正反対の兄弟

第六十話

presented by 紫雲様


超の帰還から1週間後―
 量産型エヴァンゲリオン壊滅作戦の日がやってきた。この日に至るまで5人は、量産されたミストルティンを含め、しっかりと準備を整えていた。
 超は激痛を伴っていた呪紋回路を改良していた。しかし激痛を無くした訳ではない。激痛を改善するよりも、火力の向上を図る為に捻出される魔力の出力面を改良し、更なる魔力を入手する事に成功していた。
 アスカは赤兎を超とともに改良し、茶々丸と同じ魔力炉を動力源とする事でバッテリーの弱点であった持続力を改善し、事実上、無制限の戦闘行動を可能にしていた。
 茶々丸は超から携帯式衛星砲操作端末を手渡され、一行の中で最大火力を誇るようになっていた。衛星軌道上からの一撃は、不意を打てば確実に量産型を瞬殺出来るだけの破壊力を秘めている。
 エヴァンジェリンはシンジから吸血を行い、体調を万全に整えていた。更に量産型エヴァンゲリオンという手加減の必要の無い敵を相手に出来るとあって、そのテンションは天井知らずである。
 シンジだけは唯一、戦闘力は向上していなかった。だが『血の契約』の代わりとなる丸薬を生産し、更には戦略・戦術的に最も有利に戦う事の出来る場所を選ぶ等、一行全員のバックアップに力を注いだ。
 そして拠点から離れた一行は、シンジが戦場と認めた場所―富士の樹海へとやって来ていた。ここを戦場にした理由は、どれだけ暴れても周囲に迷惑がかからない事。いざとなれば樹海を隠れ蓑にして、奇襲攻撃も可能だからである。
 「・・・量産型5体。その内の1体が、間もなく来るネ」
 「ファーストアタックは超さんとエヴァンジェリンさんに任せるよ。背後から、大きなのをお見舞いしてあげて」
 「任せろ!」
 緊張気味の超とは対照的に、エヴァンジェリンが獰猛な笑みを浮かべる。 
 「アスカと茶々丸さんは、万が一、2人が討ち洩らした時の追撃役だよ。茶々丸さん、衛星砲を使うタイミングを間違えないで。使う時は確実に仕留めてね」
 「分かりました、お任せ下さい」
 「さあ、やるわよ!赤兎!」
 やる気満々のアスカに、至極冷静な茶々丸。そんな一行だったが、作戦決行の時間になると、予想外の光景に目を丸くする事になる。
 本来なら単独行動を取る筈の量産型が、3機一緒に動いていたのだから、驚くのも無理は無かった。
 「これは・・・どういう事ネ?」
 「ひょっとして、学習されたのか?この前の陽動作戦で」
 「ちょっと、それってマズイんじゃない?」
 言葉を無くす一同。だがシンジが顔を上げた。
 「いや、決行しよう。もし奴らが学習して集団行動をとっているとすれば、この先、ずっと一緒に行動し続けるだろう」
 「・・・シンジの言う通りだろうな。目論見は崩れたが、覚悟を決めるしかあるまい」
 一同は頷くと、すぐに行動を開始した。

 量産型エヴァンゲリオンが、三角形の陣形を維持しながら樹海上空を通過しようとしていた。
 突如、一番最後尾を飛んでいた1体が、轟音ととともに爆炎に包まれて樹海へと落下していく。その衝撃に、残る2体も咄嗟に戦闘態勢に入ろうとする。だが上空に留まる2体には、攻撃は飛んでこなかった。代わりに標的となったのは、落下した1体である。
 炎に包まれた量産型は、樹木ごと黒曜石の地面を砕きながら減速を強制される。だがそこへ、今度は量産型を丸ごと飲み込むだけの絶対零度の一撃が放たれた。
 瞬く間に四肢を氷漬けにされ、身動きを封じられる量産型。そこへ赤兎に乗ったアスカが方天画戟を振るいながら、咸卦法状態での全力の一撃を量産型の胴体目がけて放つ。
 うつ伏せに落下した量産型は、ATフィールドを張る余裕も無く、アスカの一撃をまともに食らう。結果、量産型は右脇腹に当たる部分をゴッソリと吹き飛ばされた。
 その一撃で筋肉を吹き飛ばされた量産型のコアが、僅かに露出する。そこを狙い澄ましたかのように、待機していた茶々丸がライフル用に改造されたミストルティンで狙撃した。
 ミストルティンは狙いを誤る事無く、コアに直撃。結果、量産型は大きく震えると、パッタリとその動きを止めてしまった。

レイ・カヲルside―
 量産型が襲撃されたという連絡に、四国上空を飛行していた2人は慌てて進路を変える事になった。
 「カヲル!襲撃の情報だけど!」
 『・・・衛星からの光景だ、確認してくれ』
 モニターに映る光景。それはアスカが咸卦法の一撃で、量産型に致命傷に近い傷を負わせた瞬間である。
 「・・・弐号機パイロット!?でも、あの破壊力は何!彼女には、あんな力は無かったわよ?」
 『それについてなんだが、1つだけ心当たりがある。あれは魔法世界の技術だと思うんだよ』
 カヲルの指示に従い、AIが量産型攻撃の瞬間を映し出す。超の『燃える天空ウーラニア・フロゴーシス』による先制攻撃と、エヴァンジェリンの『こおる世界クリュスタリザティオー・テルストリス』による一撃であった。
 『この2つの攻撃は、炎と氷の魔法の中でも最上位に位置する代物だ。魔法世界とは断絶されて70年近いが、もしかしたら魔法世界から渡って来た者がいるのかもしれない』
 「魔法世界から?ひょっとしてゲートが復旧したと言うの?」
 『それは分からない。まずは樹海へ急ごう。シンジ君達にソックリな、あの2人も気になるからね』
 
 上空に待機していた量産型エヴァンゲリオンは、レプリカ・ロンギヌスを振りかぶりながら突撃してきた。狙いは唯一、姿を見せているアスカである。
 だが今のアスカは、馬術においても優れた技量を持っていた呂布その人と言っても良い。加えて、アスカが操るのは最大時速500kmを誇る機甲馬・赤兎である。
 量産型がロンギヌスを振り下ろした時には、すでにアスカは赤兎を操り、黒曜石の大地をいとも容易く駆け抜けていた。
 「さあて、お返しと行かせて貰うわよ!」
 急旋回しながら、両足だけで赤兎を操るアスカ。その両腕は手綱を離し、方天画戟を両手でグルグル回転させている。
 「援護、入ります」
 ダンダンダン!とライフルを放つ茶々丸。量産型に効く筈の無い攻撃ではあるが、量産型にはミストルティンという前例がある。その為、ATフィールドで防御せざるをえない。
 赤い障壁が瞬時に張られ、キンキンキン!と弾丸を弾き返す。そこへアスカが斬りかかった。
 「くらええええええ!」
 轟音とともに振り下ろされる方天画戟は、パキン!という音とともにATフィールドを破壊し、量産型の右足を膝の所で切断してのけた。
 バランスを崩した量産型が、仰向けに大地に倒れ込む。
 「ラスト・テイル・マイ・マジックスキル・マギステル!契約に従いト・シユンボライオン・我に従えディアーコネート・モイ・炎の覇王ホ・テユラネ・フロゴス来れ浄化の炎エピゲネーテートー・フロクス・カタルセオース燃え盛る大剣・フロギネー・ロンファイア!」
 「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック!契約に互いト・シュンポライオン我に従えディアーコネートー・モイ・ヘー氷の女王クリュスタリネー・パシレイア来れエピネゲーテートーとこしえのやみタイオーニオン・エレボスえいえんのひょうがハイオーニエ・クリユスタレ!」
 炎と氷、ともに最上位に位置する魔法の詠唱を、同時に開始する2人。狙いは大地に倒れた量産型である。
 その時間稼ぎの為に、姿を見せたシンジが量産型の右腕だけを狙って糸を放ち、1・2秒だけ右腕を支配下に置く。
 そこへアスカが赤兎を走らせて、残る一体の足を同じ様に切断して動きを封じる。同時に、茶々丸が手にしていた猫を模した照準装置からレーザーが放たれ、量産型の胴体に赤い光点を照準する。
 「ほとばしれよソドムを焼きしレウサントーン・ピユール・カイ・テイオン・火と硫黄ハ・エペフレゴン・ソドマ罪ありし者を死の塵にハマルトートウス・エイス・クーン・タナトウ燃える天空ウーラニア・フロゴーシス!」
 「全ての命ある者に等しき死をパーサイス・ゾーアイス・トン・イソン・タナトン其は安らぎ也ホス・アタラクシアおわるせかいコズミケー・カタストロフェー
 超高温の爆炎が量産型を包み込み、細胞全てを瞬時に燃やし尽くす。更にそこへ絶対零度による破壊の追撃を受け、量産型は激しい痙攣を起こしながら、全身に巨大なひび割れを生じさせる。
 「トドメだ!断罪の剣エンシス・エクセクエンス!」
 転移魔法で飛び込んだエヴァンジェリンが、光の剣を量産型のコアがある鳩尾に叩き込む。一際大きな痙攣を起こす量産型だが、エヴァンジェリンは躊躇う事無く左手に持っていたミストルティンを全力で突きいれた。
 断末魔の叫びを上げながら、動きを鈍らせていく量産型。その一方で、タイミングを見計らっていたシンジが、アスカよりも前に出て全力で防御結界を構築する。
 その瞬間、天から降り注いだ光の柱が残る1体を飲み込む。眩い閃光が網膜をやき、轟音が鼓膜を激しく叩く。破壊の余波が至近距離にいたアスカやシンジを飲みこもうとするが、防御に特化しているシンジが全力を注ぎこんだ防御結界は、破壊される代わりにかろうじて2人の命を救っていた。
 「・・・大丈夫、アスカ?」
 「・・・とんでもない威力よねえ、まだ耳鳴りが酷いわ・・・」
 2人の前には、直径100m近いクレーターが姿を見せていた。唯一無事なのは、シンジよりも背後だけであり、まるで池の桟橋のように地面が残っている。そして、まともに衛星砲の一撃を受けた量産型は、コアはおろか全身を消し飛ばされている。どう見ても、ミストルティンでトドメを刺す必要など、何処にも無かった。
 「ふむ、無事なようだな」
 そこへ転移魔法で間一髪の差で難を逃れていたエヴァンジェリンが姿を見せる。更に最上位魔法2連発による疲労と激痛に苛まれる超に肩を貸した茶々丸も合流した。
 「超さん、大丈夫?」
 「大丈夫と言えば大丈夫だが、少し研究に時間を割き過ぎたせいカナ?前は、この程度の痛みや疲労は我慢出来たと思うネ・・・」
 「超。今の貴女の呪紋回路は、出力を上げているのです。当然、負担も増えています。決して、無理はしないで下さい」
 生みの親を心配する茶々丸に、一行の空気が僅かに和いだ。そんな時だった。
 ドン!という轟音とともに、クレーターに着地する2体の量産型。まだ戦いは終わっていない事を思い知らされ、アスカが方天画戟を構えた時だった。
 『・・・貴方達は誰?碇君と弐号機パイロットは自殺した筈よ?』
 「まさか、ファースト!?」
 『・・・本物なのかい?シンジ君・・・』
 「その声、カヲル君なのか!?」
 思いがけない再会に、愕然とする4人のチルドレン。その一方で、まだ余裕のあるエヴァンジェリンは警戒しつつ隙を窺う。同時に茶々丸は、超を守る様に半身の構えを取る。
 『どうして、貴方達が生きてるの?自殺したのではなかったの?』
 「・・・いや、この世界の僕達は自殺している。それは間違いの無い事実なんだ。僕達は『自殺しなかった歴史』の僕達なんだよ」
 シンジの言葉に、レイとカヲルが沈黙する。
 「少し長くなるけど、2人には全てを話すよ。さっき僕は自殺しなかったと言ったけど、それは正確な表現じゃない。僕は自殺できなかったんだ」
 『それはどういう意味なんだい?』
 「簡単な答えだよ、僕はサード・インパクトによって18番目の使徒リリンとして覚醒してしまったんだ」
 シンジの言葉に、量産型エヴァンゲリオンが拳を握り締める。それは明らかに、シンジの経てきた境遇に対する怒りであった。
 「僕は自分の愚かさの為に、世界に絶望し、死を望んだ。けど死ねなかった。そして、僕は拾われたんだ。今の養父である近衛詠春さんにね。そこで死を手に入れる為に、魔法使いの世界に身を投じた。けど、そこで僕は考えを改めたんだ」
 『何があったと言うの?碇君』
 「どうせ死ぬなら、この命を誰かの為に役立てよう、そう考えたんだよ。だから僕は、時を遡って来た超さんと手を組んでSEELEを敵に回した。僕に小さな楽園を与えてくれた弟妹達を守る為にね」
 そんなシンジの右手を、アスカが辛そうに握り締める。そんなアスカに頷きながら、シンジは言葉を続けた。
 「けど、その思惑は途中で挫折した。僕は願いを果たす事無く、左腕を失い、その命を落とそうとしたんだよ。その時、綾波とカヲル君が僕を助けてくれたんだ。自分に残された全ての力を僕の為に使って、延命を図ってくれたんだよ」
 『私達は・・・私達は、碇君を助ける事が出来たの?』
 「そうだよ。僕がここにいるのは、2人のおかげなんだ。だから僕は2人と約束したんだ。SEELEという束縛から2人を解放すると」
 レイの搭乗していた量産型が、地面に膝を着く。その外部音声からは、啜り泣く嗚咽が漏れ聞こえてきた。
 「僕は魔法使いの1人として、アスカ達と魔法世界に渡った。でもそこで敵の罠にかかって、強制的に時間転移をされた。過去に飛ばされ、そして元の時代に戻ろうとした結果、トラブルによってこの時代に飛んできたんだ」
 『では、本当に君はシンジ君ではないと言うのかい?』
 「僕はカヲル君の知っている碇シンジであると同時に、カヲル君が知らない碇シンジなんだよ。歴史の分岐によって違う道を進んだ、碇シンジなんだ」
 カヲルの搭乗する量産型が、レプリカ・ロンギヌスをギリッと握り締める。その気配にレイの乗る量産型が顔を上げた。
 『ダメよ、カヲル!彼は碇君なのよ!』
 『確かにそうかもしれない。でも、認める訳にはいかないんだ。ここで僕が彼を認めてしまったら、自ら命を絶ったシンジ君は何の為に・・・』
 カヲルの言葉に、レイも言葉を失う。そんな中、シンジが静かに口を開いた。
 「カヲル君。僕は今でも覚えている。初号機で君を握りつぶした時の感触を。軋みを上げる骨の音も、指の間を伝っていく生温かい血液も、LCLに落下したカヲル君の首も、全てハッキリと覚えている。僕は紛れも無い人殺しだ」
 『シンジ君・・・』
 「だからこそ、僕はカヲル君の怒りから逃げる訳にはいかない。カヲル君の親友である為に、僕はカヲル君の全てを受け止めるよ。胸を張って『碇シンジは渚カヲルの親友だ』と言える為に」
 シンジが右手を左の義手に伸ばし、力任せに義手を引き千切る。引き千切られた断面から鮮血が滴り落ちるが、シンジは僅かに顔を顰めただけだった。
 「カヲル君。君の全てを僕にぶつけて欲しい。僕もこの3年間の間に培ってきた、全てを持ってカヲル君に応えたいんだ」
 『・・・ありがとう、シンジ君。君に会えて、良かった』
 『ダメ!2人とも止めてよ!』
 レイが遮ろうとするが、カヲルはレイを全力で突き飛ばす。
 「カヲル君、見せてあげるよ。人形使い近衛シンジの最後の切り札を!」
 引き千切られた義手を空高く放り投げるシンジ。同時に義手が脈動を始め、瞬く間に巨大化・変形を始めていく。
 大きな両翼、鋭い爪、黒光りする鱗、鋭い牙。それら全てが、伝説に謳われる外見その物であった。
 『・・・これは・・・ドラゴン?』
 「そうだよ。僕の義手は魔法世界でも最強種の1つに数えられる竜種―その中でも最も凶暴な黒竜を材料にしている。そして義手その物を犠牲にする代わりに、1度だけ黒竜を使役出来るんだ。僕の意のままに動く人形として!」
 黒竜は量産型エヴァンゲリオンと同等の大きさにまで変化した。その頭頂部に、シンジは立っていた。
 「カヲル君、手加減はいらないよ。全力で戦おう」
 『ああ、行くよ!シンジ君!』

 大地を揺るがしながらぶつかる量産型エヴァンゲリオンと黒竜の光景に、その場にいた者達は慌てて避難した。
 茶々丸は超を背中に負ぶさりながら飛行し、エヴァンジェリンはアスカを赤兎もろとも空中に浮かびあがらせる。
 「やれやれ、もう少し冷静な奴かと思っていたのだがな」
 どこか呆れたように呟くエヴァンジェリン。その眼下では、ちょうど量産型がレプリカ・ロンギヌスを振りかぶっていた。
 轟音とともに振り下ろされた一撃を、シンジの操る黒竜は上空へ飛び上がって回避する。だが去り際に、置き土産とばかりに火炎のブレスを吐きだした。
 炎に飲み込まれる量産型。だがそれよりも一瞬早くATフィールドが展開。炎は成すすべも無く吹き散らされる。
 お返しとばかりに、飛び上がって大剣を叩きつける量産型。その一撃を懐に潜りながらの体当たりで躱わす黒竜。
 ぶつかり合う2人を量産型に乗るレイが止めようとするが、それを許さないほどに2人は激しくぶつかりあっていた。
 「ファースト、手を出すのは止めなさいよ」
 『弐号機パイロット!貴女、本気で言っているの!?』
 「当たり前でしょ。シンジも言っていたけど、あの黒竜召喚は対SEELEの為にとっておいた、2度と使う事が出来ない最後の切り札なのよ。それを使ってまで、シンジはフィフスと戦っているの。その意味、貴女に理解できない訳じゃないでしょ?」
 アスカの言葉に、レイは何も言えずに押し黙る。その眼前では、黒竜の体当たりで吹き飛んだ量産型が、起き上がりざまにレプリカ・ロンギヌスを突き出していた。
 背中の翼の被膜を傷つけられ、苦悶の叫びを上げる黒竜。だが黒竜は、まるで激怒したかのように前肢の鉤爪で量産型を力任せに切り裂こうとする。その攻撃を量産型はATフィールドで防ごうとするが、黒竜の破壊力が単純にATフィールドを上回り、袈裟掛けに量産型を切り裂いていく。
 量産型から紫色の鮮血が迸る。しかしその傷は、自己再生によって瞬く間に癒されていく。だが回復させてなるものかとばかりに、黒竜はATフィールドが張り直されるよりも前に、火炎のブレスを至近距離から吐いていた。
 真紅のブレスが、量産型の全身を嘗めつくすかのように炙っていく。
 「ファースト、1つだけ教えなさい。アンタはシンジを自殺させた、この世界全てが憎くて、人類の敵に回ったのよね?」
 『・・・そうよ。でも、それがどうしたというの?』
 「人類全てを滅ぼしつくしたら、アンタはその後、どうするつもりだったの?何をするつもりだったの?」
 アスカの問いかけに、レイは沈黙した。だがゆっくりと、まるで腹の底から絞り出すかのような声で応えた。
 『そんな事、考えた事なんてないわよ』
 「そう。じゃあ、今の内に考えておきなさい。でも、人類はシンジが守るから、アンタの人類全滅という望みは叶わない。だから、代わりにどうするのかを、しっかり考えなさい。アタシに『お人形さん』と言われたくなければね」
 その言葉に、量産型がアスカに視線を向ける。
 「・・・憎しみなんかに操られてんじゃないわよ。アンタは綾波レイでしょうが」
 『何を言いたい訳?弐号機パイロット』
 「アタシの知ってるアンタは、シンジを助ける為に自分の命を差し出した。自分がもう、シンジを守れない事を理解したから、アタシ達にアイツの事を託したのよ。アタシの知っている綾波レイは、誰よりも人間だった。碇シンジを愛していた、1人の女だった」
 量産型の中で、レイが息を飲む。そのままゆっくりと、レイは今も激しい戦闘を繰り広げる、シンジとカヲルに目を向けた。
 カヲルの操る量産型が、全力の刺突を放つ。その鈍く光る穂先は、狙いを過たずに黒竜の脇腹に突き刺さる。
 だがシンジの操る黒竜は、傷口が広がるのを承知の上で力任せに間合いを詰めて、両前肢の鉤爪を縦横無尽に振るって、量産型を文字通り血達磨へと変えていく。
 量産型も反撃に出ようとするが、レプリカ・ロンギヌスは黒竜に突き刺さったままで、抜く事すらできない。かと言って、ロンギヌスを抜きつつもう片方の手で拳の零距離戦を挑むのは、無謀の極みである。
 仕方ないとばかりに、ロンギヌスから手を離して殴りかかる量産型。対する黒竜も前肢の鉤爪と火炎のブレス、巨大な尻尾を利用して反撃に出る。
 しかし、長期戦になればなるほど、量産型は有利になっていく。と言うのも、量産型には自己再生能力が備わっているからである。どれだけ傷を負おうとも、全て癒してしまえば問題等無い。
 その事に気がついていたからこそ、カヲルは自分が勝つだろうと思っていた。その心によぎったのは、勝利の優越感ではなく、シンジを倒すという行為に対する罪悪感だった。
 だが、カヲルは知らなかった。
 近衛シンジは彼の知る碇シンジとは違い、父譲りの謀略の才を受け継いでいた事を。最初からシンジは、この戦いには勝てないと悟っていた事を。同時に、それをひっくり返すだけの展開を、脳裏に描いていた事を。
 黒竜が後ろへ飛び退いた時、カヲルは敢えて追撃しなかった。消耗戦になった以上、シンジには勝ち目など無い事を理解していたから、カヲルとしても降伏勧告をしようと仏心を出してしまったのである。
 決定的な間合い。それこそが、シンジの狙っていた最後のチャンスだった。
 黒竜が己の脇腹に刺さったレプリカ・ロンギヌスを一気に抜き去る。大量の鮮血がドバドバと滝のように落ちるが、黒竜は躊躇う事無くレプリカ・ロンギヌスの穂先を量産型に向けた。
 レプリカ・ロンギヌスは量産型にとって諸刃の剣。カヲルが自分のミスに気付いた時には、既に黒竜は動いていた。黒竜は槍を手にして全速力で突進してきている。
 敗北の危機を感じ取り、全ての力を回避に注ぐカヲル。その意思に従うかのように、量産型は体を捻って、レプリカ・ロンギヌスの穂先のコアへの直撃だけは避けていた。
 穂先は脇腹の肉を抉り、周囲一帯に血肉の破片を飛び散らせる。
 危なかった、カヲルが安堵の溜息を吐きながら顔を上げた時、黒竜の頭頂部にいた筈のシンジの姿が消えていた。
 シンジは何処へ行ったのか?その疑問の赴くままに、周囲を調べるカヲル。だが、何の前触れも無く、エントリープラグ内部の光が一斉に落ちてしまった。
 
 量産型の中から一部始終を見ていたレイは、呆気に取られていた。
 黒竜と量産型。その激しい戦いの最後に、まさかシンジが生身で突撃する等、想像すらしていなかったのである。
 更に致命的な事に、レイもカヲルもミストルティンの存在を忘れていた。途中までは覚えていたのだが、黒竜がレプリカ・ロンギヌスを手にした瞬間、より大きな危険性に気がついてしまい、ミストルティンどころではなくなってしまったのである。
 気で身体強化をしたシンジが黒竜の前肢を走り、ロンギヌスの穂先も駆け抜ける。その手には、ミストルティンが握られていた。
 一部分が露出したままのコア。それを目がけてミストルティンを突き刺す。
 量産型はビクン!と跳ねると、それっきり動きを止めてしまった。
 シンジの操る黒竜が、役目を果たし終えたかのように、ドシャアッと崩れ落ちる。そのまま黒竜は、まるで空気に溶け込むかのように姿を消した。
 「・・・僕の勝ちだ、カヲル君」
 その言葉を聞いていた訳でもないだろうが、エントリープラグが外へと排出される。そして中からプラグスーツ姿のカヲルが姿を見せた。
 「僕の負けだ、シンジ君・・・最後に頼みがあるんだ、聞いてくれるかい?」
 「何?」
 「僕を殺してほしいんだよ、そのミストルティンで僕のコアを貫いてほしいんだ」
 両手を広げ、まるで迎え入れるかのようなカヲル。その行動にレイが動き出す。
 『カヲル!?』
 「レイ、止めないでくれ。さあ、シンジ君」
 ミストルティンを手に、静かに歩み寄るシンジ。その行動に、レイの操る量産型がアスカの制止を無視して飛び出す。
 『ダメ!お願いだからやめて!碇君!』
 目を瞑り、その時が来るのを静かに待ちうけるカヲル。そんなカヲルを横目に、シンジはレイへと語りかけた。
 「綾波。君達の背後にいたSEELEは、まだ存在しているのか?」
 『・・・もう存在していないわ。私とカヲルが壊滅させてしまったから』
 「分かったよ、ならやる事は1つだ。綾波、量産型から降りて」
 素直に量産型から降りるレイ。
 「降りたわ、これで良い?」
 「アスカ」
 呼びかけられたアスカが、頷くと同時に方天画戟を一閃させる。腹部を吹き飛ばされた量産型、コアを無防備に晒す。
 そこへアスカが追撃とばかりにミストルティンを突き刺し、量産型を完全な死亡状態へと追い込んだ。
 「・・・カヲル君。僕は君を殺すつもりはないよ。だって、君と綾波はSEELEの束縛から解放されているからね」
 「シンジ君・・・君は僕にこの世界で生きて行けと言うのかい?シンジ君を殺したこの世界で、憎しみを抱えたまま生きて行けと言うのかい?」
 「この世界で生きていくのが辛いなら、魔法世界に渡れば良い。この世界に留まりたいなら、そうすれば良い。僕はね、二度もカヲル君を殺したくないんだよ」
 カヲルがハッと顔を上げる。
 「君の知っている僕であっても、きっと同じ事を言うと思うよ。あとは自分で考えて結論を出すと良いよ。時間だけはタップリあるんだからね」
 カヲルがシンジに縋りつくかのように体を預ける。その肩が小さく震えていた。
 全てが終わり、アスカに軽く手を振るシンジ。そんなシンジがフワアッと大きな欠伸をし、バツが悪そうに後頭部を掻いた。

3日後―
 決戦の勝利に湧きかえるアジトは、勝利の報告から3日が経っても宴が止む事は無かった。それほどまでに、彼らはストレスを抱え込んでいたのである。
 レイとカヲルに関しては、両親を量産型エヴァンゲリオンに殺され、世界中を放浪していた子供という事にしてアジトへ連れ込んでいた。確かに2人にはシンジの死という情状酌量の余地はあった。だが全ての人間がその理由をもって受け入れるかと言えば、答えはNOである。
 幸い、レイとカヲルは人前で量産型から降りた事は一度も無く、加えて使徒である為に14歳という外見から全く成長していない。その為、2人は『可哀そうな子供』として超の仲間達に受け入れられたのである。
 これには2人も複雑そうな顔をしていたが、だからと言って全てをバラしてシンジやアスカに迷惑をかけるのも本意では無かった為、消極的に孤児と言う立場を受け入れた。
 そんなある日、3日間ぶっ通しでの宴に誰もが気力・体力が尽き果てた夜遅い時間、シンジはエヴァンジェリンの下を訪れていた。
 「エヴァンジェリンさん、少し力を貸して欲しいんですが良いですか?」
 「・・・まあ話ぐらいは聞いてやろう。で、どんな用件なのだ?」
 「魔族を召喚し、契約を交わす術を教えて欲しいんです」
 その言葉に、エヴァンジェリンは酒を飲むのを止めてシンジに視線を向けた。給仕役を務めていた茶々丸もまた、シンジの言い分に首を傾げる。
 「黒竜の義手はもう無いですからね。それに代わる存在が欲しいんです。超さんが茶々丸セイバー改を作ってくれてはいますが、片手では満足に扱えません。だから魔族と契約したいんです。文字通り、僕の手となり武器となって貰う為に」
 「まあ不可能ではないだろうが、お前の相棒―アスカは何と言っているのだ?」
 「アスカは呆れていました。好きにしたら?だそうです」
 シンジがこの考えを思いついた時、最初に相談したのはアスカであった。その内容にアスカは言葉を無くし、魔族との契約に強く反対したのである。しかし、シンジが強い覚悟を秘めている事に気づいてしまい、仕方なく折れたのであった。
 「爵位級の魔族となれば、姿形を変える事等造作も無い連中だからな。確かに義手代わりにする事は出来るだろう。契約を順守させる事が出来れば、という条件付きだがな」
 「悪いですが、その手の脅しは通用しませんよ。契約が悪用可能な物である事、契約を逆手に取る事が可能な事、義手から僕を乗っ取るのではないか、色々な危険性について考慮しました。その上で、1人だけ僕に力を貸してくれそうな魔族に心当たりがあります。普通なら召喚なんて不可能でしょうが、エヴァンジェリンさんの協力があれば可能かもしれない。そう思って相談に来たんです」
 「フン、まあ話ぐらいは聞いてやると約束したからな。それで、お前はどんな魔族を呼びだそうと言うのだ?」
 「召喚する対象は爵位級悪魔のヘルマン伯爵です。エヴァンジェリンさん、彼の事を覚えているでしょう?麻帆良祭の前にネギ君と小太郎君が交戦し、ネギ君の村を滅ぼした彼の事を」
 懐かしい名前に、エヴァンジェリンが小さく笑う。彼女の脳裏からは、遥か昔に消えていた名前だったからである。
 「ただし、条件があります。僕が召喚したいのは、僕が自殺した歴史の流れに存在するヘルマン伯爵ではありません。僕の素生に気付いた、僕が本来いる筈の歴史の流れに存在するヘルマン伯爵なんです」
 「それはまた難しい注文だな。だがまあ、不可能ではないか。その分、代償はきついだろうが、その覚悟は・・・聞くだけ野暮と言う物か」
 「ええ、お願いします」
 シンジの言葉に、エヴァンジェリンは小さく鼻を鳴らすと、影のゲートを作り出す。
 「まずは場所を変える。ついてこい」
 エヴァンジェリンの先導の下、転移するシンジと茶々丸。3人の転移した先は、麻帆良学園の地下図書館、その最深部に存在する遺跡だった。
 「このゲートを利用する。本来は魔法世界へ通じる門に過ぎないが、こいつを少々弄って使う。茶々丸、サポートに入れ」
 「イエス、マスター」
 エヴァンジェリンの指示の下、茶々丸が意図的にゲートの調整を崩していく。やがて茶々丸から『完了しました』という報告が入ると、エヴァンジェリンはシンジを遺跡の中央へと引っ張り出した。
 「いいか?異なる歴史の魔界に繋げるのだ。お前の力、借り受けるぞ?」
 「はい。お願いします」
 シンジの覚悟に変化が無い事を理解すると、エヴァンジェリンは遺跡を作動させた。周囲の空間が歪みだし、不安定な物へと変わっていく。
 吸い取られていく力の大きさに、さすがにシンジも眉を顰める。だが苦悶の声だけは決して漏らさない。そんなシンジにエヴァンジェリンはニヤリと笑った。
 「さあ、呼びかけろ!」
 「ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマン伯爵!聞こえるなら返事をして下さい!ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマン伯爵!」
 シンジの声が歪んだ空間の中へ吸い込まれていく。
 「これで良いのですか?」
 「あとは奴が来るのを待つだけだ」
 腕を組んで仁王立ちするエヴァンジェリンの傍に、茶々丸が静かによる。だが周囲に何の変化も無い事に不安を覚えたシンジが、もう一度呼びかけようとした時だった。
 「・・・これはこれは、私を呼ぶ声が聞こえたと思えば、まさか貴方だったとは。これは貴女の仕業ですかな?闇の福音殿」
 コートを纏った初老の男という、かつてと同じ姿のヘルマンが姿を現す。
 「私は単なる橋渡しに過ぎん。この男は、物好きな事にお前と契約を交わしたいのだそうだ」
 「私と契約?」
 「そうです。僕は貴方と、ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・ヘルマン伯爵と主従の契約を交わしたいんです。ネギ君を助ける為にね」
 シンジの発した言葉に、ヘルマンが反応する。ヘルマンにとって、ネギ・スプリングフィールドという名前は無視出来ない名前であった。
 「ネギ君は、貴方に故郷の村の壊滅の指示を出した連中と戦っています。ですが、ネギ君はまだ子供。例え貴方が知る以上に強くなっていたとしても、所詮は10才の子供なんです。だからこそ、あの子を守る為に貴方の力を借りたい」
 「その様に仰られてしまわれては、私に断る権利はありますまい。何より、私にとってもネギ君は興味の対象なのですから。分かりました、貴方を主と仰ぎましょう。ですが契約を交わすからには、それ相応の物を頂く事になります」
 「ええ、貴方が望む物を用意します。こちらの世界で行動するのに十分な力の提供。貴方が持てる力の全てを振るうに相応しい戦場。そしてネギ君の成長を傍で見届けさせてあげます」
 シンジの提案はヘルマンも納得できる物であった。しかし最後の条件だけは理解しきれずに、首を傾げた。
 「ヘルマン伯爵、貴方には表向き僕の義手となってもらいます」
 「なるほど、そう言う事ですか。分かりました、それでは契約成立と言う事でございますな。では、失礼させて頂きます」
 ヘルマンの姿が徐々に消え、代わりにシンジの中身の無い左袖に、本物としか思えない腕が姿を現す。
 「宜しく頼むね、ヘルマン」
 
半月後―
 ついにシンジとアスカが、本来の時間軸へ戻る日がやってきた。
 時間転移の儀式の場にいるのは、エヴァンジェリン・茶々丸・超・カヲル・レイだけである。
 「フィフス、ファースト。本当に良いのね?」 
 「ああ、決めたよ。僕達はこちらに残るつもりだ。復興を手伝って、それが終わったらどうするかは、その時に決めるつもりだよ」
 「私もカヲルに付き合うわ。碇君についていきたい気持ちもあるけど、どうしても自殺してしまった碇君の事を思い出してしまうから」
 2人の決断に、アスカは『そう』とだけ呟いた。
 「シンジ、この2人の事は気にするな。私も悠久の時を生きる吸血鬼だ。長命種としての生き方程度は教えてやれる」
 「マスターの仰る通りです」
 「2人をお願いします」
 頭を下げるシンジ。その左肩にはヘルマンが姿を変えた義手が着けられている。その精巧さは、生身の腕その物である。
更に人形使いの武器として、指輪の中には戦闘用人形茶々丸セイバー改が収められていた。
「・・・別れは済ませたかナ?良ければ、儀式を始めるネ」
身支度を整えた超の言葉に、シンジが頷く。何故、超が身支度を整えているかと言うと、超は3-Aメンバーを助ける為に、同行を希望したからである。
超が儀式を開始。積層型魔法陣が展開され、時間転移が始まる。
「綾波!カヲル君!また会う事が出来て、嬉しかったよ!」
シンジの離別の言葉に、綾波が儚げな笑みで、カヲルはクスッと笑って応える。
そして見送る者達の眼前で、3人の姿は消えていた。

 構築される積層型魔法陣。その中から現れた3人は、遠くにあるゲートを見ながら、時間転移に成功した事を悟っていた。
 「シンジサン、要望通りにゲート爆破よりも1ヶ月ぐらい前に転移したネ。それで、これからどうするつもりカ?」
 「・・・まずは帝国へ向かう。陛下や殿下の助力を仰いで、連中に対抗する為の準備を整えるんだ。あとは顔馴染みに会って、助力を頼むぐらいかな」
 「あの子達を助けないの?」
 アスカの言葉に、シンジは苦笑しながら答えた。
 「助けたいさ、それは本音だよ。でも、助けちゃいけないと思うんだ。あの子達を陰からサポートして、自力でこの苦境を乗り越えさせる。それぐらい出来ないと、連中には対抗出来ないからね」
 「ま、それもそうかもね」
 「そう言う事なら納得したネ。では、まずは帝国へ向かうヨ」
 「それじゃあ行こうか・・・ふあああ・・・」
 何とも締まらないシンジの欠伸にクスクスと笑う超。一方のアスカは腕組みをしながら『この馬鹿シンジ』とコメカミを引き攣らせていた。



To be continued...
(2012.11.17 初版)


(あとがき)

 紫雲です。今回もお読み下さり、ありがとうございます。
 2話構成の未来編、無事に終わりました。番外編的なつもりで書いたのですが、レイとカヲルは未来に残る事になりました。2人にとって自殺したシンジの代わりはいない以上、こういう流れが自然かな?と思って書きました。
 それから茶々丸の衛星砲。勘の良い方は気づいたでしょうが、原作の『空飛び猫アル・イスカンダル』です。言うまでもありませんが再登場はしますwネギま最強の戦略級兵器の見せ場を検討中ですが、ホント悩みます。火力高すぎやねんw
 あとシンジの戦闘能力についてですが、おおまかな力関係を記載しておきます。
 英雄クラス(ラカンやフェイト)=咸卦法アスカ>ネギ=超=咸卦法アスナ>刹那=楓=古=茶々丸=咸卦法無しアスカ>シンジです。シンジが下位なのは、攻撃手段が無いから。身体強化と人形だけの為、あとはペテンと魔法世界における実戦経験だけで誤魔化してます。だからアスカ相手だと手も足も出ません。だって戦闘経験でさえアスカの方が上ですから。恐るべきは呂布ですねw
 咸卦法状態でアスカ>アスナである理由は①2人のアーティファクトの性能の違い②アスカの持つ赤兎の存在③アスカの咸卦法はシンジの支援が前提だが、アスナの咸卦法はネギの支援が無くても使える。逆に考えればネギの支援があれば、更に力を向上できる余地がある、と言うのが理由です。
 話は変わって次回です。
 現代へと帰還したシンジ達は帝国へ戻り、バラバラに飛ばされてしまったネギ達を把握する為に、帝国やアリアドネー、メガロ・メセンブリアやバウンティーハンターギルドに繋ぎを取る。
 そんな中、アリアドネー騎士団長セラスから連絡を受けたシンジ達は、騎士団の宿泊所へと向かう。そこにいる少女が記憶を失っていると聞かされて。
 そんな感じの話になります。
 それでは、次回も宜しくお願い致します。



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