天使と死神と福音と Outside memory

余計で章 〔邪道でしょう?〕

presented by 睦月様


「ほ、本当にシンジなの?」
「うん・・・そうなんだよアスカ・・・」
「嘘でしょう?」
「マナ・・・ぼくも嘘だと思いたいんだけどね・・・」
「いきなり女の子になったなんて・・・体調とか大丈夫なんですか?」
「マユミさん、母さん達は大丈夫って言っているから・・・」
「シンジ君、女の子になっても君はかわらないね、かわいいって事さ。」
「あ、ありがとうカヲル君・・・ほめてくれているのかな?」
「・・・シンジ君?」
「レイ・・・」

シンジの前に進み出たレイはじっとシンジの姿を観察する。
ゆったりした入院服のラインはやはり女性のものだ。
特にその胸の膨らみが決定的だろう。

「・・・・・・」
「え?」

レイの行動はここにいる全員、目の前にいるシンジすらも意表を突かれた。

擬音を付けるならばやはりムニュだろう。
レイの両手の五指がシンジの胸を鷲摑みにしている。
しかもその弾力を確かめるようにもみしだいていた。

「な、ななな!レイ!!」
「・・・これは・・・」
「いいから離して!!」

シンジに言われてレイは素直に手を離す。
胸を開放されたシンジは盛大に後ずさってレイから距離をとる。

「レ、レイ!アンタなにしてんのよ!?」
「・・・本物だった。」
「・・・・・・マジで?」

全員の視線がシンジに集中した。
主にその胸に・・・それに気がついたシンジが胸をかばうように隠す。
そんなしぐさもかわいかったりするのだが・・・なんとなく犯罪者の気分が分かる気がするのは気のせいだと思いたい。

「しかも・・・結構大きかった・・・」
「「「「何ですって(だって)?」」」」

少女達の目の色が変わった。
マナが搾り出すような声を出す。

「ぐ、具体的には?」
「多分・・・カヲルよりも少し大きい・・・。」

それはこの場にいる少女達の誰より胸が大きいことを意味していた。
レイの手がその大きさを説明するかのようにワキワキとシンジの胸の形をトレースする。
それを見たアスカの目が据わった。
ゆらりとシンジを振り返る。

「・・・シンジ、説明してもらいましょうか?」
「せ、説明?」
「何でそんなに胸が大きいのか・・・」
「「「「「突っ込むのはそこか!!」」」」」

他の全員から突込みが来たがアスカは・・・いや、アスカを含めた少女達は気にしない。
生まれたときから女子であった彼女達にとって昨日今日女になったシンジに胸の大きさで負けるというのは・・・

「もっと他に説明を求めるべきところがあるだろう!?何で女の子になったの?とか!?」
「そんなことは些細なことよ」
「さ、些細なことなの!?いきなり男の子が女の子になるってそんな簡単にスルーしていい問題なの!?」

アスカだけでなくマナとマユミもそろって一点を指差す。
そこにいるのはそんな不可能を可能にする規格外・・・渚カヲル・・・

「チャ~ンス!!」
「みぎゃ!!」

思考停止したシンジの隙を突いてアスカがシンジの両胸を鷲づかみにした。
おもわずシンジの口から奇妙な悲鳴が上がる。
顔はトマトのように真っ赤だ。

「な、何すんの!?」
「やっぱり大きい・・・ちょっとシンジ、これどうやったら外れるのよ!?」
「そ、それはアタッチメント式じゃない!!ぼくだって外れるなら外したいよ!!これのおかげで重心は狂うし重いし!!」
「それは自慢?馬鹿にしているわね!?喧嘩売っているのね!!?女に対する挑戦ね!!!?」
「何でそんな被害妄想の塊になっているのさアスカ!!」
「・・・もう負けらんないのよ・・・私達は・・・」

”私達”の部分にはっとなったシンジが周りを見回せば・・・

「シンジ君・・・私も触って確かめたいです。特にそのサイズ的なものを・・・」
「まさかいきなり女の子になったからってあっさり私たちの上を行くなんて・・・嘘よね?」

マユミとマナがじりじりとシンジに向かってくる。
瞳を潤ませているシンジと手の指をワキワキさせているマナとマユミ・・・どう見ても犯罪だ。

ゾンビ映画のヒロインの心境とはこんなものだろうかとシンジが冷や汗をかき、周囲に助けを求める為に見回すが・・・どうやら救いの手はないらしい。


男性陣は巻き込まれるのを恐れて静観している。
こういう状況は女の子独特のもので男は入っていけないものだ。

・・・その近くでマヤが地面に崩れ落ちてのの字を書いていた。
どうやら彼女はすでに(胸のサイズ的に)負け組みらしい。

ミサトなどはニヤニヤ笑っている・・・こんな面白い状況にミサトが茶々を入れるわけがない。

「そこ!!いつまでも調子に乗ってるんじゃねえ!!!」

怒声の主は凪だ。

ドンと踏み出した足の爪先から炎が一直線に走る。
炎が一瞬で全員を包んだ。

「人の嫌がることをするんじゃない!!」
「「「「「はい!ごめんなさいでした!!」」」」」

五人の少女達は一列に並んで正座させられていた。
軽く焙られた五人は薄く日焼けしている。

さすがに悪のりが過ぎたと反省しているらしく、不満の声はないが正座がきつそうだ。

「シンジ・・・お前もいやなら跳ね除ければいいだろう?」

ため息と共に背後を見れば自分の後ろにいるシンジ・・・どうやらアスカ達から隠れているつもりのようだ。
誰かがそれを見て「萌え~」とか言った気がするが聞こえないし聞いていない。

「す、すいません・・・」

シンジが凪を見上げながら謝る。

「・・・とりあえずそのかわいい上目使いの謝罪はよせ・・・お前・・・本当にシンジか?何か性格が違うような気がするぞ?」
「凪さん、仕方ないのよ・・・」

ユイが凪の疑問の説明を始めた。

「どうやらいきなり性別が変わっちゃって情緒が不安定になっているようなの、今のシンちゃんは理性より感情のほうに引きずられちゃうみたいなのよ。多分、肉体の変化に精神も引きずられちゃっているんじゃないかしら?男より女のほうが精神的な起伏が激しいのかもしれないわ。」

男から女になったことのある人間は他にいないためにはっきりと断言できないが男女では性格的なものが根本的に違うのかもしれない。
いきなり性別が変わったことで混乱しているのに加えてそういった男女の差に対応できていない為に感情に流されやすくなっているのではにだろうか?

カヲルはいろいろな意味で規格外だから参考にもならない。

「・・・なんでシンジが女になっているんです?・・・予想はできるが・・・」


凪はとりあえず現状で一番の問題をユイにぶつけた。
さすが凪だ。
他の面子とは一味も二味も違う。

「それが・・・シンちゃんとブギーポップは世界の敵を追っていたらしいの・・・」
「その反撃にあったと?」
「ええ、どうやら相手の能力が”反転”だったらしくって・・・」

事情を聞くとシンジ達は相手の男を追い詰めるところまでは行ったらしいのだ。
そして最後のトドメをさそうとしたところで相手の持つ世界の敵としての能力が発動した。

彼我の位置関係をいきなり逆転させられ、自分の背後に回りこまれて意表を突かれたシンジは相手の能力の影響をもろに食らったらしい。
【Left hand of denial】(否定の左手)を発動した状態ならどうにかなったのかもしれないが・・・シンジは”性別”が反転してしまった。
左手が否定できるのはあくまで現象・・・すでに性別反転という事実になってしまったものはどうしようもない。

「・・・あいつは何をしていたんだ?」
「ブギーポップ?どうやら不意を突かれたショックでシンジと入れ替わっちゃった瞬間を突かれて・・・」
「なさけない・・・今は何しているんです?」
「それが・・・性別反転の影響か、表に出てこれないらしいの、シンジとは多少話が出来るらしいんだけど・・・身動きが取れないらしいわ。」
「最悪だな・・・」

呟いた凪がシンジに視線を向けた。
それに気づいたシンジが瞳を潤ませて・・・

「ぼ、ぼくは大丈夫です!!戦えます!!」

・・・傍目にはおびえている女の子が強がっているようにしか見えない。
そんな仕草が嗜虐心をそそるということに気がついていないのだろうか?

・・・いや、かけらも気がついていないのだろう。
無意識に萌えっ娘の道を行くとは・・・碇シンジ少女バージョン・・・侮りがたし・・・

凪は話を進めようとユイを見た。

「・・・元に戻すことは?」
「現代医学では不可能ね、この子の体は完全に女の子の物だもの・・・」


ユイがシンジのカルテを見ながら断言した。
レントゲン写真に写るのは正真正銘女の子の体・・・子宮まである。

「まあそうだろうな・・・」

三賢者に無理=科学的にシンジを元に戻すことは不可能ということになる。
普通の人間に出来ないことをなんでもないかのようにやってしまう・・・それがMPLSであり、合成人間であり、世界の敵である所以・・・
凪は何度目か忘れたが大きなため息をついてシンジに向き直る。

「・・・シンジ、悪いがお前の体のことは一旦おいておく、なぜかは分かるな?」
「はい・・・」
「世界の敵の事だな?」

シンジの返事にかぶせるように別の人間の声が結論を言った。
執務室に中年の男が入ってくる。

「問題はシンジ達が取り逃した”世界の敵”だ。早々に確保するべきだろう。」

男は黒いネルフの制服に黒いスラックス、はだけた上着の下は赤いシャツ・・・その顔は・・・こういってはなんだがチンピラのような顔をしている。
周囲の疑問の視線にも気がついていないらしい男はつかつかと歩いてシンジの前に立った。

「それにこれはシンジの為でもある。シンジがその世界の敵によって性別が反転したのなら元に戻す鍵もまたその世界の敵にある。」

男の言葉に全員が頷く。
だがしかし・・・

「・・・あなたの言うことは正論だ。俺の言いたかったこともまさにそれだしな、だが一つ疑問があるんだがいいか?」
「なんだ?」
「アンタ誰だ?」
「・・・なんだと?」

気がつけば皆が男を奇妙なものを見る目で見ている。
明らかに見知らぬ不審人物を見る目だ。
それに気がついた男は少し考え、ポケットを探ってあるものを取り出す。

「サングラス?」

男は手に持ったサングラスをウル○ラセブンのごとく装着した。
そのまま数秒の時間が過ぎる。

「・・・なあ、そのサングラスになにか意味があるのか?」
「ぐう!!」

凪の言葉に男が驚愕の声を上げる。

「違うのか?そのサングラスはなにか意味があるんじゃないのか?」
「霧間さん」
「ユイさん、知り合いか?」
「知り合いといえば知り合いでしょうね・・・ゲンドウさんよ。」
「なに?」

言われてみればそのサングラスには見覚えがある。
全員が「ああ~」という感じに納得した。

「・・・なるほど」

納得した凪はゲンドウに近づくとその肩をぽんと叩いた。

「見事だ。ナイス変装。」
「変装などしていない!髭を剃ってきただけだ!!」

確かにゲンドウは髭を剃ってきただけでそれ以外はまったく変わらない。
同じ服に同じ髪形、しかもトレードマークのサングラスまでかけている。

「・・・君らは六分儀の事を髭のあるなしで判断していたのか?」

冬月の冷静な突っ込みにも返せる言葉がない。
全員がばつが悪そうに視線をそらす。
どうやらゲンドウだと気がついたのはユイと冬月だけだったらしい。

だって・・・仕方ないじゃないか・・・

「理解されないというのは悲しいな・・・」

誰にも自分の事を分かってもらえなかったシンジの心境が今のゲンドウにはよく分かる。

パンパン

乾いた音が沈黙した室内に響いた。
ユイが手を叩いた音だ。

「そんなことはどうでもいいわ、これからのことを話しましょう。みんなをここに集めたのはちゃんとした理由があるのよ。」

どうでもいいといわれたゲンドウが少しへこんだがあえてそれを無視して今後のことに意識を向ける。

「ゲンドウさんの言ったとおり、現在この第三新東京市には危険人物が潜伏しています。本来それに対処する為のブギーポップは今回あてに出来ません。だから我々だけで対処します。」

ユイの言葉に全員がうなずく。
それを見たユイもうなずきを返し、一枚の紙を取り出す。

「これがシンちゃんの記憶を元に書き出した世界の敵の男の顔です。」

そこにはおそらく中年くらいの年齢だろう。
これといって特徴のない平凡そうな男だ。
しかし油断は出来ない。

ブギーポップに言わせると普通っぽい人間ほどこの世界の理から外れやすいらしい。
実際この男がシンジの性別を反転させてしまったのだから油断は禁物だ。

「まず、赤城博士はMAGIを使って該当する人物を探してください。マヤちゃんはそのサポート」
「はい!」
「次に保安部長の加持一尉とミサトさんはこの人物の情報集めと捜索をお願いできる?日向君と青葉君も一緒に」
「「了解!!」」
「まあそんなところでしょうな」
「ってことは私も現役復帰ってこと?それともアルバイト扱いかしら?」

ミサトの言葉にユイが苦笑した。

「そうなるわね、ごめんなさい・・・今回のことは出来れば秘密にしたいの、世界の敵のことを知っている人間は少ないほうがいい。だからこの人物を探す役割は四人だけでこなしてもらわなければならないわ。」

人間を動員すれば捜索範囲も広がって男を見つけやすくなるだろう。
しかしそれは同時に情報の漏洩に繋がる。
世界の敵やMPLSの存在を全面的に受け入れるためにはこの世界はまだまだ未熟だ。
実際その目で見てもトリックの産物と思い込むだろうが、下手に信じられたりしたらいろいろ面倒なことになる。

ゆえに少数精鋭でしかも信頼できる人間が必要になってくる。
退職して子供までいるミサトを巻き込むのは気が引けるが今は一人でも数がいたほうがありがたい。

「お願いできるかしら?」
「「「「了解!!」」」」

四人がそろって敬礼で応える。
ユイは最後に凪と子供たちに視線を向けた。

「凪さん、この男が見つかったらお願いできますか?」

能力を持つものには能力を持つ者が対処するのがベストだ。
こればっかりはMPLSではないユイたちには何も出来ない。
凪や子供達に任せるしかないのだ。

「分かりました。」
「子供たちは凪さんの指示に従って頂戴、とりあえずあなたたちは自由にしていていいわ、でも必ず連絡は取れるようにしておくこと、たぶん最終的にはあなたたちの力を借りることになると思うから・・・。」
「「「「「「「はい!!」」」」」」」
「ごめんなさいね・・・」

全員に指示を出し終えたユイは最後にシンジを見た。

「シンちゃん?」
「母さん、なに?」
「あなたはこれからやらなければならないことがあるわ」
「う、うん」

シンジはなにを言われても動じないようにと強い意志を込め、まっすぐにユイを見る。
その視線は男でも女でも変わらない・・・碇シンジという人間の本質をあらわすかのようにまっすぐな瞳・・・

「・・・シンちゃん?」
「何?ぼく・・・なんでもするよ。こんなことになったのはぼくが油断したせいだし」

そういって感情に流され、潤む瞳を見たユイの顔が赤くなる。

(な、なんでも?それってお持ち帰りもOKってこと?)

ユイの中でさまざまな妄想が暴走する。
しかし、程なくユイはふっと苦笑した。

(・・・ってどうせ自分の言った言葉の意味なんて考えてもいないんでしょうけど・・・危険ね、女の子の心得を教えておかないととんでもないことになりそうだわ~この子驚異的にかわいいし・・・おもわずいじめて・・・ってカットカット!!その思考はいただけないわ、私はノーマル・・・)
「それで母さん?ぼくがやらなきゃならないことってなに?」
「え?・・・ええ、とっても重要なことよ。あなたがいなければ意味がないほどにね。」

ユイの言葉にシンジの顔が緊張したものになる。
他の皆も同じように緊張している。

「あなたはこれから私とデパートに行かなければいけません。」
「デ、デパート?な、何をしに!?」
「もちろんあなたの服を買うため」
「・・・・・・」

痛い系の沈黙が部屋に充満した。
誰もが呆気に捕らわれている。

「「「「「「「「はい?」」」」」」」」」

沈黙から復活した全員が同じ疑問符をつむいだ。
まじめに理解不能で、誰か説明してほしい。

「な、何それ母さん?」
「だってあなた女の子用の服を持っていないでしょう?」
「で、でも世界の敵が・・・それに服ならぼくの服が・・・」
「シンちゃん、男物の服なんてサイズが合わないでしょう?急がば回れって言うわ、あせっちゃだめよ?」
「で、でも・・・」

食い下がってくるシンジにユイはため息をついた。
服も必要だが・・・

「・・・シンちゃん?」
「はい?」
「さすがに下着もないのはちょっと・・・。」
「っ!!か、母ぁーさん!!」

シンジの顔が真っ赤になる。
おもわず服の上から胸と股間を押さえた。

ほかの人間はその意味を理解するまでに数秒・・・考えてみれば当然なのだが男であるシンジが女物の下着をもっているわけがない。
そして女性下着を集める趣味もない。
だから当然下着はつけていない・・・っとくればそれが意味するものは一つだけ。
つまり・・・

「ノーパン?」
「ノーブラ?」
「「う!!」」ブシュウー!!
ドサ!!

ムサシとケイタが鼻血を噴出して倒れこんだ。

どうやら妄想におぼれて溺死したらしい。
実際、目の前で鼻血の中に沈んでいる。
それを見たシンジの背筋にぞわぞわとしたものが這い上がる感覚が走って鳥肌が立った。

マコトとシゲルは鼻血を出すほど初心ではないが顔を赤くしている。

「・・・不潔!!」

その一言にビクッとして背後を振り返れば氷の視線のマヤ・・・

「な、なにを言うんだいマヤ?僕は・・・」
「不潔・・・」
「お、男なら仕方のないことなんだよ。」
「私というものがありながら・・・不潔・・・」
「あ、あの・・・マヤさん?」

マヤの瞳にジワ~っとなみだが浮かんでくる。
もちろんマコトにだって言い分はある。
現役の男なら反応してしまっても仕方がないではないか・・・別にシンジに手を出したわけでもないのにこんなふうに責められるいわれはない。

・・・・・・だがそんな理屈などマヤに通じるわけがない。
マコトは平謝りで謝るしかない。

「ぼ、僕には君だけだ。」
「本当に?」
「本当さ!!」

そういって寄り添いあう二人に誰も突っ込めない。
いつの間にかオペレーター三人衆も”こっちの世界の住人”になっていたようだ。
やはり周りの濃い面子の影響だろうか?
二人の世界に突入してしまってL・L・フィールド・・・ラブラブフィールドを発生させていて不可侵状態になっている。
って言うかあの甘い空気に突っ込みを入れるほど野暮な奴はここにはいない。

いまだ一人身のシゲルはマコトとマヤから視線を移し、凪に熱い視線を向けているが凪のほうは気づかないふりをしている

「シンちゃん?わかったでしょう?服を買ってこないといろいろと問題が起こるのよ。あそこの二人とか、床に沈んでいるムサシ君とケイタ君の尊い犠牲とか」
「う、うん、ムサシとケイタは死んでないし、死んでいたってどうでもいいけど・・・でもそれなら下着だけでいいじゃないか?」
「なにを言っているのかしらこの子は、女の子なら身だしなみに気を使うものよ。特に胸は形が崩れたらどうするの?」

ユイの言い分に女性陣がうんうんとうなずく。
しかしシンジは納得が出来ない。

「僕は男だ!!それで?・・・本音は?」
「せっかく女の子になったんだからいろいろ着せ替えて遊びたい・・・おっと」

どうやら妄想が暴走しすぎたようだ。
おもわず本音が出てしまった。

ユイを見るシンジの目が半眼になる。

「母さん!!」
「そんな格好で怒っても怖くないわよ。ほほを膨らませてるのはとってもかわいいんだけど、それにどっち道それ(入院服)で外に出るわけにはいかないでしょう?」
「そ、それはそうだけど・・・」
「今のシンちゃんになら何でも似合うと思うのよ。」

ニヘラ~という感じに崩れた笑いを浮かべるユイはとてもじゃないが東方三賢者にもネルフ総司令にも見えなかった。
はっきり言おう。
今のユイはどう見てもかわいい物好きの親ばかであると・・・

「ミニスカートとか似合いそうね」
「ミニスカート!?」
「あれって若いときにしか着れないし、チャンスは今よ!」

ひざ上何センチかの短いスカート・・・ひらりと裾が舞い上がるがお約束のように見えそうで見えないシークレットゾーン・・・チラリズムをコントロールする神の一手・・・それに気がついたシンジがほほを染めて一言・・・「見えた?」・・・完璧だ。

「い、いやだよ!!」
「後やっぱりメイドさんね!!」
「冥土ですか!?それはぼくに死ねと!?」

疲れた体を引きずって帰宅する我が家・・・玄関の扉を開けて家に入れば出迎えてくれるメイドシンジ・・・「お帰りなさいませご主人様!!」・・・男の夢だ!!

「ゴシックロリータもいいですよ!!」
「マヤさん!!ゴスロリ!!」
「あら?それもいいわね~」
「母さん!!」

シンジとユイの会話に復活してきたマヤが参戦する。
結婚してもかわいい物好きの趣味は健在のようだ。

黒いひらひらのレースで出来たドレスを着て優雅に紅茶を飲むゴスロリシンジ・・・「この紅茶・・・おいしいですわ」・・・口調もセレブになっている。

「巫女さんなどはどうかしら?」
「キョウコさん!!」
「いいわね・・・マニアックで・・・」

キョウコまで参戦してきた。
巫女服シンジ・・・その筋の人間にはたまらないだろう。
シンジの髪の色は黒髪だし、巫女さんのコスプレもきっと似合う。
問題は手に持たせるのは玉ぐしと竹箒のどっちがいいかということだが・・・「こんにちわ、おみくじですか?」・・・そんな感じでにっこり笑われたら・・・一発で神の世界に逝けるだろう。

「マニアックといえばチャイナさんははずせ・・・ぐほ!!」

時田が何か言おうとしたが言い切る前にリツコから鬼の突込みが来た。
手に持っていた書類付きのクリップボードをフリスビーよろしく投げつけたのだ。
狙いたがわず首に決まった時田は悶絶するがそれを見るリツコはにっこりしていて助けにも行かない。
周囲の皆も引いてしまっている。
これも彼女なりの愛情表現だろうか?

・・・リツコも結婚していろいろと変わってきたらしい。
それが悪い方向に行かないように祈るしかないだろう。

それはさておき問題はチャイナシンちゃんだ。
スリットから覗く脚線美・・・体のラインを覆う布地・・・着るだけでアダルトな魅力を引き出す魔法のアイテム・・・やはり髪型は両側に二つのお団子だろう。
「問題ないアルヨ」・・・ああ、そうだ問題などない・・・中国4000年に乾杯

嬉々としてシンジに着せる服を選ぶ・・・そんな母達を見るシンジは戦慄に包まれていた。

あれはマジだ・・・どうしようもなくマジだ。
しかも彼女達の中ではすでに決定事項だ。

ここにいるとヤバイ・・・着せ替え人形にされてもてあそばれる。
そう判断したシンジは背後を振り返って駆け出そうとして・・

ガシ!!
「さあ、話はこれくらいでいいでしょう。行くわよシンジ?」

逃げる機先を制されてとっ捕まえられた。
いくら女になったからといってもそこはシンジだ。
技術的なもので抜け出すことは容易だがユイに怪我をさせるのは気が引ける。

「は、離してよ母さん!!」
「だ~めよ~」

いかん、目がマジだ。
本気と書いてマジと読むほどマジだ。

「で、でも今は世界の敵のことが!!」
「あなたの服を選ぶのが最優先です。そのためには大した問題じゃないわ」
「なんでそんな!?」
「皆そう思っているわよ。」

見回せば自分を見る視線のすべて期待の色がある。
そんなにシンジの着せ替えに興味があるのか?

「待ってください。」

そんなある意味決定事項のような空気の中でユイに待ったをかける人物がいた。

・・・リツコだ
ユイとシンジの行く手に立ちふさがっている。

「リツコさん!」
「ユイさん・・・あなたは重要なことを忘れている。あなたともあろう人がそんな間違いを犯すなんて・・・」
「そうだよ母さん、母さんは司令なんだからネルフの仕事とかね!!」
「あなたがなにを言いたいのかは分かっているわ・・・リッちゃん・・・」
「え?」

なんだろう・・・とってもいやな予感がする。

「猫耳カチューシャはちゃんと買ってくるから!!」
「完璧ですユイさん!!」
「ちょっとまてや!!」

シンジの突っ込みはユイとリツコには届かない。
ブルータス・・・お前もか・・・シーザーの言葉が浮かんできた。

どうやらリツコの猫好きはこの数年でさらに磨きがかかり、その暴走には拍車がかかったようだ。
科学者という人種は飛び抜けた物を持っていなければなれないのだろうか?

それはともかく、猫耳カチューシャ・・・それは魔法のアイテム・・・

巫女さんに付ければ猫耳巫女さん・・・
チャイナさんに付ければ猫耳チャイナさん・・・
ゴスロリに付けたなら御伽噺のようなゴスロリ猫さん・・・
それが例え普段着であっても問題なくなじむコスプレアイテム・・・猫耳カチューシャ・・・

「ああ、そうだリッちゃん、シンちゃんの高校に転入届を出しておいて、MAGIなら簡単でしょう?」
「転入届ですか?なぜ?」
「制服姿のシンちゃんが見たいから」
「母さん、いい加減にしてよ!!」

ユイ達の暴走は止まらない。
何かのたがが完全に外れているのだ。
これが世界の敵の能力から来たものだとすれば驚異的だ。

・・・おそらく女になったシンジのかわいさにノックアウトされているだけであろうが。

「猫耳女子高生か・・・いいわね・・・」

リツコも完全に暗黒面に落ちてしまっている。
もはや戻ってはこれないだろう。

「ユイ、私もいくわ」
「キョウコ、あなたは副司令でしょう?司令と副司令がそろっていないっていうのは問題よ。」
「う・・・」

だったら司令であるユイがいないのはいいのかという突っ込みはこなかった。
突っ込んだところでどうせ意味はあるまいと皆分かっている。

「さあ行くわよシンちゃん!」
「え?ちょっと、待ってよ母さん!!キョウコさんももっとしっかりと母さんを止めてください!!」
「親子水入らず。楽しんできなさいよユイ」
「もちろんよ」
「話が通じない!味方も一人もいない!!」
「帰ってきたら買った服でシンちゃんのファッションショーよ~」

哀れシンジは子牛のように連れて行かれましたとさ、どっとはらい。

どうして女性というのは時々男がかなわないほどパワフルになるのだろうか?

一番いい例はバーゲンセールに突っ込んでいくおばさんたちとか・・・

「いいのか六分儀?」
「問題ない、私たちのやることはユイの言ったとおりだ。後は細部を煮詰めなければならないが・・・」
「確かにな・・・」

冬月はゲンドウの言葉にうんうんと頷く。
ユイが基本方針を決定した以上、それをフォローするのが自分たちの仕事だ。

「それで?具体的にはどうするのだ?」
「まず広い場所を確保する必要があるな」
「戦闘になったときに周りに被害を出さない為にだな?数箇所ピックアップしよう。」

ゲンドウの言葉に冬月は第三新東京市の地図を出す。
やはりこの二人はいいコンビだ。

「次に時間的に考えて照明も必要になるだろう。」
「照明?夜仕掛けるつもりか?確かに余り人目につくのはまずいが・・・」
「他にはモニターなども設置したほうがいいだろう。よく見えるようにな」
「なるほど、映像があったほうが支援やフォローもしやすい・・・諜報部の機材を使おう。」

さすが長年の付き合いだ。
阿吽の呼吸で話が進んでいく。
その姿に全員が感心していた。

「問題は人間だな、どこに行っても人間がいる。最悪の場合保安部と諜報部を動員して・・・」
「ああ、いかにして人間を多く集めるかが問題だ。」
「・・・ちょっと待て・・・」

冬月が顔をしかめてゲンドウを見た。
他の皆も不信な瞳でゲンドウを見る。

「おまえ・・・今何と言った?」
「ギャラリーは多いほうがいいと言ったのだ。」
「・・・何の話をしている?」
「もちろんシンジのファッションショーの打ち合わせだ。」
「「「「「「「「お前もか!!」」」」」」」」

シーザーの断末魔がダース単位で聞こえる気がする。

「なにか文句でもあるのかね?」

ゲンドウは無言で威圧感を高める。
しかし髭がないために本来の力の三分の一ほどしかない。
今のゲンドウの威圧感はいいところやくざの下っ端のガン付け程度だ。

髭を生やして威圧感を高めたかったわけも分かる。
今のゲンドウのプレッシャーはひどく薄っぺらい。

伝家の宝刀が効かないと判断したゲンドウは舌打ちしてからめ手に出ることにした。

「・・・副司令?」
「なんですかゲンドウさん?」
「アスカ君にファッションショーへの参加要請を出します。」
「了承」
「「「「「「はやっ!!しかも即答!!」」」」」」

話の中心であるアスカはいきなりのことに呆然としている。

キョウコの答えにゲンドウがニヤリ笑いをする。
やはり髭がないので以前のような凶悪なものではないがそれでも傍目から見て危ない笑みだ。

「じゃあ他の皆も参加ということで副司令からのお願い。」

キョウコがそう締めくくったことで残ったレイ、マナ、マユミ、カヲルも強制参加となった。
副司令の権限はそんな命令をするためにあるわけではないと思うが誰も突っ込みを入れない。
理由は簡単、シンジには悪いがそっちのほうが面白そうだから。

「時田博士、山岸博士、会場の設営はお願いします。」
「「任せてください。技術部のプライドにかけて!!」」

技術屋のプライドとはえらく軽いもののようだ。

「シンジ君たちが帰還するまでに物にして見せましょう。ところでもちろん撮影は可でしょうな?」
「問題ない。しかし・・・」
「わかっていますとも、遠くの人からでも見えるように360度あらゆる方向からカメラでモデルの子を映して特設した巨大スクリーンで上映します。」

なぜそこまで張り切るのか理解できない・・・

「ふっ・・・期待していますよ。」

この場に残っている理性ある者達(凪たちふくむ)は皆あきらめた。
もはやこの流れは止められないだろう。
ならば後はせいぜいこの状況を楽しむだけだ。

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10時間後・・・・・・ネルフ本部の外に特設会場が出現した。
横断幕に書かれた文字は・・・

【第一回 ネルフ主催ファッションショー IN アニマル】

・・・頭の悪いネーミングに加え、いつの間にか妙な獣属性まで入ってきている。

しかもいきなりのイベントにもかかわらず参加者の数が普通じゃない。
ネルフに勤務している人間のほとんど、今日が休日の人間まで参加している。
参加していないというか出来なかったのは当直で手の離せない職員達だったが、それでも時田達が随所に仕掛けたカメラによって送られてくる映像をみているはずだ。

ネルフは国連直属の組織だ。
以前のように命がけの戦闘を目的とした組織じゃないとはいえ民間の組織に比べて規律やその他の制約は厳しい。
これといった福利厚生みたいなものもなく、カウンセリングみたいなものはあるがストレスなどは基本的に自己消化にゆだねられる。
そんな中で行われるファッションショーは職員達のいいガス抜きになるだろう。

ゲンドウもそのあたりを狙って推し進めたらしい、人や状況を利用するのが得意な男らしいやり方だ。

この日に偶然尋ねてきた政治家のお偉いさんがファッションショーの邪魔だからと追い返されたなどと言う話があったらしいが・・・多分、些細なことだろう。

観客の興奮が最高潮に達したところでミサトの司会でファッションショーが始まった。
基本的にミサトはお祭り好きだ。

一番手はやはりというかなんと言うか・・・アスカだった。
何事も一番に先陣をきる彼女らしい。
着ている衣装は真っ赤なチャイナ服、もともと発育のよかった彼女だが高校生になってさらに女性としてのラインがくっきりはっきりとなってチャイナ服がよく似合う。
その色気に男性職員から歓声が上がった。
歩く姿も様になっていてモデルのように歩いてステージの中央でターンする姿など本職顔負けだ。
そしてその頭にあるのはキツネ耳・・・赤いチャイナ服にキツネ・・・赤い、キツネ・・・問題ないはずだ。

二番手はマナ、着ているのは王道のメイド服
しかもただのメイドさんじゃなくウエイトレス風のメイドさんだ。
マナの活発な性格を現すかのようにひざよりちょっと短めのスカートにローラーブレードを履いている。
こんなウエイトレスがいる店があれば間違いなく常連になるだろう。
翻るスカートのすそがぎりぎりで見えないのは絶対に何か超自然の力のせいだと男達の誰もが思った。
というか男なら悔しがる場面だろうと思う。
ちなみにその頭にあるのはタヌキの耳・・・メイド服の色が濃い緑色に見えるのは気のせいだろうと思いたい。

三番手はマユミ
着ている服は巫女さんだ。
その手の人間にはたまらないチョイスだろう。
マユミの黒髪が大和撫子な雰囲気をかもし出している上に、彼女は素でメガネっ娘だ。
手に持っているのは竹箒、萌え要素には事欠かない。
大人しめな彼女の仕草が衣装によく似合ってベストチョイス
その頭にはイヌ耳・・・とっても人懐っこそうだ。

ここまで来るとファッションショーではなくコスプレショーの様相を呈してきた。
まさにカオスだ。

四番手はカヲル
なぜかその衣装は燕尾服・・・たぶん男装の麗人なのだろう。
その胸の部分は女性のふくらみを主張していた。
わっと言った感じに女性職員が沸き立つ・・・今のカヲルはどう見ても紅顔の美少年風だ。
その手のお姉さまたちには堪えられないだろう。
しかしカヲルはあれでも使徒で性別は割と簡単に変えられるので男装の麗人というべきかそれとも単に男が燕尾服を着ていると見るべきかは微妙・・・
ネコ耳を付けているのはカヲルの性格がネコみたいに移り気だからだろうか?

五番手はレイとメイ
レイ達がファッションショーをやると聞いたメイが自分もやりたいと言い出したのでレイがそれなら一緒に出ましょうと飛び入り参加したのだ。
二人の登場に会場の男女問わず歓声が上がった。
まずレイの衣装は黒のゴシックロリータ、レイ自身の白い肌とのコントラストがお互いの魅力を引き立てている。
頭に乗っているのはウサギの耳・・・本当はやはりバニーさんにしたかったようだが諸事情で(女性陣の猛反対とユイの「私の娘にそんな格好はさせられない!!」発言で)没になり、路線変更でウサ耳ゴスロリになった。
対するメイはこちらもウサギのきぐるみを着ている。
もこもこしたデザインの衣装がとってもキュートで愛くるしい。
メイもレイと一緒で喜んでいる。

この姉妹ウサギに会場のテンションは最高潮に達した。

そしていよいよラスト・・・七人目の少女がステージに現れる。

新婚さんのようなエプロンドレスにウシの耳(他の少女達が強く希望したらしい。理由は分からないが胸のサイズが関係している気がする。)しかもカウベル付きの衣装は豪華な飾りつけはないがそれだけに初々しかった。

彼女が緊張で潤んだ瞳で会場を見回し、ぎこちなくも微笑んだ瞬間・・・はにかみの天使が光臨した。

ズキュウン!!

同時に何かが会場全体を貫いた。
観客は皆何か大事なものを打ち抜かれて骨抜きになる。

・・・結果から言えばファッションショーは大成功におわった。

なんと言っても出演した少女達は皆レベルの高い美少女達で、その母達を筆頭とした大人の女性陣が衣装やら化粧やらを完全監修したのだ。
成功しないわけがない。

問題はショーの後に行われた人気投票にあった。
全員がいつにもまして目移りするほどに輝いていた為に甲乙が付けがたのだが・・・。

アスカ、マナ、レイ、マユミ、カヲルの獲得票はほぼ横並び。
150票から160票の間で僅差だったのだが・・・

二位・碇メイ
得票数、332票

レイと一緒に参加していたメイに男女問わず票が集まった。
やはり幼稚園児の無垢なかわいさは世代も性別も超えて万人に愛されるものだ。
他の少女達のほぼ倍の票を集めたメイが準ミスに輝くことになったのは仕方がない。
少女達にとってはちょっと残念ではあるが相手がメイでは悔しさも湧かない。

問題は・・・

一位・名前、不明
得票数、724票

ネルフで行われた初のファッションショー、その人気投票でもっとも票を集めた少女の名前は誰も知らなかった。
それゆえの不明・・・投票理由を見てみると・・・

曰く、あのおどおどしたところが実に萌え・・・
曰く、結婚してください!!
曰く、どうにも守ってあげたくなってしまう子犬チックなところが萌え・・・
曰く、携帯、メール番号を教えてください!!
曰く、どうにもこうにも萌え・・・
曰く、俺色に染めてやり(自主規制)

7人目の少女はたしかにネルフ職員を癒しまくった。

しかし、後日この結果を見たほかの少女達が悔しさでちょっと落ち込んだとかどうとか・・・それも仕方がない。
だって女の子だもん・・・昨日まで男だった少女に負ければ女としてのプライドもずたずただろう。

同じように・・・シンジの枕が涙でちょっと濡れていたかもしれない。

「ぼくは男なのに・・・」

・・・いとあわれ、シンジの受難はまだ終わらない。






To be continued...

(2007.10.13 初版)
(2007.10.20 改訂一版)
(2008.03.01 改訂二版)


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