エヴァンゲリオン『福音の魔眼』

第六話

presented by 美堂翔様


「・・・・・・・・・・・・・そうか。」

冬月は受話器を置く

「碇、サードチルドレンと霧島マナが第3新東京を出たそうだ・・・・・」

「・・・・・・・・そうか、始めろ・・・・・・・」

「本当にやるのか?・・・・・」

「ああ、シンジには自分の立場というものを教える・・・・・・・・・」

「そうか、部隊はどうする?」

「保安部50名諜報部20名だ・・・・・・・・指揮は葛城一尉に取らせる・・・・・・・・・・」

「分かった私は葛城君に伝えてこよう・・・・・・・・・・・・」

冬月はそう言って司令室を出て行く。
ゲンドウは徐に電話をかけ始める

「・・・・・・・・・・・・私だ・・・・・・・やつに連絡をいれろ・・・・・・・・・・・・内容は・・・・・・・・・・・・・・・・・だ。」

そう言って受話器を置く

「・・・・・・・・・ククククク・・・・・私に逆らうとどうなるか教えてやるぞシンジ・・・・・・・」

ゲンドウは不適な笑みを浮かべた。

〜その頃シンジは〜

愛車VFRで第2新東京スカイラインを爆走していた。

「ねぇ、シンジ・・・・・・・・・・・」

後ろで捕まっているマナが尋ねる

「ああ、さっきから着けられてる・・・・・・・・・・・黒のセダンだのBMWだのかなりの数がな・・・・・・・・・しかも乗用者の数が減ってきている・・・・・・・それと葛城さんの車も有る・・・・・・馬鹿だな・・・・・・・・こういう時は自分の車は使わないんだよ普通」

シンジは頷きながら答える。

「NERVだよね?」

「多分ね・・・・・・・・・」

「どうするの?」

「そこのパーキングエリアでお帰り願おうか・・・・・・・・・・・・」

シンジはそう言ってハンドルを切る・・・・・・・


〜パーキングエリア〜

「・・・・・・・・・・・・・・・連中は最初からここでしかける気だったのか・・・・・・・・・・・見事に嵌められたな・・・・・・・・・」

シンジは面倒臭そうにタバコに火を着ける。

「・・・・・・・・・・・・・殺しちゃ駄目だからね・・・・・・・・・・」

マナはそう言いながら懐からコルトバイソンを取り出す・・・・・・・14歳の少女が使う銃ではない・・・・・・・・

「・・・・・・・・・そっちも加減しろよ・・・・・・・・・」

「分かってるわよ」

二人は他愛も無い会話をしているが周りには既に黒服が一杯・・・・・・・そしてNERVの赤いジャケットを羽織った自称有能な作戦部長。

「これは一体何ですか?・・・・・・葛城さん・・・・・・・」

「碇司令からの命令よサードチルドレンあなたには第3新東京に戻ってもらうわ・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・2、3日で戻りますので御心配なさらずに・・・・・・」

台本を棒読みした様に言い放つ。

「・・・・・・・・・あんたには拒否権は無いわ・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・嫌です。俺の階級はあなたよりも高いつまりあなたに俺を命令する権利は無い・・・・・・・」

「何ふざけたこと言ってんのよ!!あんたはチルドレン何だから私の命令を聞いていれば良いのよ!!」

・・・・・・・・馬鹿だなこいつは・・・・ああ、もう面倒だ・・・・

「どうしてもと言うならお得意の力ずくでどうですか?」

シンジは挑戦的な笑みを浮かべる。

「ふん、はなからそのつもりよ」

ミサトはそう言って銃を取り出す。

「あんた達撃ちなさい!!」

「しかし葛城一尉相手はチルドレン・・・・・」

「五月蝿いわね!!息さえしていれば良いのよ・・・司令の許可は貰っているわ・・・・・・・・だから撃ちなさい。」

とこんな事を言っているが実際ゲンドウは許可していない。
ミサトの号令の後に黒服達から弾丸の雨+αがシンジ達に襲いかかる。
+αの中には手榴弾も入っていたらしく爆煙でシンジ達の姿が消される
しかし爆煙が晴れるとそこには無傷のシンジにマナ・・・・・・・・そして絃の盾・・・・・・・

「な、無傷!?」

ミサトは一歩あとずさる。

「風鳥院流弦術「守の巻」第拾五番の参・・・・・・・繭玉の楯」

シンジは静かに呟く。

「さ、今度はこっちの番よ・・・・・・」

マナの持つコルトバイソンが次々に火を吹く。
黒服達の利き腕を確実に打ち抜いて行く

「風鳥院流弦術攻の巻第弐拾七番の弐『降雨の槍』・・・・・・・・・・・・『時雨』――!!」

シンジの操る絃が次々と黒服達にダメージを与えて行く
それは致命傷にはなら無いものの相手の行動と戦意を奪うには十分である。

あっという間に立っているのはナイフを持つ黒服2人と葛城ミサトだけになる。

「あ、あんた達行きなさい!!」

ミサトの合図で一人はシンジに一人はマナに向かって走り出す。

「最後だし大技使おうかな?・・・・・・朔羅さん直伝!!・・・・・・小姫筧流布衣術――『孔雀』!!」

マナが何処から取り出したのか長い布を扱い黒服をそれで包み込み自由を奪う。

「・・・・・・・・・・・・・・まだ来るのか・・・・・・・・・・・・」

シンジは呟くと構える。

男がナイフを突き出すとそれを左手ではらいのける。

「村雨流掌術――流撃破!!」

シンジは左掌が男の腹に撃ちこまれる。

「が・・・・・・・!!」

男は声にならない叫びをあげて10m近く吹き飛ばされる。

「・・・・・・・・・・・・もうあなただけです・・・・・・大人しく引いてもらいませんか?」

「ま、まだよ。」

ミサトはそう言ってシンジに銃を向ける。

「やれやれ痛い目を見ないと分からないらしい・・・・・・・」

シンジはミサトとの距離を縮め再び流撃破を放とうとする。

「終わり!?・・・・・・・・・」

シンジは旧に止まりサイドスッテプで飛来する物を避ける。

「メス・・・・・・?」

シンジの目は車に突き刺さるメスに行く・・・・・・・そして一人の人物に思い当たる。

「まさか!?」

「おやおやまたお会いしましたね・・・・・・・・・・・・・・・・」

黒尽くめの男がシンジに向かって歩いてくる。

「つくづくあなたとも縁がありますねぇ・・・・・・・・仕事屋に情報屋の御二方?」

「・・・・・・・・・・・・Drジャッカル!!」「赤屍・・・!!・・・・・・さん?」

「サードチルドレンをNERVまで運ぶと言う事なので退屈な仕事かと思っていましたが引き受けて正解でした・・・・・・シンジ君・・・・・・私を楽しませてくださいよ?」

ジャッカルはクスリと笑って話す。

「・・・・・・・・・引いてくださいと言っても無駄ですよね?」

シンジはメガネを外しながら尋ねる

「ええ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・なら、力ずくでもお引取り願おうか・・・・・・・ジャッカル!!」

シンジの叫びが合図で二人が動き始める。マナは気絶しているミサトを引きずって非戦闘区域まで避難している。

「『ブラッディハリケーン(赤い暴風)』」

ジャッカルの手から無数のメスが放たれ一斉にシンジに襲いかかり辺りに砂煙が起こる

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・見え見えなんだよ!!」

シンジは砂煙の中から姿を表す。

「吹き飛べ・・・・・・・・」

シンジはジャッカルの右胸に向かって容赦無しに流撃派を叩きこむ。ジャッカルはそれを後ろに飛ぶ事で威力を殺そうとするが完全には殺せず流撃派の威力で吹き飛ぶ。


「うおおおおおおおおおお!!」

シンジは更なる追い討ちを駆けるがジャッカルはメスを飛ばしシンジの勢いを殺す。


シンジの掌とジャッカルが持つメスとがぶつかり両者とも吹き飛ばされる。

「クス、さすがはあの美堂君が目を着けるだけの事はある・・・・・・面白い・・・・・実に・・・・・・・ね?」

「・・・・・・・・・・・もう一度聞く・・・・・・・・引く気は無いのか?」

「私がこんなに楽しい事を止めると思いますか?」

「良いや思わねぇ・・よ」

2人は再びぶつかり合う。

その頃マナは・・・・・・・・

「あっちゃ〜シンジも赤屍さんも本気モード入っちゃった・・・・・・・・・・・」

車の影で二人の戦闘を見て居た。
ミサトはと言うとロープでグルグル巻にしてその辺の車のトランクに詰めこんできた。

「どうやって止めよう・・・・・・・・・・・・・」

マナは困った様に呟いた

シンジとジャッカルは平行に移動しながら攻撃しあっている。

「ちっ!」

シンジは突如切り返しジャッカルに攻撃をしかける。

「ククク・・・・・・・・・・・」

その攻撃をジャッカルは右腕で止める。腕がミシミシと音を立てている。

「なるほど・・・・・・右かと思えば左、下かと思えば上・・・・・・・・相手の予想を覆す動き・・・・・・美堂君ほどでも無いものの君のバトルセンスは目を見張るものがある・・・・・・・そしてすべてを見切り、一度見た技を真似、相手の弱点を確実につくその『魔眼』・・・・・・その反応速度についてくる君の身体能力・・・・・・・美堂君と互角以上に渡り合えるのも頷ける・・・・・・そして生命体として私に一歩の退けも取らず・・・・・・・・・技術、体力においても私とほぼ互角・・・・・・・・・・・」

ジャッカルはそれだけ言うと踵を返す。

「・・・・・・・・・?」

「今日は楽しませていただきましたよシンジ君・・・・・・・私の期待以上の動きをしたあなたとココで決着をつけるのは惜しい・・・・・・・また楽しませてくださいね?・・・・・・・・では、またの機会に・・・・・・・・」

ジャッカルはシンジから遠ざかりやがてその姿が見えなくなる。

「シンジ〜」

ジャッカルが見えなくなった為気を抜いたシンジに気がつきマナが近づいて来る。

「・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・・」

「大丈夫だった?」

「ああ、特に致命傷は無いけどほら・・・・・」

シンジはそう言って背中を見せる。
そこには紙一重で避けたのか服にそして背中に薄く「J」の文字があった。

「うわぁ・・・・・・・・」

「ジャッカルのやつマジで俺の事細切れにするつもりで来てやがった・・・・・・・・皮一枚でかわすのがやっと・・・・・・・・蛮さんは服一枚だって言ってたけど・・・・・・・」

「こりゃマジであいつと闘うときはどっちかが死ぬわ・・・・・・・・洒落になんねぇよな?・・・・・・」

シンジがクスリと笑う・・・・・・それはマナや花月しか知らない無限常戦国時代のシンジの顔だった。

・・・・・・・ゾク・・・・・・

マナは背中に悪寒を感じた

「さ、行こうかマナ?」

シンジがメガネを掛けてマナに近づこうとした瞬間シンジの右腕に激痛が走る。

・・・・・・ズキューン・・・・・・

「クッ!!」

シンジは右腕を抑える。

「葛城さん!!」

マナはすばやく銃を取りだすがミサトに照準を合わせる瞬間。マナのコンバットマグナムが弾かれる。

「動くんじゃ無いわよ」

ミサトはマナのロープグルグル巻を外して居たのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・マナちゃんよくも人類の敵である使徒を唯一倒せる私にあんな事をしてくれたわね?」

そう言ってマナに照準を定めると銃口が2度火を吹く。

「キャ!!」

マナは短い悲鳴をあげる。
彼女の顔には薄く血がにじみ出ている。
そして右腕からは血が出ている
ミサトはそれを見てニヤリと笑う。
しかしそれが彼女の失敗であった。

・・・・・・プツン・・・・・・・

シンジの中で何かが切れる。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジは無言で立ちあがる。

ミサトはすかさず銃を撃つがシンジはそれを避けた・・・・・・『眼』で見ていないのに・・・・・・・・・

「殺す・・・・・・」

「シンジ!!」

マナの声はシンジには届かない
シンジはそれだけ呟くと先程のジャッカルとの闘い以上の速度でミサトに近づく。
ミサトは銃を乱射するが全てかわされる。

「ヒッ!」

弾が切れた銃を持ったミサトの表情が恐怖に染まる。
ミサトの正面まで迫っていたシンジの姿が突然消える。

「え?」

不思議そうに辺りを見まわすミサトだが次の瞬間ミサトの横から衝撃が襲いミサトは30m以上吹き飛ばされる。
叫ぶ暇も無くミサトは吹き飛ぶ。

「村雨流掌術秘奥義・・・・・錬空玉砕掌・・・・・」

以前一度だけ見た事がある技をシンジは実行していた。
格闘術の奥義であるなら例え秘奥義であってもシンジの『眼』はそれを再現する。
おそらくミサトの肋骨は全て折れているかヒビが入り、内臓にも多大なダメージを受けているだろう。
シンジは一瞬マナの方を振り返ると次の瞬間その場に崩れ落ちた。

「シンジ―――――!!」

マナの叫びが青い空に響いた


数時間後

「・・・・・・・・見なれた天井だ・・・・・・・・」

シンジは「Honkytonk」のかつて自分が住んでいた部屋で目を覚ましていた。






To be continued...


(あとがき)

今回は発の戦闘シーン、非常に難しいです。
そして牛への2発目の秘害は内臓損傷、アバラと肋骨の骨折10箇所っそして右腕複雑骨折と言った感じです。
髭にもお仕置きしてやろう・・・・・・・・・今度は左足・・・・・・・



(ながちゃん@管理人のコメント)

美堂翔様より「エヴァンゲリオン『福音の魔眼』」の第六話を頂きました。
やっぱり鬚は敵ですね。使徒なんかより、先ずコイツを殲滅しましょう♪
しかし、普通死ぬだろ、作戦部長!!
・・・ま、痛い目に遭ったから良しとしますか。
でも、あとプラスαで、右腕断裂とかにして欲しかった。それくらいじゃないと、この女は絶対懲りない!
あと、アルコールを分解できないように、肝臓も破裂させておいて下さい♪(え?もうやってる?)
さて、次は鬚にお礼参りですね♪
殺さなきゃ・・・良いんですよね?
たとえ両手両足がなくなっても、たとえ一生寝たきりになっても、たとえ植物状態になっても、・・・死ななきゃOKなんですよね?(ニヤリ)
思う存分、やって下さい。
次作を心待ちにしましょう♪
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