未来を切り開く者達

プロローグ

presented by トシ様





人気の無い公園のベンチで、小さな子供が泣いている。
傍らにはその子供の背丈には不釣合いな大きな旅行鞄があり、親の姿は何処にも見当たらない。親と思しき人は何処にも居らず、子供は2時間以上ずっと一人だ。
そう、この子供は親に捨てられたのだ。

「うええぇぇぇん、ぐすっ、うえっ、っく、うう・・・。お父さん、お母さん・・・っうう。」
ずっと泣いている子供の名前は碇シンジ。彼は3時間半ほど前に父親である碇ゲンドウに連れられてこの公園までやって来た。
普段は忙しいためほとんど遊んでもらえない父親と一緒に出かけられた為か、彼はずっと笑顔だった。
父親が遊んでくれる。
そんな思いに胸を膨らませていたのだが、その期待は公園に着きしばらくして裏切られた。
「ここでおとなしく待っていなさい。」
そう言われたシンジはおとなしくベンチに座って父親が帰って来るのを待っていたが、一向に帰ってくる気配がない。次第に不安になったシンジは「お父さん!」と叫びながら公園の中を歩き回ったが返事は無い。
そして1時間ほどして、ようやくシンジは自分の状況を悟った。
自分は捨てられたのだ、と。
それから2時間もの間シンジは泣き続けていた。本来ならこの後、ゲンドウが金で雇った人間が親戚を名乗りシンジを保護するはずだった。
だが、

「ねえ君、なんでこんな所で泣いているの?」

この時歴史は愚かな者達の手から離れ始めた。

「お姉ちゃん、誰・・・?」

神への階段を上ろうとする狂った老人達からも

「人に名前を聞くときは、まず自分から教えるものよ?」

妻に会いたいが為に人の道を外れた愚かな男からも

「・・・シンジ、碇シンジです。」

愚かな者達の手から離れた歴史は新たな担い手を求め

「シンジ君か。私はね・・・、」

神の御名を持つ一族にその歩みを託した。

「琴絵、御神琴絵って言うの。よろしくね、シンジ君。」

西暦2005年、すべてはここから始まる。



To be continued...

(2004.10.18 初版)
(2004.10.27 改訂一版)


(あとがき)

短すぎてすいません!あとがきはまとめて第一話の後で。



(ながちゃん@管理人のコメント)

トシ様より「未来を切り開く者達」のプロローグを頂きました。
このSSは、とらいあんぐるハート3とのクロス&本編再構成みたいです。
テレビでは最近、「リリカルなのは」の放映が始まったことだし、タイムリーなネタではありますね。
まだ幼いシンジ君が御神コトエなる人物に拾われて(?)、これからどんな成長を遂げてくれるのか楽しみです。
・・・やっぱ、小太刀二刀・御神流を仕込まれるのかな?(笑)
ちなみに、御神コトエって誰でしたっけ?(汗)原作にありました?オリキャラかな?(美由紀の母親ではないし・・・)
さあ、次話へと進みましょう♪


(ながちゃん@管理人のコメント in 改訂一版)

トシ様より改訂版を頂きましたので、差し替えました。
修正点は・・・人名をカタカナから漢字表記へと変えたことくらいでしょうか?
シナリオ自体には大きな変更はないようでしたので、今回、特にコメントはありません。
P.S.上述の御神コトエ(琴絵)という女性ですが、読者様の掲示板でのカキコで思い出しました(確認しました)。
いましたね、そういえば・・・(汗)。

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