新起動世紀ヱヴァンガル改

第十二話 起動実験・使徒襲来

presented by とりもち様





 ミサトが居なくなり、効率がかなり上がった実験観測室では、 通信をオープンにして、トウジの緊張を解くべく、リツコがやさしく、説明をしていた。

「つまり、エヴァとシンクロして、失った左足を動かす感覚を保てるの。
 それによって、左足の感覚も劣化しないから、その義足から、 クローニングして作った足になった時も、左足を動かす不安感とかが薄れるから、 ある意味、理想的なリハビリをしている事にもなるのよ。
 その結果、かなりスムーズにリハビリが進むの。
 つまり、シンクロ実験や訓練は、今後の貴方の為にもなるって事よ。
 だから、そんなに気負いを持たないで、楽にしていた方が良いわ」

『そ、そうでっか』

 なんとなく、分かったらしいトウジはそう言って頷いた。

「それから、前も言ったとおり、クローニングした足になり、 リハビリが済んで、私の許可が出るまで、激しい訓練とかは、エヴァに乗った時だけよ」

『あのオバハンに無理やり引っ張られた時はどないすれば・・・』

 不安そうにトウジはそう言った。

 実は、ミサトに大怪我を負わされて以来、既にトウジの中で、 ミサトは【美人なお姉さん】ではなく、【恐ろしいクソババァ】になっていた。

 因みに、リツコは【金髪のベッピンハン】、マヤは【少し年上の綺麗なお姉さん】となっている。

 当然、信頼度も、ミサトがこのネルフ内で一番低かった。

 そう、あのゲンドウよりもかなり低いのである。
(ゲンドウは【厳つい顔のおっさん】である)

 そして、トウジは、いまだ、ミサトが自分に命令をする作戦部長とは聞かされていない。

 いや、契約時に聞かされたかも知れないが、あの事件の所為で、忘れているのだろう。

 思い出したり、教えられたりしたら、無理でも逃げ出すかもしれないが・・・

「それも、大丈夫よ。
 確り、ガードがついているでしょ、彼らにもチャンと説明しているから」

 リツコは、トウジの映るモニターに微笑みながら、そう言った。

 事実、トウジの傍には、必ず、2人以上の保安部員がつく事になっており、 指示がない限り、ミサトを近付けないようになっている。

 それを聞いて、トウジは安心した。

「じゃぁ、シンクロ・テストを始めるわ。
 気を楽にしてくれていいから・・・」

 リツコがそう言って、トウジのシンクロ・テストが開始された。

「・・・実験開始」

 リツコの言葉で実験が始まった。

「第1次接続開始、主電源接続」

「稼動電圧臨界点を突破」

「フェイズ2に移行」

「パイロット零号機と接続開始、パルス及びハーモニクス正常、シンクロ問題無し」

「オールナーブリンク終了」

「絶対境界線まで後2.5」

「1.7」

「1.2」

「1.0」

「0.7」

「0.4」

「0.2」

「絶対境界線突破します」

「参号機起動しました」

 その報告で、あたらこちらから、安堵の息が漏れた。

 何せ、零号機の時は暴走、初号機に至っては、起動したかも怪しい状態だったからだ。

「では、引き続き連動試験に入ります」

 その時、内線が鳴り、リツコが内線の受話器を取った。

「何ですって!」

 そう言って、リツコは受話器を置いた。

「どうしたんですか?」

 マヤがリツコにそう訊いた。

「未確認飛行物体が、ここに接近中。
 どうやら、使徒らしいわ・・・
 テスト中断、総員第一種警戒体制!」

 リツコはテキパキと指示を出し始めると、同時に、使徒襲来を知らせる警報が鳴った。

 何気に司令や作戦部長より先に報告が来る辺り、 リツコ達に対する所員達の信頼度の違いが窺える。

「参号機はどうするんですか?」

 マヤが訊いてきた。

「彼は実機に、今日、初めて乗ったのよ。
 チャンと操れるかどうかも分からないのに、出せるわけがないでしょ。
 それに、相手はどんな攻撃を仕掛けてくるか分からない存在なのよ。
 なんにせよ、直ぐ降ろしてあげて」

 リツコはそう尤もな事を言った。

「そ、そうですね。
 先ずは偵察しなくちゃ、危なくて、何も出来ないですね」

 マヤが頷く様にそう言った。

 無論、周りの部員達も、頷き、急いで実験の解除作業を始める。

 だが、シンジの時は、何もせずに、無理やり載せて戦場に出した事を忘れたのであろうか・・・

 いや、もしかしたら、何もせずに打ち出した為、即やられてしまい、その命を失わせてしまった事で、 後悔し、そのような事が起こらない様に考えている為に、直ぐ思いついたかもしれない。

 本来、作戦部等の実際の戦闘には、関わりのない部署なのに・・・

「鈴原君、テストをいったん中止するわ。
 降りて、看護士の指示に従って、待機していて」

 マヤはそう言って、自分もシンクロ解除を始めようとした。

「マヤ、鈴原君や皆には悪いけど、ココは任せて、発令所にいくわよ。
 胸騒ぎがするの」

 だが、嫌な感じがしたリツコはマヤにそう言って、ドアの方に向かって歩いて行った。

 そう、先ほど、マヤですら、威力偵察の事を口に出したが、 果たして、ミサトがその事に気付くかどうかに、一抹どころではない不安を感じたのである。

「あ、はい、じゃぁ、お願いします」

 近くの同僚に、そう言って、マヤも席を立ち、リツコの後を追った。






 突然、使徒が現れたと言う報告が入り、発令所は大混乱中だった。

 とは言うものの、実は、今までの被害により、ネルフのレーダー関係がかなり能力低下して、 かなり狭い範囲でしか分からなくなっているのだ。

 勿論、修理しなければならないのだが・・・

 支部を潰して、ある程度の予算をプール出来たものの・・・

 国連から来る予算が大幅に減った事・・・

 追加予算が、全く望めない事・・・

 本来、その要請をしたり、計画を練って、書類を作成する作戦部長が、全くやっていない事・・・
(リツコに回すことも忘れている)

 普段だったら、腹心であった日向が変わりにやるのだが、某作戦部長を護る人身御供として、 生贄にした為、既にネルフにはいなかった事・・・

 更には、どうせ、国連から連絡が入るだろうと、某髭司令が高をくくっていた事・・・

 等などの悪?条件が重なり合い、かなりその範囲が狭まっていた。

 勿論、本来だったら、国連からくる使徒発見の連絡は、よほどの事がない限り、来ない。

 実はゲンドウが行った契約の所為で、優先権を与える代わりに、 国連軍及び戦自は、ネルフ、もしくは第十六独立連隊の要請がない限り、 余計な被害を出さない為にも、手出しをせず、無視するという事になっていた。

 勿論、第三新東京以外の日本国土で、何かしら被害が出たら、 優先権を持つのに、何もしなかったネルフが、全て補償する事にもなっていたりする。

 更に、そうなったら、即、第十六独立連隊が殲滅権を得る事にもなっている。

 尤も、今回は、幸か不幸か、使徒を素通りさせたので、何の被害も出なかったが・・・

 だが、退院後、この事を知った冬月は、何とか撤回させるか、 連絡だけでも入れてもらえるように、色々と手を回す事になる。

 そして、ゼーレの残り少ない力も使って交渉する事になり、 ゼーレも、ネルフも、その立場が、かなり不利になっていく事になるのであった。






 それはさておき、警報が鳴った途端、ミサトは執務室を飛び出し、発令所にやってきた。

 当然、有事の際だから、有耶無耶に出来ると思ったからだ。

「どうしたの?!」

「パターン青、使徒です!」

 ミサトの問いに、即座に、青葉の返事が返ってきた。

 まぁ、ある意味、条件反射であろう。

 つい、報告を丁寧?にしてしまった事で、青葉は舌打ちをしている。

 因みに、青葉の方が、ミサトより、階級が高い。

「セカンドは?!」

 ミサトは、元、日向が座っていた席に座っている別のオペレーターそう言った。

「今、弐号機にエントリーしました!」

 実は、作戦部の部員ではないのだが、そのオペレーターはそう答えた。

「シンクロ開始します!」

「弐号機起動!」

 てきぱきと、準備が進んでいく。

「いつでも出せるように、 その準備も平行して!」

 ミサトがそう指示を出し、オペレーター達は条件反射のように従って行く。

 かなり訓練されていた影響だろう。

 本当に、ネルフのオペレーター達は、使われる事に対しては優秀である。

 まぁ、そう言うのをゲンドウが選んだり、研修などの教育で教え込んだりしているのだが・・・

 だが、それだからこそ、悲劇を起こしやすいのである。

「弐号機、発進準備よし」

 同時に発令所のドアが開き、リツコとマヤが入ってきた。

『ミサト、作戦は、ど』

 通信が繋がり、アスカが作戦に関して聞こうとする。

 すると、ミサトはアスカを無視し、オペレーター達に即座に命令を発した。

「発進ッ!!」

「ちょ・・・」

 リツコが、慌てて、ミサトに声をかけようとするが・・・

 時、既に遅く、ミサトの号令と共に、弐号機が地上に向け射出された。

 それと同時に、第5使徒ラミエルの中央部を構成するスリット部分が輝きを増し始めた。

 モニターに表示される異常なエネルギー量を見た青葉が悲鳴に近い叫びを挙げる。

「目標内部に高エネルギー反応ッ!?」

 青葉があわててそう叫んだ。

「何ですって!!」

 ミサトが、使徒の映っているメインモニターを見る。

「円周部、加速!
 収束していきます!!」


「まさか!!
 加粒子砲!!」


 リツコがハッと叫ぶ。

 射出口のシャッターが開き、弐号機が姿を現す。

「ダメ!!
 避けて!!」


 モニターに向かって、ミサトが大声で叫ぶ。

『え? なぁ!!』

 しかし、当然、射出されたばかりで、弐号機は、 手も、肩も、足も、確りリフトに固定されている為、その場を動く事は出来ない。

 固定された所は、弐号機の動きを束縛しているので、 動くのもままならない為、直ぐに引きちぎる事は出来ない。

 そこに向かって、使徒が加粒子砲を撃つ。

 使徒から放たれた加粒子砲が、弐号機の前方に建つビルを一瞬で飴のように溶かし、 そのまま弐号機の胸部に命中した。

『ぎゃぁぁぁぁあおぅぇぇぇぇぇぇぇっ!?』

 ATフィールドで防御しているものの・・・

 その熱量で、エントリープラグ内のLCLが沸騰し、 気泡が立ちのぼる中、けたたましい警報音が鳴り響き・・・

 そして、即座にアスカの絶叫が発令所に詰める全職員の耳に届いた。

「あ、アスカァ〜〜〜」

 突然の事態に、ミサトは顔を蒼くして、叫び・・・

「何やっているの!
 避けなさい!
 この私が命令しているのよ!
 何で避けないの!」


 アスカに、的外れな命令を必死にする。

 リフトの拘束を解くか、下げればいいのだが、 発令所の面々は余りの事態に混乱し、何をしていいのか分からなくなっている。

「弐号機を戻して!
 その後、急いで神経接続を解除!
 早くッ!?」


 数秒、呆然としていたリツコが、慌てて叫ぶように命令を出す。

 神経接続が後なのは、ATフィールド関係による配慮だ。

 ミサトが、自分の事を棚に上げ、勝手に命令を出したリツコをキッと睨みつけるが・・・

「ダメです!
 レールが!」


 だが、使徒の加粒子砲の威力の所為でレールが曲がったのか、 その圧倒的な熱量で、回路も一部ショートしたのか、回収できない事態になっていた

 その言葉を聞き、リツコの指示が通らなかった事を知ると、ミサトはニヤリとするが・・・

「このままでは、弐号機ごとパイロットが!!」

 その絶望的言葉を聞き、顔を蒼くし、へたり込むミサト・・・

 早々に、アスカの命を諦めている。

 だが・・・・・・

「貴女は、即座に、後ろの武装ビルを緊急モードで下げなさい!
 ジオフロントに落としてもいいわ!  マヤ、急いで緊急神経接続を解除!
 青葉君は、同時に、エントリープラグ射出!
 後ろの武装ビルさえなければ、大丈夫なはずよ!」


 戻せない事を理解したリツコが、即座にマヤを始めとするオペレーター達に、 アスカの命を助ける為の的確な指示を出す。

 新しいオペレーターが、武装ビルを緊急モードで下げ、 マヤが即座に神経接続を解除し、 シゲルが、エントリープラグを射出させた。

 エントリープラグは、かなり離れた所に飛んで行き、 パラシュートで、ゆっくりと降りていく。

 ATフィールドが無くなった弐号機を貫き、 更に下がった武装ビルの後ろの地面に爆発を起こした所で、 使徒は加粒子砲を止めた。

「弐号機大破!」

「目標沈黙!」

 加粒子砲の威力の為か、後ろの支えがもろかった為か、幸いな事に弐号機は、 丁度コアの下の部分を貫かれ、上半身と下半身が分かれている。

 もう少し、角度が上だったら、コアも削られ、修復不可能になっていたであろう。

 それは、アスカにとって幸運だったのか、不幸だったのかは分からないが・・・

「アスカは?!」

 リツコが訊く。

「心音微弱、いえ、停止しました!」

 プラグから送信されるデータを見て、青葉がそう叫んだ。

 その結果を聞き、プラグ射出時に顔色が戻ったミサトの顔が、また蒼くなるが・・・

「心臓マッサージ!
 急いで!!」


 リツコが叫ぶ。

 席に着いたマヤが慌ててスイッチを押す。

 それと共に、アスカの体がそって、心音が回復する。

「反応ありません!」

「もう一度!
 パルスを確認するまで何度でもやりなさい!」


 リツコはそう叫んだ。

「パルス確認!!」

 数回目で、やっとアスカの心臓は再び動き出した。

 どこと無く、報告の声に歓喜の感情が入り混じっているようだ。

「生命維持装置を最大に!
 落下予測地点に救護班及び、回収班を直ぐに向かわせて!
 それと、近くの医療施設に連絡して!
 応急処置を頼んで!」


 更にリツコが指示を飛ばしていく。

 アスカの命が助かったと理解して、発令所から、安堵の声が漏れ出す。

 勿論、顔が蒼かったミサトも、顔色を戻し、ほっとするも・・・

 ある事に気付き、身体がワナワナと震えだした。

 そして、鬼のような形相をしつつ、リツコの方を向き、その襟首を掴む。

「リツコ!
 アンタ、なんで、勝手に指示を出しているのよ!」


「な、何を言っているの?
 ミサト・・・」

 その怒鳴り声にリツコは驚きつつも、そう言った。

 マヤが、慌てて、何所かに連絡を入れている。

「戦闘中の指揮権は作戦部長である私にあるのよ!
 それを無視して、何を勝手に!」


 ミサトが更にそう叫ぶ。

 リツコはそんなミサトを呆れた表情で、ミサトの瞳を見た。

「・・・(拙いわね、また暴走しているわ・・・)」

 ミサトの瞳には狂気の炎が灯っていた。

 実は、今までロクに指揮が執れず・・・

 使徒を倒した実績も、充足感も得られず・・・

 更に、あからさまに、邪魔者扱いされ・・・

 仕事が(自分の所為で)増えまくり・・・

 何事も上手くいかず、色々とストレスが溜まりまくり・・・

 それ故、ミサトは、当たれる理由や存在を見つけたら、 即座に反応し、行動する状態になっていたのだ。

 後先を全く考えずに・・・

 自分の中で、責任回避を行い、記憶を良い様に改善する為・・・

 その場の自分の精神安定を求める為だけに・・・

 そして、どこかに連絡を入れているマヤ以外、 事情があまり分かっていない、周りも、驚いた表情で、2人を見ている。

「貴女、そんな事を言っているの?
 本っ気でおめでたいわね」

 リツコはそう言い放った。

「な、なによ!
 なにが言いたいわけ!?」


 ミサトは手を振り上げながら、怒鳴った。

「あのね・・・
 落ち着いて、冷静に考えてみなさい」

「はぁ?!
 何、訳が分からない事を!」


 リツコの言葉に眉を顰めるミサト・・・

 完全に記憶の捏造、改竄をしようとしているようだ。

 だが、到着した保安部の猛者達が、リツコに対して、振り上げたミサトの腕を、 即座に掴み、リツコから引き離し、押さえ込んだ。

 因みに、マヤが呼んだらしい。

「な、何をするのよ!
 離しなさい!」


 押さえられながらも、ミサトが叫ぶ。

「ったく・・・ミサト、貴女、何を考えているの・・・」

「アンタが、指揮系統を無視し、
勝手に命令を出して、混乱させたから!」


 リツコを睨みながら、あくまでも、指揮系統のことを持ち出そうとするが・・・

「今、アスカが、どうなっているか、分からないの?」

 リツコがそう言った途端、ミサトの眼に浮かんでいた狂気の火が消え、落ち着いてきた。

 身体の力が抜けたので、保安部の猛者達は、ミサトを立たせる。

 勿論、両腕を押さえているが・・・

「な、何を誤魔化しているのよ!
 そんな事より!」


 理解してないのか、しようとしないのか、ミサトはそうのたまった。

「アスカは重傷よ。
 弐号機もね。
 おそらく、数ヶ月以上、作戦行動なんて、取れないわ。
 分かる?
 アスカは数ヶ月、戦えないの!
 使徒を倒してもいないのに!


「えぇっ!?
 何とかならないの?!
 ほら、弐号機は無理でも、零号機と参号機がまだあるでしょ!

 だから、ちゃちゃっと」

 トンでもないことを言い出すミサト・・・

「っ!・・・・・・
 いい加減にしなさい!」

 この状況を作り出した元凶の無責任極まりない言葉に、 クールさを信条とするリツコも流石にキレた。

「へ?」

「見なさい、アレを!
 作戦も牽制も無いまま、馬鹿みたいに使徒の正面に射出!
 その挙げ句、拘束を解かれる前に、弐号機が大破!」


 弐号機を指差す。

 その素体には大きな穴が開くどころか、完全に上半身と下半身が千切れていた。

 直撃は避けれたようだが、コアは本当に無事なのだろうかと疑いたくなるくらいだ。

「ミサト、アナタは、チルドレンを何だと思っているの!?
 生きているのよ、アスカも、鈴原くんも、エヴァも!
 怪我もするし、死にもする!

 アナタの都合で・・・
【はい、復活ぅ♪】
 なんて、気軽で、 即座に出来るゲームの架空のユニットじゃ無いのよ!!
 実際に死んでしまったら、終わりなのよ!」


 リツコが、今度は、押さえられているミサトの襟首を、右手で掴みつつ、そう叫んだ。

 ミサトにとっての都合の良い記憶改竄を行わせない為に・・・

 なにせ、そんな事をされたら、被害が、更に増えるのは目に見えている。

「・・・ア、アタシはっ!」

 それでも、反論しようとするが・・・

「葛城ミサト特務曹長・・・」

 司令所から、ゲンドウの冷たい声が響く。

「へ?・・・なんですか?」

 状況が掴めてないミサトは、呼ばれたと思い、ゲンドウのいる司令所の方を見る

「を即座に拘束、投獄しろ!!」

「なぁ!」

 ゲンドウの命令と共に、ミサトは、拘束具、手枷、足枷をつけられ、拘束されていく。

「な、なんで・・・・・・って」

 その時、ミサトは、初めて、発令所全体から白い目で見られている事に気付いた。

「な・・・何よ」

 冷や汗を流しつつ、ひるむミサト・・・

 とは言っても、半ば簀巻き状態にされているが・・・

 そんな事をやっていると・・・

「第十六独立連隊から、通信です」

 マヤがそう言った。

「(どう言う事だ?
 交渉人がココに来るのではないのか?
 これから来るという連絡か?)」

 ゲンドウは不思議に思った。

 無論、書類をロクに読んでいなかった。

「どうしますか?」

 マヤが、訊いてくる。

「つなげ」

 ゲンドウがそう言ったので、メインモニターに相手を映した。

 そして、画面に映った存在を見て、発令所の全員(一名除く)が硬直する。

 全員(一名除く)が、目を点にして、その存在を見ている。

 暫く硬直が続いていると・・・

『くわぁぁぁ〜〜〜〜〜っ!!!』

 その存在は、固まっている発令所の面々に活を入れるように、そう叫んだ。










To be continued...


(あとがき⇒悪あがき?)

 さぁ、ついに現れたネルフとの交渉人?(そっちかい)
 アスカは無事のようですが、弐号機はどうでしょうか?
 そして、ミサトの運命は?
 ゲンドウはいかにして、老人達を説得するのか?
 (ミサトを表舞台から消すようにと)
 それとも、庇わなければならないのか?
 (多分、そうだろうけど)
 いつ、老人達は補完計画をあきらめるのか・・・
 (いや、既に後戻りなんか出来ない状態だろうし)
 色々な問題?を残しつつ・・・続けないとね・・・σ(^_^;)アセアセ…



(ご要望に応えて、ながちゃん@管理人のコメント)

 ども、最近、引越しの荷造り作業に四苦八苦している管理人です。
 いやー、アスカ嬢もクソ女の所為で大変な目にあってますねぇー。
 これで彼女も、ミサトの無能さ加減が身に染みてわかったことでしょう。
 (それとも彼女には事実が歪められて伝えられ、まだまだ受難の日々が続くというのでしょうか?)
 さて、最後の最後で待望の交渉人が登場しましたね♪
 やはり同時通訳が必要な「あの方」なのでしょうか?(それはそれでネルフの神経を逆なでして大変グッドですが)
 これは次話が楽しみですねぇ〜♪(ネルフをコケにするシーンが目に浮かびます)
 最後に、最近特に思うのですが…なんか同じ毒電波を受信しているようで、脂汗ダラダラの管理人でした(爆)。

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