エヴァンゲリオン『福音の魔眼』

第二話

presented by 美堂翔様


「電話は駄目、人は居ない、リニアは止まる。それに非常警戒体制って何?そしておそい・・・・・・・・・・・・」

シンジは第3新東京都市の指定された駅でタバコを吹かしながら機嫌悪そうに答える。
既に約束の時間から2時間近く経過して居る。

「そろそろ勝手に動くか・・・・・・・・・・」

「やっほ〜シンジ♪」

突然マナがシンジの視界に現われる。

「マナ!?」

「ついて来ちゃった」

「何で?」

「駄目だよシンジ・・・・・・・・・殺しちゃ・・・・・・・」

マナはそう言うとシンジを抱きしめる。

「マナ・・・・・・・・・・・・・・気づいてたのか・・・・・・」

「シンジの考えてる事ぐらいわかるよ・・・・・・・・・付合い長いんだから・・・・・・・」

「・・・・・・・・・すまない・・・・・・・・!?」

シンジはこちらに向かって落ちてくる戦闘気に気がつく。

「マナ逃げるぞ!!」

シンジはマナの手を引き逃げようとするが既に間に合わない

「チッ!!」

シンジは舌打ちするとマナを庇う様に伏せる。
爆風がシンジ達を襲う直前にその間に青いルノーが割り込む。

「碇シンジ君ね?乗って・・・・・・・・・・・えっとあなたは?」

「葛城さんですか・・・・・・・・2時間の遅刻ですよ。この人は俺の友人です。」

シンジは体を起こすと呟く

「やだ、恋人って言って♪」

先ほどのマナはどこへやら・・・・・・・・

「(・・・可愛げの無いガキね・・・・・・・・・)分かったわ、取りあえずあなたも乗って」


〜ネルフ内廊下〜

「・・・・・・・・・・・ここさっきも通りましたよ。」

ミサトの後に続くシンジはうんざりした様子で答える。

マナは興味心身で辺りを見まわしている。

「・・・・・・・・・迷ったんですか?」

「違うわよ。」

「嘘でしょう?俺の『眼』は誤魔化せませんよ。迷ったなら迷ったで誰か呼んだらどうです?」

「・・・・・・・・・・・(ホントにむかつくガキね)いまそうするわ。」

ミサトはおもむろに電話を取り出すとどこかにかけ始める。

「あ、リツコ?悪いけど迎えに来てくれない?未だ馴れなくて・・・・・・・・・・・・え?その必要は無い?なんでよ?」

「もう迎えに来てるからよ・・・・・・・・・・・・遅かったわね葛城一尉。あなたが碇シンジ君ね?私はネルフE計画担当赤木リツコよ、よろしく。」

「どうも。」

「早速だけど着いて来てもれえるかしら。あなたに見てもらいたい物があるの・・・・・・・・・・・あなたは?・・・・・・・・・・・」

リツコの中でマッドの血が騒ぐ。この女の子にアレを見せたらどんな反応をするのだろうか・・・・・・・・・・・・・・・

「一緒に着いて来て。」

リツコはそう言うと歩き始める。


「ここよ」

リツコがシンジ達を真っ暗な空間に招き入れる。

「うわぁ、真っ暗。」

「今明かりをつけるわ」

マナの呟きを聞いてリツコが答える
明かりが着くと目の前に紫色の鬼がいた。

「・・・・・・・・・・・・・ロボット?違うな・・・・・・・・人間と同じ魂だ・・・・・・・・・これは?
(・・・・・・・・・この波動は・・・・・・・・母さん?)」

シンジは睨むようにそれを見つめて呟く。

「そう、あなたの言う通りこれは決戦人型汎用兵器人造人間エヴァンゲリオンの初号機よ。」

「これが親父の仕事ですか・・・・・・・・・・・・・・・」

「そうだ。」

シンジの呟きに答えるように上から声がする。

「久しぶりだなシンジ。」

「良く俺の前に出て来られたな・・・・・・・死ぬ覚悟はできたか?」

シンジはゲンドウを睨みつけると同時に強烈な殺気を放つ。

「シンジ!!」

マナの抑止の声が響くがとき既に遅しシンジは壁を使って跳躍するとゲンドウの目の前にある強化ガラスを叩き割る。

「まさか!エヴァでも割れないのに・・・・・・・・」

リツコはシンジの非科学的な力に目を疑う。

「相変わらず臆病なヤツだな・・・・・・・・・・・」

シンジは目の前で腰を抜かしているゲンドウを見下ろす。

「楽には死なせない。」

シンジはおもむろにそう呟くとナイフを取り出し空を切る
次の瞬間。ゲンドウの腕ボトリと落ちる
魔眼の能力の一つ『直死』だ・・・・・・・・・

「ガァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

「おいおい、この程度でねを上げるなよ・・・・・・・・・本番はこれから・・・・・・・・!?」

シンジは何かに気づき体をずらす

「・・・・・・・・・・・・何のつもりですか葛城さん?」

シンジは後ろでシンジに向けて銃口を向けるミサトを見る。
隣のリツコはゲンドウの腕が裂けた事に驚愕している。

「良いからあんたは早くこれに乗りなさい。」

「・・・・・・・・・・・・何故俺があなたの命令を聞かなくちゃいけない?」

「あんたがチルドレンだからよ!!チルドレンは直属の上司である私の言う事を聞いていれば良いの!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌だね・・・・・・」

ズキューン

再びミサトの持つ銃が火を吹く。

「な!?・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・俺を殺すのなら拳銃じゃ無理だよ・・・・・・・・」

シンジはそう言って手に挟まっている銃弾を落す。
シンジが持つ魔眼の一つ『見きり』だ。
シンジは銃弾を指ではさんで止めたのだ。

「クッ!!冬月!!保安部を全員ケージに寄越せ。」

『なに?』

「早くしろ!!」

手元のコンソールを操作してゲンドウが通信を開く。

「未だそんな元気が有るのかい?」

シンジはゲンドウに近づき腹を蹴る。

「がはぁ!!」

ゲンドウは物凄い勢いで飛ばされてそのままLCLのプールへと落ちる。

「クス・・・・・・・・」

シンジは笑いを浮かべてそれを見下ろす。

「動くんじゃないわよサードチルドレン!!」

ミサトの罵声が響く。
シンジが見るとマナに銃を向ける黒服達。

「早くエヴァに乗りなさい!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅ、今度は脅しですか・・・・・・・・・・・」

シンジは溜息をついてケージへと跳躍する。

「・・・・・・・・・・・・できるならやってみると良いですよ・・・・・・・・・・・・できるならね・・・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・りん・・・・・・・・・

鈴の音がした。

「どうなっても知らないわよ・・・・・・・・あんた達腕と足を撃ちなさい!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

「何やってるの?早くやりなさい!!命令よ!!」

・・・・・・・・・・・・・・・

「早くやりなさい!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ミサトは黒服達の方を向いく

「葛城一尉・・・・・・・そ、それが動けないのですが・・・・・・・・・」

「冗談言ってないで早くやりなさい!!」

「本当に動けないんですよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジはクスリと笑みを浮かべて話す。

「・・・・・・・・・・・・・風鳥院流弦術『弦呪縛』・・・・・・・・マナには指一本触れさせませんよ・・・・・・・・・・・」

「さて、葛城さん。少し五月蝿いので黙っていてください。」

シンジはそう言うとミサトの首筋に手刀を入れる。

「な・・・に・を・・・・・・・・」

ドサリと音を立ててミサトが崩れ落ちる。

「ミサト!!」

リツコがミサトの方に駆け寄る。

「気絶させただけですよ赤木さん・・・・・・・・」

「さて、待たせたな髭親父?」

シンジはずぶ濡れ片腕無しのゲンドウの方を向く。

「もう、面倒だから首ごと落してやるよ・・・・・・・・」

「駄目!!駄目だよシンジ」

ナイフを構えるシンジの腕をマナが抑える。

「・・・・・・・・マナ・・・・・・」

「駄目だよシンジ!!」

マナは目に涙を浮かべている。

「・・・・・・・・シンジ!!」

「ふぅ、分かったよマナ。少し熱く成りすぎた・・・・・・・・・・・ごめん・・・・・・・・・・・それで、髭俺をココに呼んだ理由は何だ?」

シンジは弦呪縛を解き辛うじて立っている髭の方を向く。

「・・・・・・・お前がこれに乗り使徒と戦うのだ・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・良いぜ、乗ってやるただし仕事としてだ・・・・・・・・・・契約は後で良い。後マナには手を出すな・・・・・・・・」

「ふ、問題無い・・・・・・・・赤木博士シンジを連れていけ。それと救護班を呼べ・・・・・・・・」

ゲンドウはそれだけ言うと気を失う。

「大した精神力だ・・・・・・・・少しばかり見直したよ親父殿・・・・・・・・さて、行きましょうか赤木さん?それとマナの事をお願いします」

「ええ、分かったわ。あなた彼女を発令所へそれと誰か救護班を呼んで・・・・・」

「マナ、ヘブンさんを呼んでおいて・・・・・・・それとありがとう。」

シンジはそう言うとマナの頬にキスをする。

「あ・・・・・・・・・シンジ。」

「では、こちらへ・・・・・・」

先程マナに銃を向けて居た男がマナを発令所へと連れて行く。

〜発令所〜

「良いシンジ君?さっきも説明した通りエヴァはあなたの考えたように動くわ。」

現在発令所には髭と牛が居ない。よって戦闘指揮はリツコが取る事に成る。
電柱(冬月コウゾウ)は定位置で立って居るだけだ。

『了解・・・・・・』

〜初号機エントリープラグ内〜

『エントリープラグ、注水!』

「すいませんなんか水漏れ・・・・・・・・・」

『それはLCLと言って肺に取りこめば自動で呼吸ができる様になるわ。それと衝撃を吸収するしなによりEVAとのシンクロには必要なのよ・・・・』

エントリープラグ内を液体が満たして行く。

〜発令所〜

『へぇ〜う・・・・・・・ごぼっ・・・』

シンジの辛そうな顔がスクリーンに映される。

「大丈夫よ。すぐにLCLから直接酸素が送り込まれるわ。」

『主電源接続!』

『全回路動力伝達!』

「了解!」

「第二次コンタクトに入ります。A10神経接続異常なし!」

「思考形態は日本語を基礎原則としてフィックス!」

「初期コンタクト問題なし!」

「双方向回線開きます!」

「シンクロ率63,4%!」

リツコはモニター計測器をみて驚く。

「・・・・すごいわ!シンクロ誤差0.1%以内よ!」

「ハーモニクス、全て正常位置。暴走、ありません!」

「いけるわ!」

「エヴァンゲリオン初号機!発進準備!!」

リツコの号令が響く。

『第一ロックボルト解除!』

『解除確認!アンビリカルブリッジ移動開始!』

『第二ロックボルト解除!』

『第一拘束具を除去!』

『同じく第二拘束具を除去!』

『1番から15番までの安全装置を解除!』

『内部電源充電完了!』

『外部電源用コンセント異常なし!』

「エヴァ初号機射出口へ!」

初号機が射出口へ移動していく。

『5番ゲートスタンバイ!』

『進路クリア!オールグリーン!』

「発進準備完了!」

技術部最高責任者であるリツコの最終確認が出される。

「了解!・・・・副司令。よろしいですね?」

「構わん。使徒を倒さねば我々に明日はない。」

電柱に最終確認をしたリツコは気を引き締め、命令を下した。

「初号機、発進!」

その声ともに初号機は凄まじい速さで打ち上げられる。

「グッ・・・・・・・・」

シンジをGが襲う。
数秒後目の前に第三使徒サキエルが映る

「これが使徒か・・・・・・・・さっさと終わらせるか・・・・・・・・」

シンジは魔眼を発動させる。

「あそこか!!」

シンジはコアを狙って殴る。

ガキン

「・・・・・・・・壁?」

『初号機の攻撃使徒のA・Tフィールドによって完全無効化されています。』

発令所からの声にシンジは反応する。
一旦後ろに下がる。

「赤木さん、なにか武器は?」

『方のウェポンラックにプログナイフが有るわ。』

「了解」

初号機はプログナイフを構える。

「俺の魔眼に断ち切れぬ物はない!!」

シンジはそう言うとサキエルのA・Tフィールドを切りつける。

『使徒のA・Tフィールド初号機の攻撃により消滅しました。』

『まさか?そんな事ができる筈ないわ』

「・・・・・・・終わりだ!!」

シンジはサキエルに切り掛かろうとするがサキエルの顔が一瞬光る。

・・・・・・・ヤバイ・・・・・・・

シンジの本能が危険を継げる。
初号機は即座に横に飛びのく。
次の瞬間初号機が先ほどまでいた場所に爆発が起こる。

「・・・・・・・・・・厄介だな・・・・・・・赤木さん?」

シンジは再びサキエルと距離をとる

『なにかしらシンジ君?』

「あの変な壁どうにかなりませんかね?」

『A・Tフィールドの事?それならエヴァにも張れるはずよ・・・・・・・おそらく壁をイ
メージすれば張れるはず。』

「・・・・・・・・了解・・・・・壁ね・・・・・・・・・」

シンジは意識を集中させる。

『初号機からA・Tフィールドの発生を確認使徒のそれを中和して行きます。』

「さ、これで行けるはず!!」

初号機は一気にサキエルとの距離を詰める。

「終わりだ!!」

プログナイフがサキエルのコアに突き刺さる。
サキエルはそれと同時に初号機にまとわりつく。

「自爆するきか?」

シンジの呟きの後、初号機はサキエルの自爆に巻き込まれた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・知らない天井か・・・・・・・・」

シンジは天井を見上げて呟いた。






To be continued...


(ながちゃん@管理人のコメント)

美堂翔様より「エヴァンゲリオン『福音の魔眼』」の第二話を頂きました。
やっぱりマナ、シンジについて来ましたね(笑)。
これでLMSで確定かな?
それにつけても、マナよ!
何故シンジを止めたのだっ!?
あのまま鬚の首をチョン切って欲しかったのにぃ〜〜〜!!
それに、腕一本だけじゃなく、ナイフで17分割して欲しかった〜〜〜!!
コホン、・・・失礼しました(汗)。
あ、そういえば、今回、レイが出て来なかったですね?
もしかして・・・LMSだから、用済み?(笑)
さあ、次作を心待ちにしましょう♪
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