第二十五話
presented by ジャック様
ユグドラシルの中に戻ると、フェイが医務室にいないという事で大騒ぎになっていた。シンジ達はギアドックのヴェルトールの所に行くと、そこにフェイが一人、ポツンと立っていた。
「フェイ!?」
「あ、先生・・・・」
「フェイ、何故こんな所に? もう大丈夫なんですか?」
「うん・・・・・たぶん大丈夫なんじゃないか・・・・・」
そうは見えないフェイにシンジが表情を顰めながら言った。
「どうして病み上がりで動き回ったりしたんです? ダメじゃないですか」
「いや・・・・自分でも何で此処にいるか良く分からないんだ・・・・気がついたらギアのコクピットに・・・・まだ・・・頭がハッキリとしない」
その言葉にシタンとシンジは眉を顰めてフェイを見る。だが、その時、フェイは頭を押さえて膝を突いた。
「ううっ・・・・」
「フェイっ!! やはりまだ動いてはいけません!!」
ビーッ! ビーッ!
突如、警報が鳴り響きスピーカーから声が響いた。
『前方にアルカンシェル発見!! ギア出撃準備!!』
「どうやら、僕達を監視していた様ですね」
チィとシンジは舌打ちして言った。
「い、行かなきゃ・・・・・・!!」
「そんな体で何を言ってるんですか!? 此処は私たちにまかせて・・・!」
出撃しようとするフェイをシタンが宥める。と、そこへビリーがやって来て言った。
「どうやら決着をつける時が来たようですね。フェイ、君は休んでいて下さい。これが僕の最後の仕事になるかもしれない・・・・」
ストーンとの決着はビリーが付けるべきだと判断したシタンは彼の言葉に頷いた。
「ええ。では私はフェイを医務室まで連れて行きます。後は頼みましたよ、ビリー君」
「ビリーさん、僕も出ますよ」
頷き、ビリーとシンジはそれぞれの機体の所へ走って行った。
ユグドラシルを監視しているストーンはつまらなそうに愚痴った。
「監視などと・・・・・・うえんな・・・・片づけてしまえば済む事です・・・」
そう言ったストーンのその姿は既に人間のものではなかった。皮膚が剥け、筋肉と骨だけになっていた。カレルレンによって強化改造されたようで、もはや化け物としか言いようが無かった。
「神聖なるガゼルに仇なす者、全てを消去いたします。悔い改めなさい」
そう言ってユグドラシルに向かって攻撃しようとした瞬間、何者かの声が響いた。
【うぬは、力が欲しくないか?】
「な、何奴!」
すると上空から物凄い勢いで迫り来る漆黒のギアがあった。
『アレは・・・・!?』
『グラーフ・・・?』
丁度、ユグドラシルの甲板に上がって来たビリーとシンジも突然、現れたグラーフに驚愕する。
グラーフのギアはアルカンシェルの目の前で止まり、異様な雰囲気を発する。
「我はグラーフ。力の求道者。うぬは、力が欲しくないか?
「力? ふん。力ならばこれ、此処に! カレルレン様に頂いたこの身体がある!」
「所詮は、紛い物の力。果たして、それで勝てるかな?」
「何と? 紛い物とな?」
「紛い物の肉体。作り物の目醒め。それではダメだ! 我が真の力を与えてやろう!」
そう言うとグラーフは拳を突き出した。
「我の拳は神の息吹! “堕ちたる種子”を開花させ、秘めたる力を紡ぎ出す!! 美しき滅びの母の力を!」
するとグラーフの体から凄まじい力がアルカンシェルに向かって流れ始めた。ストーンはその力を流し込まれ、恍惚の表情を浮かべた。
「はぁう、ふ、ううううう・・・・」
「(あの力は・・・!)」シンジはグラーフが与えている力を見て目を見開いた。僅かだがS2機関に似ているようだった。
『シンジ君、来ますよ!』
グラーフの力について考えているビリーの声が回線から届いてハッとなる。
ザパァァァァンッ!!
「「!?」」
だが、その時、海の中から一体の生物が現れた。幾つもの触手を持ち、甲殻類のような殻を持ったソレはシンジには激しく見覚えがあった。
「シャムシエル!?」
シャムシエルはシンジ達の目の前まで浮かび上がり、アルカンシェルと並ぶ。
「ちっ! カレルレンか・・・・ビリーさん! シャムシエルは僕が引き受けます! ビリーさんはストーンを!」
『分かった!』
頷くと、レンマーツォは速攻でハンドガンをアルカンシェルに向けて撃つ。エヴァとシャムシエルはそれぞれ光の鞭を作り出して凄まじいスピードで打ち合った。
だが、レンマーツォの放った弾丸はアルカンシェルによって弾き返される。今度はエーテルガンを放つが、それも同様に弾き返された。
『馬鹿な!? 僕の攻撃が効かない!』
その言葉にシンジはシャムシエルと鞭の打ち合いをしながら、片手を伸ばして光の槍をアルカンシェルに向かって放った。だが、やはりソレすらも弾き返してしまう。
その時、通信からシタンの声が聞こえた。
『ビリー、恐らくストーンは何らかの障壁を張っているようです。恐らくは負の感情・・・・・・憎悪をエーテルに交換して障壁としているらしいですが・・・・こちらも何か強力な意志の力をエーテルに交換してぶつけられれば・・・・・』
そんな手段を思いつかないシタンは、どうしようか困り果てた。すると、厭らしく笑うストーンの声が響いた。
『ふふ・・・・・・苦しんでいますか? ジェサイアの息子!! 四年前、私が貴方を見込んだのは、貴方の父上と私の旧い友情の証でした・・・・・共にゲブラー司令の座を争ったジェサイアとの憎悪にまみれた友情のね!』
そして、ストーンはかつてあった事を語り出す。シンジもシャムシエルと戦いながら、その会話に耳を傾けた。
『愛し合っていたラケルをケモノのように奪った挙句、私が欲したゲブラー至高の座までを、あっさり蹴飛ばして、ソラリスから姿を消したジェサイア!!
四年前、やっと見つけた地の果てには、既に奴の姿は無く、奴に汚されたラケルと・・・・汚れの証明・・・・・・貴方と妹が・・・。
私は可哀相なラケルをカレルレン様の英知、ウェルスで救ってあげました・・・』『き、貴様が、母さんを・・・・・しかも、死霊を使って・・・・!!』
あの時、母を救ったのが全てストーンが仕組んでいた事だと分かり、ビリーの中に言い様の無い怒りが込み上げて来た。そんな彼の反応を見て、ストーンは更に驚愕する真実を述べた。
『ああ、そうだ。良いことを教えてあげましょう、ビリー。貴方が今まで浄化してきた死霊は全て教会が選び、カレルレン様が術を施したただのヒト! お前はヒトを屠っていたのデス! ははは・・・・・・外道な父親に相応しい外道な息子ではないデスか! はははははははははははははは!』
狂ったように高笑いするストーン。ビリーは信じられないと言った感じで首を横に振る。
『そんな・・・・今まで僕が浄化してきた死霊が・・・・ただのヒト・・・』
「やっぱり・・・」
『! シンジ君、気付いてたのか!? な、何で教えてくれなかったんだ・・・!』
ビリーの言葉にシンジは何も答えない。ビリーは頭を押さえて顔を俯かせ、唇を噛み締めた。
『さぁ、私にザンゲなさい! そして、その罪を己が身で償いなさい!』
『いいや、お前が悔いることなんざ、ひとっつも無いぜ! ビリー!』
ストーンの声とは別にビリーにとって聞き覚えのある声が響いた。その声にビリーはハッとなって顔を上げた。
『ラケルとおめぇが愛し合ってただって? 相変わらずナルシシズムと自己保存本能の強ぇ奴だな!!』
『!!! ・・・・・こ、この声は・・・・・・!!』
『この勝負、俺様があずかったぁ!!』
するとレンマーツォの前に一機の小型ギアが飛んで来た。大きさはレンマーツォの腰ぐらいまでしかない。
『こいつを使え! ビリー!! こいつなら奴の障壁をひっぺ返せる!!』
それに乗っているのは紛れも無くジェサイアだった。そのギアを見て驚愕するシタン。
『ア、アレはバントライン・・・・・パイロットが直接弾頭に乗るあのエーテルガンギアなら、確かにストーンの憎悪の負の感情パワーに打ち勝てる! ・・・・し、しかし・・・・・・』
『ビリー、俺のギアとお前のギアの合体攻撃なら障壁を突き破れる。ちょっとお前の肩を借りるから今の内に、よーく狙っとけ。
そろそろ終わりにしようや、スタイン。だがな、お前は死んでもラケルにゃ会えねぇ! なんせお前の行く先は地獄なんだからなぁっ!』そう言うと、ジェサイアは今度はビリーに言った。
『ビリー、もう分かったろ? スタインの教えはまやかしだ。捏造された信仰なんてものは、世界や、脆い人の心を補償する為に出来たシステムなんだ。
だがな、本当の神や信仰は、他人から与えられるものじゃねぇだろ? 自分自身の中に見出すものだ。語らざるもの、表現され得ざるもの、それが神じゃないのか? “神は応えないもの”なんだ。
俺が幼いお前に銃を教えたのは人を救う為だ。お前は、銃は人殺しの道具だと言うが違う。“銃”が人を殺すんじゃない。“人”が人を殺すんだ。
お前は倒した死霊達の表情を見た事があるか? 死霊化するってのはとてつもなく苦しい事なんだ。その苦痛を和らげるため、人の血を求め、襲う。だがな、それでも本当の、心の苦痛を取り払う事は出来ない。苦痛から救われるためのただ一つの方法・・・それは消滅する事よ。シンジもソレが分かっていたから死霊を躊躇無く殺したんだ。
お前に倒された死霊達は皆、安らいだ顔をしていたろう? お前の銃は死霊化してしまった人達を救ったんだ。 誰にでも出来ることじゃない。それが出来たお前の信仰心はまやかしじゃない。神はお前自身の中にいるんだよ』『親父・・・』
それを聞いていたシンジはフッと笑った。まぁ、一応、あんた等の目の前に神様がいるんだけど、良いシーンなので敢えてツッコまない。
『よし、今だ! 行くぜっ、ビリー!』
するとバントラインが変形し、銃の形になった。そしてレンマーツォの肩に装着される。レンマーツォは照準を合わせ、弾丸をアルカンシェルに向かって放った。
するとアルカンシェルを守っていた障壁が弾け飛んだ。するとシタンの声が回線から届いた。
『遅かったか! ビリー! それは、搭乗者を人間弾頭として撃ち出す兵器なんです!』
『何だって!? じ、じゃあ、親父は・・・・・くっ・・・・・くそーっ!!』
ビリーは声を荒げ、両手をアルカンシェルに向けた。
『うおおおおおおおおおおお!!!!!!!!』
そして有らん限りの弾丸をアルカンシェルに向けて撃ちまくる。アルカンシェルは動けず、ただ弾丸の的になっていた。
「ビリーさん!!」
シンジが声を上げると、シャムシエルが鞭を繰り出して来た。シンジは目を鋭くさせると、腕にATフィールドを纏わせて鞭を切り裂く。
「邪魔だ!」
そして、問答無用で加粒子砲を最大出力で放つと、シャムシエルはジュッと音を立てて消滅した。
アルカンシェルは既にボロボロで腕ももげ、バチバチと電流が迸っていた。レンマーツォは、そんなアルカンシェルの頭部に飛び乗ると、頭に手を当てて思いっ切りエーテルガンをぶっ放した。
「消えろ」
そしてエヴァがコックピットに光の槍を放つと、アルカンシェルは閃光の中へと消えて行った。
ユグドラシルの甲板でビリーは海を眺めていた。
「親父・・・・」
「ビリー君・・・・私があんなものを作ったばかりに・・・・」
申し訳無さそうに言うシタンに、ビリーは首を横に振った。
「いえ、あなたの責任ではありませんよ・・・・」
パンッ! パンッ!
そう言って何発かの弾丸を海原に向かって撃つ。
「親父を送るにはこれが一番でしょう」
すると後ろから能天気な声がした。
「そうだな・・・・・ありがとよ、息子」
「お、親父っ!」
振り返るとそこにはジェサイアが普通に突っ立っていた。
「先輩! 無事だったんですね?」
「ったりめぇだ! イカれた若造の作ったポンコツをいつまでもそのままにしておくか! 改良したんだよ、改良!
まぁ、もっともこんな事は二度とゴメンだがな・・・・・」そう言って肩を回すジェサイアにシンジが呆れ果てたように言った。
「良く言いますよ。僕が助けなきゃ爆発に巻き込まれ掛けてたくせに」
「おう! 助けてくれてサンキューな!」
そう言ってバンバンとシンジの背中を叩くジェサイア。ビリーは唖然となって、恐る恐るシンジに尋ねる。
「まさか・・・親父が生きてるの知ってたの?」
「はい。シャムシエル倒した時に甲板を走り回るジェサイアさんを見つけたんで、とりあえず救助しました」
ガクゥッとビリーは言いようの無い疲労感が襲ってきて思いっ切り肩を落とした。
「それにしても、地獄・・・・・・ですか。無信心な先輩が死後の世界を認めたとは意外ですね・・・・・」
「ん? 何だてめぇ、聞いてやがったのか。ありゃ言葉の呪いだ。あの野郎の死に土産にゃ丁度いいだろ?」
「全く、性悪な先輩らしい送り方ですね」
ふと、その時プリメーラが甲板に上がって来てジェサイアを見上げた。
「パ・・・・・・パ・・・・・」
すると小さく『パパ』と呟いた。それを聞いた皆が目を見開き、ビリーが彼女の肩を掴んだ。
「プ、プリム!?
プリム、今なんて言ったんだい? ねぇ、プリム?」「パ・・・・・・パ・・・・」
「ハハッ、聞いたか? プリメーラの呪いも解けたようだな!」「ハハハ・・・・・・! プリムが喋った! プリムが喋ったよ!
ね、ね、プリム、僕の名前も呼んでおくれよ、ビリーってさぁ!」心底嬉しそうなビリーに、シンジとシタンは互いの顔を見合わせ微笑んだのだった。
「しっかし、すっかりやられちまったなぁ、教会も。相変わらず無茶苦茶しやがるぜ、あそこは」
ユグドラシルのガンルームでジェサイアが愚痴ると、シタンが眼鏡を押し上げて言った。
「そろそろ本当の事を話した方が良いんじゃないですか、先輩? ただ飲んだくれてケンカ売って歩いてた訳じゃないんでしょう? ビリー君だってそれを知りたいはずです。ねぇ?」
「ええ、その方が僕もスッキリします。親父が僕の事を心配してくれていた事はとりあえず解ったけど・・・・・その親父に振り回されていた僕の気持ちの整理はまだついていないんだ」
「何だその“とりあえず”ってのは?」
「プリムが喋れるようになったのは嬉しいけど親父の名前しか呼ばないし・・・・今までプリムの面倒を見てきたのは、この僕だってのに・・・・何だってんだ・・・・・」
「まぁまぁ・・・ビリーきっと恥ずかしいんですよ。その内あなたの名前も呼んでくれますって。ウチの娘なんて父親の名前すら呼ばないんですよ」
「単に二人とも嫌われてるんじゃないですか?」
シンジの痛烈な言葉にシタンとビリーはガーンとなって部屋の隅で縮こまる。特にシタンは図星らしく、木枯らしを吹かしている。
「で、ジェサイアさん。一体何の為に単独で動いてたんです?」
使い物にならない二人に代わってシンジが質問する。
「ちっ、しゃあねぇなぁ」
ジェサイアは情けない後輩と息子だと思いながらも事情を話し始めた。
「ま、こっから先はお前さん達の力を借りにゃならんかもしれんし・・・・良いだろう、話してやるよ。
俺は、ソラリスにいた時分、カレルレンの指揮の下、極秘裏に進められた計画の存在を知った。それがM<マラーク>計画。その計画を進行させる為に、多くの地上人が教会によって集められ、実験体に。まぁ、それが死霊<ウェルス>だった訳だが・・・。
ソラリスのやり方に嫌気が差していた俺は計画の真相を探った。やがて、計画の中心となる科学者がM計画の真相を試作ギアに移し、娘ともども脱出させた事を知った・・・・・が、それが俺が掴んだ最後の情報だった。
俺は、それを知ったが為に妻のラケルとビリーを連れ地上に身を隠した。以後、俺はそのギアと少女の行方を追っている。
んでだ、やっとこそのギアと科学者の娘がシェバトにいるらしい・・・ってとこまでは突き止めたんだが、いかんせんそのシェバトへの行き方はおろか、連絡の取り方すら分からねぇ。ま、今までソラリスですら手が出せなかった程、強固な障壁に守られてた所だ。当然といやぁ当然なんだが・・・・」フゥと溜め息を吐くジェサイア。シンジは、そんな彼の言葉に一つだけ引っ掛かるものがあった。
『M計画の真相を試作ギアに移し――』
つまりM計画とは何らかのギアを作り出そうという計画である可能性が高い。既存のギアを上回るようなギア。以前、バルトが言っていたギア・バーラーか、あるいは別の何かか。
何か物凄く嫌な予感がしてシンジは冷や汗を垂らす。と、そこへ扉が開き、教会で救助したシェバトの工作員が入って来た。「その少女、もしかしてマリアとかいう名前では?」
「あ、お二人とももう良いんですか?」
「はい、お陰様でようやく立って歩くぐらいは出来るようになりました」
「俺ももう大丈夫だ・・・っていうか、先生達、何で隅っこでイジけてんだ?」
未だにイジけているシタンとビリーを不思議そうに見るフェイにシンジはフッと遠い目を下。
「マリア・・・・・・、か。その少女の父親の名前、ニコラとかいう名じゃなかったか?」
「いえ、流石にそこまでは。しかし、ギアと少女の話は耳にした事があります」
「うむ、間違いねぇ、そいつだ。巨大ギアはシェバトにある。
・・・・・で、シェバトに行く方法は? 何か連絡手段とかないのか?」「残念ながら捕らわれの身であった私には通信をする手段すらありません」
申し訳無さそうに首を振る工作員にジェサイアは残念そうに首を下ろす。だが、ふと工作員は何かを思い出したように顔を上げた。
「いえ! 方法がないでもありません!
本来、シェバトはバベルタワーの頂上部にあった都市なのです。塔の頂上部にはシェバト本国との通信施設があるらしいです。それが現在も残っていれば・・・」だが、バベルタワーは教会によって封印されていた。教会は無くなったから封印は解けただろうが、頂上の通信施設は破壊されている可能性がある。
「けどまぁ、それしか方法が無いなら行くしかないですね。M計画ってのも気になりますし・・・」
何だか人類補完計画よりタチが悪そうな気がするシンジだった。
「しかし、その計画にしろ、教会にしろ、ソラリスは一体地上の人間を何だと思っているんだ!」
「ただの実験動物でしょう? 連中の中には自分達を神の使いとか思ってるのもいるようですし」
激昂するフェイにシンジはアッサリと答える。
「とにかくダメで元々、行ってみよう。
教会で発掘された記録、ビリーの親父さんの言った事、それらの真相を確かめる必要はある。それに個人的にも俺はシェバトに行かなきゃならない」そう言えばシェバトはフェイの父親が武官を務めていた国でもあった。どちらにしろ遅かれ早かれ、フェイ自身、シェバトに行かなければならなかったから丁度良い。
「善は急げだ!! さぁ、早速バベルタワーへ向かおう!」
「その前に、この落ち込んでる兄とお父さんを何とかしましょうね?」
意気込むフェイだったが、ビリーとシタンを指差して言うと、思いっ切り脱力してしまうフェイだった。
To be continued...
〜あとがきの部屋〜
アスカ「M計画ね〜・・・人類補完計画よりタチの悪い計画だったら、とんでもないわね」
シンジ「(おお、アスカがまともな事を・・・)」
アスカ「何しろ人類補完計画はアタシを辱めたんだものね」
シンジ「君をちょっとでも真面目だと思った僕が馬鹿だったよ」
アスカ「何よ? アタシが陵辱されたのよ! これ以上、タチの悪い計画があってたまりますか!」
シンジ「別にされる必要なかったと思うけど・・・量産機だってアスカが邪魔だから追い払っただけだと思うし・・・」
アスカ「何よ! 何の抵抗もしないで依代になった奴が偉そうにすんな!」
シンジ「ひ、人が気にしてる事を・・・」
アスカ「アンタ、人間じゃないでしょ?」
シンジ「そりゃそうだけどさぁ・・・だったら、せめて神様に対する敬意とか・・・」
アスカ「アタシが信じるのはアタシだけよ!」
シンジ「うわ、ご立派・・・」
アスカ「と、いう訳でシンジ、お茶」
シンジ「はいはい・・・」
ビリー「シンジ君以上にふてぶてしいとは・・・・あぁ神よ」
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