいません m(。。)m また間が空きました…というのも現在入院中なので時間制限が掛かるわ、病院内でパソコンが使えるエリアが制限されるわで苦労しています。昨年、車で帰宅中、運転席側にトヨタのハイブリッド1BOXが衝突して、そのまま病院行きになったんです。あとで保険屋さんや警察から私の車両の事故写真を見せて貰ったのですが、もう少しで大怪我どころかヤバイ状態に(汗)。現在、全身打撲プラス左半身マヒの状態で製作しています。
作者(ハンドメイド様)へのご意見、ご感想は、まで