エヴァンゲリオン『福音の魔眼』

第八話

presented by 美堂翔様


「・・・・・えっとシンジ君?」

赤木家の玄関・・・・・・・・リツコの目の前には十人近い人数・・・・・・・・・・・

「なんですかリツコさん?」

「後ろの人達は?」

「こないだ話していた俺の仕事仲間です。」

平然と答えるシンジ。
彼の後ろには十兵衛、雨流、蛮、銀次、士度、卑弥呼、マナ、レナ、夏実、波児が並んで居る。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リツコは沈黙した。

「・・・・・・・えっと花月さん俺はこれからネルフに言ってきますんで後お願いします。
詳しくは帰ってから・・・・・みんなは明日NERVに連れて行くよ・・・・」

「ちょ、シンジ・・・・・・」

マナの静止も聞かずにシンジはVFRに跨りエンジンを駆けた。
瞬く間にシンジが遠ざかっていく。

「・・・・・・・・まぁ、兎に角一度リビングに集合しましょうお互いの自己紹介もまだですし・・・・・・・・」

花月が一同をリビングへと誘導して行った。


〜NERV本部〜

バキッ!!

司令室の扉が突然蹴破られる。

「何の用だシンジ・・・・・・・・・・・」

つかつかと入ってくるシンジに平然とした態度でゲンドウが話しかける。

「・・・・・・・・・・・昨日の保安部・・・・・・貴様の指示か?」

シンジは冷静に尋ねる。

「そうだ・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・俺は契約する時に貴様に言った筈だ・・・・・・・・マナに手を出すなと・・・・・・・・」

シンジ君冷静に切れてるようです・・・・・・・・

「・・・・・・・・何の事だ?」

ゲンドウは身に覚えの無い事にサングラスを押し上げながら答える。

「・・・とぼけるつもりか・・・・・・・・マナが牛作戦部長に撃たれた・・・・・・・・その直前に貴様からの許可はあると叫んでいたが?」

「な!?・・・・・・・ちょ、ちょっと待て・・・・・・・・冬月私だすぐに葛城一尉を連れて司令室に来い・・・・・・・」

予想外の出来事にゲンドウは冬月に連絡を入れる。
しばらくして冬月と包帯をまいた牛が来る。

・・・・・・・・・・・妙だなこの慌て振り・・・・・・・・それに発砲の許可はこいつが出した訳では無いのか・・・・・・・・・・・・

ゲンドウの慌て振りとゲンドウの心を見てゲンドウが許可を出して居ない事を見ぬいたシンジは静観を決めこむ。


「葛城一尉・・・・・・・・」

ゲンドウは不機嫌に話し始める。
この牛のおかげで自分が殺されかけているのだから・・・・・・・・

「はい!」

錬空玉砕掌を受けて瀕死の重傷を負っているこの女が何故こんなに元気なのかがシンジには気になった。

・・・・・・・・・・・・・・・まさか使徒?・・・・・・・・・・・・いや、違うか・・・・・・・・・・・・・

念の為魔眼で調べてみるが無駄に終わる。

「君はサードチルドレンと霧島二尉に対して発砲を行なったそうだが事実かね?」

ゲンドウはミサトがNOと答えてくれる事を祈った。

「はい、霧島二尉とサードチルドレンがこちらの指示に従わなかったため武力行使も止む無しとして発砲しました・・・・・・・」

「なに!?」

冬月が驚く・・・・・・・・・

「・・・・・・・・許可は出ていたのかね?」

冬月が震える声で尋ねる。

「副司令が御自分でそう仰ったじゃないですか」

「ちょ、ちょっと待て葛城君私はそのような許可を出した覚えは無いぞ・・・・・・・・・」

「いえ、私は確かにそう聞きました。」

面白いぞ牛既に記憶能力にも限界・・・いや退化が始まったか?

「・・・・・・・・という事は副司令に原因がある訳ですね?・・・・・・・・俺は言いましたよね?マナに手を出せば殺すと・・・・・・・・・・・・(ちょっと遊ぼうかな?どんな行動にでるのかな冬月先生?)」

魔眼発動状態のシンジはマリーアから受取った妖刀『夜月』を引きぬく漆黒の刃が光る。

「・・・・・・・・ま、待つのだシンジ君・・・・・・・・」

冬月は老朽化が激しい脳をフル活用して己が助かる道を探す・・・・・・

・・・・・・・・・私はこの歳でサイボーグなどは嫌だぞ・・・・・・その前に私は本当に許可など出した覚えは無いぞ・・・・・どうすれば助かる・・・・・・考えろ考えるのだ!!・・・・・・・・・!?

冬月がはじき出した答え・・・・・・・・・それは・・・・・・

「わ、私は碇に言われた通りそれを伝えただけなのだ・・・・・・・・」

「な!?冬月!!」

・・・・・・・・・・・・・ッふ、悪いな碇私はこの歳で死にたくは無いのだよ・・・・・・・・・

冬月の発言にゲンドウが立ち上がる。

「やっぱりお前が犯人か髭?」

・・・・・・・・・・・・・・・牛にはもう天罰を加えてやったし・・・・・・・・・冬月先生はマジで無実だからなぁ〜・・・・・・・・・・・お!そうだ・・・・・・・・

各々が考えて居る事が魔眼発動中のシンジには手にとるように分かる・・・・・・彼は今本気で遊んで居るのだ。

「・・・・・・・・・ち、違うぞシンジ私では無い・・・・・・・」

「はぁ・・・・・・・・・・・・・・仕方が無いね・・・・・・・」

シンジは技とらしく溜息をつく。

「それならこれでどうだい?全員の連帯責任だ・・・・・・・司令から副司令、副司令から作戦部長への情報伝達のミスでこんな事が起きた訳だ・・・・・・・・」

「ちょっと待ちなさいよ何で私が責任を取らなくちゃいけないのよ!!」

牛がシンジに向かって鳴く(爆)

「・・・・・・・・・・・・・葛城さん・・・・・・俺とネルフの契約内容を知っていますか?」

「は?契約何の事よ?」

やはり無能だ。

「良いですか・・・・・・俺は仕事屋です依頼があればNERVからでも仕事は引きうけます・・・・・・・その契約条件に『霧島マナへ危害を加えた場合殺す』という者があったはずですが・・・・・・・違いますか副司令?」

シンジは冬月の方へと向き直る。

「ああ、そうだ・・・・・・・・・」

「という訳です、本来なら全員殺したいところですがそうなるとNERVは機能しなくなるし、今回の事はちょっとした手違いでしょう?」

「何でよ?何でそうなるのよ!!」

「・・・・・・・・・五月蝿いですよ・・・・・・少し黙れ無能牛!!」

シンジの殺気の篭った視線を受けてミサトは恐怖で跪く・・・・・・

「あ・・・・・・あ・・・・・・・・」

体中が震えて居る

「・・・・・・・続けます・・・・・・そこで三人で連帯責任です。そこの牛はこないだ俺が半殺した・・・・(というか殺すつもりで攻撃したんだが)・・・・・・・ので無しで・・・・・・・副司令は・・そうですね・・・・・・・・その歳でサイボーグはさすがにかわいそうですし俺には老人をいじめるきは無いので・・・・・・・・罰金200万とこれ・・・・・・・」

そう言って何やら資料を取り出す。

「これはなにかねシンジ君?」

「・・・・・・・・・・契約の条件で俺の知り合いをNERVに就職させるってのがあったでしょう?それの資料です。書いてある通りに手配して下さい。」

「分かった今日中に金は君の口座に振り込もう・・・・・・・・ここに書いてある人達のも同様だ」

「んで最後に髭・・・・・・・・・」

ゲンドウの方を向き直るシンジ

・・・・・・・・リン・・・・・・・・

鈴の音がしたと思ったと同時にゲンドウの体に絃が巻きつく。

「・・・・・・・・・お前はこの組織のトップ、情報伝達のミスは貴様が責任を取るべき問題だ・・・・・・そこで・・・・・・・・お前の場合は左足で許してやろう・・・・・・・・・・・」

ニヤリと笑みを浮かべるシンジ。

「何!?」

またもあの激痛に落されるかと思うと震えが止まらない。

「・・・・・・・副司令も・・・・・・葛城さんも覚えておくと良いですよマナに手を出せばこんなやさしい殺しかたはしませんから・・・・・・・・・・」

シンジはそう言うとゲンドウの左足首に狙いを定めて夜月を一閃する。
一瞬の間の後ぽとりとゲンドウの左足が足首の部分から落ちる。

「ぎゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!」

ゲンドウの叫び声・・・・・・・

「まだだ・・・・・・・・」

もう一振り・・・・・・・ボトリ・・・・・・・・今度は脛から下が・・・・・・

「ンギャ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

「もう1丁・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

「今度はこれだけ・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

「あらよっと・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

「これでお終い・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」

ゲンドウの左足は太股の部分から下が無く・・・・・・・床にはかつてゲンドウの足の一部であった物が六分割されて居る。
並の拷問より恐ろしい光景に冬月は口を抑え、牛は泡を吹いて気絶していた。
ゲンドウは痛みが酷すぎる為気絶などさせてもらえる訳がなく激しい激痛にうめいている。

「・・・・・・・副司令、救護班を呼んだほうが良いですよ・・・・・・早くしないとショック死しますから・・・・・・・・それと伝言です・・・・・・・・今度マナに手を出せば殺す・・・・・・・」

シンジは夜月に着いた血を吹き取ると司令室を後にした


〜赤木家〜

リビングでは何故かパーティーが開かれていた。

銀次、蛮、夏実は鮨を食べ・・・・・・・・・雨流と花月と士度は十兵衛のさむ〜いギャグに凍りつき・・・・・・・・卑弥呼とマナは包丁片手に自殺使用としているレナを抑え、波児とリツコはコーヒーについて話している内に意気投合して良い感じ・・・・・・・・・・・・これはシンジが帰って来るまで続けられ・・・・・・・シンジはこのメンバーで本当に大丈夫か心配になった。

「・・・・・・・・・・・・人選間違ったかなぁ・・・・・・・・」

彼の呟きを聞いた者は居ない。
数時間後・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・とりあえず今後の事に突いて説明する・・・・・・・」

なんとか落ちつき全員がソファーやイス、床に座っている。

「まず、俺とマナ、レナは学校に行く事になる護衛には蛮さんと銀次に教師として第一中学に赴任して貰う・・・・・・・」

「な!?・・・・・・・・・・・・ちょっと待て俺はともかく銀次は小学校すらまともに・・・・・」

「ああ、心配無いです、馬鹿でも出来る体育教師だから。因みに蛮さんは英語の先生ね・・・・・・・・」

シンジの説明を聞いて納得する蛮、銀次は床で垂れて泣いている。

「んで、卑弥呼さんとナツミさんは第一中の隣にある第一高校・・・・・・・念の為花月さんにはそっちの方に行ってもらいます。」

「OKシンジ君♪」

「わかりました。」

「・・・・・・・・・・・分かったわよ・・・・・・・」

ナツミ、花月、卑弥呼の順で答える。卑弥呼はまだ納得いかないらしい。

「んで、NERVでの配置だけど蛮さんと銀次、マナは技術部・・・・・・・雨流は作戦部、花月さんは作戦部から外れて諜報部と特殊監査部を兼任、士度と卑弥呼さんは保安部・・・・・・・・・十兵衛は諜報部・・・・・・それから士度と卑弥呼さんの護衛対象はマスター、ナツミさん、マドカさんの四人、銀次にはマナとレナの護衛、蛮さんはリツコさんをお願いするよ・・・・それとマスターはココで喫茶店経営・・・・なにか質問は?」

シンジは全員を見る。

「シンジ、住む家は?」

銀次が垂れながら質問する。

「ん〜士度はマドカさんが用意したところで一緒に住むって聞いてるけど・・・・・・・・さすがにこれだけの人数は・・・・・・・・この家じゃ無理だよね・・・・・・・」

シンジは考えこむ。

「シンジ君隣のマンションを使えばどうかしら?確かあそこもNERVの所有物のはずよ・・・・・・・工事でこの家と繋げる事も出来るわ・・・・・・・カギは確かあるし家具も揃ってるからすぐに住めるわ」

「あ、それ良いですね・・・・・・・それじゃ、雨流と十兵衛、ナツミさんに卑弥呼さん・・・・・・それとマスターはそちらに移ってもらえますか?ナツミさんと卑弥呼さんは同じ部屋で・・・・・」

誰からも異論は上がらない。

「ん〜意見が無いみたいなんで各自解散・・・・・・・全員明日から学校、仕事があるんで覚えておいてね・・・・・・・制服は後から届くと思うさっき髭たちに指示して来たから・・・・・・」

シンジはそう言うとそそくさと部屋を出て行く。

「それじゃあ、レナ荷物運ぼう!!カヅチャンも手伝って・・・・・・・」

マナとレナ、花月が後に続き。

「・・・・・・・・マドカの所に帰る・・・・・・・・」

マドカゾッコンLOVEの士度もそそくさと帰る。

「・・・・・・・卑弥呼さん荷物部屋に運びましょう」

「え、ええ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ナツミちゃん手伝うよ〜」

ナツミ、卑弥呼、銀次が出て行く。

「・・・・・・・・・・・おい、銀次先に俺達の荷物入れるぞ!!」

蛮がその後を追う。

「・・・・・・雨流俺達も行こう・・・・・・」

「ああ・・・・・・・・・・・」

波児とリツコを残して皆が出ていった。

「波児さん、もう少しコーヒーについて・・・・・・・・・・・・」

「お、おう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

何やら良い感じの二人が残った。




予告・・・・・・・・いよいよ始まる波乱の学生生活・・・・・・・・卑弥呼の制服姿に爆笑する蛮・・・・・・・・先生と言う職業に何やら希望を抱く銀次・・・・・・何やらイヤ〜ンな感じのリツコと波児・・・・・・・そしてシンジ、マナ、レナの転校初日は!?・・・・・・・・次週『福音の魔眼』第9話・・・・・・膏ご期待!!






To be continued...


(あとがき)

・・・・・・・・・なんかスペースが余ったんで次回予告書いてみました・・・・・・・・GBのキャラとの絡みが以外と難しい事が発覚・・・・・・・・・上手く書けるかな?



(ながちゃん@管理人のコメント)

美堂翔様より「エヴァンゲリオン『福音の魔眼』」の第八話を頂きました。
何故に牛は五体満足なのですか〜〜!?(爆)
何者でしょうかね、この不死身女は?ホントに人類なのですか?・・・当然、理由は考えていますよね?(ニヤリ)
それに痛い目に遭わせても五体無事なんじゃ、仕返し(マナの仇討ち)をしたことになるのかな〜?
何か釈然としませんな〜。
しかし鬚は災難というか何というか・・・ハッキリ言って牛の尻拭いじゃないですか!(鬚が痛い目に遭うのは確かに爽快なのですが・・・何かこう心が晴れませんよね)
う〜ん、でも何かもうネルフには敵がいなさそうだし、このまま学園モノへと変貌するのでしょうかね?(笑)
次作を心待ちにしましょう♪
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