リターン・オブ・エンジェルズ

第伍話 愚者の徘徊

presented by クマ様


碇邸・奥、寝室

登校が決まった翌々日、シンジはいつもの通りミカの胸で目を覚ました。

「おはようございます、シン様。 六時二十五分でございます。
湯殿の仕度、朝食の「あとごふん・・・・・・くう・・・・・」シン様!? 今日から学校なんです、起きてください!」

前々日はほぼ徹夜で書類作成、前夜は久々にミカ一人だけと寝たため、少々がんばりすぎて寝不足気味のようだ。 そんなシンジをなぜか元気なミカが、必死になって起こそうとする。

それもそのはず、この家が建つ超高級住宅地、実は第一中とは比較的近いものの、碇家の裏山やそこから流れる川などのせいで、かなりの迂回路を取らないとならない。

無論のこと、軍の高官であり、更には碇財団の次期総帥という立場なのだから車で通学しても差し支えない、というよりすぐさま職場へ駆け付けれないと困る立場なのだが、ミカに言わせると、「学生が車などで通学すると、成人後いついかなる時も無意識に楽をしようとしてしまいます。 そうならないためにも、シン様はわたくし達と共に歩いて登校していただきます」だそうだ。 ついでに付け加えるなら、騎士の足なら車より速い。

そういうミカ達(+使徒化含むメイド達)は、通学途中にある、家から三十分ほどのところにある江田島学園にかよう。 そして学園から第一中まではおよそ走って二十五分。

だが実はシンジ、こうなるとなかなかに手ごわい。 結果・・・・・・

「みんな、森を突っ切るよ!」

「はい!!」(×多数)

「ですから起きてくださいと申しましたのに・・・・・・」

使徒メイド達は使徒化の時に騎士化も行っているために、シンジ同様常人の数倍のスピードで森を突っ切っていく。 そして使徒ではないメイド達はというと、シンジやミカ、ラファーナと古株のメイドに、いわゆるお姫様抱っこをされながらの通学となった。 シンジに抱かれているイザベラは、ミカとラファーナを除く全員に、殺気の篭った視線を向けられていたが、舞い上がっていて気付かない。

数分間走って森を抜けると、シンジの隣に人影が降りた。

「団長も、寝坊ですか?」

それはマユミだった。

彼女は最初、エアフォート内で暮らすつもりだったのだが、上司のバルンガ中将(当時)にすら知らせずに新設軍の手回しをしたギラ、マユミの住居も整えてあった、シンジの家の前に。

そして彼女も軍高官、既に部下がいる身でもあり当然のごとくAP騎士団・極東方面軍双方の書類整理に追われ、その結果彼女の場合は二日間の睡眠時間が合計五時間なく、更にその前も、演習の報告書作成で大して寝てなかった。 よって心地よい寝具にくるまれてお寝坊。

「「急ごう(急ぎましょう)!!」」

だが、すでに森は抜けている。 下手に走れば一般市民に迷惑がかかる上に目立ちすぎるため、普通に走るしかない。 結果、

ガララッ

「遅くなりました、今日から転校してきた、碇 シンジです」

「同じく、ラファーナ・神護です」

「同じく、山岸 マユミです。 急いでいたとはいえ、あんなはしたないこと・・・・・・恥ずかしい

精一杯走ってきたのだが、本鈴が今鳴り止んだ。 つまりぎりぎりアウト、更には人の目には正常に映る範囲内で走ったため、マユミのスカートはきれいに(?)まくれ上がっていた。 それに気付いたのは、校門のところにいた教師に指摘されてから・・・・・・ そこからここまで、真っ赤なまま歩いてきたマユミだった。

三人とも神妙にしている。 そんな彼等に声をかけたのは、一人の老教師だった。

「御話は伺っております。 私があなた方の担任になりますね。
クラスは2−Aですので、付いてきてください」

(なっ!? なぜ? どうして? 2−AはNERVが絡まないと、入れないはずじゃ!?
はっ! まさか、髭の差し金!? 髭魔人め、余計なことに気が付く! 侮れない奴!) 

シンジはこう思っているが、実際はSEELEの思惑と使徒戦直後の混乱、そして生徒数のアンバランスからだった。

というのも、天使が個別に介入したため、コード707に入る子供達の数が若干減ってしまっていた。 そのため明らかに2−Aの生徒数は少なかったため、NERVが何も言ってこないのをいいことに、人数合わせと国連職員の控えめな要請に従ったわけだ。

ともあれ三人は教室に向かう。

そして、

「私が声をかけたら、入ってください」

そう言うと、教師は教室に入った。




少し前の教室

ガラガラガラッ

「やあ諸君、おはよう! 今日もいい朝だね!!」

入ってきたのはやたらと体格のいい少年と痩せた眼鏡の、視線の鋭い少年。 教室にいた生徒達はいつものことなので無視、されなかった。

「おはよう、島風君、時田君。 ちょっとお願いしたいことがあるんだけど、いいかしら?」

「?」

声をかけたのは委員長・洞木 ヒカリ。 その周りにはヒカリとあまり親しくない者まで大勢集まっている。

「なんだ? この偉大なる僕に、何か用かな? 僕以外の者に出来ることを、僕には頼まないでくれたまえよ?」

自信過剰気味の、へんな話し方をする少年を島風 リュウ、眼鏡の少年を時田 カズヤという。

「実は近いうちに転校生が来るらしいのよ。
もしかしたら2−Bになるかもしれないけど、生徒数から2−Aになるとは思うの。 で、みんなにその転校生と仲良くしてほしいの。
いいかしら?」

「???」×多数

全員?顔。 それはそうだろう、転校して来たからといて、余程性格が悪くもなければ嫌うこともない。

「あ〜っと、イインチョさん? そいつって、なんかわけありな奴?
あ、みんな注目しないで。 ただ単にイインチョさんがわざわざそんなこと言うもんでさ、もしかしたらかな〜なんておもったのよ」

「ふむ、たしかに。 我が親友の言う通りだ」

なぜかこの場を取り仕切りだす島風と時田。

「ええ、あるわ。 といっても、たいしたことないの、みんなが偏見を捨てさえしてくれれば。
実はこの三人、国連軍の関係者らしいの」

ぴくっ

島風と時田が、僅かに反応する。 周りに悟られないように目配せしあうと、島風が切り出した。

「ふむ、転校生というのは三人か・・・・・・しかし有能にして多芸多才なるこの僕と同じクラスになるとは哀れな・・・・・・」

「だから、リュウ、隣のクラスかもしれないだろうに。 それに相手は騎士だぞ? 勉強ならともかく、他では学校一の称号はなくすかもよ? そうなると勉強では僕がトップだから、リュウはよくて二番か」

「! どうして騎士ってわかったの!? まだ言ってないのに!」

時田のセリフに慌てるヒカリ。 そのあわてぶりから本当に騎士が来ると知って、好奇心に満ちるもの、NERVの流した噂のせいで青くなるもの。

「? 何を驚く? 僕達と同じ歳で国連軍関係者、ならば騎士かマイトであろう。
マイトでこの歳ならば、余程のことがなくば危なくて関西から出られん、ならば自分の身は自分で守れる騎士であろう」

「・・・・・・そっか、そうよね・・・・・・」

「ん? なに引いてんの?
まさか騎士が怖い? あいつらだって人間だよ、こっちが余計なちょっかいかけなけりゃ、何もしてこんさ。
ん? 信じらんない? まさかた〜思うけどさ、アヤシゲな組織が流した、騎士はなんかあると人を殺さなきゃ気がすまなくなるとか、憂さ晴らしに人を殺すとかを信じてんの?
ありえね〜よ、なぁ?」

「うむ、まったくだ。
もしそんなことをすれば、騎士法に基づいてかなり厳しく罰せられるからな、絶対にありえんぞ」

そんな時、

「ビッグニュースビッグニュース! このクラスに転校生が来るぞ!! それも三人だ!!」

突然教室に入ってきた眼鏡の少年のその声を聞いた途端、クラス全員の視線がヒカリに集まる。

「ヒカリすっご〜い! 言ってた通り〜!!」

「洞木さん、その三人って男? 女? 可愛いのか?」

「ヒカリ、デンワバンゴー知らない?」

「・・・・・・なんで俺に聞かないんだよ!」

クラス中の注目を浴びると思っていたその少年・相田 ケンスケは、クラスメートのその反応に怒り出した。

「この話を持ってきたのは俺だぞ!? 委員長にそんなネタがわかるわけないじゃないか!
ふん! もう遅いぞ、今更聞いてきても教えてやるもんか!」

そう怒鳴ってケンスケは自分の机に向かうが、そんな彼を嘲笑うかのように、ヒカリの戸惑った声が聞こえてきた。

「えっと、男の子が一人と女の子が二人って聞いたわ。
三人とも騎士で、新しく出来た極東方面軍の騎士団の人だって。
電話番号は知ってるけど、教えるのはちょっと・・・・・・」

「極東軍の騎士団!? そ、それってほんとか?」

ケンスケはあわてて聞き返した。

怒っていたはずだがそれも仕方ないだろう。 なんせケンスケは、情報が学校側のものだけのため、転校生が極東方面軍関係ということはおろか騎士だという事すらつかんでいなかった。

「ケンスケ、騎士なら騎士団入ってて当然なんじゃねえの?」

「馬鹿だな! 今まで騎士団のなかった日本に新設騎士団だぞ!? どんなMHが日本にくるかわからないじゃないか!
いやまて、たしかNERVの開発したロボットもあるんだった。 ということはこっちか? ならどうにかしてお近付きになって、俺もそのロボットに・・・・・・」

そういいながら少々逝き気味な視線をしたケンスケが自分の机に向かうのを、大半のクラスメートは引きながら見ている。 そんな彼等に聞こえてきた呟きがあった。

「下手に近づきゃ、憲兵にしょっ引かれるぜ」

「この歳で事務総長肝いりの新設騎士団入り、つまりは将来有望であるということの証であるな。
そんな者に転校早々近づけば、スパイといわれて当然であろう。 ケンスケ、スパイは拷問の上銃殺であるぞ? せめて安らかに眠れ」

言うまでもなく、時田に島風だった。 周りにいる大半の生徒は蒼白になる。

その時、予鈴が鳴り響いた。




「きりーつ、れい、ちゃくせーき」

ガタガタッ!

「え〜、本日は、転校生がいます。 三人いますが、仲良くしてください。
では入ってください」

ガラガラガラッ

「うおおお〜〜〜〜!」×多数

「きゃあああ〜〜〜〜!」×多数

「うわぁっ!?」

先ほど青くなっていたのはどこへやら、美男美女の組み合わせに黄色い声が飛び交う。 そしてその反応に戸惑い、思いっきり引いている三人。

「え〜では、自己紹介をお願いします」

「では私から。
極東方面軍東方第一等幻像騎士団所属、山岸 マユミ少将です。
以前はロシア方面軍の所属で、モスクワ郊外に住んでおりました。 日本は十年ぶりとなります。
よろしくお願いします」

「うおおお〜〜〜〜! 眼鏡っ娘だ〜〜〜! しかも美少女だ〜〜〜!!」×多数

反応にまたも引いてしまう三人。

「次は僕か。
ラファーナ・神護、階級は中将で極東方面軍の技術部の者だ。 こんな格好だけど女だからよろしくな」

「うお「きゃ〜〜〜!お姉さま〜〜〜!!」×多数

更に引いてしまう三人。 何気にラファーナから離れたようなのは気のせいか? 更に言うと女子の黄色い歓声に男子達も引いているような感じも・・・・・・

ちなみにラファーナの格好は、男子用の制服。 スカートがどうにも苦手らしい。

「えっと、僕は国連軍極東方面軍、東方第一等幻像騎士団所属・碇 シンジ。
以前は所属していた本部警備軍の司令部がある台北にいました。
日本は京都以外よく知りません、よろしく(ニコッ)」

「きゃ〜〜〜〜〜! かっこいい〜〜〜〜!」×多数

ビクウッ!!

思いっきり引いてしまう三人。 仮にも騎士なのに、まるっきり形無し。

「え〜〜、では、席は・・・・・・丁度そこが三人分空いていますね。
ではそこに座ってください。
一時限目は私の授業ですので、皆さんで親睦を深める時間とします。 洞木さん、後は任せますよ」

そういって座るのも待たずにさっさと教室を出ていく老教師。 途端に騒がしくなる教室。

「碇君、趣味は何!?」

「好みのタイプは!?」

「彼女いるの!?」

「山岸さん、付き合ってる人いる!?」

「僕がこの学校案内するよ!」

「じゃ俺が町を案内するぜ!」

「なに言ってんだ、それは俺だ!!」

「ラファーナさん、お姉さまと呼ばせてください!!」

「「「え、え、え〜〜!?」」」

あまりなことに反応しきれない三人。

そんな時、救いの女神が現れた。

「いいかげんにしなさ〜〜い!! 隣のクラスは授業中よ、近所迷惑じゃない!!」

「・・・・・・洞木、お前の声のほうが近所迷惑だぞ・・・・・・」

隣のクラスの教師の声が聞こえてきたようだが、まあ気にしなくていいだろう。

「じゃあ順番に、私から聞くわ。
あ、私はクラス委員の洞木 ヒカリ、よろしく。
でもどうして最初から騎士だって言っちゃったの?」

ヒカリが取り仕切ることはある程度予測済みとはいえ、少々積極的にかかわりすぎるような気がしたシンジは、まずそのことを聞くことにした。

「えっと、騎士団って色々と忙しいんだ。 だから学校公認で、授業中にも書類整理をすることになるし、重要書類になると特別に設えてもらった部屋でってことになるから、変に思われないようにだよ。
でも洞木さん、第三は騎士に偏見持ちまくっているって聞いたけど、どうして平気なの?
色々噂流れてるはずだけど、聞いてない?」

「ああ、そのこと?
怪獣騒ぎの後で、ドイツのお爺様からメールが来て知ってたのよ。 大好きなお爺様によろしく頼むって言われたら、断れないわ」

「? ドイツ? お爺様?」

「ええ、一部では有名人だって自慢してたけど、キール・ローレンツって言うの」

「「「キール・ローレンツ!?」」」

三人にとっては意外すぎる名前に、見事にハモる三人。

「知ってるの?」

「はい、少々、というかかなり意外なお名前を伺いましたので驚いてしまいました」

答えたのはマユミ。 シンジとラファーナは未だに放心状態だ。

「委員長、そんなことより質問質問」

「そうね、で、三人とも趣味は?」

チョンチョン、とシンジと突つくマユミ。 どうやら質問に答えるのはシンジから、ということのようだ。

「・・・・・・っは! え、ええと、趣味だよね!?
とりあえず趣味と言えるのは、料理とチェロかな?」

「・・・・・・僕は車いじりか。
古今東西の車をメンテできる。 好みの車はスポーツ・競技ベース系の車かな?」

「私は読書と御菓子つくりですね」

「では次に、異性の好みのタイプは?」

「素直で家庭的で、控えめでそれでいて一本芯の通った人かな」

「車好きでアウトドア派な人だね」

「好みの同性は!?」

「の、のーこめんと(^_^;)」

「私は、物静かで私を気に掛けて支えあってくださる方ですね」

「ええっと、付き合っている人、或いは好きな人は?」

少々慌て気味に聞くヒカリ。

シンジのセリフに、女子の半数以上がヒカリに殺気のこもった視線を向けたからだ。 なにせ家庭的で一本芯が通っているのは確実、素直で控えめは、個人で感じ方が違うがおおむね当てはまる。 さらにシンジの趣味は料理、ヒカリとは話も合いそうだ。

「えっと、ノーコメント(ミカが僕のことどう思ってるかなんてわかんないよ)」

「同じく(ばれたら迫られる)」

「同じく(なぜ気付いてもらえないのでしょう)」

この言葉にクラス全員が、まだ間に合う! とばかりに牽制しあうかのごとき視線をぶつけ合い始めた。 手遅れなのに。

この先もいろいろなところからの質問を、ヒカリがまとめながら聞いていくが、その輪の中から離れている二人がいた。

「まさか、あの三人が来るたぁ予想外だね」

「それほど国連軍は本気と言うことであろう?」

「ああ、それほどNERVが信用できねえってことさ」

「NERVが、ではなくNERVのエヴァンゲリオンが、であろう?」

「いんや、両方だと思うぜ。 しかし」

「『黒騎士』に『血煙の魔女』、更には『Dr.ジェノサイダー』、か」

「よくこんな奴ら、送ってくるぜ」

それっきり黙ってしまう二人。 二人は何かを知っている。




あれやこれやで一時限目が終わり、二時限目。

みんながまじめに授業を受けている時、チャットに書き込みがあった。

【碇君たちがロボットのパイロットって本当?】

事前に怪しげなメールでチャットを見ていた全クラスメイトが目を見張る。 が、返事が返らない。

チラリとシンジ達三人を盗み見ると、ちゃんと端末を見ている。

しばらくすると、

【答えてくれないってことは、当たってたって事なの?】

【この町のために戦う英雄なんでしょ?】

【私達、英雄のお友達になって支えてあげたいの!】

などと書き込んでくるが、まったく無反応。 代わりに意外なところが反応していた。

「まったく、相田の奴は本当にミリオタなのか?
軍の監視がされてないわきゃねえゼ」

「クラス全員をスパイ容疑で逮捕させる気であるか?
事前に唆しておくなど、確信犯であるな」

小さな声ではあったものの、クラス全体に届いた声に、大半の生徒は青くなってチャットを切る。

その頃シンジ達は、

「う〜ん、ぺタ・ソルベルグ卿、はノイエ・シルチスが放さないだろうな〜。 マット・ケンセス卿、ジミー・ジョンソン卿、ジャスタ騎士団が・・・・・・う〜ん、どの人もスカウトすると後々しこりが・・・・・・」

「レールガンの弾の補給が出来ない!? 日本でも作っていたはず・・・・・・なるほど、使いもしないのにNERVが大量購入ですか・・・・・・」

「ん〜、やっぱなんか遠距離攻撃用の武器はいるよな。 手っ取り早く、バスター砲でも改造すっか♪」

三人とも仕事に勤しんでいる。

そんなこととは知らないケンスケと、好奇心で周りが見えない少年少女達が(主にケンスケが)色々と書き込みを続けていると、遠くから足音が近づいてきた。 そして、

ガラガラガラッ!

「キョクトーホーメングンケンペイタイノモノダ、ゼンインウゴクナ!」

突如として入ってきた軍人、その先頭にいたAP騎士団スクリティ隊の制服を来たスラブ系の男が、高圧的に言い放つ。

ざわつき、怯える中で憲兵隊員達が、携帯端末を見ながら数人の少年少女を無理やり立たせる。

その中の一人、ケンスケは、

「な、なんだよ!? 俺が何したって言うんだよ!?」

「重要人物の警備上チャットを監視していた!
貴様が何をしていたか、自覚くらいはあるだろう! 機密漏洩容疑で逮捕する!」

戦自の制服を着た極東方面軍の憲兵はそう言い放つと、ケンスケ以下五名ほどを連行する。

それを見送った騎士は、シンジに敬礼をすると何かを耳打ちし、立ち去って言った。

そして今度は、厳しい表情のシンジに不安げなクラス。

結局この授業は、つぶれてしまった。






ほぼ同時刻、NERV付属病院、貴賓室

病室であるにも拘らず石積みの壁、怪しげな器具、鎖の付いた革の輪っかやおなじ輪っかの付いた革製の馬、天井には滑車とレール、更には所謂三角木馬などが並ぶ、薄暗い異様な雰囲気の、ゲンドウ専用病室。

今そこに、銀髪を撫で付けた長身痩躯の初老の男が入ってきた。

案内してきたのは少女と見間違うほど童顔なナース。

しかし彼女もまた異常だった。 下着が(必要なほどのバストサイズはなさそうだが)透けて見えるほど薄い、股下数ミリのナース服も異常だったが、その瞳がまた異常。 まるで瞳に光がなく、しかしこの部屋に近づくにつれて怪しく濡れ光り、ゲンドウに何も声をかけられないとなると落胆の表情で帰っていった。

月に数日、過労と称して入院した際に何をしていたのか、予想も出来よう。

「・・・・・・は〜〜、久しぶりだな、六分儀。 気分はどうだ?」

「・・・・・・貴様、何者だ?」

「・・・・・・先人の顔を忘れるとは、な。
一時期ゲヒルンの副所長をしていた、冬月 コウゾウだ、思い出したか?」

こめかみを押さえながら返す男、冬月にむかい、濁った目を向けるゲンドウ。

「・・・・・・冬月、ここで何をしている? 貴様は俺を裏切り、ユイを捨てた男だ、ここにいる資格はない」

しばらく考えた後、ようやくそれが誰だかわかったようだ。

この言葉に冬月は、ユイ君を裏切って浮気していたのはどこのどいつだこのロリコンめ! と思ったものの、取りあえずは顔をしかめただけで見舞いの言葉を発した。

「一応は貴様の先輩として、かつての部下として、今現在は同じ国連の職員として、上司の許可を得て見舞いに来たんだ。
NERVは対使徒迎撃機関、そこのトップが怪我で入院、それも重症とあっては、極東方面軍としても見舞わんわけにはいくまい?
しかし、薬も程々にしておけよ、六分儀」

そういった冬月の視線の先にあるのは、何かの薬の空になったアンプル。

一番数が多いアンプル、そこに書かれていた薬品名は、『モルヒネ』。 他にも併用は危険なはずの鎮痛剤が多数散乱している。

「・・・・・・俺は碇だ。
・・・・・・貴様、今は極東方面軍か?」

「ああ、技術部顧問と軍医長を兼務だ。
これでも一応は、グラファイトの銘を持つマイト、本部の元軍医総監だぞ? 幻像騎士団のファティマのメンテナンスを請け負うことになりそうだよ」

「・・・・・・冬月、駒はそろった、ユイにもう一度会いたくはないか?」

しばらくの間をおいてのこの発言に、目を見開いてゲンドウを見る冬月。

一方のゲンドウは、それまでの濁った目が嘘のようにギラギラとひかる視線を冬月に向けている。

しばらくのにらみ合いの後、冬月は感付いた、ゲンドウの思考ルートに。

自分と同じファティマ・マイトが、かつてユイに再会するために自分の下にいた冬月がここに来た、それはまだユイに未練がある証拠だ。 シンジが手元にある、そう知ればまた協力するに違いない。

確かにゲンドウはそう考えていた、薬で鈍った頭で。 だからこそこんなセリフを平気ではける。

「あ〜〜、六分儀、今の俺には妻子がある、厄介ごとには巻き込まんでくれ」

「・・・・・・ふ、大丈夫だ、後顧の憂いは排除できる。
もう一度ユイが微笑みかけてくれるのだ、俺に協力しろ、冬月。
フフフ、マイトが二人、いや三人も揃うのだ、ユイは復活する必ずだ、クックックックック・・・・・・」

「・・・・・・」

冬月は協力の意思はないと言い切っているのだが、ゲンドウはまったく聞いていない、というよりも理解できていない。

冬月は溜め息を一つ吐くと、ゲンドウに見向きもせずに病室を去った。 未だに冬月のいた辺りを見ながら、何かを呟き続けるゲンドウを無視して。




病室を出た冬月は、ナオコの執務室を目指していた。

NERVへ入るときに守衛を通して知らせてあるため、ナースから案内を引き継いだ保安部員も、何も聞かずに案内をしていく。

エレベーターの前まで来たとき、そこに見知った顔を見つけた冬月は、思わず声をかけていた。

「ダイヤモンド君ではないかね? こんな所で何をしている?」

「グラファイト卿?! あなたこそこんな所で、いったいなにを?」

誰も知らないだろうと思っていたNERV内で、いきなり自分の銘を呼ばれたラファーナは、呼んだ相手を見て更に驚いた。

そこにいたのは、国連軍技術部最高顧問のポストをけり、わざわざ激戦が予想される極東方面軍行きを志願した、コウゾウ・グラファイト卿がいたのだから。

冬月にしてみても驚いていた。 いつも『体が二つ、いや三つは欲しい』とぼやいていた国連軍本部技術本部長、ラファーナ・ダイヤモンド・ニュートラル『女史』がいたのだから。

冬月は、傍にいたシンジとマユミ、正面ゲートまで出迎えに来たマヤの三人に挨拶をし、ゲンドウの見舞いに来たことを告げた。

それに対して意外な人物から意外な反応が。

「グラファイト卿ほどの御方が、あんな髭魔人の見舞いをする必要ありません!
何があったか知りませんけど、副司令にひどい仕打ちをしたんです、あれくらいやられて当然です!!」

そのマヤの言葉に、目を見張る四人。

特にシンジは、前に見舞った時は、ショックは受けていたものの比較的落ち着いているように見受けられたため、疑問も大きい。

そのことを聞こうとした時、エレベーターが到着した。

エレベーターのドアが開いた途端、中から流れ出てきたのは、闇。

一人の男が、全身から闇を発散しつつ、出て来た、何かを呟きながら。

「ナオちゃん、ひどい、ひどいよ。 僕が何したのさ? そりゃパッと見不真面目かもしれないよ? けどまじめに書類整理したじゃないか、それに司令の尻拭いもしたよ? 裏の尻拭いはそれこそ命懸けなんだよ? それに僕は酔牛作戦部長の尻拭いまでやらされてるんだよ? そんな僕をおいて一人で現実逃避なんて、ずるいよ・・・・・・」

手に胃薬の空瓶を持ち、ゆっくりと浮遊するかのごとく歩み去る扶桑一佐。 その後から降りてきた、彼の補佐官の山城一尉は、自分達よりはるかに階級が上の三人に慌てて詫びを入れ、追いかけていく。

「百聞は一見にしかず、なんでしょうか?」

マユミの言葉に、無言で頷くしかないシンジ達だった。




六人はいま、副司令執務室、通称『地獄門』へ向かっていた。

名前の由来は、この部屋に入った人が出てこなかったとか人格が変わってたとか受け答えが機械的になっていたとか体の一部が欠損していたりとかないはずの器官が付いていたりとか機械化していたりとかではない。 ただ単にドアに、『ここより地獄へ入りし者、すべての希望を捨てよ』なんぞと書かれている上、入ったら確実に司令の書類整理を手伝わされるからだった。

その間にシンジは、扶桑一佐と赤木副司令の関係をマヤに聞いてみる。

すると意外な答えが返ってきた。

「実は副司令と保安部長、大学が一緒なんですぅ。
学部は違ったらしいんですけど、当時はマイトも騎士も人目を忍んでいたから、お互いの正体を知って一気に親密になられたとか。
あ、副司令は二つ目、三つ目だったかな? の大学ですぅ」

「ふ〜ん、そうでした(ドンッ)って、どうしたんですか? グラファイト卿」

「あ〜、御神閣下、冬月で構いませんよ。
それより前を見てください、面白い、というより珍しいものが見れますよ」

突然立ち止まった冬月の言葉に前を見ると、確かに珍しい光景が見て取れた。

そこには拳銃を持ったまま、あるいは落とした状態で倒れ伏す保安部員達。 全員が犬にかまれている。

そして地獄門の前に伏せている三頭の虎毛の犬。

「・・・・・・拳銃持ったその道のプロが、犬に負けたんか?」

「・・・・・・騎士の方もいらっしゃるようですわ」

「・・・・・・無様すぎて、恥ずかしいですぅ」

「・・・・・・確かに珍しいですね」

「うむ、この時代に甲斐犬を飼っておるとは、珍しい。 インパクトの所為でいまや絶滅危惧種だからな。
ナオコ君は以前から甲斐犬に憧れていると言っていたが、ついに飼いはじめたのか」

一人だけ視点が違ったが、それほど珍しい光景だった。 なにせ保安部員の数は二十人以上だ。 更には血の乾き具合からみて、扶桑一佐達がここから出てくる前からここに転がっていることになる。 つまりは見捨てられた?

目を点にしていると、三頭の甲斐犬が首をもたげる。

この惨状から警戒する五人だが、犬達はなにか相談でもしているかのような仕種をした後、黙ってドアの前から退き、道を明けた。

「通してくれました、早く入りましょう!」

「うん、そうだね」

マヤの言葉にシンジが答え、慌てて地獄門を通った。


部屋に入ったシンジ達が見たもの、前回来た時にも驚かされたが今回は以前にも増してインパクトのあるものだった。

前回は壁に飾られた歴代の愛犬(一頭に一枚、ナオコ・レイ同撮)の額縁だけだったのが、今は一頭につき数枚、更には犬のクッションや置物など、大量においてある。 更に更にレイの写真も。

そしてナオコはと言うと、7、8歳くらいの子供が着るような服を裁縫している。

固まっているシンジ達に気が付いたナオコは、喜んで話しかける。

「あら、シンジ君、来てくれたの? 事前に知らせてくれれば、いい葉を用意しておいたのに。 今キーマンは切らせているのよ、ヌワラエリアしかないわ」

その言葉に思わず引き攣るシンジ。

前に来たとき、話しかけても生返事だったナオコが唯一まともに返事を返したのが、偶然目に入ったために出した紅茶の話題だった。 今の、なぜかハイテンションなナオコならどれほど話が弾むことか・・・・・・

「久しぶりだな、ナオコ君。 その服は、誰のかな?」

「冬月教授? 御久しぶりです、教授。 御無沙汰しておりましたが御変わりないようで、なによりですわ。
この服は、レイのです。 今は実家の方に遊びに行っていますが、帰って来たら一度あってください、可愛いですよ」

華が咲いたような笑顔で語るナオコの言葉に、表情を硬くするシンジ達と思わず俯くマヤ。

愛娘を失ったショックから現実逃避し、レイは7、8歳で今は実家に遊びに帰っていると思い込んでいるようだ。

そのときシンジはあることに気付いた。

ナオコが若く見える。

以前は三十そこそこに見えたナオコだったのだが、今日は二十台半ばくらいにしか見えない。 肌の色艶、張り共にやけに若々しい。

視線でマヤに問いかけると、困惑気味な答えが返ってきた。

「私にもよく分からないんですぅ。
部屋がこの状態になってから、急に若返ったような・・・・・・
以前副司令の仰っていた、『女は体が精神年齢に影響される』って言う無茶苦茶な論文が関係していると思うんですけど」

確かに出産に関してはその傾向があるらしいのだが、さすがに肌まではそうは行かないはず、だと思う。

その間にも、冬月とナオコの昔話は続いている。

その中でなぜかシンジがシンクロ実験に参加することも決まったが、これは断ろうとしたシンジにナオコがウル目+上目使いという、所謂『乙女の必殺技』を使い、シンジが抵抗し切れなかったのが原因だった。

そのうちに、話題が紅茶に移り、その手の話題が大好きなマユミと副司令にかまってほしいマヤが話し相手になっているうちに、シンジは冬月に早退の理由を投げかけた。

「冬月閣下、時田 カズヤ、島風 リュウという名に心当たりはありませんか?」

「御神閣下、同じ大将でも序列は閣下のほうが上です、呼び捨てでかまいません。
時田 カズヤというのはおそらく時田重工の社長の甥でしょう。 なにかのパーティーの時、時田社長と時田技術部長に挟まれていた子が、カズヤと呼ばれていました。
社長の息子はもっと年上ですし、技術部長は娘しかいなかったはずですから。
島風、の名には、申し訳ありません、覚えがありませんな。
それが何か?」

シンジの問いの意味が読めず、問い直す冬月。

その冬月に、眉間にしわを寄せながら答えるシンジ。

「なら僕もシンでかまいませんよ、冬月先生。
この二人、前の時間には、此処にいなかったんです。 存在していたかどうかすら、わかりません。
それに先生、洞木 ヒカリ、彼女もおかしい。 彼女は本来、両親共に日本人の血しか引いていなかったはず。 それなのに今日、キール・ローレンツが祖父だと聞きました」

「なっ?! それは本当かね?!」

「本人の口から直接聞いたことです、間違いありません」

シンジの言葉に驚愕する冬月。 前の時間云々を気にしない所を見ると、シンジの正体を知っていそうだ。

「う〜む・・・・・・ シン君、これは・・・・・・ 老人の浅知恵で申し訳ないが、時田、島風の二人とは距離を置き、洞木とは逆に近付いたほうがいいかもしれないな。
その二人はどういったルートで2−Aに入れたかがわからん。 裏をきっちりと洗い直す必要がある。
逆に洞貴君は、SEELEは集団自殺計画を放棄したらしいが、NERVは未だに何か企んでおるようだし、SEELEの様子もおかしい。
彼女から何か聞き出せるとは思わんが、血族意識の強い連中だ、それでSEELEが何かの動きを見せてくれるかも知れんからな」

実は島風は前回は母親共々事故にあい、死んでいただけ、今回は助かったに過ぎない。

逆に時田は、教育委員会のミスとNERVの職務怠慢。 つまりは手違いだったりする。

「SEELEの方は、ルーシーやベルゼバブが何かしているみたい、ですね(汗)」

「またあの二人かね(汗)」

本来配下のはずの二人の行動を把握していないと言うのだから、冬月としては叱責しないと不味いはずなのだが、この二人は問題行動の多い(ベルゼバブの行動のほとんどがルーシーの命令だが)コンビ、冬月としても冷や汗をかくしかない。

「と、とにかくこれ以上あの二人に好き勝手させるわけにはいかんぞ。
そろそろ管理機構からもクレームが来かねん状態だ。
こっちにいる北辰君からはすでに愚痴が来とることだし」

「そうですね、そろそろ釘だけでなく、きっちりと杭を打って牽制しないと」

どうやらかなりヤバめな状況のようだ。

しかし彼等はこれ以上この話を続けることが出来なかった。 ナオコにつかまって、紅茶談義・甲斐犬講習を聞きながらお茶に付き合うことになってしまったから。







To be continued...


あとがき言い訳&謝罪コーナー
クマ (プラーン、プラーン)な、なぜに? なぜに逆さづり?! っておい、そこ! なぜに祭壇なんぞ組んどる?!
サキ あら、気付いた?
え〜と、少々不味すぎると思うから、取りあえず後始末の準備を・・・・・・
クマ だからなんで遺影まで?! ってその写真を使うか?!
シェラ オ〜ッホッホッホッホッホ! 写真に撮られるのを嫌うクマ、この矛盾に富んだ写真こそあなたにふさわしいですわ!! オ〜ッホッホッホッホッホ!
イローナ むじゅん・・・・・・あいはんすること・・・・・・このしゃしんのむじゅん・・・・・・しまののふりーすとーんべすとなのに、ろっどはだいやもんどばっく・・・・・・なぜ?・・・・・・すりーえむのやまめ・だぶるてーぱーなのにりーだーやてぃぺっとはばりばす・・・・・・なのにじゃすてぃすじゃなくてぃむこのふっく・・・・・・なぜ?
クマ それは矛盾とは言わん! それにメーカーと契約しとるわけじゃないんだ、使いやすいもん使って何が悪い!
そーじゃなくて、んなチビハヤぶら下げたの使うな〜!!
シェラ オ〜ッホッホッホ! 下手なのですから、しかたありませんわ!!
それよりも謝罪なさいませ〜〜!!
クマ うう〜〜、グサッと来ることを〜〜
え〜、投稿が遅れましたのは、リアルが忙しいこととまた内臓をヤッてしまい、医者から規則正しい生活を命じられたのがメインです。 命と同じ位大事なコーヒーも止められて、仕方なく紅茶に走った次第で・・・・・・っと、今現在は、左手ギプスで固まってますです。
ラミ コーヒー止められてさんざ抵抗したんだって? 酔牛一歩手前じゃん。
クマ (隠れて飲んでるってことは、ミサトのコーヒー版? い、いや過ぎる(冷汗))あと、某友人に基本設定話したら、根本の所をダメだし喰らったのも大きかった、かな?
サキ それはさておき、マユミさんとラファーナさんの恋人、それは・・・・・・ああ〜〜、なんて爛れた二人なんでしょう。 ここは私、天塚 サキが、襲って調教してシン様のハー(ビュオッ、バシイッ!!)キュ〜〜
シェラ ハ〜、姉上、それはやめてくださいませ、これ以上の干渉は世界の崩壊を招きかねませんわ。
一体何人の天使が、人間の代わりをしていると思っておられるのですか。
クマ 知ってるけど忘却のかなただろう、そんなもん。
ナオコの紅茶と犬好きは、ほんとは裏設定だけで終わらせるつもりだったんだが、ある事情で出すことにした。
ラミ しっかし甲斐犬? おいクマ、おめ〜、紅茶もそうだけどマジで今回、趣味に走ってねえか?
この犬って確か、オメ〜が飼いたくて仕方ねえ犬だろ? 家に北海道犬が二頭もいなけりゃ買ってたらしいじゃネエか。
クマ へい。
けどこの犬、誤解がひどいんだよね〜、怖いとか(確かに顔は厳つい)根に持つとか(物覚えがいいもんで、起こられたことを憶えているだけ)毛色が汚いとか(あの虎模様がいいのに)。 結構いい犬なのに。
イローナ かいけん・・・・・・みなみあるぷすにせいそくしていたりょうけん・・・・・・いぬとしててんねんきねんぶつだいにごう・・・・・・いちごうはひんしゅかいりょうされたあきた・・・・・・かいはじゅんけつしゅだからじっしつだいいちごう
クマ いや、解説はいらんって。
イローナ せつめい・・・・・・らいふわーく・・・・・・ひていされた・・・・・・ぐすっ・・・・・・ウワ〜〜〜ン!
クマ ウゲェ!!
シェラ オ〜〜ッホッホッホッホッホ! イローナを泣かせましたわね〜〜っ!(怒)
お〜し〜お〜き〜!!
クマ ウギャ〜〜ッ! 誰か助けてくれ〜〜!!



おまけ

真・クマ ・・・・・・え〜っと、説明、足りないんじゃない?
ゼナ 足りてないですぅ。
真・クマ さすがに全部は不味いけど、取りあえず管理機構について。
正式名称『世界管理機構』
事務総長を筆頭に理事会、各種評議会からなる各世界の管理者の協議機関だね。
ゼナ 基本的に加盟世界が崩壊しかけない限り非干渉ですぅ。
ただ、この世界は管理者が消滅していた所為で準加盟扱い、ある騒動と重なった所為で一度滅んじゃいましたぁ。
真・クマ んで今は、管理機構からあの北辰が、監視官として六連と一緒に来てるって設定。
ゼナ なぜか設定暴露コーナー化してますぅ。
では皆さん、
真・クマ ゼナ 陸話のあとがき(おまけ)で会いましょう!

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