無垢なる刃金を纏う者

第九話 双臨、白と黒の王+赤木リツコの修行風景パ〜トone

presented by sara様


さて、前回“天使王”メタトロンにより腕を切り裂かれ、シンジにより指を切断された髭とビア樽。

結果髭は、ビームサーベルで切り裂かれた腕は焼くと斬ると言う攻撃を同時に行われ、切断表面が焼き切られたため縫合は不可能、右腕は二の腕の半ばから永遠に失われることになった。

流石のネルフの医療技術でも腕部の再生しかも重度の火傷部位の治癒は不可能だったようだ、まぁ片腕だと、婦女子のレイプなどはやり辛くなるだろうから丁度いいだろう、全く問題ない。

だが、この男懲りると言うことを知らない猿以下の知能しか持ち合わせていない、頭はいいはずなのに使いようを知らないと言うか固定されていると言うか。。

ウエスト曰く髭面の珍獣とされ人間以外の野生動物、UMA扱いされた男である、猿と比べるのは失礼かもしれない。

サルでも反省はする。

出来るのは悪巧みと、政治的な駆け引きだけの臆病者である、それも老人会を盾においての脅迫や弱みを掴んでの犯罪紛い。

それが通用しない年下の小娘にいいように嬲られて、反省するとか自分の行動を省みろとも言わないが、何が拙かったぐらい考えてもいいのではないだろうか。

問題点を突き詰めればもう少しマトモな考えはでるだろう。

それに今回はかなり経験則をなるような事件である。

初号機をスクラップにされた時にはそれはもういい顔をしておられた。

まぁ、それでもそんな器用なことは出来はしないのだろうが。

それを自分が招いた自業自得とは判らずに、今も病院に入院し油のような粘性を持った憎悪を加速させ更に愚かな報復のシナリオを描いていることだろう。

この男の憎悪がどれだけ自分の本来のシナリオを崩す結果と成るか気付くことも無く。

己の欲のまま傲慢な我が侭を貫き通そうとする。

この男にとって、自分の下だと思っていたものに虚仮にされるなど耐えられるものではない、他人をゴミと認識して自分の位置を持ち上げなければ気がすまない。

そうしなければ他人が恐ろしくて仕方が無いのだ、臆病者は自分が絶対者であることでそれを隠し誤魔化してきたのだから。

それがこの愚か者の処世術、自分の半分も生きていない少女の視線に怯えサングラス越しに視線を合わせることなく対峙することしかできない。

小心者であり、臆病者、人間以下の、否獣以下の尊厳しか持ち合わせていない愚か者。





それに、知っているか獣の世界では目を逸らしたと言うことは相手に屈服すると言うことなのだよ、六文儀ゲンドウ、お前はどれだけ自分を高く上げようとしても他者の目を見ることも出来ない時点で最弱の獣に過ぎないことを。





ビア樽のほうはと言うと、鋭い刃物で切られた傷であったので処置さえ間に合えば接合手術も可能であったのだが吹き飛ばされた時に放置されたので切断面が荒らされ、肝心の切断された指もどこかに吹き飛んでいた。

再生医療を行うにしても個人で費用負担できる額ではなく、この女は自分の積み重ねた不始末により、その手の費用を捻出するだけの金銭も持ち合わすことは出来なくなっていた。

ネルフとしても負担する気などこれっぽっちも無い、治したところで何か利益があるわけでもなし。

よってこちらも永遠に利き腕の指を失うことになり、世間的には大変喜ばしいことに、この世間の常識とやらが完全に抜け落ちた獣のような人間が銃と言う近代兵器を持つことが困難になったと言う結果となった。

銃は利き手を失うと命中率が極端に下がるため、片手で使える小さな拳銃でも左手では命中力も威力も高が知れている。

先ず片手が不自由だと装弾が困難になるのだ。

本人は。

「私の指を治しなさいよ、この私の世界に独りしか居ない使徒を倒せる指揮官の指よ、そんなあんたの命より貴重なモンなんだからとっととお得意の先端技術で治しなさいよ!!!」

と、彼女の担当医に左手で胸倉を掴んで文句を垂れ流していた、

なお、これは再生医療に掛かる費用を聞いた直後の台詞である、担当医が哀れでならない、自分の不幸を嘆いてもらおう。

言っておくが彼女が倒した使徒は現在のところ一匹もおらず、出した被害額は国が吹き飛ぶぐらいと言う既に首の皮一枚と言うか、どこかの老人クラブの愚かな願望にのみ繋げられた現在の立場に立つ客寄せの珍獣であるし、今のところ使徒を倒した指揮官は瑠璃ただ一人である。

功績詐称だろうか?

それに金は払えるのか、医療はサービスではなくビジネスであるのだから。





更にこの馬鹿女の指切断の利点を加えるとすると、信号無視は当たり前、朝っぱらから飲酒運転、制限速度って何と道交法を無視しまくり人身事故さえ「私はネルフの幹部なのよ!!!!」の一喝で警官を黙らし、被害者(中には死者も居た)を泣き寝入りさせた暴走族が公共の福祉の代表者に見える暴走ドライバー、葛城ひき逃げ常習道路交通法無視特務軍曹(前回の命令権を無視した行動でまた階級を下げさせられた)がハンドルを掴めない為に運転できないようになったのは周辺住民にとって安全な生活を送る上で本当に喜ばしいことであった。

なお周辺警察から蒼い暴走理不尽、何時かきっと豚箱に叩き込んでやるリスト筆頭に乗っている悪質ドライバーとして認識されている。

なお事故、違反を全て合わせるとかなりの金額+かなりの懲役年数らしい。 以前の監査でその誤魔化しは幾分露見したもののそれを周囲に知らせるわけにも行かず(老人会の都合)、それをいい事に馬鹿女はその手のことを止めていなかった。

なお、愛車アルピーヌ・ルノーは今やビール代に化け中古店の店頭に並んでいる有様である。

本人としては、これからはネルフの経費で自分の職分上必要とでもでっち上げて、フェラーリF40でも買わせようかと考えていた矢先だったので、運転できない体になったのはますます喜ばしいことである。

少なくとも彼女の趣味に合致する車はマニュアル車であるから片手での運転は絶対に不可能。



なお、この二人の怪我は、牛さん限定である特殊な趣味(M、もしくは妄想)があるであろう巨乳大好き妄想眼鏡オペレーターある意味では某キチガ○作戦妨害部長以上の諸悪の根源とも言える男性からは怪我を心配する言葉を頂いたが、他の全職員は口にこそ出さないがこの怪我を喜んでいたりする。

いつも無茶や我が侭しか言わないこのがん細胞は組織内でも相当嫌われているらしい。

それはもう作戦部の部員がミサトの指が切断と聞いて殆ど全員が心から侵入者に感謝し、今度来たら、盛大に歓迎しようと考えたくらいである。

なお、これには侵入者に怪我させられた人間も含まれている。

敵よりも味方が味方に憎悪されているようだった。

これも普段の彼女の地道な怠惰と傲慢のお陰だろう、みんな見習って真面目に生きよう(もちろん反面教師として、彼女ほどの人物になれたらそれはそれで脅威ではあり、尊敬に値するかもしれない)。

なお髭さんも子飼いの部下に内心では万歳三唱が侵入者に送られているらしい、こっちも怪我している人間は大勢いるのだが。

優遇している身内にも嫌われる悲しい男である。

完全に自業自得どころか自業自爆なのだろうが。

なお生涯指が復元することは無かった、まぁ彼女の生涯と言うのが後どれぐらいあるのかは不明だが、絶対にマトモな死に方は出来ないだろうなぁぐらいは想像に容易い。





樽の元親友、現惣流・アスカ・ラングレーの保護者。

天才科学者、以前は金髪マッドなど不名誉な形容詞で語られ鬚にいいように嬲られた何気に不幸な人、赤木リツコ、因みに現在黒髪。

ネルフを裏切り、覇道に鞍替えした決断者。

レイとアスカを守ると心に決め力を得ると心に決めた戦乙女。

その気丈な女性、現在ちょっと半泣きで、膝を震わして、弱音を吐いていた、見ていて哀れなぐらい。

現在地、アーカムシティ中心部、ミスカトニック大学、時計台、ここまで書けば何が行われるかわかりそうなものだが、分からない人も大勢いるだろうから解説しよう。

この小説の主人公、主人公の割には影が薄いと言うか出番が無いが大十字シンジ及び兄、大十字九郎が受けた、教育と言うか訓練と言う名の虐待。

大十字九郎曰く、あるロリペタの趣味と断言させるような訓練内容。

教官、アル・アジフ曰くは「魔術は理論を理解するだけでは駄目なのじゃ、その力を行使する感覚、魔術の力に触れることにこそ価値がある」となり。

言っている事は尤もらしいのだが、要は。

ビギナーが魔術を発するには「生命の危機に触れさせるのが手っ取り早いのだが」と不遜なことをのたまい。

被験者第一号大十字九郎以降。

魔術の力に触れてみよう、先ずは紐無しバンジーでゴー by アル・アジフ

が、初心者魔術師に行われる通過儀礼と化していた。

勿論、シンジもアリスンも被験者である、アリスンの場合よく魔力暴走して暴れなかったものだと思う。

それはさておき。

到着以降、アルによる魔術講義を受け概念的なものはなんとなく理解できたリツコ、元々聡明ではあるしエヴァと言う魔術的なものに関わっていたので飲み込みは早かった。

今では自分の理解力の速さを呪っているかもしれないが。

そうすれば目の前の恐怖がもう少し後になったかもしれないのに。

どうせやっては来るんだろうが。





つまりは現在、なんか魔術師っぽい服、といっても全身白尽くめで、白衣のような上着を羽織っている(イメージは白魔術師らしい)リツコ。

因みに服装はアルが指示したのではなくリツコが魔術師っぽい服を着た只のコスプレで、そういう服を着なければならないわけではない、どうやらこの人も形から入る人なのかもしれない。

まぁ、メンタル的な要素が多い魔術なので着たほうが集中力が高まったり、思い込みで何とかなるのかもしれないが。

そんなことはおいといて。

恐怖に引き攣った目で目の前に居る師匠。

齢1000年以上を数えるロリペタ、現在サディストの目をした少女姿の魔道書に情けを請うような目で見つめていた。

それ以前に抵抗手段が無いと言うのもあるが。

勿論その無慈悲なる教官は生徒の嘆願など聞く気など微塵も無く、逆に嬉しそうに頬を吊り上げているのがますます怖い。

毎夜毎夜大十字九郎にベッドの上で良い様に嬲られている憂さ晴らしかもしれないが。





ついでにギャラリーは大十字九郎及び、ライカ・クルセイド、救助担当はライカことメタトロンである。

下手に九郎が助けてリツコに九郎フラグを立てられても彼女としては厄介なので当然の選択である。

「ネェ、九郎ちゃん、止めてあげないの、お姉さん、ちょっと可哀想だと思うの」

と、言って自分で止めないのだから、本気で可哀想と思っているのやら、この似非聖職者、及び真性性職者。

九郎は頭を振ってライカの提案を否定し、と言うかこの手の目をしているアルに余計なことを言って自分が被害にあいたくないだけで。

いい加減に学習能力から得た経験で、やっぱり同情の目を送るも助ける気は皆無らしい。

何か言えばその被害が自分の身に降りかかると言うことは存分に学習したようだ、ここまで行く道筋は長かったとだけ言っておこう。

因みに時計台の下から眺めていた二人である。





で、時計台の上、なんとか恩赦を得ようとリツコがアルに縋っている、因みにその目が半泣きから本泣きに移行していたりする、大人の女と言うプライドは捨てたらしい。

命の前にはその手のプライドはやすいものかもしれないが。

と言っても、アルはその姿を見て益々嬉しそうに笑い出しているのだから逆効果だろう、苛めっ子の素質、アルはありそうだ。

ベッドでは完全にMなのだがそこはそれと言うものである。

それにいい加減リツコにも余裕がない、あのアリスンでさえ突き落としたアルである、成人を超えた女性を突き落とすのに良心の呵責などあるまい。

それはもう嬉しそうな笑顔、これをサディスティックな笑顔とでも呼称しよう、この顔をした人間を言葉でいさめることが出来ようか。

しかも対象の人間からの容赦の懇願は危ない喜びを増幅する手段にこそなり、止めることには何の役にも立っていない。

それを悟った、アルの加虐的な笑みに強制的に悟らされたリツコは完全に精神的に追い詰められている、因みに追い詰められたほうが命の危険を感じて本能的に魔術を引き出しやすい状態になるので、アルの趣味の混じった行為もあながち間違いではないだろうが、趣味と言うのが大問題だろう。

そんなことこの際どうでもいいんだけど、どうせ突き落とすんだし、鳴こうが喚こうがね、嫌でも命の危険は出てくるわけだし、墜落死以前にショック死とか。





「ていっ」

可愛らしい掛け声の後は。

「キャアアアアアアアアアアアッ」

妙齢の女性の絹を引き裂くような悲鳴が続いた。

なおミスカトニック大学の昼間にこの叫びは合わせて21回響いたと言う。

アルの突き落とすときの掛け声にはかなりバリエーションがあったことを追記しておく、まさにどうでもいいが。

堕ちるたびに、落下まで三メートル前後のところでメタトロンに救助されていたのだが、その恐怖は相当なものだろう、最後のほうでは一応浮かぶことは出来たのだが。

メタトロンの目には同情の色が濃かったが、結局救助するだけで助けてはくれなかったようだ。

落ちるたびに精神的に追い詰められ、肉体的に疲弊していき、完全に追い詰められた当たりで身に潜む魔力が発動したリツコ。

本来“風”を扱う“セラエノ断章”であるから、シンジよりも若干少ない回数で空に浮くことは出来たようだが、つまりはまだ自由に飛び回ることは出来ない。

因みにシンジは男と言うことで四の五の言わずに蹴り落とされたらしい。

因みに飛べるようになるまでこの地獄のバンジージャンプ(紐ナシ)は続行されたようだ、合計回数は数えたくないぐらいある。

浮けるようになったら恐怖心のほうは幾分マシになったようだが。

赤木リツコ、技術系の人間が体育会系吃驚のシゴキを齢30で受けることになった女性であった。

彼女が一端の魔術師になる日は、いつだろうねぇ。





で、その手の当事者にとっては悲劇であり愉快な遊戯である訓練と言う名の苛めは置いておいて。





第五使徒襲来。

ほんとに唐突だな。





対使徒迎撃機関ネルフ、最近その必要性の無さを随分指摘されている組織では有るが。

現在、ネルフは先の使徒戦及び、対面上事故と処理されている事件の為、第三新東京市の機能及び(シャムシエルと二号機の立ち回りから復旧していません、予算が少ないので工事が遅れる一方だった)、ネルフ本部施設内部の設備及び人員に多大な被害が出ていたままの状態である(これは主に“暴君”に負わされた心的外傷のため未だ職場復帰しないものが多数いた、しかもこれは他の連中と違い無差別で行っているので戦闘以外の部員の被害も多かった)。

前回に比べて施設の稼働率が悪いと言うか洒落になっていないのが現状である、早く言えば役立たずにでくの坊状態。

功績はまるで挙げていないのに被害だけはしっかり上げている、世界のお荷物機関の名前をほしいままにしているネルフならではといったところか。

そろそろ名誉挽回しなければ死刑台が特定人物に待っていそうな感じだがその辺は考えていないだろうが。

で、実質戦力。

現在稼動するエヴァンゲリオンは零号機一機のみ、適正パイロット、現在訓練中の一人、訓練前まで、人類を救う為の選ばれた英雄、エリートパイロット相田ケンスケ特務伍長を、自称していた少年であり、それはやる気に満ち気持ち悪いぐらいに意気込んでいた少年だったのだが。

しかし現在では、訓練だけで現実と妄想の差をいやと言うほど叩き込まれ現実逃避に陥りそうになったときミサトと言う名のキチガ○を崇拝する事で自己を保全した根性なし、某眼鏡オペレータに続き、二人目の葛城ミサト作戦妨害部長、階級特務軍曹の忠実なる駒であり下僕、妄想を現実と認識する相田ケンスケ作戦妨害部所属特務伍長(長い肩書きである)、因みにこれは他者を偶像視した現実逃避であり、やっぱり現実逃避している。

現実逃避したからと言って能力が上がるわけでもなく、まぁ美点といえば指揮官に忠実といったところだろうが。

勿論、前回出撃し今は対面上、赤木リツコに誘拐されたとされているネルフのセカンドチルドレンに比べれば、ゴミ以下の能力しか持っていないのは確実視されている。

訓練担当官の評価コメントは簡潔に記すと。

役立たずよりはマシかもと言うレベルである。

が、彼以外の現有のマトモな戦力はいなかったりするのが実情、もう一人のチルドレン、フォースチルドレン鈴原トウジのほうがパイロットとして能力的、精神的にかなりマシなのだろうが専用機の三号機は届いていない。

機体のスペックとしても実験機の零号機よりマシだからこちらのほうがかなりマシだろうが、無いものはしょうがない、代案として無理矢理調整して、初号機や二号機に載せようにもその機体もスクラップ。

兵装ビルが牽制程度の役にしか立たないのは自明の理であるし。

今から零号機のコアの換装などという手間のかかることをしている余裕などネルフにはこれっぽっちもないしさせるつもりもない。

それはネルフにいる作戦妨害部長に兵装ビルを有効に使った作戦など不可能であるから、因みにリツコがいなくなったお陰で兵装ビルなどの施設の施行の書類や計画を立てる人間がいなくなり、兵装ビルの稼働率は凄いことになっているのと。

因みにこれは兵装ビル関連は本来作戦部の仕事だったのだがどっかの牛が押し付けて忘れていただけである。

換装を赦さないのは自分にあまり忠実ではない、と言うよりはただ単に現実的なだけだが、崇拝はしないし尊敬もしない、一応の契約でケンスケほども扱けないし,実際自分に反抗的なフォースチルドレン鈴原トウジを使う気が無いと言うものである。

作戦妨害部長にとって優秀なパイロットは自分の言うことを忠実にこなす駒であって、能力なんて二の次なのである。

まぁ、アルコールで出来ている脳細胞を抱えている女の考えそうなことだ。





そんな時に襲来した第五使徒、あの正八面体の砲台である。

今のネルフに一応、使徒との交戦の優先権を未だ保有している、今まで自分たちこそ無能の集団と言うレッテルを貼られているにも拘らず、自分達(戦略自衛隊)を軽んじる態度をとるネルフを面白く思っていないし。

どうせ効かないだろうと、まるで使徒に対する牽制攻撃をせずに使徒を第三新東京市に素通りさせている戦略自衛隊の方々がいたりする。

因みに第四使徒戦の時はゼーレの命令で攻撃したがその被害額が凄まじかったので、今回はゼーレもあえて攻撃せよと命じていない、被害額の補填で使わなければならないのが自分たちの資産である、これ以上日本に経済的負担をかけてネルフから、ゼーレから離反されてはたまらないからである。

日本のセントラルドグマは彼等の計画の要なのだから、その日本をゼーレは手懐けておく必要がありまくるのだ。

其処にこれ以上の経済負担を迫れば、幾らなんでも自分の首を死刑台に立たせるような苦境を強いる組織にはしたがってはもらえないだろう。

よって、第五使徒悠々自適にお空の旅をしていたりする。





ネルフ本部内。

某妨害作戦部部長殿が発令所のモニターを睨みつけていた。

因みにやはり右手の指は無い。

いい事である、世間の皆様の安全と公共の福祉の為に。

更に睨むだけで特に何か、部下と作戦を検討したり、牽制を行ったり、威力偵察をしたりと言う戦争と言うか戦いの初歩的作業も行われていない。

まぁそんなもの第四使徒戦で判り切っているのだが、再度問うこの馬鹿現状と言うものを理解する能力あるのだろうか?

無いのだろう、多分。

只モニターを睨むだけ、その様子を某眼鏡馬鹿以外のネルフ作戦部や発令所のメンバーはいい加減にこの女の使えなさや馬鹿さ加減を理解しきっている。

周りから諦観や侮蔑、嘲りの視線を向けられて気付くほど神経の細い女のわけが無い。

その冷たい視線に何も感じず樽は仇を睨み続けていた。

因みにモニターを睨みながらこの女、何を考えていたかと言うと、何も考えていないわけでもなかったようである。

一応、思考能力と言うものは脊椎動物である以上最小限はあるだろうし、獣以下の尊厳しかないとはいえ認めたくは無いが人間なのだから。

色々なところで人間離れしているが、一応分類上人間、ホモサポエンス、その彼女の脳内では。

戦略自衛隊が牽制攻撃や無駄に近い攻撃をかけないことをこの女は喜んでいたのだ。

自分の復讐劇、待ちに待った敵討ちに雑音を交える存在など邪魔以外の何者にも認識しておらず、前回など戦略自衛隊の機体が第四使徒に落とされるのを見てはほくそ笑んでいたくらいの感性を持ち合わせていた。

つまりは第五使徒にとっても優雅な空の旅ではあったが、有能作戦妨害部長(作戦妨害に関してはどの敵対組織から見ても有能なので、それが内部に居るのが大問題どころかそれを飛び越えている)にしてみても今の、何の攻撃もされず殆どエスコートするような状況は自分の闘いの場が整っていくと錯覚するぐらいに喜ばしいことだったりする。

因みの戦場はちっとも整っていないし、戦略自衛隊が攻撃してくれないせいで前回以上に敵の情報無しと言うか全くなし。

才媛のリツコも欠けてネルフ、烏合の衆のレヴェルを跳ね上げていた。

真面目な職員には真に哀れなことであろうが。

何でもいいが、いい加減使徒戦の優先権を剥奪したほうがいいと思うのだが、その辺は電柱とゼーレの老人達の苦労の成果である。

今回大失態を犯せばその限りではないだろうが、その辺はこの馬鹿は理解していないだろう、この女にとって今のネルフの現状など理解しておらず、自分が使徒と戦うのは天の理であるのだから。

ネルフのことを彼女が内心、自分の為に使徒と戦う準備をしてくれる機関と勘違いしている節がある気がする。

もしくは自分の欲望を叶えてくれる理想郷か、それも最近は封じられているが以前は好き放題やっていたものだ。

そう勘違いしていても何の不思議も無い。

髭や電柱が内心を聞いたら衝動的に射殺しかねないかもしれない、この女のせいで受けた連日の激務を考えたら。

でもこの女を使い続けるのは何故だろうか、そこらの訓練課程を出たての三尉でさえもう少しマトモな指揮を取れると思うのだが。

そこには色々な事情があるといったものだ。





事情とは、本来ならチルドレンの心を壊すと言う役割を与えられていたがこれは今のチルドレンでも生かされている、ネルフとしてはその点では何の問題も無いし、その役などこの女でなくてもいいわけではあるが。

この女ほど辛辣に厭らしくやれる人間は稀有だとしてもそこは人材が豊富なネルフであるどうとでもなる。

現状において絶対に勝利、つまりは目で見て判るはっきりとした功績が望まれている現在何故無知無能無策の三拍子を揃え、作戦妨害部という存在する筈の無い部署の部長職に就任している(そうネルフ内で規定されている)巨乳だけしか取り柄の無い、役立たずが有能に見える有害作戦部長を使い続ける理由とは。

一重にゼーレの都合である、早く言えば電柱も髭もこんな被害額を天井知らずに跳ね上げてくださる馬鹿を飼っていたいなどと思わない。

早急に独房に永久に放り込むなり射殺するなりして厄介払いしたいのが本音である、いないほうが何千倍有益かなど二度にわたる戦いと、ここに赴任してきてからの勤務態度で判り切っている。

それなのに髭が廃人にしてその体だけでも楽しもうとしたりしないのはゼーレが彼女を必要としているからである。

因みに流石の髭にも獣姦趣味は無いが。



セカンドインパクトで只一人生き残ったと言うのは当初ネルフとしては表向き他の組織に対する客寄せパンダとして使うつもりではあった、他の組織に見せ付けるためだが、これはあまり意味が無い、私情が混じりそうな指揮官など邪魔以外の何者でもない。

ゲンドウたちは、この辺のことはよく分かっていないので客寄せパンダとして使うと言うことで、ゼーレに送り込まれた女を使っていたのだ。

なおこの女をこういう風にあからさまに使っているのも、ネルフが当初嫌われる要因であった。

この辺はゼーレがネルフは他の組織と仲良くなってもらっては困るので当初の考えどおりなのだ。

戦争を知らない学者上がりの馬鹿どもが、馬鹿なことをしていると他の組織が考えたのが的中していたのである。

今では別の意味で、他の組織の注目の的になる客寄せパンダと化してはいるが。

そのお陰でネルフの評判天井知らずにあがっている、悪いほうに、ゼーレの策謀の予想の数十倍の悪さだが、その辺は老人会のほうの自業自得だろう。

本当のところ葛城ミサトはセカンドインパクトの際の生き残りであると言うのが問題だったのだ。

大体、何で当時14歳の少女が南極などにおり、そのセカンドインパクトの只一人の生き残りなることが出来たのか。

生き残ったのは偶然か、そこにいたのは偶然か、そう済ますには都合がよすぎる、必然と考えるのが論理的現実的思考と言うものだろう。

ある事情によって、葛城ミサトは南極で必要であり、必然としてそこにいて、必然としてセカンドインパクトに巻き込まれたと考えるほうが自然。

と言うか普通こう考える、何故に中学生が南極に偶然いるわけが無いだろうに。

つまりゼーレのほうとしては、現在ネルフ本部以外に葛城ミサトがいるのは問題であり、殺すのもまた駄目とされている。

それならば軟禁なり監禁してしまえばいいと思うのだが、この辺も老人達が待ったをかけている。

老人達が何を考えているのか、それでもミサト経由の被害は髭と電柱が文句を言われるのだから溜まったものではないだろう。

もし左遷が赦されるならば、自分の私財をはたいて極寒地の流氷の上にでもネルフ特別支部とでもつくって送り込んでやりたいぐらいだろう。

因みに任務はサバイバル、生き残ることだけ。





まぁ、他の理由の一つとしては、ゼーレは鮮やかに、他の組織と軋轢を起こさない優秀な指揮官と言う存在は求めていないと言うことだけは断言できる。

髭としてはもう少しマトモな指揮官がいいところではあるが、勿論自分の意思には絶対忠実な人間に限るだろうが。

因みに髭は、牛が何故ゼーレにそれほど重宝されている詳細は良く知らない。

質問をしてもはぐらかされるのでどうしようもないのが実情だった、その度に心の中で老人達に呪いごとを呟いてはいるのだが、勿論面と向かって文句を言う権限も無ければ、度胸もないのだろうが。





ああ、甘美な時間、僕と九郎君の淫靡な時間を過ごす内に始まろうとしているね愚者の戦いが。

九郎君、愛しいよ、恋しいよ、体がまだ疼くよ、九郎君の体液を欲して僕の女陰が湿りを帯びる、僕の肉が食べられることを望んで上気していくよ。

それを貪ってくれる九郎君は獣のようだったよ、全くこの僕が可愛い乙女になってしまったじゃないか。

男に鳴かされる事を悦ぶ乙女にね。

うん、それもいいかもね首に首輪をつけて九郎君の専属の乙女になるのも悪くないかもしれないね、あの精霊よりも僕が九郎君に嬲られるんだ、考えただけで達してしまいそうな甘美な考えだ。

犬の様に九郎君に虐げられて可愛がってもらうんだ、九郎君が僕のご主人様になってくれるんだよ。

なんていい響きなんだろう。

僕が九郎君のメス奴隷、どんなリクエストにも応えられる万能の性奴になる自信が有るよ。

うん。





はぁ、でも僕にも職分と言うものがあるからね。





さぁ、第三幕が開かれる、戦いの宴、天使と鬼と神殺しの宴。

愚者と賢者と勇者の舞台、喜劇で悲劇の幕開けさ、このナイアを観客として今幕は引かれた。

三度目の幕が、幾度持つ続く喜劇で悲劇の幕が。

次なる神の御使いたる戦い、生贄の祭壇に上がる少年、今回の喜劇で悲劇のタイトルロール、生と死の狭間を彷徨う運命にある哀れな子豚。

もう直ぐ自分が丸焼きになるとも知らない子豚さんだよ。

美味しく焼けるといいだろうけど、そう言えば丸焼きじゃなくて煮るんだったね、つまりは煮豚だね、味付けは主演女優の腕に任せようか。

君の執念がスパイスになって、君の醜態が調理に変わる、君の無様が隠し味になるからね、出来るだけ美味しく、長く煮詰めて、美味しい丸煮の子豚を料理しておくれ。

君が舞台を踊っている間に、君が観客を楽しましている間に、僕が退屈を紛らわしている間に、美味しい料理を君の手で作り上げてくれ。

自ら死地を望んだ愚かな子豚でみなの舌を僕の舌を楽しませるために。

今回の主役は君だよ子豚ちゃん。

よかったじゃないか君が主役扱いされるなんて今後ないだろうから。






で、無能作戦部長殿の戦闘が幕を開ける。

まぁ。戦闘ではなく喜劇だと言う意見が殆どだろうけど。

因みに、ケンスケはほんの数日前に始めて零号機を機動することに成功したばかりで、シンクロ率10パーセント前後、つまりは動くのがやっと。

戦闘などもってのほかと言う状態である、単純に考えたら自分が考えた十倍の時間が掛かって動き出すんだから、トロイなんて言うもんじゃないだろう。

それにエヴァはシンクロ率の高さでパワーも変わるようだし、つまりは使い物にならない状態のエヴァンゲリオン零号機なのだが。

それでも使うのがネルフと言う組織なのだが、と言うかケンスケ以外のマトモな戦力がいないので選択肢など最初から存在していない。

使う使わないの選択ではなく、使うしかないのである、今までの失態の積み重ねのせいで。

なお、マトモな神経(つまりは上層部)がいればこのようなことはさせないのだが、先ずならないので考える必要は無いか。

因みに世界のことをしっかり考えるならとっとと指揮権放棄するのが最良である。





で、当のフィフスチルドレンはというと、連日の過酷な虐待じみた訓練で心身ともにボロボロではあるのだが、ボロボロの筈なんだが。

現在ケンスケはプラグスーツを身に付けエントリープラグの中でモニターに写るミサトの姿をまるで兵を率いて戦う戦乙女ジャンヌ・ダルクを見るような崇拝の目で見ていた、なお目線は虚ろで、エヴァの搭乗を殆ど狂喜乱舞していた時の危険な目とは別に危険な目ではあった。

どうやら日々の訓練と言う名の虐待半洗脳により、ミサトを女神のように偶像視しているようだったが、もし有能作戦妨害部長が女神ならばナイアマリア聖母になれる気がするのは作者だけだろうか。

ボロボロの筈のケンスケ、もとい生贄の子豚、見た目の健康状態はかなり悪そうではあった、睡眠不足や過労で。

しかし目だけはヤヴァイ感じの光を湛え、口だけは元気いっぱいに妄言をはいている。

もしかしたら、何か良い感じのドラッグとか言う名の恐怖を取り除くアッパー系(精神高揚)のお薬でもきめられているのかもしれない、もしくは本当に洗脳。





彼をそういう風に調教、もしくは飼育した当の本人、と言うか加害者。

無能作戦部長のほうはと言うと、相変わらず酒臭い臭いを振り撒きながら先程までモニターを意味なく睨み続けていたのだが。

因みに微妙にケンスケの偶像視する視線を気持ちいいと感じているらしい、どうやら更にナルシストとしての性質も乗っているのかもしれない。

気持ち悪いことだ。

なお、殆ど自分の上司に対して諦めかけている部下からの情報報告(何もしていないのでたいしたことは無いが)は右から左に聞き流していた、勿論専門用語が多すぎてわからないからだ(勿論この手の職業の方には常用語のようなものだが)。

睨み続けるのを止めたのは使徒がいい加減接近してきたので、何らかのリアクションを取ろうとしているところだった。

と言うか有能作戦妨害部長は使徒を殺したくてウズウズしているのだから、今まで自分は何も出来なかったのだからその欲求は相当なものだろう。

今回もこの有能作戦妨害部長の指揮で使徒が倒される確立は天文学的に低いだろうが、その辺は自分で気付いているのならその時点で彼女の能力はマイナス数百倍マシだろうから、気付いているわけが無い(因みにミサトの能力はマイナスだからマイナスを掛けないとプラスにならない)

現在ネルフでは、一応戦いの準備が進んでいた、指揮官である葛城ミサトの視点に於いてではあるが、つまりは全然進んでいないのだが、常識的な戦いの準備は。

だって、彼女にとっての戦いの準備とはエヴァが稼動して、自分の忠実な駒がパイロットと言う特典付、使徒が自分の下へやってくることを指すのだから。

他の部員の中にはマトモな意見を具申するものもいたが自分よりいい案を持ってきた人間にはそれを採用すると自分の能力が疑われるとでも思ったか黙殺したり(人類の未来を掛けた戦いとか言っているくせに、因みにそういう部下はきっちり覚えておいて跡で何かしらの嫌がらせをしたりする、なお上官の仕事は部下が上げた案を選択し決定する能力が高いことが望まれるのだが、まぁ彼女は既に形式的に上官であるだけで、彼女の居る場において最低の地位であるのだが)、下僕一号の具申一応聞いて私の考えがあるのよとか、何も考えていないくせに言って、取り合わなかった(下僕一号は使えるので嫌がらせはしないけど内心生意気ね、とか考えて下僕一号の慕情が永遠に届くことは無いようになっている、報われない典型である)。

つまりは自分の考えだけで戦いたいと言う欲望の現れに出た行動である、欲望に忠実なことだ。

彼女からしてみれば部下など、自分の作戦に対するイエスマンか雑用係にしか見えていないのかもしれない。

と、言うか完全にそう見ていると思われる。

忠実なイエスマンが一人いるからそれに拍車が掛かっているのは言うまでもないし、そのイエスマンがいなければ彼女ももう少しマシになったような気がするのは作者だけだろうか。





つまりは、いつもどおりの有能作戦妨害部長の行き当たりばったりが作戦と呼べるものである、因みにこんなものを作戦とは口が裂けても普通はいえない。

しかも作戦内容を知っているのが一人だけなんて。

まぁ、思いつきなんだから他人に説明なんて出来るわけが無いんだが。

そんな状態で何の準備も整わず情報収集もマトモに行われていない状態での初実戦を経験するパイロットの初陣である。

相田ケンスケ特務伍長
、生きて帰れたらいいね、無事と言うのは多分いや、絶対無理だろうけど。

因み現在この場にいる最高指揮官は冬月一佐(降格され)であるが、そんなこと完全に無視して、つまり了解はとっていない状態で、進んでいく。

髭は未だ入院中だ。

冬月も何か突っ込めといいたいところだ、作戦概要を問いただすとか、幾らなんでも拙そうなのはその時点で却下すれば被害額もかなりのレベルで減るだろうし。

幾ら門外漢で判らないとはいえかなりの確率で貴方のほうがマトモ指揮は取れるでしょうし。

所詮学者上がりの実戦知らずで人材運用の基本も知らない冬月、ゲンドウよりはマシとはいえ、この立場にいるのも老人会とゲンドウのお陰(感謝などしたくも無いだろうが)である。

内心、彼の心の中の無能な人間トップ1に輝いている葛城ミサト作戦部長に対して不満はあるもののゼーレに使えと命じられている以上それを拒否したりはせず。

それでも口出し位すればいいのに何も言わないのだから、自分で苦労を背負い込んでいるようなものである。

まあ、電柱が過労で天に召されようと話の大筋にはあまり関係が無いのだが。

居ても居なくても変わらない人だろうし。





攻撃範囲内に入った第五使徒に対して彼女が下したはじめての命令は。

「エヴァンゲリオン零号機、発進!!!!」

掛け声だけは威勢のいい女である、勿論調査命令などは一切なしである、何で最終決戦兵器初っ端に出すんだろうか、言葉に大いに矛盾している。

勿論、現れる場所は使徒のまん前、目と鼻の先、歩いたこともない零号機に死んで来いといっているような位置関係ではあるが、その辺はもう突っ込んでも仕方ない、これしか出来ないのだろう多分。

どうもこの女、正面突破とか突撃とか言う単語に脳細胞が汚染されている恐れがある、つまりは近代戦の戦闘マニュアルなど頭に欠片も叩き込まれていないというか、路地裏の喧嘩でさえ奇襲ぐらい使うだろう。

号令と共に従順な僕である、眼鏡君の操作により死地に放り込まれるエヴァ零号機、もとい相田ケンスケ、現在、地上に出るために全身にGが掛かっている状態で、本人は理解できないだろうが身に降りかかる不幸なことを聞かされることになる。





ここからあとはもうお決まりであるので描写はいい加減なものにさせて貰おう、芸を凝らしてもあまり変化は無い。

オペレーターの一人が「も、目標内部に高エネルギー反応!!」

第五使徒の外見に変化があり。

「何ですって!!!!」

と、お決まりの有能作戦妨害部長のやっぱり何も考えていない叫びが出るが、外見から見てあれが飛び道具の類を持っていることなど考えられそうなものだ(因みにそれを具申した部下はいたが耳を貸さなかった)。

エヴァンゲリオン零号機は既に打ち出され、勢いがついているために途中で止めることも出来ずに不幸、と言うか死ぬことのほうの確率がかなり高そうな戦場、いや処刑場とでも呼べそうな環境のところに放り出される。

放り出される直前。

更に嫌な事に。

「円周部、加速!! 収束していきます」

オペレーター達が危険を叫ぶが、叫び終わる頃には零号機は地上に現れ。

有能作戦妨害部長が、なんとなく危険性を理解したのか、本能か。

「避けなさい、相田君、命令よ!!!!」(因みにリフトオフしていないので、現在零号機は拘束され文字通り磔になっている)、叫んだ当人はそんなこと頭の中から抜け落ちていたが。

なお、原作と違って避けてとか、まだ気遣う言葉が出てこないのは、今の有能作戦妨害部長には人を気遣う心の余裕など微塵も無いからである。

しかし命令されても、出来ないものは出来ないと言うか、動けないものは動けないのである、シンクロ10%程度では拘束を振り解くことも不可能。

ケンスケ自身は何か喚いていたようだが、何か意味を為さない悲鳴っぽいので無視しよう、どうやら死の危険をなんとなく感じて怖気づいたのかもしれないが、そんなもの予想通りだ。

どうせ根性無し変態オタクに変わりは無い。

洗脳されようと調教されようとそう短期間で性根が変わるわけがない。

それ以前に言葉になる前に加粒子砲が零号機直撃、やっぱり磔状態。

言葉にならなかったケンスケの言葉の代わりに響いたのは。

「ギャアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!!」

それはもう、耳に響く少年の悲鳴。

「避けなさい、避けろって命令したでしょ!! 何で喰らうのよ!!!」

悲鳴をBGMにそんなことをほざく有能作戦妨害部長、だが文句を叫ぶだけで何もしようとせず、自分の下僕二号が命令に背いた(?)ことに文句をぶちまけている。

因みに零号機はというと。

気付いたほかの作戦部員が零号機を回収した、他の部員が優秀で僥倖である、無能の集団ではないのだから、上が無能だから全体が無能に見られがちだが。





優秀な部員(勝手に回収したことで有能作戦妨害部長に殴られていたが、自分の指示無く勝手に行動したので)により何とか完全破壊は免れたエヴァの現在の本当の意味合いでの最終兵器、エヴァンゲリオン零号機。

因みに最終兵器は最後の最後に使うから最終兵器なのである、初っ端から使う物では断じてない。

結果、エヴァンゲリオン零号機は大破、表面装甲が完全融解していたのだし熱で電子系の部品は軒並みおしゃか、こちらもオーバーホールが必要な状態になり、もしかすると二号機よりも状態が悪いんじゃないかってぐらいにボロボロである。

有機系のパーツなど炭化しているものもあるのだから凄まじい熱を浴びたことになる、それがいたるところにあるのでその部分の有機系のパーツも完全修復が必要である。

被害額はまた天文学的基準で増えたことは言うまでも無いが。

技術部や整備部の人間の仕事が殺人的なものからそれを上回る仕事量になったのは言うまでも無いが、そろそろ過労者も限界に来て過労死が出るのではないだろうか。

エヴァ三機全損の修復、やってもやっても増えていく仕事量、ネルフで一番哀れなのは彼らかもしれない。

で、エヴァの部品、消耗品と代わらない生贄たるチルドレン、相田ケンスケ特務伍長の容態はと言うと。

いい感じにレア加減で茹っていたのだが、かろうじて生きていた、しぶといことだ、シンクロ率の低さが直接的な痛みを少なくしたのも一因だが。

第五使徒ももっとしっかり打ち抜いてくれないと。

ああ、でもそれで暫く何度か痛めつけられるか。

只、暫く使い物にならないと言うことは確かだろう、いい感じに茹でられたのだから仕方が無い、死なないだけ残念と言うものだ、長くいたぶる楽しみが残っただけ僥倖、というかグッジョブ。

いやマジに、それにしぶとさと言うか悪運の強さは相当のものかもしれない。

只ここで死んでいたほうがかもしれないけどね多分、絶対。





だが、これで事実上ネルフ本日に存在するエヴァンゲリオン全機体が、スクラップ一歩手前の状態、と言うか初号機は暴君にミンチにされたのだが。

なお最優先に修理命令が出ているのは初号機だがこれは髭の我が侭である。

現有戦力限りなくゼロ、今から支部にある輸送予定の三号機を取り寄せようにも間に合うわけが無いし、鈴原トウジ特務伍長はシンクロ経験さえなかったりする。

勿論、我等が無能作戦部長はそんなこと構わず三号機があれば無理矢理載せて同じ事を繰り返すかもしれないが。

実際。

何とかギリギリで引き下げた零号機を見て叫んだ我等が有能作戦妨害部長、改め少年少女虐待趣味の異常性癖者、葛城ミサト被告(予定、ケンスケとアスカは死に掛けたし、訓練は虐待と変換できるレベルを無理矢理やらせている、それ以外の罪状は書くだけしんどそうなので割愛する)は。

「何で、喰らってんのよ、私は避けろって命令したはずでしょ、あの役立たず、人が甘い顔してりゃ付け上がって従わないっての、戻ってきたら独房に、いや  営倉にぶち込んでやるわ」

避けられるはずが無いってことを理解しておらず、役に立たないのは承知の上の起用だったはずである。

それに甘い顔をしていたのは顔を合わせる時だけで、後は過酷過ぎる訓練を課していたのはこの女のはずなのだが、自分のことは銀河の彼方に棚上げして叫んでいた。

因みにケンスケは独房どころか暫くは集中治療室送りである。

この言葉で下げようが無かった、有能作戦妨害部長の周囲の評判はマイナスを突破し重度の精神病者を見る目で見られるようになる。

今更だが、これは精神病者として見られたのは有能作戦妨害部長ではなく、それを使っている電柱のほうである、有能作戦妨害部長は当の昔に精神異常者扱いだ。

マトモな精神をしていれば使うはずが無いからである。

ある一人を除いてそう考えていた。

と言うかこの馬鹿もその場でその言葉を聞いていたはずなのになんでだまされるのが世界七不思議に数えられることではないだろうか。

まぁ、馬鹿だからと言う言葉で片付けよう。





で、牛さんの叫びが届こうが届くまいが現状が代わるはずが無く、第五使徒はジオフロント直上でプヨプヨと浮いている。

相変わらず、掘削機のように地面を掘り出してはいるが。

後、前から疑問なのだが、多分突っ込んではいけないのだろうが、なんとなく突っ込みたいので言おう。

このドリル、一応は第五使徒の掘削機の名前をそう仮定するが、確かネルフ本部のある地下までかなりの深さがあったはずである。

詳しい設定は忘れたが確か数百メートルは超えていたと思う、セントラルドグマに至れば何処まで深いか判ったものではない(設定を作者が忘れているだけですが)。

使徒のドリル、長さはどうなっているのだろうか、その収容場所は。

疑問である、いや回答なんて無いんだろうが、なんとなく気になる。

物理法則とかを筆頭に色々文句を付けたい気もする、使徒とエヴァニそれを当て嵌めるのは無理だと分かっているし、デモンベインはそれを無視しまくっているので今更な感じだが。

もしかして、あのドリル、レリエルみたく体の内部にディラックの海でもあってそこにドリル保管しているのだろうか。

本当につまらない疑問だが、前々から気になっていたことなのである。

だってどういう構造で収納されているか妙に気になったし。

もしかしてS2機関(半永久的エネルギー供給機のようなものと作者は解釈している)で、無理矢理、核融合反応とか何かをやらかして周辺水素からヘリウムを作り出し、同様のなんかそれっぽい化学的反応を繰り返して所定の化学物質を作り上げてそれを体内で化学変化をさせドリルを無限製造でもしているのかもしれない。

因みにヘリウム同士を超高温下で反応させてより高い数字の原子番号の物質を作るのに必要な温度は一億度以上であったりするのだが、なお炭素は六億度以上である。

なおこれを繰り返せば錬金術で有名な鉛から金を得るという理屈は成り立つ、水素を原料にプラチナを得ることも出来るだろうが、やるぐらいなら火星に鉱物発掘に行って来た方がはるかに安上がりである。

化学系の学生の戯言でした、どうでもいいことである。





まぁ、結果としてネルフは現有戦力を完全に失ったと言うわけだ、毎度のことのような気もするが今回が一番呆気無かった気がする。





現在“本当”の使徒殲滅機関として国連に認められている組織と言うか部隊。

建前上国連軍所属の独立愚連隊“ブラック・ロッジ”のほうはというと、こちらはネルフと違っていたって真面目であった、ネルフのメンバーが不真面目なわけではないが上層部の意識問題は雲泥の差である。

因みに今回使徒発見の報が先に連絡されたのはこちらだったと言う話があるのでネルフの扱いの低さがわかるようなものだ、多分そろそろ老人達も庇い切れなくなって優先権を手放すことになるだろう。

そのときはそのときで、あの無の作戦妨害部長がどういう対応に出るか見物ではあるが、多分は暴走する、いや確実に暴走するだろう、こちらの期待を裏切ることなく。





ちゃんと真面目に、使徒発見の一時間以内には所定のメンバーが発令所に収集され、司令官の命令の元、出来うる限りの情報収集、対策、因みに先程の零号機に対する攻撃が一番の資料となっていた。

因みにメンバーは前回の面子に加えて、インデックスとエセル、更にネルフ離反組の赤木リツコ特務中佐(暫定的に与えられた階級)が加わっている。

アスカは完全に戦闘恐怖症に陥っているのでレイと共に屋敷内には居るが参加はしていない。





リツコがかつての自分のいた組織の馬鹿さ加減を完全に客観的な立場で見ることになって、なんとなく自分の今までの仕事はなんだったんだろうと心の隅で考えつつ、考えた所で消え去るわけではないし、彼女は彼女なりに職分は果たしていたのだが。

やっぱりあの馬鹿の中にいたのかと見せ付けられると嫌なものがあるようだ。

因みに現在リツコはオペレーター席について情報分析や使徒の特性調査を行っている。

覇道瑠璃仕える人間はお客さんでも使う人間であり、使いどころを間違えない有能さはちゃんと持ち合わせていた。

給料は破格なぐらい払っていたし、まぁ、リツコも今はアスカと言う名義上の娘を養っているのだが。

なお、零号機が何もすることなく大破した瞬間は本当に自分の労力が無に帰すような感覚を味わったらしい。

組織を移っても、自分の仕事なんだからと科学者としての矜持の問題だろう。





零号機大破を確認し、覇道瑠璃司令官による出撃命令。

大破し対抗能力を無くしたのを確認しないと此方が武力行使できないのが歯痒い所だ、無駄な被害、無駄な金銭が費やされる。

愚者の欲望のためだけに。

現実を見ることの出来ない盲目なバカの為だけに費やされる資金、労力の無駄の極み。

それによる経済的被害、人的被害考えたくも無い。

「今回目標に対しては大十字さんにお願いします」

これは当然の選択、クトゥグア、イタクァを神獣形態で発砲すれば目標とて完全に吹き飛ぶだろう、こちらの観測結果で目標のATフィールドが第三使徒と比べて数倍の出力を持っているとしてもだ。

長距離の攻撃力に於いてはデモンベインが最強に間違いは無いだろう、超高熱弾と超低温弾その威力は計り知れない、射程外から超長距離射撃で片がつく、そしてクトゥグア、イタクァ共に旧支配者の力の顕現、魔術師による力の干渉で外れることは無い、ロングレンジであろうと。

瑠璃の判断に間違いは無い、采配に問題は無い。

「後、インデックス、大十字さんの護衛に、あの砲撃はデモンベインでも防ぎきれないでしょう」

唯一の懸念が予想より相手の射程が長いこと、攻撃態勢に入ったデモンベインの防御手段。

此方は直接的な事前調査を張ることも出来ないのだから、予想される懸念は解消しておくべき。

一撃でしとめ切れなかったときの懸念、もしくは先手を先に取られる可能性の考慮、他にも考えうる危険性の考慮。

盾と矛を同時に運用する効率、安定性の考慮。

その考えうる可能性にデモンベインに匹敵する魔力を誇るリベル・レギスを盾として使うのは妥当な判断だろう。

いや単純な実力でリベル・レギスは最強といっても言い。

持てる最大戦力をぶつける、戦力の逐次投入など考えず適切な最大戦力を投じる戦術、考えられる可能性を考慮し検討した戦術。

通常ならば他にも遠距離の攻撃手段を持つアイオーンを出撃させても問題ないだろうが、最近きな臭いのでアイオーンとネームレス・ワンは本部待機。

最大戦力とはいえ過剰戦力の投入も必要ないだろうし。

その命を告げられ、九郎とインデックスはそれぞれ。

「行くぞ、アル」

「行きますよ、エセル」

白き王と黒き王の二人の魔王はそれぞれの機体に向かって踵を返した。

最強と最古の魔道書を引き連れて。

戦場に二つの戦神を降臨させる為に。

因みにインデックスは今回敵で遊ぶような余地は無さそうなので安心して使える、使徒相手だと遊び用が無いと言うのもあるのだが、遊んでも反応無いだろうし。





来るきたる、来る、来る、来る、来る。

戦場に舞い降りる。

白と黒の王が、皆殺しの野に舞い降りる。

背反する根源を持つ魔術師が、相反する性質を保持した魔の王が戦場に戦いに。

魔を断つ剣を携えて、絶望の鎖を引き摺って。

今、外道の偽神は降臨するよ。

白き王の人が作り出した偽りの偽神。

黒き王の永劫に囚われた偽神。

降臨する、顕現する、そして神に対して暴虐を尽くすんだ、神の使いに対して暴虐を尽くすんだ。

天使という人に仇なす化け物に暴虐を尽くすんだ。

嗚呼、いい声で天使を泣かしてあげておくれ、声にならない天使の悲鳴を僕はもう味を占めてしまった、あの悲鳴はワインに勝る。

血のように赤いワインに勝るほど僕を酔わせてくれるんだ、僕の蜜をしとどに溢れさせてくれるんだ、あの声はどんな媚薬にも勝るんだ。

嗚呼、もう響くね天使の泣き声が。






響く召喚祝詞。

神を呼ぶ、超越者の声。

白き王の最強の魔道書の嘆願。

憎悪の空より来たりて
正しき怒りを胸に
我等は魔を立つ剣を執る
汝、無垢なる刃―デモンベイン―


黒き王と最古の魔道書の嘆願。

絶望に満ちた海に君臨せし覇者よ
永劫のシキに染められた亡者よ
彼の名はリベル・レギス
無明の獄、不断の鎖に囚われた血河の王
我等は汝に嘆願する
来たれ、深紅の魔性よー絶望の獄より解き放たれて−


二体の戦神が降臨する、双方共に神殺し、双方共に最強。

相反し合一、矛盾にして真理、破壊の化身、力の具現が今現世に双臨する。

神の御使いを殺し尽くす為に、殺戮する為に、消し去る為に。

滅びを与える為に。

矛たる者、盾たる者。

魔を断つ剣―デモンベイン―
絶望の覇者―リベル・レギス―


矛と盾の役割を持ちた二体の刃金の神は顕現した。

今最強を冠する鋼を刃金を剣を盾を携えた無垢なる、絶望なる神は皆殺しの野に降り立った。

殺し合いの為に。

殺し殺される為に。

蹂躙し蹂躙される為に。

滅ぼし滅ぼされる為に。

皆殺しの野に降り立った。





目標から数十キロはなれた地点に。





ネルフ。

二度あることは三度あるの如し敗北し、もういい加減上層部は自分から辞表出して退陣したほうが身の為なんじゃ、とか言いたくなる現状だが。

まぁ、髭と電柱にそんな選択肢は無いだろうし、有能な作戦妨害部の部長さんにはそんなこと思いつきもしないだろう。

所員の殆ども連敗続きで国連内での自分達の所属する組織の現状を自覚してきつつ、前回の襲撃が内部でテロと発表されたのが、国連内では事故と発表されているのを小耳に挟んだりして、賢い者たちは自分から辞職したりしている現状、つまりは組織としての瓦解が始まっているのだ。

筆頭は前回の襲撃で怪我を負ったものからだったが。

どうにも自分たちの居る場所の状態はおかしいんじゃないかと段々気付かれだしている、つまりは沈没船からは頭のいい、もしくは強制的に気付かされた小動物から逃げていく状態の現ネルフ。

作戦部及び発令所メンバーは現在そんな意識を更に高めていた。

上層部も上層部、トップの電柱でさえ心の端でもう逃げようかな、と考えるくらいに。

その手の考えがわいてこなかったのは、もう脳に虫わいてんじゃねえかと検査したい眼鏡君、別名作戦妨害部所属作戦妨害部長煽動担当課長兼葛城ミサト崇拝第一人者。

日向マコト(久々に本名出たな)。

彼ぐらいの者がそのフィルターにかかりまくった目で、そういう考えを抱かなかった、何瀬逃げ出そうと言う原因を作りまくっているのは主に彼の敬愛すべき人だったからである。

因みにネルフ全体に自分たちの組織に不信感を与えている実に90%がある特定個人のせいにより広まっているのだから凄いものである。

残りの10%は髭や常駐している、監視監査団の存在やその他諸々の不祥事の事実+噂。





で、ある特定個人。

有能作戦妨害部長様、命令どおり、正確には自分の頭の中に描いていた妄想通りにならなくてえらく不機嫌であった。

不機嫌とこの状態を形容していいかどうかは疑問が多分に残るが、と言うか不機嫌?

「くぅおんの役立たずの馬鹿餓鬼、私の命令なしに勝手にやられてんじゃないわよ。あの餓鬼、チルドレンが何たるか判ってんの(内心自分の復讐の駒と決め付けている癖に)、私の命令に従って、使徒に勝ってくるのが仕事でしょうが!!!!!大体、攻撃避けろって命令したのに喰らうなんて、私の命令に逆らうなんて、厳罰よ!!!!」

まだ、ケンスケに対して自分の体から溢れ出てくる罵詈雑言を吐き出していた。

しかも周辺のものに当り散らしているのか所々の壁や椅子が妙に傷んでいる、時たま蹴りつけた凄い音が響いているし。

どうやら周囲の目とか、良識とか最低限に今まで保持していたものが完全になくなったようだ。

今まで止め役たるリツコ、強制的な手段やなんやらで、が居なくなった結果かもしれない。

それを精神病者を見るような目で周囲の人間が眺め、まぁ最近は健常者として見られるのはないのだが。

既に止めることや諌める事は諦めている、変に言葉をかけて怒りを買うのも嫌なのかもしれないが。

冬月でさえもう既に見てみぬ振りである、部下に対する示しなんてあったもんじゃない、まぁ、既にないからいいが。

何気に投げやりになった爺さんかもしれない。

もう少ししたら、煩わしくなって保安部、対作戦妨害部長捕獲班(最近出来た)を出動させてゴム弾などの非致死性兵器を嫌と言うほど叩き込んで黙らせるかもしれないが。

それはもう少し後だろう。

ナイア風に言うともう少し踊ってもらわないとねぇ、といったところ。

つまりは途中退場確定。

今も叫び続けるコメディアンに更に叫ぶ要因が今与えられようとしているし。

なお、与えられた瞬間前回と同じ事をしようとして。

全兵装ビルの攻撃を彼女曰くのテロリストに向け攻撃、今回は国連軍に要請しN2兵器の使用まで叫びまくった。

いい加減、疲れた冬月一佐、もとい副司令,件の対作戦妨害部長捕獲班の出動を要請。

それは猛獣相手でも想定して装備したのかかなり危険度の高い麻酔を入れた麻酔銃(一分間に800発の連射が可能、勿論特別製のマガジンを付けている、ドラムマガジンとか言うやつのようですが)やら威力だけならメジャーリーガーのピッチャーのファストボール(ストレート)並みの威力を誇るゴム銃(しかも連射がきく)、投網、槍のように長いスタンバトン(先端部に電極が付いている、因みに電圧は・・・・・・・・凄いことになっている)、鞭(猛獣調教用),えびチュ(目くらまし用)と様々であった。

因みに顔を覚えられないように、フェイスガード装備である。

それを嫌と言うほど、というか動かなくなって痙攣するぐらいになるまで叩き込んで、そのあと更に後ろ手に手錠を三重に掛け、指錠(手錠の指版),足を太股から足首まで縛り上げ,目隠し,口枷、耳栓と言う念の入れようで拘束。

そして最近彼女が定住しているとされている独房にご案内である。

因みに彼女の犬、一号は何やら青葉シゲルと呼ばれる影の薄い青年に後ろから普通の麻酔銃で猛獣拘束前に無力化されていた、因みに青葉君は副指令の直属の部下となっていた。

彼の撃つ前の台詞は。

「いい加減に目を覚ませ」

それには隣に居た金髪科学者の弟子のオペレーターの女の子も激しく同意していたりする。

だが言おう、馬鹿は死ななきゃ治らないと。

つまりは彼の大馬鹿者は未来永劫救いが無いと言うことである、能力だけならまだマトモなのになんであの有能な作戦妨害部長を妄信するのか不明である、多分巨乳が彼の真理なのだろう。





で、ネルフ内の絶対に外部に漏らしたくない恥部のような捕獲作戦が終了している頃、モニターのほうでは全てが終わっていたりする。

つまりは第五使徒殲滅済み、現れた二機もとっとと撤収してさようならである。

因みに今回は国連からも指揮権の委譲が伝えられなかったネルフだった。

暫くして事後通告のように国連上層部から委譲の知らせが文書で来ていたが、完全に下に見られているようだ。





で、当の殲滅戦のほうだが。

簡潔に書くと苦戦した、結構。

時間的には短く終わったが、初めて偽りの神に天の使いは戦いを成立させたといっていい内容だろう。

デモンベインは降臨より即座にクゥトグア、イタクァを召喚、神獣弾を装填し術式を構成し発砲しようとするが。

召喚した段階で目標が反応。

二体の神の存在感を感知したのか即座に砲撃をかましてくれたのだ。

こちらの予想範囲をはるかに離れた遠方に、正確な射撃で。

無論懸念していた事項だ、その為に最強の鬼械神リベル・レギスが盾として降臨している。

インデックスは余裕させ浮かべて術式を編み魔力障壁を形成するが。

最初はよかった、拮抗どころか完全に防ぎきっていた、その間にデモンベインの術式は完成していく、攻撃の準備が整っていく。

だが。

目標の攻撃は止まらず,その威力は増加し,リベル・レギスの障壁でさえも危うい段階に追い込まれていた。

まるで底が無いように、まるで無限に力を増すように、威力が上がっていく。

目標,第五使徒は的確に感じ取っていた,はるか遠方に存在する存在が恐ろしい力を放っていることを、つまりはその力に脅えていた、その存在に放たれる敵意を恐れた。

そう、魔性の機体、リベル・レギスの存在が怖かったのだ、その禍々しさが。

本能的にわき目も振らず、逃げると言う選択肢が取れない状態である以上。目標に赦される行動は攻撃。

そして攻撃して更に高まっていく遠方の存在の力、更なる恐怖、それが更なる攻撃衝動へとつながり、再現の無い攻撃力の増加へと繋がっていた。

ただの本能的な攻撃といえど、その砲撃はデモンベインらにとって脅威となりうる威力を誇っていた。





だが、リベル・レギスとはその程度で損傷を負うほど弱くも、インデックスもその程度の窮地を抜けられないほど脆弱でもない。

この程度の攻撃で盾たる役割を仕損じ、恋人たる九郎に苦痛を与えるような生温さは持ち合わせていない。

幾度も幾度も絶望の連鎖に囚われ、幾度も幾度も戦いに明け暮れたインデックス(設定としてはこの世界ではブラックロッジなど存在しなかった世界で、マスターテリオンの生まれ変わりであるインデックスは連鎖の記憶を受け継いでいるだけなのだが、因みに記憶を受け継いでいるメンバーは他にもいるがその辺は割愛、大体想像してくれたらその通りでしょう)何百何千何万何億回,闘争に明け暮れたマスターテリオンの変わり身たるインデックスに、最強たるインデックスにこの程度、この程度の窮地が窮地足りうるか。

否、否、否。

窮地としては些か足りない、窮地としては些か温すぎる。

幾億回の闘争の記憶が彼女を昇華する、この程度の攻撃など何の問題も無いと。

幾億回の闘争の経験が彼女に確信させる、男を守るに相応しい力が自身にあると。

幾億回の闘争の傷痕が彼女を守る、自分が勝利すると。

そして目の前にいる最古の魔道書、彼女の相棒たる魔道書の精霊と絶望の覇者たる自機、その存在があって何を恐怖しろと、何を不安になれと、何が出来ないと言うのだ。

リベル・レギスはその苛烈な砲撃の中己の左腕を掲げ、その左腕の先、左の掌には光り輝く逆三角形の術式,破壊の術式が輝いている。

瞬間、魔法障壁を解除しインデックスはエセルドレーダはリベル・レギスは吼えた、“聖書の獣”の名に違わぬ絶叫。

“死に雷の洗礼を”ABRAHADABRA

雷撃の術式を加粒子砲にぶつけ、無理矢理相殺する。

もてる最大魔力、最大技術にて、その結果砲撃は相殺され砲撃は止む。

一時の静寂が包む、目標にとって致命的といえる間が。

その瞬間を見逃す九郎か、アル・アジフか。

彼らが、彼女達が自分の盾を仕損なう等と考えるか。

否、否、否。

砲撃を受けていながら術式は完成、もてる最大魔力は既に充填済み最大攻撃力の行使の時期を見計らってさえいた、そして彼女等が作りえた間隙見逃すはずが無い。

デモンベインの両腕が跳ね上がる、両の腕に存在するは旧支配者の力の宿る回転式拳銃と自動拳銃。

そして。

引き金が引かれた。

白き王と最強に魔道書の咆哮と共に。

“クトゥグア、イタクァ神獣形態”

そして空を翔る旧支配者の顕現する姿、炎と氷の同時攻撃。

神さえ屠り得る絶対的攻撃。





残された結果は唯一つ。

第五使徒消滅。










To be continued...


(あとがき)

スランプ&体調不良で続編がかなり遅くなりました申し訳ございません。
因みに不謹慎なことにスランプ脱出の為に別のエヴァンゲリオンのクロス物を書いていたりしました。
そちらのほうもよろしくお願いします、この文章を書いている現在では完成していませんが、因みにクロスさせているのはかなりマイナーですので分かる人は少ないかなと考えつつ書いています。
で、今回リベル・レギス登場、召喚祝詞如何だったでしょうか、考えてくださった皆様には感謝しております、参考にさせていただきました、一応作者自身が考えたものです。
因みに次ぎはJAです、戦略自衛隊です、ウエスト夫妻(仮)の毒舌が響き渡ることでしょう。
なお予定は飽くまで予定です。
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