エヴァンゲリオン『福音の魔眼』

第九話

presented by 美堂翔様


「マナ・・・・・ちょっと気分が悪いから保健室に行って来る。」

休み時間シンジはマナにそう言うと席を立つ。

「大丈夫?私もついて行こうか?」

マナが心配そうに答える。

「大丈夫だ・・・・・・・・まだ魔眼を完全に制御できてないから疲れてるんだと思うから
・・・・・・・・・・」

「分かった先生には言っとく。」

「ん、頼む。」

シンジはそう言うと教室を出て保健室に向かう。

「先生ちょっと体調が悪いんで休ませて下さい・・・・・・・・」

シンジはそう言って保健室へ入る。

「おや、それはいけませんねシンジ君・・・・・・・・・非常にね・・・・・・・・」

白衣を着ている保健室の先生はイスを回しながらシンジの方へと向く。
その一瞬がシンジには非常に長く感じられた。

「(・・・・・・・・・・・な、なんかやばいぞ・・俺の血が何か非常に危険だと言っている
・・・・・・・・それに前にもこんな事が・・・・・・まさかデジャビュ!?)」

シンジの不安は保険の先生の顔を見た瞬間に確信ヘと変わった。

「な・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シンジは開いた口が塞がらない。

「おやおやどうしましたかシンジ君?」

先生は何故か右手にメスを持っていた。

「な、何であんたがココに居るんだぁ!!」

シンジはココにいる筈の無い男に驚愕する。

「おや、おや・・・・・・・・・・相当疲れているようですね・・・・・・・・・・・どれ、ちょっと見て
あげましょうか?・・・・・・・・・私はちゃんと医師免許も持っていますから。」

「いや、大丈夫だ治っただからもう問題無い・・・・・・・・だから俺はこれで・・・・・・・・・」

シンジは先生から逃げ様とするがその瞬間飛んで来たメスで動きを封じられる。

「かなり汗をかいているようですね・・・・・・・・風邪でしょうか?・・・・・・クス」

何故かメスを持って近づく先生。

「やめろ・・・・・・・頼むからやめてくれ・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・クス・・・・・・・私を楽しませて下さい・・・・・・・・・ね?」

先生とシンジの距離が近づく・・・・・・・

「やめろぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

ガバッ

シンジはベッドから跳ね起きた。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・夢か・・・・・・・・・」

肩で息をしながら息を付くシンジ。

「・・・・・・・・・・・ジャッカルが保健の先生な夢なんてなんつ〜リアル・・・・・・・・・」

「まだこんな時間か・・・・・・・・・・」

枕もとにある時計を見ると時刻は午前3時・・・・・・・・・

再びシンジが眠ろうとすると突然携帯がなる。

「・・・・・・・・・ヘブンさん?」

電話相手はヘブン。

「もしもし?シンジですけど?」

『あ、シンジ君寝てるところごめんなさいね、急なんだけど今から仕事をおねがいで
きるかしら?クライアントの指名なのよ。』

「俺、しばらく休業するって言いましたよね?」

『強くシンジ君を希望するから断れなくて・・・・・・・・・・』

「はぁ、で。クライアントは誰?」

『碇 センジ、シンジ君のおじい様よ。』

碇センジ・・・・・・・・アジア、アメリカを中心に活動する世界でもTOPクラスの大企業
『碇財閥』の総帥。そしてシンジの祖父。

「あの、くそ爺・・・・俺が今忙しいの分かってるくせに・・・・・で、依頼内容は?」

『国連事務総長との会談の護衛ですって、ネルフの上の組織・・・・ゼーレに狙われてい
るそうよ。』

「また、ネルフがらみか・・・・・・・・・全く面倒くさいからあの組織ごとぶっ潰すかな
・・・・」

早くも面倒臭くなってきたシンジ君。

『で、受ける?この仕事?』

「受けるよ、場所は?」

『今すぐに第二新東京市の碇財閥の支社に来て欲しいそうよ。』

「今すぐ!?ちょっと待て、俺のVFR今修理に出してて・・・・・・・」

『その事なら心配無いわよそろそろそちらに運び屋が付くはずだから。準備して外で
待ってて。』

そう言ってヘブンは電話を切る

「運び屋?馬車のおっさんかな・・・・・・・・まぁ、ジャッカルじゃないよな・・・・・・・・」

先程の悪夢を思い出すシンジ。
制服に着替えるとタバコを持ちメモをテーブルの上において部屋を出る。
数分後見慣れないスポーツカーがシンジの目の前に止まる

「お待ちどうさま、乗って・・・・・・・・・」

窓から顔を出したのはヘブン

「どうしたんすかこの車?カウンタックですよね?しかもガソリン車」

今ではほとんどの人が使用していないガソリン車に驚くシンジ。

「碇老からコレで迎えに行ってくれって言われてね。」

「でもヘブンさん車の運転下手でしたよね・・・・・・・・・・」

かつて一度だけヘブンの車に乗ったシンジは死ぬ思いをしていた。

「・・・・・・・・・俺が変わります・・・・・・・・まだ死にたくないんで。」

身の危険を感じたシンジ

「え!?でもシンジ君免許・・・・・・・・」

「蛮さんのてんとう虫使ったことありますから大丈夫です。」

「え〜でも私が運転・・・・・・・」

「変わってくれないなら今の仕事の仲介両無しにします。」

ジョーカーを切るシンジ

「・・・・・・・・・分かったわよ・・・・・・・・・」

ヘブンは渋々運転席から助手席に移る。

「それじゃあ行きましょうか、俺今日から学校なんですよ。」

シンジは煙草を咥えるとハンドルを握りアクセル全開で車を走らせる。
数時間後にマナの怒りの雄叫びが赤木家に響いたのは言うまでもない

〜翌朝6時〜

「で、このくそ忙しい俺に何の用?」

客間のような部屋でソファーに座り目の前に居る老人を睨みつけるシンジ

「うむ、仕事じゃ。」

「いやだ。」

答えるまで0.001秒

「おじいちゃんのお願いじゃ。」

「早く逝けこのくそ爺・・・・・・・・・」

先程同様速答するシンジ

「しんちゃ〜ん」

「・・・・・・・・い・や・だ」

先程から馬鹿な会話をしている老人・・・・・・・碇財閥の総帥 碇セイジ・・・・・・・シンジの
祖父だ。
ハンカチを噛み涙を浮かべるセイジ・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・ゼーレの情報を教えてやるぞい。」

「・・・・・・・・・」(ピク)

シンジの身体が反応する。
それを見てセイジはニヤリと笑みを浮かべた

「・・・・・・・・・・ついでに貴様の父との縁も切ってやるぞ・・・・」

「・・・・・・・・・」(ピクピク)

先程よりも大きく反応するシンジの身体

「・・・・・・・・マナちゃんのスリーサイズも教えてあげるぞい。」

「・・・・・・・・・」(ピクピクピク)

耳がダンボになっている

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ってなんであんたがマナのスリーサイズ知ってやがる!?」

気づくの遅いって・・・・・・・・

「うむ、可愛い孫の嫁じゃからのぉ・・・」

「ちょっと待てぇ、なんで俺とマナの結婚が決まってんだぁ!!」

「もう、婚約届はシンジの判一つでOKじゃ。保証人はわしに任せろ」

ビシッと親指を立てるセイジ

「その前に俺はまだ14だ!!」

「なぁ〜に国会議員の半数は既に買収してある。」

「違法だ違法!!」

「というかもう到着じゃ・・・・・・・」

「へ?」

シンジは慌てて窓を見るが見えるのは空と雲と満月・・・・・

「てめぇ!また嵌めやがったなぁ!!」

「だまされる方が悪いんじゃよ・・・・・・・・今回は大変じゃったぞ・・・・・・・」

実はシンジが居る場所は自家用ジェット機の中・・・・・・・・

「おまえさんに気づかれんようにジェット機の中を客間に改造したからのぉ・・・・・」

「無駄に金使うんじゃねぇこの爺!!」

「で、まじめな話じゃがシンジ、ネルフをどうするつもりじゃ?」

「外と中から改革する・・・・・・・・・悪いが今の所エヴァ以外の兵器での使徒殲滅は無理
だ。まぁ、場所が無限城で雷帝状態の銀次が相手なら別だが・・・・・・・・・・」

「ほう・・・・」

「中は俺やマナ達が改革する。無能な作戦部長と髭さえ追放すれば問題無い。切り札
もある。」

「切り札?」

「初号機から母さんをサルベージする。」

「可能なのか!?」

立ち上がるセイジ

「多分ね・・・・・・・肉体が無いから多分知り合いの人形師に頼むと思うけど魂の定着は
魔女に頼んだ・・・・・・・」

「ふむ、サルベージが終了したら家に来るように行ってくれ。」

嬉しそうに答えるセイジ

「分かった気が向いたら言っとく、んで外からはゼーレを潰す。」

「じゃが、ゼーレの連中の居所はわからんぞ?」

「情報戦なら俺達が有利だ、マナのトライデントにMAKUBEXのマザーシステム
を連動させればネルフ本部のMAGIは落とせる、技術部の連中もこっちに引き込め
る。居場所が判明したら不本意だが殺す。」

「・・・・・・・・・ワシに何かして欲しいことはあるかの?」

「・・・・・経済面でゼーレを崩して欲しい・・・・・」

「碇財閥だけでは無理じゃ。」

「・・・・・山岸コーポレーション・・・・・と組んでくれ・・・・・・・マユミさんには俺から話を
つける・・・・・・・・・」

「ほぅ、あのお嬢様と知り合いか?」

意外そうな表情を浮かべるセイジ

「前に依頼を受けてね・・・・・・・・知ってるんだろう俺の通り名?」

「最強の目を持つ仕事屋福音の魔眼じゃろう?」

「まぁ、俺の名前が売れ出した仕事がキッカケ・・・・・・・・・」

「お、着いたようじゃ・・・・・・・・シェインもお前に会いたがっておるからの。」

「・・・・・・・・・全く爺二人が何悪巧みを企んでるんだか・・・・・・・・ところでシェインの爺
さんとの会談場所って何処?」

今だ行き先を教えられて居ないシンジというか仕事も請けるとは言っていない

「ドイツじゃ・・・・・・・」

セイジの言葉に耳を疑うシンジ

「・・・・・・・・・はい?」

「ドイツじゃよドイツ・・・・」

「・・・・・・・・・おい爺・・・・・・・・そこって確かゼーレの・・・・・・・・・・」

「そうじゃ、お膝元じゃ・・・・・・・・」

「一度死ねこのくそ爺!!」

シンジの怒鳴り声がドイツ上空に響いた

〜同時刻日本〜

「シンジ〜朝だよおきようよぉ〜ご飯食べて学校行くよぉ〜」

マナが上機嫌でシンジの部屋を開ける。
こんな目覚ましがあったような気がするのは俺だけか?
・・・・・・・ノックぐらいしましょうね・・・・・・・・

だがシンジの部屋には誰も居ない
中央のテーブルには一枚のメモ

【マナへ・・・・・・・・爺さんからの仕事の依頼が入ったのでしばらく出かけます。学校に
はレナとちゃんと行く様に・・・・・・・・・シンジ】

それを読んだマナの髪の毛が逆立つ・・・・・・・・

「へぇ〜あたしとの学校より仕事を取るんだねぇ・・・・・帰って来たらお仕置よ
・・・・・・・」

全身から怒気が放たれる
この時シンジはドイツ上空で悪寒を感じたとか感じなかったとか・・・・・・・

なぜマナがこんなに怒るか・・・・・それは早朝五時からレナと作った弁当だ・・・・・・・蛮達
の分もあるがシンジの分はマナが魂と愛を込めて作ったのだ。

怒るのは当然であろう。

〜ドイツ、バームクーヘンホテル〜

「久しぶりだなシンジ。」

ドイツ語でシンジに話しかける初老の男シェイン=クラウス国連事務総長

「シェインの爺さんも久しぶり。」

同じくドイツ語返し、シェインと握手するシンジ
以後ドイツ語は【】とします

【おいおい俺は未だ爺さんなんて年じゃ無いんだぜ責めてオジさんだろう?】

【シェイン、嬉しいのは分かるがそろそろ本題に入ってはくれぬかのぉ?】

【分かったよセイジとりあえず二人とも座ってくれ。】

シェインに進められてソファーに座る二人

【ゼーレの動きはどうじゃ?】

【使徒再来から更に慌ただしくなったようだ・・・・・・】

【現在ヤツラの活動内容は?】

【ほとんど碇ゲンドウに任せている一見彼らは資金を用意するだけのようだが既にエ
ヴァンゲリオンを拾四号機までの建造を開始している・・・・・・・・・その内伍号機からは
量産機のようだ。】

【(・・・・・・・・・・となるとやっぱりセフィロトの木をその間々魔方陣として使うつもり
か・・・・・・・恐らく10のセフィラはエヴァのコア・・・・・・・急がないとヤバイか
・・・・・・・)】

二人の話を聞き思考を巡らせるシンジ

【国連内でゼーレに反抗するヤツラは?】

【少国とアメリカだけだ日本もそうしたいようだが総理大臣の周囲はほぼ全員ゼーレ
の者が固めて居る。】

【なるほどとなると・・・・・・・・】

「静かに!!」

セイジの言葉を遮り叫ぶシンジ。

「どうしたのじゃシンジ?」

【客だよ・・・・・・ちょっと調子に乗りすぎたなかなりの数だ・・・・こっちに向かっている
・・・・】

敵の気配を察知するシンジ

【やれやれやはり刺激が強すぎたか・・・・・・・仕事だ頼むぞ弥勒】

「弥勒?」

聞き覚えのある名前に反応する。

【うむ、私も今回は護り屋を雇ったのだ・・・・・・・・・】

「久しぶりですねシンジ君。」

入り口から入ってくるのは弥勒7人兄弟の1人弥勒雪彦

「雪彦さん・・・・・」

「クライアントと碇老は僕らに任せてあなたは下の掃除を・・・・」

微笑んで答える雪彦

「僕らって事は全員来てるみたいですね・・・・・分かりました爺をお願いします。一応
絃結界は敷いてありますから。」

シンジはそう言うと部屋を飛び出し夜月を抜く。

セイジ達の居る部屋を繋ぐ唯一の廊下に立つとシンジは一度目を閉じ一瞬の間をおく
と見開く。
廊下や壁の至る所に腺や点が見えていた。
『直死』の力を使ったのだ。

「・・・・・・・・悪いなマナ・・・・・殺すなって約束はあんまり守れそうに無いわ・・・・・・・」

シンジが今気づいているだけでも気配は100以上・・・・・殺さずに勝つ事は無理だ

「・・・・・・・・・碇シンジ・・・・・参る」

しばらくして銃声が響いた。

〜日本〜

「霧島マナです。」

「せ、仙道レナです。宜しくお願いします。」

第一中学の2−Aで制服を着て挨拶するマナとレナ無論二人の隣には蛮と何故か学生
服を来た垂れ銀次

「天野銀次です宜しく。」

「銀ちゃん「おめぇは違うだろう!!」」

何故かマナと蛮に踏み潰される垂れ銀次

「ま、マナも蛮ちゃんもやめて・・・・・・・・」

ビチビチと人間の構造からは考えられない音に汗をかく2−A一同・・・・

「俺が美堂蛮・・・・・・こいつが天野銀次このクラスの担任だ本当はもう1人転校生が居
るが急用で今日は来られないそうだ一時間目はこいつらに質問でもしろ以上
・・・・・・・・」

それだけ言うとパイプ椅子に座る。

「ば、蛮ちゃん・・・・・・・・」

良く言えば放任、悪く言えば無干渉・・・・・・・・の蛮の行動に汗をかく銀次

「えっと・・・・・・・・・・それじゃあ二人に質問でもあるかな?」

知識は小学生レベルだが一応は大人である銀次が仕切る

「はい、霧島さんと仙道さん、先生たちの関係は?」

1人の女子が尋ねる

「ん〜となんて言えば言いのかなぁ・・・・・」

もと同じジャンクキッズと言うわけにもいかず悩む銀次

「私とレナは友達で蛮さんと銀ちゃんとの関係は喫茶店仲間?なのかなぁ?ね、レ
ナ?」

何とかシンジへの怒りを銀次に一時的に発散した事で平常モードに戻るマナ

「はい。」

笑顔で答えるレナ。
その笑顔を見て赤面する男子が数名1人メガネを光らせて居るが・・・・・・・

「二人の趣味は?」

「私はコンピューターをちょっといじることかな?後は銃のせぃ・・・・モゴ・・・・・・・」

流石に銃の整備と言わせるわけにはいかずレナが慌ててマナの口を押さえる。

「駄目ですよマナさん、銃の整備なんて言っちゃ・・・・・・・」

「あ、ごめん・・・・・・・」

小声で話す二人

「仙道さんは?」

「わ、私は・・・・っと手芸です・・・・・・・」

顔を赤らめて答えるレナ・・・・・照れているのだ
レナのその行動にクラスの半数以上の男子がKOされたのは言う間でもない
こうしてシンジを除いた中学生活が始まる

〜一方その頃〜

「花月先生の趣味はなんですかぁ?」

「琴かな?」

「「きゃぁ〜かっこいいぃ〜」」

卑弥呼や夏実ではなく花月が人気爆発中である

「すごいですねぇ〜花月さん。」

それを遠めで眺める夏実と卑弥呼

「あんな女男の何処が良いのかしら?」

「卑弥呼ちゃんは蛮さん一筋だもんねぇ?」

「ち、違うわよあんな馬鹿!!」

ポーカーフェイスを崩す卑弥呼

「それにしてもシンジ君は何処行ったのかなぁ?」

「帰ってきたら死ぬわよあいつ・・・・・・・・・」

「マナちゃん角が生えてたもんねぇ・・・・・・・」

それなりにこの二人も高校生活を楽しんで居るようだ

〜ドイツ〜

バームクーヘンホテル最上階は血の海と化していた。
じゅうたん一面に血が広がり壁にも血痕が多数ある、そして日本刀か何かできられた
かのように1〜17分割された黒い服の男達の死体

「・・・・・・・・・貴様が最後だ・・・・・言え貴様らに命令したのは誰だ?」

体中に血を浴び髪すらも赤いシンジの眼光が最後の黒服を射貫く
シンジは右手に夜月を持ち左手には鈴を持っている

「・・・・・・・・キ、キール=ローレンツ・・・・・」

「知っていることをすべて言え・・・・・・・・」

夜月を男の喉もとに近づける

「そ、それ以上は知らない・・・・・・・・」

おびえる男

「・・・・・・・・そうか、嘘は言っていないみたいだな・・・・・・・・・」

シンジはそう言うと夜月を終い踵を返す

「何処か遠くに行け・・・・・・・・・」

それだけ言うと歩き始めた。

男はその瞬間口元を笑わせると隠し持っていた銃でシンジを撃ったシンジの体がぐら
つき倒れる

「・・・・・・・・ひゃハッハッハッハ・・・・・・・・・ついにやったぞ福音の魔眼を俺がぁ!!」

狂喜する男だが・・・・

ゴプ

不気味な音が鳴る

「な・にが・・・・・・・・」

男の目に移るのは自分の体から突き出て居る何者かの手刀・・・・・・・

「・・・・・・・・貴様が銃を撃たなければ見逃してやるつもりだったが無駄だったようだな
・・・・・・・・」

背後から聞こえるのは先程自分が撃ち殺した男の声・・・・・・・・・

「・・・・・何・・・・で?」

「見てみろお前が撃ったのは俺が操っていた死体だ・・・・・・・」

シンジは風鳥院流絃術の技を使い死体を操り顔までも変えていたのだ。

「・・・・・・・・・・じゃあな・・・・・」

シンジはそう言うと手を動かす
男の体がシンジの腕でバターのように切られていった・・・・・

「・・・・・・・今度は俺と会わないようにするんだな・・・・・・・・」

それだけ言うとセイジ達が待って居るであろう部屋へと歩を進める

「・・・・・・・・ックゥ・・・・・・・」

シンジに酷い頭痛が襲う・・・・・・・

「チィ・・・・・ヤバイなこりゃ・・・・・・・・」

シンジは壁にもたれかかる

「・・・・・・・・・」

その間々バランスを崩し倒れそうになるがシンジを何者かが支える

「・・・・・・・・無理し過ぎだよシンジ・・・・・」

女性の声

「・・・・・・・・・ひさしぶり・・・・・・・奇羅々さん・・・・・・・」

「少しくらいは俺等に回せば良いんだよ馬鹿・・・・・・・・・」

男性の声

「椿さんも・・・・・・・・・」

「貴様のおかげでこちらは仕事にならなかったのだぞ・・・・・・・」

低い声の男

「へ、うるせえ時貞・・・・・・・・・」

笑って答える

「ひゃっはっは・・・・・・・・・・死にそうじゃねえかよ」

「少し静かにせぬか右狂・・・・・」

「そうですよ右狂兄さん・・・・・」

「右狂、緋影さん、雪彦さん・・・・・・・・・・・」

懐かしい声に思わず笑みが浮かぶシンジ
雪彦には先程も会って居るが・・・・・・・

「久しいなシンジ・・・・・・・・・」

「夏彦さんも元気そうで・・・・・・・・」

「後は私達に任せて眠りなさい・・・・・・・」

奇羅々の声を聞いてシンジは意識を失った。

「全く無理しおって・・・・・・・・・」

【それなら最初からシンジに頼まなければ良いだろうセイジ?】

日本が実は分かるシェイン

「奇羅々さんどうじゃシンジは?」

「大丈夫よ、心観の影響で死に際の心を観すぎただけだからそのうち目覚めるわ」

奇羅々はひざの上で眠るシンジを優しくなでる

シンジの魔眼の能力の一つ『心観』は強い思いほど良くみえる・・・・・・・・・それがどん
な思いであっても人が殺される瞬間の思いもまた強くその感情がダイレクトにシンジ
に流れ込んでしまうのだ。
魔眼の力をある程度使いこなせるシンジだが強い思いはどうやっても流すことは出来
ない・・・・マナがシンジに『殺すな』と言う理由がそれによってシンジの心が壊れる事
を心配しているからだ・・・・・・・・

「強くなったね、シンジ・・・・・・・・」

姉のような表情でシンジに話しかける奇羅々、シンジは気持ちよさそうに眠ってい
た。

〜日本〜

「・・・・・・・・・暇・・・・・」

あくびをかみ締めるマナ無限城で育ったとはいえマナの知識量は高い恐らく専門的な
部分ではリツコと同等だろう・・・・・・・・

「・・・・・・・メール?」

授業用の端末に届いているメールを開く

『霧島さんってあの変なロボのパイロットなの?』

「・・・・・・・・私じゃなくてあの馬鹿よ・・・・・・・・」

忘れていたシンジの事を思いだし機嫌が悪くなるマナ。

『NO』

とだけ打つとメールを返す

『ウソウソ、わたししってるんだからね本当の事を教えてよ誰にも言わないからさぁ
・・・・・・・・』

「・・・・・・・しつこいわね・・・・・誰よ一体・・・・・・・・・」

メールを送ってきた人物を調べるマナ
情報屋である彼女には楽な仕事だ

「相田ケンスケって男ぉ?・・・・・・・・・ったく・・・・・・・・・うざったいわね・・・・・・・・・」

『ねぇ、私にだけ教えてよぉ女同士の約束・・・・・・・』

再び送られてきたメールに切れるマナ

「・・・・・・・頭に来た・・・・・」

そう言うと物凄いスピードでキーボードを叩き始める
彼女が行って居るのは相田ケンスケのパソコンへのハッキング

「しつこい男は嫌われるのよ・・・・・・・・」

そう言いながら同じ文章を打つ
ケンスケがマナの方を振り向く。
マナは氷の笑みを浮かべてEnterキーを押す

「ああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

次の瞬間相田ケンスケが絶叫して立ち上がった
マナはコンピューターウイルス(即席)でケンスケのPCのハードもソフトも完全に破
壊したのだ。

昼休み・・・・・・・

「おい、転校生ちょっと面かせや・・・・・・・・・」

ジャージの少年が話していたマナとレナの目の前に立つ

「何で?」

平然と答えるマナ
昼休みと言う事でシンジのお弁当の事を思いだし機嫌が悪いのだ。

「言いから面かせやぁ!!」

「ちょっと鈴原やめなさいよ・・・・」

それを止めようとするのは学級委員長の洞木ヒカリ

「やかましいわぁ・・・・・・・」

「全く五月蝿い男ね・・・・・・・・・良いわよどこ行けば良いの?」

「ついてきぃ〜や・・・・・・・・・・」

ジャージの少年に続くマナその後を相田ケンスケ。

「あ、マナさん・・・・・」

おろおろとするレナは数秒後立ち上がると駆け出した

「んで、なに話って・・・・・・・っ!?」

めんどくさそうに話しかけるマナを拳が襲う

「・・・・・・・何のつもりいきなり?」

マナの目が光る
情報屋の・・・・・・・・いや、無限城戦国時代のマナの顔だ

「やかましいわぁとにかく殴らせぇ・・・・・・・」

怒鳴る関西ジャージ少年

「こいつの妹こないだの化け物との闘いの時にビルの瓦礫に潰されて重症なんだよそ
れでな?」

相田ケンスケが答える。

「私は関係ないわよ?」

「そんな話あるかい!!あの騒ぎの後急に転校してきた上にケンスケのパソコンお釈迦
にしたらしいやないかいそれが証拠じゃぁ!!」

あまりに理不尽な発言に流石のマナにも我慢の限界がある
殴りかかってくるジャージの腕を取りその間々一本背負いをする。
下はコンクリートだ。

「ぐはぁ・・・・・・・」

「・・・・・・・・いいかげんにしないと私も怒るわよ・・・・・・・」

マナが手に持つのはコルトバイソン。
ジャージ少年の額に銃口を当てる。

「・・・・・・・・・今ココで死んで見る?」

おそらく完全に切れちゃってますマナさん
引き金を引くマナ。

パチン

何も起こらない
良く観ればマナが持って居るのはモデルガンだ。

「・・・・・・・・・私はその件に関しては無関係よ・・・・・・・・」

そう言うと立ち上がる

「今のでさっきの話し無しにしてあげるわ鈴原トウジ君・・・・・・・」

そういうと立ち上がる

「相田くんも程々にね・・・・・」

そう言うとモデルガンを投げ出口へと向かう。

「「マナ」さん」

屋上から階段の踊り場に出ると息を切らした銀次とレナ。

「ま、まさか・・・・・・・・・・・」

「だいじょぶよ、ちょっと虐めてあげただけあまりに理不尽な事言ってくるから
・・・・・・・・」

にっこり笑顔で答えるマナに溜息をつく銀次とレナ二人ともケンスケとトウジの身の
心配をしていたのだった。

〜ドイツ〜

「・・・・・・・・・・・・・・・ここは?」

シンジは何やら心地の良い感触で目覚める

「あら?目が覚めた?」

「・・・・・・・・・・・奇羅々さん?」

シンジの目の前には奇羅々の顔。

「・・・・・・・・・・もしかして今膝枕されてます?」

「もしかしなくても膝枕してるわよ。」

それを聞いた瞬間シンジが飛び起きる

「照れなくても良いのにねぇ昔みたいに一緒に寝てあげようか?」

クスリと笑って答える奇羅々。

昔とはシンジが叔父の家を出てすぐの時だ。
一時的にドイツにいた頃の話・・・・・・・・・

「・・・・・・・・爺さんとおっさんは?」

「今事後処理で忙しいみたいよ。」

そう言って立ち上がる。

「・・・・・・・・どれくらい寝てました俺?」

「1時間くらいかしら・・・・・・・・・・・碇老から伝言を預かってるわよ『今から8時間後
に日本に帰るから観光でもしてきなさい』だそうよ。」

そう言ってカップにコーヒーを注ぐ。

「観光ですか?・・・・・・・・・」

「そ、何処か行きたいところある?」

「・・・・・・・・・・・エリスさんの墓参り・・・・・・・・・良いですか?」

「・・・・・・・・・どうかしら、夏彦?」

「・・・・・・・・好きにしろ・・・・」

「だそうよ・・・・・・・・・・・」

何度見ても慣れない者だとおもうシンジ。
七人の弥勒、上から夏彦、緋影、右狂、椿、時貞、奇羅々、雪彦の7人の魂が一つの
体に入っているのだが人格が変わると同時に体の構成、ダメージ等も入れ替わるの
だ。
たとえば夏彦がケガを負っても人格が椿に変わると傷が完治した椿が現れる
・・・・・・・・

「じゃ、お願いできますか・・・・・・・」

「・・・・・・・・ええ。」

奇羅々の後に続いて部屋を出たシンジ

〜墓地〜

「ママ、日本にサードチルドレンが出て来たわ、でも見ていてね私が一番だから。」


一つの墓の前で話す
赤みがかった髪を持つ少女・・・・・・・・墓には惣流=キョウコ=ツェッペリンと書かれて
いる。
仕組まれた第2の子供・・・・・・・セカンドチルドレン惣流=アスカ=ラングレー

「・・・・・・・・」

ふと視線を上げると数百メートル先に一組の男女が居る。

「・・・・・・・久しぶり・・・・・・・エリスねえ・・・・・・・」

シンジはエリスの墓の前に立ち話す。

「少し一人にしようか?」

奇羅々が話しかける

「ごめん・・・・・・・・」

シンジの答えを聞くと奇羅々はその場を去る

「奇羅々さん・・・・・・・いや、みなさん・・・・・・・」

シンジはエリスの墓を見ながら話しかける

「やはり蛮さんを殺しますか?・・・・・・・・憎んでいますか?」

「ええ・・・・・・・・」

奇羅々は答えるがコレは弥勒7人全員の答え

「シンジ君・・・・・・・僕等は許さないよあの男を・・・・・僕ら一族の大切な人を殺したあの
毒蛇を・・・・・・・・」

奇羅々に変わり雪彦が出てきて答える。

「俺は・・・・・・真実が何かは知りません・・・・・・・でも、蛮さんは・・・・・・・・」

「シンジ、例え奴にいかなる理由があっても奴がエリスを殺したそれだけは間違い無
い・・・・・・・・・」

夏彦の思い言葉。

「そうですか・・・・・・・・・・・」

夏彦達の気配が遠ざかる

「エリスねえ・・・・・・・・真実は一体何処にあるんだ?」

シンジの問いかけに答える者はいない・・・・・・
シンジは煙草を出し咥えると火を着ける

「・・・・・・・・・でも、俺は止めて見せるよあの二人の闘いを・・・・・・エリスねえはそんな
事望んでない・・・・・・・・そうだろう?」

その後シンジは煙草を吸い終えるまで無言であった。

「加持さ〜ん。」

墓地の駐車場で待っていた加持にアスカが飛びつく。

「おいおいアスカ・・・・・・・」

加持はいつもの調子で答えるが表情は厳しい・・・・・・・
先程墓地に入っていった一組のカップル

「(――ヤツラ・・・・・・何者だ?)」

仮にも裏で動いている加持・・・・・・・・シンジと奇羅々の実力に人目見ただけで気づいて
いた・・・・・・とても自分が勝てる相手ではないと・・・・・・

「(それにあの少年・・・・・・・何処かで見たような・・・・・・・・)」

加持は記憶を探る。

「(そう、確か・・・・・・・・サードチルドレン・・・碇シンジ・・・似ている)」

だが加持の得ている情報ではサードチルドレンは現在ネルフ本部のはずだ・・・・・・

ちょうど、奇羅々とシンジが墓地から出てくる。

「やはり似ている・・・・・・・アスカちょっと待って居てくれ・・・・・・・・」

加持は二人の元へ駆け出す。

「この後はどうするつもり?」

「・・・・・・特に予定はありませんが・・・・・・」

「シンジ君!!」

「・・・・・・・えっとどちら様?」

自分の名前を知っている見知らぬオジさん

「やはり碇シンジ君か・・・・・・・・俺は加持、ネルフの職員だ。」

「(ゲ、ヤバイ・・・・・・・)そのネルフの加持さんが何用で?」

「少し話をしないかい?」

「・・・・・・・・悪いですけど男と茶を飲む趣味は無いです。ついでに今は仕事できてます
から。(この男何処かで・・・・・・・・・)」

シンジは加持に見覚えがあった。
以前仕事で見掛けている

「・・・・・・・・まぁ、そう言うなよ奢るぜ?」

「まぁ、良いですけど俺がココに居るのは秘密にしてくださいよ・・・・・・・・(そうか、
あの時の諜報員か・・・・・・・・)」

「OK,OK」

「じゃ、シンジあたしは帰るよ?クライアントを待たせるわけにはいかないからね
・・・・・・・・・」

「ええ、また。」

「またね・・・・・・・・」

奇羅々は道路を歩いていく。

「加持さん俺と一度会いましたよね?」

「いや、俺は初対面だが?」

「・・・・・・・・3年前・・・・・・・裏新宿無限城・・・・・・・・」

シンジの言葉にはっとする加持。

「ま、まさか君は・・・・・・・・」

「そう、福音の魔眼といえばお分かりですよね?」

シンジはニヤリと笑みを浮かべた。

「あの時は世話になったね」

「いえいえ、それより今は何を?まだ内務省に?」

「まぁ、な・・・・・」

「加持さ〜ん」

「・・・・・恋人ですか?」

加持の腕に絡み付くアスカを見てシンジが尋ねる

「いやまぁ、仕事さ・・・・・・・帰るまでは時間あるのかい?」

「ええ、未だ数時間ほど内緒にしてくれるなら付き合いますよ?」

「君の事は未だ仕事に入っていないからね。」

シンジは加持に誘われるまま墓地を後にした

「・・・・・・・・・・・(何で睨まれるかな・・・・・・・)」

オープンテラスの喫茶店でコーヒーを飲むシンジを睨みつけるアスカ
加持とのデートを邪魔されて御立腹のらしい
加持は今この場にいない

「あんた、サードチルドレンでしょう?資料で見たわよ?」

【・・・・・・・・・さぁね?そういう君は誰かな?人に名前を聞く時はまず自分からが礼儀
だろう?】

ドイツ語で皮肉を込めて答えるシンジ

【あんた、ドイツ語はなせるの?】

「まぁ、一時住んでたことがあるからね・・・・・・・で、君の名前は?」

コーヒーを口に運ぶシンジ

「アスカ・・・・・・・惣流=アスカ=ラングレーよサードチルドレン・・・・・」

「碇シンジだセカンド・・・・・・・・」

「ちょっとなんで名前で呼ばないのよ!!」

「人の事をサードって呼ぶからだ・・・・・・・・俺にだってちゃんと名前がある・・・・・・・そ
れに俺はサードチルドレンになった覚えは無い・・・・・・・・・仕事でエヴァに乗っている
だけだ・・・・・」

「仕事ですってぇ!!あんたバカァ?私達は選ばれた人間なのよ?」

「・・・・・・・・・・(何も知らないのか・・・・・・・)特殊な力を持っているが選ばれた人間だと
思った事は無い・・・・・・・・惣流さんはそんなにエヴァのパイロットってのが嬉しいか
い?・・・・」

「当たり前でしょう、私はエリートでエースパイロットなのよ。」

「・・・・・・・・・・だが、そうなるとエヴァのパイロットとしてしか誰も見てくれないだろ
うね・・・・・・・・」

「どういう意味よ!!」

「その間々の意味だ・・・・・・・・・たいていの人は君を惣流=アスカ=ラングレーでは無
くセカンドチルドレン、惣流=アスカ=ラングレーとして見て居る・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

シンジの言葉に絶句するアスカ

「まぁ、俺はそんな事は気にしないがな例えなんであろうが君は惣流=アスカ=ラン
グレーだろう?」

「・・・・・・・・・・・」

黙り込むアスカ・・・・・・・・

「・・・・・・・・君はなぜエヴァに乗る?」

「決まっているでしょう!!「自分を褒めてあげたいから・・・・・・・・かい?」」

アスカの言葉を遮るシンジ

「あ、あんたなんで・・・・・・・・」

「さっきも言っただろう俺には特殊な力があるってこんな風にね・・・・・・・」

シンジは皿の表面をなぞるがそれだけで皿が割れる。

「・・俺の眼は特殊でね・・・・・・・人の心を観たりあらゆる物体の死を見ることが出来る
・・・・・」

「・・・・・・・・嘘・・・・・・・」

「君はそれを選ばれた人間の力だとおもうかい?・・・・・・・・」

「そんなの嘘よ!!」

「・・・・・・・なら、君が恐れて居る事や君が触れて欲しくない事を教えてあげよう
か?」

シンジは静かに言い放つ

「・・・・・・・誰も自分を見てくれなくなる事・・・・・・・・そして自分の母おy「やめてぇ
!!」」

アスカの叫びが木霊する

「・・・・・・・・とすまない・・・・・・・・・・悪ふざけが過ぎた・・・・・・・・」

シンジは立ち上がる

「まぁ、俺は君が誰であろうと君自身を見る・・・・・・・・・誰に対してもそうだ・・・・・・」

「え!?」

「・・・・・・・・・近い内に日本に来るんだろう?その時は何か食わせてやるよ・・・・・ついで
に上手いコーヒーもな・・・・・・・・またな、惣流・・・・・・・・」

シンジは去ろうとする

「待ちなさいよ!!」

「・・・・・・・何?」

「アスカよ・・・・・・・・・・」

「はい?」

「あたしの事はアスカって呼びなさい!!その代わり私もあんたの事シンジって呼び捨
てにするからいいわね?」

何故か腰に手を当てて命令口調

「・・・・・・・・OK,アスカまたな?」

「またね、シンジ。」

シンジはその間々道を歩き出す
しばらくして携帯に加持から電話が入る

「コレで良いんですか加持さん?」

『ああ、悪いね、シンジ君。』

「・・・・・・・・彼女も仕組まれた子供ですから・・・・・・・・」

『シンジ君君は何を?』

「・・・・・・・・・企業秘密です、また日本であいましょう、3足草鞋の加持さん?今度会
う時は4足目を考えておいてください真実を教えてあげますよ・・・・・」

シンジはそれだけ言うと電話を切る

「・・・・・・・・アレがうわさに聞く心観か・・・・・・・・・やれやれ、お見通しだね・・・・・・・・」

加持は電話を終い呟いた。

〜日本〜

現時刻夜12時

「・・・・・・・・・マナの奴怒ってるよな・・・・・・・・・」

赤木家の玄関で門を見据えるシンジちなみに赤木家には電気がついて居ない
手にはお土産だ。

「・・・・・・・・逃げちゃ駄目だ!!」

そう言うと意を決して扉を開く

「ただいま戻りましたぁ〜」

小さな声ではなすシンジ
ちなみに玄関は暗い。

「お帰りぃ〜シンジ・・・・・・・・」

亡霊のように出迎えるのはマナ頭には角が生えている様に見える・・・・・・・・

「・・・・・・・ごめんなさい」

先手必勝と言わんばかりに土下座するシンジ。

「すまん、俺が悪かった・・・・・・・・」

そう言って恐る恐る顔を上げる

「お帰りシンジ。」

マナがシンジを抱きしめる

「・・・・・・・・ケガ、してない?」

「ああ・・・・・・・・・」

「そ、良かった。」

マナはシンジに抱きついたまま安堵の溜息を漏らす

「怒ってないのか?」

「ものすご〜く怒ってるよ・・・・・・・・黙って言っちゃうんだもん・・・・・・・・心配だったん
だから・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・ごめん・・・・・・・」

「でも、シンジが無事に帰ってきたから良いんだ。」

「・・・・・・・・・マナ・・・・・」

「でも相応のお仕置はするからね・・・・・・・・」

「・・・・・・・謹んでお受けします」

「・・・・・明日から私のお弁当はシンジが作って・・・・・」

「わかった。」

「それと・・・・・・・・・」

「それと?」

「今夜は一緒に寝よ?」

必殺マナのお願い光線。

「さ、流石にそれは・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・だめ?」

ウルウルビーム発射・・・・・・・・シンジ撃沈

「・・・・分かった、一緒の布団に寝るだけだぞ?」

「うん。それじゃあ運んでね?」

「了解しましたお姫様・・・・・・・・・」

シンジはその間々お姫様抱っこでマナを抱えた。

この会話を聞いて居た人物が数名

「・・・・・・・・クス。」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

花月、十兵衛、俊樹元フーガ(風雅)の一員だ。

「シンジは、良い女性に出会ったな・・・・・」

「そうだね。」

「・・・・・・・・良かったなシンジ・・・・・・・」

無限城時代のシンジにとって兄だった3人だった。
よく朝花月の悪戯により一緒に眠って居る姿を写真に納められたのは言うまでも無
い。






To be continued...


(あとがき)

第9話目終了です。
やっとシャムシェルが出ます。
・・・・・・・今回は悩みました。シンジの学校生活・・・・・・・・一番厄介でした。後蛮の教師
も・・・・出す予定では無かった加持、アスカ、七人の弥勒ですが・・・・・・・出ちゃ居まし
た(笑)
次回もお楽しみに。
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