第一話
presented by 紫雲様
洛陽、宮廷内―
シンジが洛陽の宮廷内で働き始めてから数日。皇帝である劉弁とその姉劉協の侍従となったシンジは、いろんな所に引っ張り出されていた。
政務に励む月や詠、音々音にはお茶やお菓子の差し入れ。ちなみに現代日本で作られるお菓子―クッキーや果物ゼリーは歓声とともに受け入れられている。
武人として軍務に勤しむ霞や雅には、これ幸いと一騎打ちの練習相手を申し込まれ、時には酒の肴を差し入れする事に。
体の弱い劉弁には診察を行い、体質改善薬を提供しつつ、体の成長を促す食事を。これについては一般の家臣達から反論も持ち上がったが、皇帝とその姉のいつにない強情な主張に渋々折れたと言う一幕もあったりする。
宮廷の日当たりの良い中庭では恋に捕まり、赤兎を初めとする動物達とお昼寝を。目覚めてみると、何故か抱きつくように劉協が昼寝をしており、それを見て誤解した詠や月、音々音らに追いかけられる始末である。その罰として、全員に食事を差し入れする事を求められる事もあった。
そんなどこに行っても家政夫としての運命から逃れられないシンジは、珍しく劉協から相談を持ちかけられた。
「董卓殿達の力となりたい、ですか」
「うむ。僕は非力な子供。故に月達の足手まといでしかない。そこで、そなたに政治について教えて貰いたいのじゃ。あの聞仲太師や太公望の弟子として学んだのであれば、師として学ぶには最適だからのう」
(・・・そうすれば2人きりの時間もとれるし・・・)
心の中でささやかな欲望を紡ぐ劉協13歳初恋真っ只中である。
「ですが、例え学んだとしてもそれを実践できるかどうかは別物です。知識が幾らあっても現状に対して活用する事が出来なければ、時間の無駄でしかありません」
「むう・・・しかし・・・」
「ですから、劉協様には政治について学ぶ前に、やるべき事があると思うのです」
ニッコリ笑ってきたシンジに対して、劉協は首を傾げる事しか出来なかった。
それからしばらくして、宮廷内には『劉協様!劉協様!どこに行かれてしまったのですか!?』という女官達の悲痛な叫び声が響いていたそうである。
洛陽、市中―
シンジと劉協は、市中の視察に赴いていた。とは言え、皇族として視察に赴いた所で意味は無い。彼らの恰好は裕福な商人、と言った所である。
「・・・服が軽くて薄い・・・少々不安じゃ」
「それが庶民の服だよ。額に汗を流して労働に励むからこそ、衣服もそれに応じた物が求められる。耐久力があり、なおかつ洗い易い物が」
「宮廷では使っておらぬのか?見た覚えがないのじゃが」
「裏方であれば使っているよ。けど普段、叶がいる所では使われてない。何故なら叶達にとっては、着飾る事も仕事だから。お客が来た時に、皇帝陛下がみすぼらしい姿をしていたら?お客はどう思うかな?」
「そういう考え方があったのじゃな」
コクコクと頷く。ちなみに『叶』とは今回のお忍びに当たって、劉協が顔を真っ赤に染めながら名乗った偽名である。
ちなみに表向きは商家の箱入り娘と、付添いの奉公人という触れ込みである。
「ところで叶。この町の光景を見て、気づいた事はある?」
「人が多い。ただ、何と言えば良いのか・・・何となく暗い気がするのう」
「正解。この町の人達は暗いんだよ。恐らく、明日という物に対して明るい光景を期待出来ないからなんだ。理由は分かるかな?」
考える協。だがすぐに顔を上げる。
「色々と騒動が起こったからではないか?」
「その通りだよ。上がゴタゴタした影響が、下にまで悪い影響を及ぼしているんだ。上が好き勝手やってるんだから、俺達が多少遊んだ所で良いじゃないか、ってね。叶、向かいにあるお店の前にいる2人組、良く見てごらん」
言われた通り目を向ける叶。そこには商家の主らしい男が、兵士に何かを差し出した所であった。
そのまま兵士は踵を返して人混みに消える。その姿を忌々しげに睨んだ後、主は足音も荒く店内へ戻ってしまった。
「な、何があったのじゃ?」
「賄賂―と言うよりは権力を笠に着た恐喝だよ。国の治安が乱れて来ると、ああした光景が見られ始めてくる。では何であんな行動が通用してしまうのか、その理由は分かるかな?」
「・・・分からぬ、どうしてじゃ?」
「一言で言ってしまえば、規律が緩くなるから。兵士たる者、民に暴力を振う等もっての外だ。少なくとも僕の母国では、そんな事をすれば兵士どころか直属の上役から最高責任者までの大問題になる。でも、それがまかり通るのは、それが当たり前になっているからなんだ。つまり軍規が機能していない事を意味する」
シンジの言う事を必死に咀嚼する叶。そんな少女の頭をシンジが優しく撫でる。
「規律の無い軍は盗賊以上の害悪でしかない。そしてああいう兵士達ほど、普段は威張っているのに、いざ戦になると脱走兵と化した挙句に賊へと身を落とす。だからそんな状況にしてしまってはいけないんだよ」
「うむ、覚えておくのじゃ」
「じゃあ次へいくよ」
人混みを縫うように歩く2人。辿り着いた先は、いわゆる貧民街と呼ばれる場所である。
目についたのはボロボロの家屋や衣服を纏った、無気力そうな子供達。そしてたまに響く怒号や悲鳴。
「な、何なのじゃ、ここは!」
「これが悪政によって生じた、被害者と言うべき存在。しっかり見ておくんだ。漢王朝の衰退、私利私欲に走る役人、歴代皇帝の政治放棄と放蕩、十常待の暴走。それが、この光景を生み出したんだ」
「・・・僕が、僕が無力だったせいで・・・」
泣き出す寸前の少女。それを慰めようとするシンジであったが、突如背に庇う。
「動かないで・・・出て来い。さっきからそこの物陰に隠れている奴」
「けっ、勘の良い奴だ。だが長生きは出来そうにねえな。おい、金と服とその背中の女を置いていきな。そうすりゃあ」
その瞬間、崩れ落ちる男。背後にいた仲間らしい男達が慌てて抱き起そうとすると、すでに男は事切れていた。
口内に突き刺さった、投げナイフが原因で。
「5人か。手持ちは残り9本。運が良ければ、1人だけは1本で済むぞ」
両手の指に投げナイフ―飛刀を挟んでいるシンジの姿に恐怖を感じた男達が『ヒイイッ!』と叫び声を上げつつ姿を消す。
「叶。もう大丈夫だ」
「う、うむ・・・」
「でも、君の心がけ次第では、この光景を無くす事も出来るんだ。それを忘れないで欲しい。じゃあ、次へ行こうか」
目の前で亡くなった男に黙礼すると、2人は無言のままその場を立ち去った。
死体に群がる貧民街の住人。その悪夢の如き『咀嚼音』から逃れる様に。
ちょっとした休憩を茶屋で取った後、2人は別の場所へと移動していた。
向かった先は町外れにある建物。ただ大きな建物=裕福な象徴である筈が、何故か暗い雰囲気しか感じられない。
そして門前には、兵士が2人、槍を手に立っていた。
そんな2人にシンジが近寄っていく。
「ご苦労様です。董卓閣下から頼まれた、いつもの診療に伺いました」
「ご公務、ご苦労様です。しかし陛下の侍従ともあろう御方に、このような事を」
「気になされないで下さい。それより今日は助手を連れてきています。その子の通行許可も下さい」
「勿論ですとも。さ、お入りください」
中に入る2人。通い慣れた道を歩くシンジに対して、訳の分からない叶が口を開く。
「ここは?」
「戦で負傷して、重症で帰れない人達の為の治療施設。治ったら帰らせてあげるんだけどね。君も知っているだろうけど、月は優しい子だから、自費でこういう施設を作ったんだよ。僕はそのお手伝いって所」
月にしてみれば、太乙真人仕込みの医療技術を持つシンジの協力を得られるのは、望外の喜びであったりする。本来なら食料と寝床の供給ぐらいしか出来なかったのだから。
「叶。辛くてきつくて泣きそうになると思う。でも目を逸らしちゃいけない事だ。泣くのは構わない、でも挫けるのは許さない。最後まで頑張ってごらん」
「う、うん」
中に入ると、そこは呻き声に支配された空間であった。
漂ってくる血臭が、地獄の入り口を髣髴とさせる。
そんな患者達の中を縫うように移動していた人影が、シンジに気付いて走り寄ってきた。
「お待ちしておりました、聞侍従様」
「いつもご苦労様です。ところで今日は私の姪を連れてきておりまして。この子も医術を学びたいと言うので、実際に現場を経験させたいのです。そこで患者さんの世話をさせようと思いまして」
「分かりました。差支えなければ、私がお預かり致します」
「お願いします。ただまだ何の知識も無いですから、最初は色々と教えてあげて下さい」
「・・・頑張ったね、叶」
「シンジ・・・私、助けられなかったのじゃ・・・あの人、苦しんでたのに・・・」
何もできない叶に出来たのは、濡れた手拭いで患者達の体を拭いてあげる事だけだった。それでも蝶よ花よと育てられた皇族の姫君にしてみれば、物凄い負担となったのは言うまでもない。
そんな叶の目の前で、1人の患者が亡くなったのである。
これは彼女にとって、何よりも大きなダメージであった。
「でもさ、あの患者さん。最後に何と言ったか覚えてる?」
「・・・ありがとう、って・・・まるで娘に看取られてるみたいだ、って・・・」
「悔しいかい?」
「・・・うん・・・」
必死で鳴き声を押し殺す少女。そんな少女を背負い直しながら、シンジが語りかける。
「じゃあ、君に出来る事をすれば良いんだよ。今日の体験を活かすにはどうすれば良いのか?それを考えよう」
「・・・」
「寝ちゃったか・・・お疲れ様、叶」
夕日の中、少女を背負って歩くシンジ。やがて向かいから騎馬に乗った人影が走り寄ってくる。
「・・・シンジ?」
「お疲れ様、恋。劉協様が目を覚ましちゃうから、少し静かにね」
「分かった」
コクリと頷く恋であった。
翌々日―
「月、詠、ねね。皆に集まって貰ったのは、相談したい事があったからじゃ」
弁と協の呼び出しに3人は素直に応じた物の、一体何が?と首を傾げていた。
「これを見て欲しい。これは僕の考えた物を基に、陛下の御意見を取り入れた物じゃ。しかし僕達は政治について何も知識が無い。故に3人に目を通して欲しかったのじゃ」
「分かりました。拝見させて頂きます」
受け取った月を中心に3人が目を通す。その内容に、3人は複雑そうな表情を浮かべていた。
「軍の規律の引き締め。これについては賛成です。異論等、有る筈もありません。文官の調査についてですが、これは?」
「うむ。十常待らが良い例じゃが、賄賂を贈る物貰う者、金銭を横領する者は必ずおる。だからそれらも取り締まる必要があるのでは?そう考えたのだ」
「確かに。ですが調査を行うには、残念ながら時間も人材も足りませぬ。私としても悔しくはありますが、再発を防ぐ方法を考える、という点で妥協して頂けないでしょうか」
信の置ける者が少なすぎるのです。そう表情で訴えてくる3人に、弁も妥協するしかないかと考え直す。
「次の貧民街対策。孤児院の設立等は素晴らしいとは思います。しかし資金が・・・また継続的な運営費用という問題もございます」
「実はの、余もその点が解決出来なかった。そこでシンジに相談してのう」
「何か妙案でも?」
「うむ。これから言う事は、全て皇帝たる余の一存で有り、責任の全ては余に有る物とする・・・歴代皇帝陛下の墳墓。そこに眠る宝物を使わせて頂く」
少帝の予想外の答えに目を丸くする3人。あまりにも予想外過ぎる答えに、思わず手にしていた竹簡を落としてしまう。
確かに墳墓の宝物ともなれば、その価値は非常に高い。孤児院の運営資金等、容易に集める事が可能ではある。
「実は、これを含めた全ての案件は、僕と陛下だけで決めた物では無い。シンジにも相談して決めた事なのじゃ。その時、シンジが教えてくれた事が有るのじゃ。上に立つ者は、責任を取る事を求められると。もし仕えてくれる者達が、立場上口に出来ない事で悩んでいるのであれば、上に立つ者はそれとなく行動してあげる事で責任を取り、下の者が動きやすくしてあげる事も大切じゃと・・・月達は本当に良くしてくれている。ならば、僕達に出来る事は月達の行動に対して、あらゆる責任を持つ事じゃと考えた」
「し、しかし殿下!それでは陛下や殿下のお立場が!」
「大丈夫なのじゃ。きっと民達は理解してくれる。じゃから、民達を救ってあげて欲しいのじゃ」
その言葉に、無言のまま頭を下げる3人。ここまでされてしまっては、3人に出来る事は1つだけである。
2人の思いを現実の物とする。その一言に尽きた。
そんな覚悟を決めた3人に対して、協が再び口を開く。
「ただシンジから若干、修正を求められての。孤児院で読み書きと計算ぐらいは教えてやるように、と言われたのだ」
「それは考えもしなかった事です。ですがあの男は、どうしてそのような発言を?」
「シンジが言うには、将来の国を支える礎を発掘する機会だと言っておった。体力に優れた者であれば兵士や武官として、知能に優れた者であれば下級の役人として、非力であっても俊敏な者であれば細作として、心優しく戦いに向かない者であれば医術を学ばせたり、農民として暮らさせるのも良い、と言っておった。戦いだけが全てでは無い、とな。それに仕事があれば食事にありつける。そうなれば犯罪に走る者を事前に減らし、それが結果として市中の治安向上に繋がる、と」
「え、詠殿?確かに今の意見を採用すれば・・・」
「・・・5年経てば、確かに効果を発揮するでしょうね」
真剣に考え込む詠。国力強化と言う意味において、この政策は詠の目から見てもとても魅力的に感じる物があった。
「これについては、私どもで更に細部まで検討し、その上でご報告させて頂きたいと考えます。それからこちらの開墾計画についてですが」
「うむ。場所は函谷関周辺。特に函谷関と長安の間になる。その周辺を開墾する事で食料増産を行うのじゃ。出来上がった田畑は、開墾に従事した貧民街の住人や難民へ無償で分け与える。また向こう1年の食料の供給は、先程同様に財宝を資金源に充てる事を考えておるのじゃ」
「生きる糧があるのであれば、少なくとも希望者に困る事は無いと思うけど・・・詠ちゃんとねねちゃんはどう思う?」
「ねねは賛成ですぞ。軍師として言わせて頂くのであれば、洛陽―長安―天水の間は月殿の支配地域です。ならば賊対策等も月殿の権限で行う事も出来ます」
「放棄された村や寒村を開発拠点とすれば、効率性の向上も見込めるわね・・・こちらについても細部を煮詰めた上で、再度ご報告致します。先程の件と合わせ、明日までにはご報告させて頂きます」
姉弟の顔に喜びが浮かぶ。初めて役に立つことが出来たせいもあるのだろうが、その顔にはやり遂げたような表情があった。
「そういえば、シンジが陛下と殿下に助言されたと伺いましたが、あ奴はどうしているのですか?」
「実は朝から外に出ておるのじゃ。これを見てからな」
協が差し出した竹簡。その内容に、3人は驚きで顔を強張らせた。
「軍医の育成?」
「そうなのじゃ。シンジの母国では、信じられない程に医療技術が発達しておるそうじゃ。お主等は良く知っておるだろうが、僕達にとっては悪夢以外の何物でもない疫病。だがその疫病ですら、シンジの母国では発生を防ぐ術が確立されておるそうじゃ」
「そ、それは本当なのですか!?」
「シンジが嘘を言うとは思えん。それに遣り方自体は、非常に簡単なのじゃ」
シンジから教わった疫病を防ぐ方法。それは死体の焼却である。
「疫病とは物が腐る事、例えば死体が腐る事が原因と聞いた。そしてその数が多ければ多い程、疫病は猛威を振るう。故に戦場等では死体を焼いてしまう事により、疫病を防ぐ事が出来るそうじゃ」
「た、確かにそれが事実であれば、簡単に疫病を防げます」
「これが街中であれば、どれだけ清潔なのかが重要と聞いたのじゃ。不快な話ではあるが、生ごみや糞便等が放置されていても、同じ様に疫病が発生するらしい。故にシンジの母国では、人が亡くなったら火葬する事が法として義務付けられているとも聞いた。それだけでは無い。民が出したゴミすらも国が人を雇って回収させて全て焼却処分する事で、清潔さを一定以上に維持し続けていると言うのじゃ。もっとも漢王朝にそこまで求めるのは無理と言うておったが」
あ然とする3人。シンジが仙界出身なのは知っているが、母国は東の海の向こうの島国と言う話を改めて思い出す。
つまりそれは仙人でない、ただの人間が為しえた業績と言えた。
「では先程の貧民街の住人救済は」
「将来の疫病発生対策でもあるのじゃ」
「これは大きな意味を持つ仕事ですね・・・」
「うむ。軍医の役割は、ある意味、その中核に位置する。戦場では傷病兵の治療と同時に、疫病が発生しないように常に目を光らせる。平時においては国内を巡回させて、疫病発生の兆候を監視すると同時に、国内の村へ定期巡回を行う事で民の癒し手となり、民の支えとなってもらう」
そこへ件の男が、用事を済ませて戻ってきた。
「陛下、殿下。ただ今戻りました。おや、それを見せておられたのですか」
「うむ。ところで、そなたは何をしに町へ行っておったのじゃ?」
「その軍医の育成が可能かどうかの下調べです。薬草の入手が出来るかどうかは重要な問題ですから。ですから猟師を中心に、山で見かける草花について聞き込みを行っておりました。結果は問題ございません」
良かったあ、と安堵の溜息を吐く姉弟。
「財源さえ確保されれば、猟師達に薬草を採取させ、国で買い取る事も可能になるでしょう」
「アンタ、思ったよりも有能なのね」
「師匠から教えて頂いた知識や、先人の遺した物を活用しているだけだよ。僕自身が有能な訳じゃない」
「十分に有能よ・・・詠、よ。これからはそう呼びなさい」
驚きで目を見開くシンジ。そんな当の御本人はと言えば、微かに顔を赤らめている。
「詠ちゃん素直じゃないんだから・・・私は月、よ。改めて宜しくね」
「・・・むう。私は音々音。ねね、で良いです」
「余も真名を預けたいのだが、皇族たる者、伴侶以外に教えてはならぬ決まりがあるのでな・・・すまん」
「・・・ごめんなさい、シンジ」
「そんな気にしなくても良いですよ。道士聞シンジ、両親から受け継いだ名は碇シンジ。改めて、これからも宜しくお願い致します」
To be continued...
(2014.06.01 初版)
(あとがき)
紫雲です。今回もお読み下さり、ありがとうございます。
今回は戦の前の静けさ、という事で内政中心の話となりました。ちなみに黄巾の乱は既に静まっている為、各地では諸侯達が牙を研ぎつつある、と言う状況です。
そんな中、シンジは董卓軍―正確には皇帝に使える侍従として、幼い少帝や姉の協を助ける為、色々と導くと言う役割を割り振られる事に。
でもどれだけお兄さんぶっても、家政夫としての運命から逃れられないのはデフォルトだったりしますw
話は変わって次回です。
詠の放った密偵が持ち帰った情報。それは袁紹を発起人とした反董卓連合の情報。月を悪と断じた連合に対抗する為、シンジは起死回生の一手を打ちに洛陽を離れる事に。
向かう先は涼州。漢王朝の忠臣として名高い馬一族当主、馬騰を味方に引き入れる事。そして旅を伴にするのは、身分を従者と偽った協であった。
そんな感じの話になります。
それでは、また次回も宜しくお願い致します。
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